授業参観当日…。
駒王学園高等部には生徒達の親御さん達が来校していた。生徒達の親御さん達が来校している事で、僕以外の教師達は少しでも印象を良くしようと張り切っていた。授業をするクラスが無い僕は、1年生から順に授業の様子を見ながらブラブラと校内を歩き回っていた。
1年生の方では小猫が僕を見つけて小さく手を振ってくれたり、2年生では英語の授業なのに何故か紙粘土で何かを作っていた。一誠が高クオリティのリアスを作り、ゼノヴィアも一誠と同じ位の高クオリティな僕を作り、堕天使二人はアザゼルとシェムハザを作り上げていた。アーシアは使い魔のドラゴンを可愛らしく作っていた。しっかり授業に取り組んで何よりと思いながら、朱乃、椿姫、ソーナ、リアス達が居る三年生の階へ向かった。
三年生の教室がある階の廊下を歩いていたら、見覚えのある人物の後姿を発見した。ゆっくりと気配を消しながら近づいて、その人の両肩に両手を置いて声を掛けた。
「久しぶりだね朱璃さん!!それと朱雀も我が校へようこそ!!」
「もう!おばさんをビックリさせないでね翔君?」
「いやいや、朱璃さんをおばさんって言うのは無理があるでしょ。朱雀と並んで居ると姉妹にしか見えないよ?」
僕が声を掛けた相手は朱乃の母親の姫島朱璃さんだ。
朱璃さんは自分の事をおばさんと言ってるけど…見た目はどう見ても20代にしか見えない。しかも、ビックリする事に朱璃さんは初めて出会った時から全く変わっていない。
そんな事を思っていると、朱璃さんから異様なプレッシャーを感じた。朱璃さんの顔を見ると、何時も浮かべていた優しい笑みではなく、母親としての真剣な表情をしていた。
「先日、朱乃から翔君との関係について聞きました」
「やっぱりね…朱乃から聞いた通りだよ。朱乃、小猫、朱雀、椿姫、ゼノヴィア達から好きだと言われて誰一人も選べず、あの子達に押されるまま卒業したら付き合う約束をした屑だよ」
「翔様…」
「でもね、朱璃さん。不甲斐ない屑だけど、僕はあの子達を決して泣かせる事はしない。命を掛けてでも幸せにする覚悟は出来ているよ」
「翔君の覚悟は分かったわ……でも、少し勘違いしてるわよ?」
「え?」
「私は早く孫の顔を見せて頂戴ね?って言おうしてただけよ?」
朱璃さんが真剣な表情をしていたから、てっきりプールでの話を朱乃から聞いて、覚悟が僕にあるか無いかを聞くもんだと思っていた。だけど朱璃さんは、初めから朱乃と朱雀を僕にくっつける気でいたらしい。朱乃と朱雀をちゃんと大切にするなら、ハーレムでも何でも形成していいなんて言ってる。
「はぁー、久々に緊張したよ…」
「ふふ、翔君の覚悟が聞けてよかったわ」
「カッコよかったですよ翔様?」
二人にさっきの事を弄られながら朱乃達が居る教室に入った。教室に入ったら、親御さん、生徒達が一斉に僕らの方を見てきた。僕はお母様方や女子生徒、朱璃さんと朱雀はお父様方や男子生徒の目が釘付けになった。授業そっちのけで僕らを見ているから授業が止まってしまい、現国担当の教師が涙目になっていた。
○
───昼休み───
翔が飲み物を買いに自販機へ寄ろうとしたら、体育館がある方から騒がしい声が聞こえてきた。翔は呪力で聴覚を強化すると、体育館の方で何故か魔法少女にコスプレした女性が居ると聞こえた。魔法少女のコスプレイヤーを写真に収めようと、撮影会みたいなのが開かれているらしい。それに翔は覚えのある魔力を体育館で感じ、飲み物を買ってから体育館へと向かった。
「オラオラ!何してんだお前ら!さっさと解散しろ!」
魔法少女のコスプレイヤーの撮影会が行われている体育館では匙が駆けつけ、撮影会を辞めるようにと注意をしていた。
「もしかして親御さんですか?困りますよそんな衣装着て」
「ええー。だってこれが私の正装だもん」
匙が服装について注意をするが、コスプレイヤーは全く気にしない。匙が目の前の相手にどうしたらいいか困っていると、リアスと一誠が体育館にやってきた。
「あ、リアス先輩。ちょうどよかった今、魔王様達を案内していまして」
リアスと一誠が後ろを振り向くと、ソーナと紅髪の男性二人が現れた。
「サジ、問題は迅速に対応しなさいといつも……あ」
「やっと見つけたソーナちゃん☆」
ソーナが匙へ問題が起こった時の対応について一言言おうとした時だった、ソーナは匙の後ろにいる人物を見た瞬間に固まった。ソーナが固まる代わりに、コスプレイヤーは嬉しそうにソーナへ近づき抱きしめた。
「やぁ、セラフォルー。君も来ていたんだね」
セラフォルーと言う名前を聞いた一誠は、何処かで聞いたような名前だと腕を組んで思い出そうと記憶の引き出しから探していた。
「イッセー?あの方はレヴィアタン様よ?」
「えええええええええええええええ!」
リアスが教えた事によって目の前に居る人物を思い出した一誠だったが、レヴィアタンを妖艶で大人な女性をイメージしていた。だが、現実は子供の様にはしゃぐレヴィアタンを見て、イメージとの違いに驚きの声をあげた。
「なんか、覚えのある魔力だと思ったらやっぱりセラか」
「あ!翔ちゃん!!」
魔王が二人も揃っている体育館に翔もやって来た。
セラフォルーが翔に気づくとソーナから離れ、今度は翔の方に近づき抱きしめた。
「久しぶりだねセラ?」
「久しぶり翔ちゃん!聞いてよ翔ちゃん!ソーナちゃん酷いのよ今日のこと黙ってたんだから!ショックで天界に攻め込もうとしたんだから☆」
「面倒な事になるからやめなさい」
本気なのか冗談なのか、物騒な事を言い出すセラフォルーを翔は子供をあやす様な感覚でポンポンと頭に触れた。翔のポンポンに満足したセラフォルーは翔から再びソーナの元に戻った。翔はちゃんとした服装にすればソーナが校内をちゃんと案内をしてくれると言ったら、セラフォルーは速攻でスーツに着替えた。
「ソーナちゃん!!この格好なら大丈夫だよね?」
「きちんとした格好なら文句はありません。五条先生、有難うございます!」
「いいよ、それよりもセラを案内してあげな?赤いのはこっちで引き受けるから!」
「「赤いの……」」
グレモリー一家を翔に任せ、ソーナはセラフォルーの校内案内に出かけた。
「じゃあ、リアスと一誠?そこの二人の案内を頼んだよ〜」
「え!?」
「はい!?」
グレモリー一家の案内を引き受けると言った翔だったが、一誠とリアスに丸投げして体育館から去って行った。体育館から去って行った翔は朱璃と朱雀を案内している朱乃と会い、強制的に案内に加わる事になった。
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