「冗談じゃないわ!!」
部室に顔を出そうと部室に足を踏み入れたら、眉を吊り上げて不機嫌な様子のリアスが大きな怒声で僕を迎えてくれた。大きな怒声の後に僕が部室に入った事に気がついたリアスが直ぐに謝ってきた。リアスが僕に対して言っていない事は分かっているから気にしなくていいと伝え、リアスは何に対して怒っているのかを聞いた。
なんでも、一誠を贔屓してくれていた契約者がアザゼルだったらしく、悪魔家業の営業妨害をされ、一誠を狙った事に腹が立っていたみたいだ。
「私のイッセーに手を出そうとするなんて!きっと神器が目当てね!大丈夫、私が守るわイッセー!」
「やっぱ、俺の神器を狙ってんのかな?」
「アザゼル様は争い事をするより神器を集めるのが好きなコレクターだから、もしかしたら一誠君の赤龍帝の篭手が気になって見に来たかもしれないわ…」
「理由がなんであれ大丈夫だよ、イッセー君…。僕が絶対に君を守るから!」
「いや、その…嬉しいよ?でも、男に真顔ではちょっと…」
コカビエルの一件から祐斗の一誠へ向ける感情に変化が現れた。一誠は祐斗の変化に気づいていなかったようだけど、以前の一誠へ向ける視線の熱が明らかに違う。前の祐斗が一誠へ向ける視線は部活メイトって感じだけど、今では女子が気になる男子を見ているような視線に変わった。
「真顔で言うに決まってるじゃないか。大丈夫、問題ないよイッセー君!!僕と君の力が合わされば越えられない壁はないよ!!ふふ…、こんな熱いことを言うタイプじゃなかったんだけどね。なんでだろうね?イッセー君…何故か胸のあたりが熱いんだ」
「今の気持ちを大事にしなよ祐斗?今感じている気持ちは祐斗にとってかけがえのないものになるから…」
「その…一誠君がそっちの道へ行っても気にしないから!!」
「辞めてくれよ五条先生、夕麻ちゃん!!俺はホモになる予定は無いですから!!それに木場!!俺より五条先生が良いと思うぞ!イケメンで何時も優しいが時に厳しく接する五条先生の方が良いと思うぞ!!」
「残念でした一誠!そういうキャラは既に一人確定している子が居るから定員オーバーで無理で〜す!」
一誠を弄っていたら扉の方から覚えのある気配がして、扉の方に視線だけ向けたらサーゼクスとルキフグス姉妹が居た。リアス達はサーゼクスが居る事に気づいている様子は無く、サーゼクスが居る事を教えてあげようとしたら、サーゼクスが首を横に振って教えなくていいと合図を送ってきたから黙っている事にした。
○
「アザゼルは昔からそう言う男だよ」
サーゼクスの声が部室に響き渡ると、翔を除いた全員がサーゼクスの声が聞こえた方へ視線を向けた。サーゼクス、ルキフグス姉妹を見た夕麻とミッテルトは顔が真っ青になり、ビクビクと怯えだしたが翔が一声を二人に掛けたお陰で落ち着きを取り戻した。
「お、お、お兄さま⁈」
リアスもサーゼクスが突然やって来た事に驚き、一誠、アーシア、ゼノヴィア以外のリアス眷属はサーゼクスに跪いた。三人は自分達以外が跪いた事にオロオロとしたが、直ぐに他の眷属と同じように跪いた。
「今日はプライベートで来ているから楽にして構わないよ」
「お兄さま…。どうしてここへ?」
訝しげにリアスがサーぜクスにここへ来た理由を尋ねた。
「何を言っている。授業参観が近いだろう?可愛い妹が勉学に励んでいる姿を見られるんだ、私も参加しようと思ってね」
「レイラとグレイフィアね!!お兄さまに授業参観があるのを伝えたのは!?」
「はい。私はスケジュールを任せられているので…」
「し、しかし!!魔王が一悪魔を特別視するのは…」
「いやいや、これは仕事でもあるんだよ?近々、ここで三すくみの会談があるんだ。それの下見もかねてね」
