無限を操る教師   作:星天さん

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第十話 みんなの思い

イリナの治療をしてから俺達はコカビエル達を止める為に、夜の駒王学園前に来ていた。夜の駒王学園前に来ているのは俺、アーシア、部長だけで無く、朱乃さんや小猫ちゃん、生徒会メンバーも来てくれていた。

 

「我々、生徒会が結界を張って被害は抑えます」

 

「ありがとうソーナ。コカビエルは私たちがなんとかするわ」

 

生徒会メンバーが外への被害を抑える為に結界を貼ってもらえる事になり、木場は居ないけど俺達オカルト研究部は暴れようとしているコカビエルを倒しに行く事になった。

 

「みんな!これはフェニックス戦と違い死戦よ…でも死ぬ事は許さないわ!必ず生きて帰り、みんなで学園に通うわよ!!」

 

「「「「はい!!」」」

 

「ミッテルト、カラワーナ、ドーナシーク…私達は任された役目の為にコカビエル様に挑む事になるわ。私に着いてくる覚悟はあるかしら?」

 

「「「覚悟は出来ています!!」」」

 

俺達オカルト研究部は部長の言葉に、堕天使組は夕麻の一声に気合いが入った。部長と夕麻ちゃんを先頭に、俺達は戦いの舞台である駒王学園に入った。駒王学園の敷地内に入ると、駒王学園を囲うように結界が貼られた。そのまま歩き続け校庭に出ると、地面に術式が浮かび上がっていた。浮かび上がっている術式の上には4本の聖剣が浮いていた。

 

「おい!エクスカリバーで何をする気だ!!」

 

「4本の聖剣を1つにするのだよ」

 

俺の問いにバルパーがそう答えると、コカビエルが俺達を見て口を開いた。

 

「よく来たな、悪魔諸君──そして、堕天使の恥さらし共。恥さらし共は後で殺すとして…サーゼクスは来るのか?それともセラフォルーか?」

 

「コカビエル!!お兄様とレヴィアタン様の代わりに私たちが…」

 

部長がサーゼクス様、まだ見ぬレヴィアタン様の代わりに戦いに来たと言いかけた時、コカビエルが光の槍を作り出し体育館へと投げた。コカビエルが作り出した光の槍が体育館へ直撃すると、体育館は爆発し木っ端微塵に破壊された。

 

「つまらないな。まあ、余興にはなるか?悪魔諸君には俺のペットと遊んでもらおうか。恥さらし共の相手は俺が直々に殺してやろう」

 

「ここ数ヶ月…私達は遊んで暮らしていたわけじゃないわ!鬼畜と呼んでも良いくらいの修業をしてきたのよ!今、鬼畜な修業の成果を試すわよ!」

 

「「「はい!レイナーレ様!!」」」

 

コカビエルが指を鳴らすと闇夜の奥から三つの首を持つ化け物が現れた。俺達悪魔組は三つ首の化け物、夕麻ちゃん達はコカビエルと戦う事になった。

 

「ケルベロス…」

 

「部長!ケルベロスってあのケルベロスですか!?」

 

「そうよ…。ギリシャ神話の冥府の神・ハデスのペットであるケルベロスよ。でも、やるしかないわ!今回はあなたにサポートをお願いするわ!」

 

「了解です!」

 

部長からサポートに回るように指示をもらい、俺はブーステッドギアの倍加をスタートさせた。

 

「ガァァァァァッ!」

 

「朱乃!」

 

「甘いですわ!」

 

ケルベロスが吠えながら吐いた炎を、朱乃さんが瞬時に魔法で凍らせた。

 

「くらいなさい!」

 

そして我が部長がすぐさまに滅びの魔力をケルベロスにぶつけようとするが、違う首からの炎で防がれた。

 

「…隙あり」

 

三つ首をどうやって攻略しようかと考えていたら、横から来た小猫ちゃんがケルベロスのわき腹を殴り飛ばした。小猫ちゃんの攻撃を食らってケルベロスは立てなくなり、勝ちを確信した時だった。

 

「グルルルルル!」

 

ケルベロスは一体だけではなく、二匹だった。

しかも二匹目のケルベロスが非戦闘員であり、回復要員のアーシアに襲いかかろうとしていた。俺は直ぐにアーシアの元へ向かい、アーシアを庇うために前に立った。アーシアの前に立ったはいいが、ケルベロスをどうやって倒せばいいのかと考えていたら、突然ケルベロスの首が一つ宙にまった。

