無限を操る教師   作:星天さん

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第四話を円滑に進める為に書き直して再投稿を致しました。


第三話 友達のために掛ける命

僕は今日もオカルト研究部の部室に遊びに来ていた。部室内に入ったんだけど、部室内には誰も居なかった。今居るオカルト研究部から2.3km離れた場所で戦闘が行われているのを感じ取った。戦闘が行われている所でリアス達の魔力を感じて、リアス達が戻って来るのを部室のソファーで寛ぎながら待っている事にした。

 

ソファーで寛ぎながら待つこと数分、オカルト研究部の床に描かれている魔法陣が赤く光り出した。赤く光り出した魔法陣からリアス達が出てきたのだが、一誠が所々から血を流して気を失っていた。一誠が血だらけで怪我を負った経緯をリアスに尋ねた。一誠は悪魔召喚の依頼主の元に向かったら、依頼主の家に悪魔の天敵である、はぐれエクソシストに遭遇したらしい。はぐれエクソシストと一誠はそのまま戦闘になり、喧嘩の[け]の字も知らない一誠は一方的にやられたみたいだ。

 

「五条先生。五条先生でしたら一誠君の傷を治せますよね?」

 

「うん、治せるよ?」

 

「イッセーの治療をお願いします五条先生!!」

 

リアスは表面的な治癒が出来るが、完全に治す事は出来ないようで僕に一誠の治療を頼んで来た。リアスだけで無く、朱乃、小猫、祐斗も仲間である一誠には早く治ってもらいたいらしく、リアス同様に頼み込んできた。元々、治療するつもりだったから、リアス達に元々治療するつもりだったからと伝えた。

 

「治療の代金として、冥界パティスリーのスイーツ全種類1品ずつを要求させてもらうよ?」

 

「構いません。可愛い自分の眷属を治して頂けるのでしたら、その要求を飲みます!!」

 

「良いね。それじゃ、治療を始めようか…」

 

僕は反対側のソファーで横になっている一誠に近づき、呪力を込めながら人差し指を向けた。人差し指に込めている呪力は、少しずつ翠色に変わってきていた。

 

──────反転術式[(みどり)]

 

僕が作り上げた術式【反転術式[翠]】は、自分もしくは相手に翠色の呪力で包み込み、治療して回復させる術式。僕はこの術式を一誠に使うと、両足に空いていた風穴、斬られたであろう背中についていた斬り傷は徐々に塞がっていった。

 

「はい、治したよ〜。約束通りに冥界パティスリーのスイーツよろしくね!」

 

「ありがとうございました!!後日、お渡ししますので御安心ください」

 

一誠の治療を終え、今日はガヤガヤと何時もの様には過ごせなさそうだから、僕はオカルト研究部の部室を出て帰る支度をする為に職員室に戻った。職員室に戻ると、他の先生方の姿は無く、myデスクに置いてある荷物を持って駒王学園を出た。校門前には朱乃と小猫が立っていて、僕と一緒に帰ろうと待っていた様だ。一応、夜という事でボディガードは要らないと思うけど朱乃と小猫の二人を途中まで送ってからマイホームへと帰った。

 

 

 

 

 

翌朝…。

僕が駒王学園に通勤するルートにある公園に、一誠が私服で鉄棒の前に立っていた。学園に向かわずに何をやっているのかと観察していると、一誠は鉄棒にぶら下がりながら懸垂を始め出した。

 

「何やってんの一誠?」

 

「五条先生…」

 

此処で何をやっているのかと一誠に尋ねたら、リアスから昨日の事で精神的なショックがあるから休む様にと言われて、学校を休んだみたい。懸垂を始めていた理由は、昨日の戦いで敵を前にラッキーパンチを一発当てただけで、後は手も足も出ずにやられた事に自分の無力さに打ちひしがれて、少しでも強くなろうと鍛えていた様だ。

 

「俺…強くなりたいんです。弱いままじゃ、何も守れない…」

 

「強くなるには地道な努力が必要不可欠──と言うけど、才能や今までに置かれていた環境が強さに繋がると思う。一誠は悪魔になる前は、殴り合いの喧嘩を知らない温室育ちの一般人でしょ?悪魔になったからって戦闘経験0なのに、直ぐに戦闘が出来るわけないよね?」

 

僕は一誠に事実を突きつけた。

僕は転生特典で[五条悟の能力]つまり五条悟の持つ才能を貰ったけど、生まれた環境はイカれている所だったから今がある。だけど、一誠は生まれた環境は平穏、今まで修羅場を体験した事が無い。それを踏まえると、俺と同じ転生だが、天と地の差がありすぎる。