サーゼクスはリアスの授業参観を見るだけでなく、三大勢力の会議を駒王学園で行う為、下見をすると言った。サーゼクスはリアスの疑問を答えてから、ソファーに座って朱乃が淹れた紅茶を呑気に飲んでいる翔に視線を向けた。
「翔にもコカビエルが起こした事件解決の当事者として会議に出てもらいたいんだけど良いかな?勿論、翔の会議への参加希望を日本神話に伝えるよ?」
「ん?出るつもりだよ?天照様達から三大勢力への言葉を預かってるし、僕自身も言いたいことがあるから参加するよ!」
三大勢力の会議に翔から出席すると宣言した。
サーゼクスは翔の返事を聞いて、少し不安になりながらも喜び、会議とは別の話題を振って暫くオカルト研究部の部室に入り浸った。
○
サーゼクスが来た日の夕方…。
三大勢力の会議に出席が決まり、サーゼクスからあるお願い事を頼まれてから生徒指導室へ仕事をやりに戻った。仕事を片付け終わったら、いつの間にか日が傾いていた。仕事を終わらせた僕は帰り支度をして、生徒指導室を出て校門へ向かった。校門へ近づいていくと、校門付近でグレイフィアが僕を待ってくれていた。
「待たせて悪いねグレイフィア」
「い、いえ、そこまで待っていませんので大丈夫です!!」
グレイフィアが校門付近で僕を待ってくれていた理由は、グレイフィアが今夜僕の家に泊まるからだ。
今から数時間前、仕事へ戻ろうとした僕にサーゼクスとレイラが、グレイフィアを僕の家に泊めて欲しいと頼んできた。サーゼクスとレイラは一誠の家に泊まるらしいが、一誠の家はリアスとアーシアが住んで大人数は無理という事で、グレイフィアを僕の家に泊める事になった…。
「夕食はどうされますか?」
「まあ、帰り道にスーパーに寄ってから帰ろうか」
「ふふ、分かりましたわ!!」
嬉しそうに笑みを浮かべるグレイフィアと共に学園を離れ、夕食の買い出し先である駒王スーパーへ向かった。スーパーで買い物をしていたら顔見知りの老夫婦やスーパーの店員にグレイフィアと何時結婚したのかと言われたり、産まれてくる子供は凄い美形だとかなんとか言われながらさっさと買い物をしてスーパーを出た。
「
「どうしたグレイフィア?」
「いえ、ちょっとした思い出し笑いですわ。それよりも夕食は何を作りますか?」
「炊き込みご飯とか和食を作ろうと思ってる。グレイフィアって普段から洋食ばかり食べてそうだから、和食でもてなそうと思ってね」
グレモリー家で和食が出てくるイメージが無く、グレイフィア達は洋食を主に食しているだろうと思って夕食は和食をチョイスした。グレイフィアと話しながら歩いていたらあっという間に家に着き、鍵を開けてグレイフィアから先に中に入ってもらって最後に僕が家に入った。
「夕食作りを私もお手伝いさせていただきますね?翔様一人にやらせるのは申し訳ないですし…」
「うーん…グレイフィアは休んでていいよ?あのシスコンバカに振り回されたり、副メイド長として何時も気を張ってるだろうから、僕の前では楽になりなよ」
「
「あと、長い付き合いだし翔様じゃなくて翔か君付けで良いよ」
「い、良いんですか!?」
「別にいいよ〜」
親しい間柄だし、一晩だけとはいえ同じ空間で過ごす相手から様付けをされたくないからグレイフィアに別の呼び方に変えてもらった。
「か、翔君?」
うん、可愛い。
椅子に座っているグレイフィアが立っている僕を見上げ、戸惑いながら僕の名前を言うグレイフィアがめちゃくちゃ可愛いと思った。この世界の女子のレベルが高いと改めて再認識してから、夕食作りを始めた。
読んでいただきありがとうございます!!