 

「加勢にきたぞ」

 

俺の目の前に現れたのは、長剣のエクスカリバーを振るう少女、ゼノヴィアだった。

 

「聖剣の一撃。魔物には無類の威力を与える」

 

ゼノヴィアはケルベロスの胴体を斬りさき、倒れこんでくるところにトドメをさした。アーシアを狙ったケルベロスをゼノヴィアが倒し終わると同時に、ずっとカウントをスタートさせていた倍加が溜まって、讓渡する準備が整った。

俺は直ぐに部長と朱乃さんに触れて、力を讓渡した。

 

「部長!朱乃さん!力がたまりました!今から二人に譲渡します!」

 

「ありがとうイッセー!行くわよ朱乃!」

 

「はい!天雷よ!鳴り響け!」

 

朱乃さんが指で雷を操る。小猫ちゃんの攻撃を食らって立てなくなったケルベロスは雷を感じて逃げようとするが…

 

「逃がさないよ!魔剣創造!」

 

地面から無数の魔剣が現れケルベロスを貫いた。めっちゃグッドなタイミングで木場が現れ、無数の魔剣を作り出してケルベロスを串刺しにした。そして動けなくなったケルベロスに朱乃さんの高威力の雷が直撃した。

 

「グオオオオオオオオッ…」

 

朱乃さんの雷がケルベロスへ直撃すると、ケルベロスは煙を体から上げながら倒れた。倒れたケルベロスはピクリとも動かなくなり、ようやく全てのケルベロスを倒す事に成功した。ケルベロスを倒し、木場とゼノヴィアにフリードを任せて俺達はコカビエルと戦っている夕麻ちゃん達を援護しようとした時だった…。

コカビエルと戦っていた夕麻ちゃん達が降ってきて、地面に激突した。

 

「夕麻ちゃん!!」

 

俺は倒れている夕麻ちゃんの元にアーシアを連れて駆けつけ、夕麻ちゃんを抱き起こした。抱き起こした夕麻ちゃんの体は所々から血を流していた。

 

「ふん、つまらんな。中級レベルだから少しは期待したんだが…期待外れだ」

 

「ごめんねイッセー君…」

 

「今は喋らなくていいから!」

 

「レイナーレ様もミッテちゃんや皆さんの傷を治しますので待っていてください!」

 

夕麻ちゃん、ミッテちゃん、カラワーナさん、ドーナシークさん達を1箇所に集めてアーシアに治療を任せ、俺は部長の横に立ち、コカビエルを見上げた。

 

「くらいなさい!コカビエルッ!」

 

部長がコカビエルに向けて滅びの魔力を放った。

部長が放った滅びの魔力は俺が力を讓渡した事でバカでかくなり、今まで見た中で高威力だった。これならコカビエルを消し飛ばせると確信した時だった。

 

「フッ」

 

コカビエルは部長の放った高威力の滅びの魔力を避ける事無く、片手で滅びの魔力を受け止めた。滅びの魔力を片手で受け止めたコカビエルは滅びの魔力をグラウンドに落とし、グラウンドには大きな穴が空いた。

 

「面白い…。ここまで力があがるのか。余興には充分になりそうだ」

 

「完成だ、エクスカリバーが一つになる」

 

「ほう、それがか。それと下の術式も完成だ。あと半刻ほどで町が崩壊するだろう」

 

俺達がケルベロスやコカビエルに気を取られている間に、エクスカリバーを1つにする儀式が終わってしまった。しかも儀式のおまけ付きで、あと三十分でこの町を崩壊させる術式を作らせてしまった。

 

「フリード!エクスカリバーを使って戦ってみろ余興だ」

 

「はいな!まったくボスは人づかいがあらいねぇ」

 

「バルパー・ガリレイ!!僕は…僕は聖剣計画の生き残りだ!」

 

「ほう、数奇なものだな。お前たちのおかげで私の研究は完成したよ」

 

「完成?僕たちは処分されたはずだ」

 

確かに…木場の話を聞いた感じだったら、聖剣計画は失敗に終わった筈だ。失敗に終わった筈の聖剣計画がどうして完成しているのか、疑問に思っているとバルパー・ガリレイがニヤリと笑みを浮かべながら口を開いた。

