エクスカリバーを破壊することの許可をもらってから数日間。夕麻ちゃん達にも手伝ってもらいながら、木場が出会った神父のフリードを捜索しているんだが、全く見つからずにいた。今日もフリードを探して色々と歩き回ってたんだけど、全く成果が得られなかった。
「今日も収穫なしか…」
「そうね、フリードは隠れるのが上手いから中々見つけるのは大変だわ」
全く成果が得られなかった俺達は、今日の捜索を打ち切って帰ろうとした時だった。
「上から何か来るぞ!!」
匙の叫びに全員で顔を上にあげると、上空から長剣を持った男…俺達が探していたフリードがエクスカリバーを構え降ってきた。俺達は直ぐにその場から飛び退き、フリードから少し距離をとって戦闘態勢に入った。
「あれれ〜?元上司のレイナーレとミッテルトじゃん!クソ悪魔の犬になっちゃったんですか〜」
「別に悪魔の犬になった訳じゃないわ」
「まあ、どっちにしろ!悪魔と仲良くなった裏切りくそビッチは、このエクスカリバーちゃんで殺してあげなくちゃね!」
「僕が相手だフリード!!」
夕麻ちゃん達を殺そうとフリードは動き出したが、木場が魔剣創造で一振の魔剣を即座に作り出し、フリードに斬りかかった。殺す気で斬りかかった木場の魔剣を、フリードは余裕の笑みを浮かべながら持っているエクスカリバーで受け止めた。
「伸びろラインよ!」
木場とフリードが鍔迫り合いをしている所に、匙が手の甲にカメレオンみたいな
「うぜぇっす!」
匙が右足に絡みつかせた触手に腹を立てたフリードが、手に持ってる聖剣で斬ろうとするが、右足にアニメ絡みつかせた触手は実体がないのかエクスカリバーに斬られることなく、すり抜ける。
「木場ぁ!これでそいつは逃げられないぜ!」
「ありがたい!」
木場が二振り目の魔剣を創り出しフリードを攻め立てる。
「チッ、めんどくせえっす!でも俺さまのエクスカリバーちゃんはイケメン君の魔剣じゃ──相手になりませんぜ!」
攻めていた木場の二振りの魔剣を、フリードがエクスカリバーで一閃すると、木場の両手の魔剣が無惨に砕け散った。
「木場!譲渡するか!」
「まだ、いけるよ!」
俺の讓渡を木場は断ると、即座に新たな魔剣を創り出してフリードに斬りかかった。だが、木場の魔剣はフリードの持つエクスカリバーに勝てず、木場の魔剣は砕かれた。どうにかして木場のサポートにどうやって回ろうかと悩んでいたら、突然俺の体が浮いた。俺の体が浮いたのは、小猫ちゃんが俺の体を持ち上げたからだ。
「行ってください…イッセー先輩」
「頑張ってねイッセー君!!」
「え、ちょ!うぉぉぉぉぉっ!小猫ちゃぁぁん!夕麻ちゃぁぁん!」
夕麻の可愛いエールが送られると、小猫ちゃんが木場に向けて力いっぱい俺を投げ飛ばした。小猫ちゃんに投げ飛ばされた俺は、やけくそになりながら木場に手を伸ばした。
「木場ぁぁぁ!譲渡するからなぁぁぁ!」
「うわっ!イッセーくん!」
木場の手前で止まることなく、俺は木場を巻き込んで思いっきりぶつかって倒れた。だけど、木場を巻き込んで倒れたお陰で、ちゃんと力を讓渡することが出来た。
「…もらった以上使うしかない。魔剣創造!」
周囲から魔剣が現れ、辺りの魔剣と騎士の特性を利用したスピードを利用して、木場は凄い速度で縦横無尽に動き回った。
「うっは!これは面白いサーカス芸だね!この腐れ悪魔がぁぁ!」
様々なところから飛んでくる魔剣を、フリードは楽しそうに笑いながら打ち落としていく。フリードに動きを見切られた木場はエクスカリバーで斬られそうになった。
「ダメか!」
「はっ!じゃあ死ね!」
「やらせるかよ!」
「やらせない(っす)!!」
フリードに斬られそうな木場を、匙が触手を引いてフリードの体制を崩し、夕麻ちゃんとミッテちゃんが光の槍をフリードに投げた。フリードは匙に体制を崩されたが、体制を崩した状態でも夕麻ちゃんとミッテちゃんが放った光の槍をエクスカリバーで薙ぎ払った。
「クソ悪魔達といい連携を取りますね〜。それにこの触手から何か吸われるんすけど、これなんすか?」
「へっ!俺の黒い龍脈はお前の力をぶっ倒れるまで吸い続けるんだよ!」
「木場!とりあえず今は先にフリードを倒すぞ!エクスカリバーの問題は後にした方がいい!」
「不本意だけどそうするよ!」
「ほう…魔剣創造か使い手の技量しだいでは無類の力を発揮する神器だな」
木場がフリードに斬りかかろうと動いた時、第三者の声が聞こえた。視線を向ければ神父の格好をした太っている胡散臭そうな爺さんがたっていた。木場が爺さんを見ると、一瞬目を見開いて驚いていた。
「……バルパー・ガリレイッ!」