 

「まあ、一誠は強くなれない訳では無い。体を鍛える事は大切だけど、一誠は戦いの経験を積んだ方がいい。この先の悪魔人生を生きるなら、絶対に戦闘経験は必要不可欠だから、仲間を頼った方が良いよ〜」

 

一誠と話していたら、そろそろ駒王学園に向かわないと遅刻が確定してしまいそうな時間に近づいていた。一誠には言いたい事を伝えたから、出勤しようと駒王学園に向かって歩き出した。

 

「五条先生!! 俺は…俺は強くなれますか!」

 

「それは一誠次第だよ。君が強くなろうと、前に進む心があるなら、きっと強くなれる」

 

最後にもう一言だけ一誠に伝えてから、今度こそ公園を出て僕は駒王学園へと向かった。数m歩いて後ろへ振り返ると、一誠は鉄棒の前で腕を組んで、百面相しながら考え事をしていた。

 

「今は悩み給えよ少年」

 

腕を組んで悩んでいる一誠を見て、そんな言葉が口から零れ出た…。

 

 

 

 

公園で、一誠に会ったその日の夜…。

僕は昨日の報酬を受け取りに行く次いでに、昨日は飲めなかった朱乃の煎れる紅茶を飲みにオカルト研究部の部室に向かっていた。原作五条悟と同様に僕も甘党であるから、報酬である冥界パティスリーのスイーツを頬張りながら朱乃の紅茶で喉を潤す姿を想像しながらオカルト研究部の扉に手を掛けようとしたら、部室内から【パンッ!!】と乾いた音が響き渡ってきた。

 

『アーシアを助けに行かせてください!!』

 

『ダメよイッセー、教会側の人間を救出に行かせる許可は出せないわ』

 

『どうしてですか部長!!』

 

オカルト研究部室内から、今日は大事をとって休んでいた一誠の声が聞こえてきた。何やらシリアスな空気が流れているみたいで、僕は中に入らず静かに部室内で行われているやり取りに耳を傾けた。部室内でのやり取りの内容は、数日前に出会った聖女が堕天使に連れ攫われてから、アーシアを助けに行かせて欲しいと、一誠はアーシア救出の許可を主であるリアスに求めてオカルト研究部の部室に駆け込んできたみたいだ。

 

「なるほどね…」

 

リアスと一誠の口論は平行線を辿っていたが、口論の途中で朱乃が魔法陣から現れて、リアスに小声で何かを話していた。朱乃がリアスに何かを伝え終わると、リアスは一誠に遠回しな言い回しで、アーシアが囚われている堕天使の根城へのカチコミ許可を出して何処かに行ってしまった。今夜も紅茶を飲める状況では無くなってしまい、ガックリと肩を落としながらオカルト研究部の部室に残された一誠達の話を聞いていた。

 

『一人で行く気かい?』

 

『ああ…。俺は…おれは行かなきゃ行けないんだ!!アーシアは大事な友達だからな。俺が助けなくちゃならないんだ』

 

『・・・・・・殺されるよ?いくら神器(セイクリッド・ギア)を持っていてもプロモーションを使っても、エクソシストの集団と堕天使を1人で相手は出来ない──だから、僕も行くよ』

 

オカルト研究部室の中で、激アツな展開が起こっていていた。1人で敵陣にカチコミをかけようとしている一誠に、祐斗が自分も行くと名乗りを上げた。そんな二人のやり取りを見ているであろう小猫も、一誠、祐斗と共にアーシアが囚われている教会へとカチコミに着いていくと言った。

 

『五条先生にも来て欲しかったですね…』

 

『五条先生が来てくれたら百人力だろうけど…今回は五条先生に頼っちゃ行けないと思う』

 

小猫の言った一言を聞いて、直ぐにでも力を貸してあげたいけど…今回の一件、僕は一誠が一皮剥ける出来事だと思っている。部室内で話が終わった一誠達は、扉の方に近づいて来ていた。一誠達が扉を開けて出て来る前に、見つからないように気配を消して隠れた。僕が隠れて直ぐに一誠達は扉を勢い良く開けて、アーシアが囚われている教会へと向かって行った。

 

「さて…僕は別行動でもしようかな」

 

僕が行けば直ぐに解決するだろうけど、一誠達にはこの一件は自分の力で乗り越えてもらおうという親獅子が子獅子を崖に落とすが如くの気持ちを抱きながら、僕はその場を後にした…。




読んでいただきありがとうございます!!
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