 

「聖剣を使うには因子が必要だ、被験者たちはそれぞれが微量な因子を持っていた。私は因子だけを集めることはできないかと思ってね」

 

「お前は…お前は!同志たちを殺して因子を抜いたのか!」

 

木場が殺気をこめた目でバルパー・ガリレイを睨みつける。

 

「そうだ、これがそのときのものだ。もう必要ないから貴様にくれてやろう」

 

バルパーは懐から聖剣の因子の結晶を取り出し、怒りに震えている木場へ投げ捨てた。投げ捨てられた聖剣の因子の結晶は、コロコロ転がり木場の足元に行く。

 

「皆…」

 

木場は地面に膝をつき、転がってきた聖剣の因子の結晶を拾い、涙を流しながら聖剣の因子の結晶を愛おしそうに、哀しそうに、懐かしむように撫でた。大事に撫でていた時、結晶が輝きだして木場のまわりに青白く輝く少年少女たちが現れた。

 

「皆…。僕は…僕はッ!」

 

馬鹿な俺でも分かる、あれは聖剣計画で処分された者達の魂である事を…。

 

「…ずっと、ずっと、思ってたんだ!僕だけが生きていていいのかって!僕よりも生きたいと思った子がいた、僕よりも夢をもった子がいた!だから…だから!」

 

霊魂の少年少女達に木場は叫ぶように自分を責めていた。自分を責めていた木場に一人少年が近づき、何かを伝えた。木場は少年から何かを聞いて、相貌から涙を流した。

そして、木場と霊魂の少年少女達は何かを口ずさみ始めた。

 

「これは…聖歌」

 

アーシアが木場達が口ずさみ始めたのが聖歌だと言った。

よーく聞くと確かに聖歌だったが、木場や少年少女たちが口ずさむリズミカルな聖歌を聴いても頭が痛くなったりダメージが一切起こらなかった。

 

「僕らは一人ではだめだった」

 

「私たちでは聖剣の因子が足りなかった」

 

「聖剣を受け入れるんだ」

 

「怖くなんてない」

 

「神がいなくても」

 

「僕たちの心はいつだって」

 

「「「「一つだ!!」」」」

 

霊魂の少年少女達が一つの大きな光となって、優しく神々しい光が木場を包みこむ。聖剣計画で犠牲になった少年少女達が、木場へ何かを託そうとする場面に、自然と涙を流して泣きそうになった。

 

『相棒…』

 

めちゃくちゃ感動な場面を見ていた俺に、何時もの声色でドライグが話しかけてきた。

 

『あの騎士は至った。禁手だ』

 

「僕は剣になる!僕の想いに応えてくれっ!魔剣創造!」

 

木場の手には禍々しいオーラと神々しいオーラに包まれた一つの剣が現れる。

 

「禁手、双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)。聖と魔を有する力、聖魔剣をその身で受け止めるがいい!!」

 

ドライグの言う通りに、木場は禁手に至った様だ。今の俺でも、木場がかなりレベルアップしているとハッキリ分かる。禁手に至った木場は、騎士の特性のスピードをいかしてフリードに斬りかかった。木場のスピードは今までを凌駕するほどの速度で移動し、俺や部長でも今の木場の速さを見切れなかった。

 

「ッ!本家を凌駕すんのか!その駄剣が⁈」

 

聖と魔という両極の力を持つ剣…聖魔剣で斬りかかるが、フリードはエクスカリバーで木場の聖魔剣を防いだ。

 

「そのまま、抑えておけ!」

 

木場とフリードが鍔迫り合いをしている横から、ゼノヴィアが介入してくる。ゼノヴィアは左手に聖剣を持ち、右手を掲げると魔法陣が展開した。ゼノヴィアが展開した魔法陣から鎖で雁字搦めになっている、神聖な気配を持つ剣が現れた。

 

「ペトロ、パシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ私の声に耳を傾けてくれ。この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。デュランダル!」

 

鎖で雁字搦めになっていた剣は、ゲームとかで何度か聞いた事があるデュランダルって言う最強の武器だった!!まさかの伝説の武器の登場に驚きを隠せなかった。

 