「フリード何をしている。そんなラインなど聖剣の因子を使えば簡単に切れるだろう」
「へいへい!」
フリードが爺さんの言う通りに聖剣の因子?を使ったら、さっきまでは斬れなかった匙の触手をいとも簡単に斬り落とした。匙の触手から開放されたフリードを全員で更に警戒しながら、ブーステッド・ギアの倍加をスタートした。
「見つけたぞフリード!バルパー・ガリレイ!」
フリードと睨み合っていたら、俺達の背後からゼノヴィアが現れて、フリードと切り結んだ。この場に来たのはゼノヴィアだけで無く、ゼノヴィアより少しだけ遅れてイリナがやって来た。
「ヤッホー、イッセーくん!」
「イリナ!」
ゼノヴィアとイリナが来たことによって、8対2という圧倒的に有利な状況になった。
「おっと、バルパーのじいさん!撤退だ!」
「致し方あるまい」
「あばよ!教会と悪魔+クソビッチの連合軍がっ!」
フリードが懐から取り出した閃光弾を地面に強く叩きつけ、閃光弾から強い光が俺たちの視界を奪った。閃光弾の強い光のせいで何も見えず、視力が回復した頃には二人の姿はなかった。
「追うぞ、イリナ!」
「うん」
「僕も追わせてもらう!」
ゼノヴィア、イリナ、木場がフリードとバルパー・ガリレイを追ってその場から駆け出した。俺達も後を追おうとして駆け出そうとした時だった…。
「「何をしているのかしらイッセー(匙)?」」
体から魔力を垂れ流して、100点満点の笑顔をしている部長と生徒会長が居た。部長達に名前を呼ばれただけなのに、俺と匙は自然とその場で正座をした。これから落とされるであろう雷を回避しようと小猫ちゃんと夕麻ちゃん達に助けを求めたけど、小猫ちゃんはお説教を免除され、夕麻ちゃん達は五条先生から頼まれたから仕方なくという事でお咎めは無かった。
「さて、覚悟は良いかしらイッセー?」
「覚悟は出来てますか匙?」
「「主に何も言わずに行動した罰として、お尻100叩き(よ)(です)!」」
俺と匙は…魔力を纏わせた手で尻を思いっきり叩かれた。俺達が尻を叩かれている姿を朱乃さんは笑顔で動画で撮影して、京都から帰ってくる五条先生に見せるなんて言い出した。五条先生に見せたらからかわれると本能的に察した俺達は、朱乃さんからスマホを取り上げようとしたけど…部長達に動いたから最初っからやり直すと言われ、尻が破壊されそうになった。
○
尻が死んだ日の夜。
父さんと母さんは部長がプレゼントした温泉旅行に行っていて、家には俺と部長とアーシアの3人だけだった。部長とアーシアが裸エプロンで晩飯を作っている後ろ姿を眺めていたら、家の前から俺でも分かるほどの強い気配を感じた。
俺と部長が急いで外へ出ると、そこにはフリードと強面の堕天使が居た。
「初めましてグレモリー家の娘よ」
「ご機嫌よう墜ちた天使の幹部コカビエル」
「コカビエル!?マジですか!?」
俺達の目の前に今回の事件を引き起こした首謀者が現れて、驚きのあまりに間抜けな声を上げてしまった。
「こいつは土産だ」
コカビエルは俺のリアクションに何も気にせず、ここに来てから両手で持っていたものを投げ渡してきた。コカビエルが投げ渡してきたものを両手でキャッチすると、それはボロボロになったイリナだった
「イリナ!?」
俺の腕の中に居るイリナから微かに呼吸をしている音が聞こえ、死んで無かったことに安堵した。俺は急いでアーシアにイリナの治療を頼み、部長の横に立ちコカビエルとフリードを睨みつけた。
「手土産を持ってきて、目的は何なのかしら?」
「お前の根城の駒王学園で暴れさせてやろうと思ってな」
「何ですって!!」
「俺は三つどもえの戦争が終わってから退屈で仕方なかった!!だから魔王サーゼクスの妹の根城で暴れてやるんだよ!!楽しめそうだろ?」
凶悪的なコカビエルの笑みに、俺は言葉1つ発せずにいた。戦争なんてやらせねぇと言おうとした時、コカビエルは更に凶悪的な笑みを浮かべながら口を開いた。
「五条翔がこの街に居ない事は把握している。ククッ…この街が破壊された後、戻ってきた奴がどんな顔をするのか楽しみだ──行くぞフリード」
「はいな!!ボス!!」
コカビエルがそう言うと、あの時と同じ様にフリードは閃光弾を地面に叩きつけ、閃光弾を発光させた。閃光弾でしばらく何も見えず、視界が戻った頃には二人はいなくなっていた。
「この街でコカビエルの好きにはさせないわ!駒王学園へ行くわよ!イッセー!アーシア!」
「「はい!部長!」」
俺達はこの街を守る為に、コカビエルが居る駒王学園へ向かった。
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