「マジですかぁぁぁぁ!そんな展開ありですかぁぁぁ!」

 

フリードも俺と同じだったらしく、驚きのあまりに奇声を発していた。ゼノヴィアはデュランダルでフリードへ斬りかかるが、フリードはエクスカリバーでデュランダルの一撃を防いだ。だが、デュランダルを防いで隙が出来たフリードに、木場が詰め寄る。

 

そして────木場の聖魔剣によって、エクスカリバーが砕かれ斬られたフリードが倒れこむ。

 

「見ていてくれたかい?僕らの力はエクスカリバーを超えたよ」

 

「聖魔剣だと…?ありえない反発するものが混ざり合うなど…。まさか⁈魔王だけでなく神も…」

 

木場の聖魔剣を見ていたバルパーが何かを思いついたのかブツブツと独り言を呟いていた時、バルパーの胸に光の槍が突き刺さる。

 

「バルパー、お前は優秀だったよ。だがもう必要はない。赤龍帝、倍加させた力をあげて誰かに譲渡しろ」

 

「私たちにチャンスを与えるとでも言うの!ふざけないで!!」

 

コカビエルの言葉に部長が激昂する。怒りを顕にしている部長に対してコカビエルは退屈そうに俺達を見ていた。

 

「部長、力がたまりました!」

 

「行くわよイッセー!」

 

「はい!部長!」

 

力を讓渡する為に部長と俺は手を繋いだ。さっきも触ったけど、部長の手がめっちゃスベスベのモチモチで何時までも手を繋いで居たいと思った。部長へ力の讓渡が済むと、部長の魔力が膨大になった。

 

「フハハハハハハッ!いいぞリアス・グレモリー!もう少しで魔王クラスだ!」

 

力が上がっていく部長を、コカビエルは心底喜びながら笑っていた。そんなに戦争がしたいのかよテメェは!!

 

「消しとべぇぇぇ!」

 

部長が滅びの魔力を放つと、コカビエルは片手では無く両手で受け止めた。

 

「ぬぅぅぅぅぅんっ!」

 

またしてもコカビエルは部長が放った滅びの魔力を防いだ。コカビエルは両手から血を流してるが、表情は相変わらずの狂気じみた笑みを浮かべて余裕そうにしていた。

 

「雷よ!」

 

「俺の邪魔するか!バラキエルの力を宿すものよ」

 

「その名を…口にするな!!」

 

朱乃さんが雷をコカビエルに向けて放つが、コカビエルは朱乃さんの雷を翼でいなした。コカビエルが「バラキエル」って言葉を言ったことにより激昂する朱乃さん。何度も雷を連発するがどれも翼で防がれてしまう。

 

「私達が居ることも忘れないで欲しいわ!!」

 

「レイナーレ様に続くっすよ!!」

 

アーシアの治療で回復した夕麻ちゃん達も、コカビエルに攻撃を仕掛けた。四人で連携を取りながら光の槍で攻撃を仕掛けるが、コカビエルに攻撃が通らず、四人は校舎に叩きつけられた。

 

「「シッ!」」

 

木場とゼノヴィアがコカビエルへ同時に斬りかかった

 

「ほう!聖魔剣とデュランダルか!面白い!」

 

コカビエルは両手に光の剣を生み出し、木場とゼノヴィアが繰り出す全ての斬撃をいなしていく。禁手に至った木場やデュランダルを持つゼノヴィアよりコカビエルが強いとわかった…

 

「…そこ!」

 

「甘い!」

 

木場とゼノヴィアを相手にしているコカビエルを、小猫ちゃんが後ろから殴りかかるが、小猫ちゃんを翼で切り刻む。

 

「コカビエル!」

 

俺もコカビエルの隙をみて殴りかかる。

 

「弱い!」

 

「がっ!」

 

俺の攻撃は見ずにかわされ、腹に強い蹴りを貰って吹き飛ばされた。痛む腹を押さえながら、俺はコカビエルを見上げた。あと少しでこの町を崩壊させる術式を止めるには旧約聖書に載るほどの化け物を倒さなくちゃならない。

 

「しかし、神もなくしてまでお前たちはよく戦う」

 

「どういうことかしら?」

 

「ハハハハハハッ!そうか知らなかったなそういえば!先の大戦で魔王だけでなく神も死んだのさ!」

 

コカビエルが顔を歪ませながら俺たちに告げる。

先の大戦で先代の魔王だけで無く、アーシアや教会が信じて崇拝していた聖書の神が死んだ事を笑いながら告げた。

 

「ウソだ…ウソだ…」

 

離れたところでゼノヴィアが、デュランダルを手放して倒れこむ。教会陣営のゼノヴィアがショックで倒れ、俺は直ぐにアーシアに視線を向けた。視線を向けた先に居るアーシアは、虚ろな目になりながら地面に膝をついた。

 

「そんな、主がいない…?では私たちに与えられる愛は…」

 

「アーシア、アーシア!しっかりしろ!」

 

「俺は戦争を始める!堕天使が最強だと全陣営に示す!」

 

聖書の神が死んだ事を伝えられ、アーシア、ゼノヴィアはショックから立ち直れずにいた。戦力だったゼノヴィアが倒れたことによって、俺達の戦力が下がった。

 

「…まだです!」

 

「小猫ちゃん!」

 

誰も動けない中、コカビエルに向かって小猫ちゃんが突っ込んだ。一人で突っ込み、小猫ちゃんがコカビエルへ攻撃を仕掛けるが、全ての攻撃を翼でいなされていた。

 

「つまらん」

 

コカビエルは翼を使い、小猫ちゃんを吹き飛ばした。そして、吹き飛ばした小猫ちゃんに向けて光の剣を投擲した。

 

「小猫⁈」

 

部長も小猫ちゃんに向かって叫んだ。

小猫ちゃん受身が取れずに、地面に叩きつけられると同時に、投擲した光の剣によって小猫ちゃんのいたところが爆発し煙に包まれる。

 

「よくも、小猫を!」

 

「テメェ!コカビエル!」

 

「フハハハハハハッ!さぁ、次はだれだ?」

 

大事な後輩を傷つけたコカビエルに、部長、朱乃さんと共に攻撃を仕掛けようと動こうとした時──────。

 

「何か…学校が凄い事になってるね〜」

 

俺達の後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。

聞こえてきた声の主を見ようと後ろを振り返ると、コカビエルにやられたと思った小猫ちゃんをお姫様抱っこをしている五条先生が立っていた。五条先生の隣には朱乃さんにそっくりな、巫女服を着た巨乳の女性が居た。

 

「京都に居る筈のお前が何故ここに居る!!」

 

「可愛い生徒達の危機を救ってあげようと参上したんだよ…さて、レイナーレ達を回収するか」

 

五条先生がそういうと、一瞬で目の前から消えた。

五条先生が目の前から消えたら、今度は生徒会メンバーが貼っていた結界が突然消えた。生徒会メンバーに何が起こったのか心配していると、生徒会メンバーが俺達の元にやってきた。

 

「ソーナ?貴女、結界はどうしたの?」

 

「それが、五条先生が結界を貼ってくださると言って」

 

「そうそう!グレートティーチャー五条翔の戦っている姿なんて中々お目にかかれないから見せておこうと思ってね!」

 

夕麻ちゃん達を抱えた五条先生が突然部長達の横に現れ、生徒会メンバーが結界を解いた理由を話した。

抱えていた夕麻ちゃん達を地面に下ろすと、五条先生が朱乃さんそっくりな女性に何かを言ってから、懐から大きな杭を取り出して地面に刺して踏みつけた。

 

──闇よりいでて闇より黒く…

 

──その穢れを禊ぎ祓え…

 

教会組との模擬戦の時に使った結界呪文だ。

五条先生が呪文を唱え終わると、空に黒い幕みたいなのが現れたが…黒い幕が学園を覆い終わると──景色が朝に変わっていた。

 

「え、な、何で朝に!?」

 

「何か気分的に朝にしてみたかったんだよね!」

 

五条先生の事がますます分からなくなった…。

結界って朝昼晩って自由に変えられるものだっけ?部長や朱乃さん、生徒会メンバーの方を見るが、全員が首を横に振った。

 

「あとは任せたよ朱雀〜」

 

「大丈夫だとは思いますが気をつけてください」

 

「大丈夫、大丈夫!僕、最強だからね!」

 

五条先生は目の前から消えた。

次に五条先生が視界に入ったのは、翼が無いのにコカビエルと同じ高さの所で浮いていた。




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