ゲーム進撃の巨人2 もしも主人公が生きていたら?   作:マーダー

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第1話

 斬る───

   斬る──

    斬り続ける。

 

 一体何体の巨人を葬っただろうか?

 どれほどの時間が経っただろうか?

 既にブレードの替えは無い。ガスも残り少ない。

 腕も震えてきた。視界もぼやけてきた。

 

 

 

 朦朧とした意識のせいか甘い飛び方をしてしまい、巨人に叩き落とされてしまった。

 咄嗟に受け身を取るものの、全身が悲鳴を上げ、立つのがやっと。

 息を荒くし、顔を上げれば無数の巨人に囲まれている。

 

 

 ここまでか————

 

 親の仇を取れなかったのが心残りだがエレンなら鎧の巨人(ライナー)を殺ってくれるだろう。

 口惜しいがここで退場だ。

 

 巨人に掴まれあまりの痛みに意識が消える寸前····

 

 バシュ!

 

 身体を掴んでいた巨人の指が切断され、空中に放り出され、地面に落ちるギリギリで兵士に抱えられる。

 誰だ?自分を抱えている兵士は知っている顔では無かった。ふと胸を見ると駐屯兵団を表す薔薇の紋章。

 そして予め呼んでいたのか、タイミングよく走ってきた馬に載せられ、なんとか逃走に成功する。

 

 「大丈夫ですか!?皆撤退しました。早く逃げましょう!」

 

 新兵なのか、顔は恐怖に染まっており実に頼りない。助けてくれたのはなけなしの勇気を振り絞ってくれたからか。

 

 「早く撤退しましょう!門付近にならまだ守備隊はいるはずです。なんとかそこまで····うわぁ!?」

 

 廃墟横から突然巨人が出てきて、新兵を掴み一気に口にほおばる。

 新兵は必死に暴れているが、間もなく体が2つに分かれ抵抗を止めてしまった。

 

 一方のこちらだが、馬と一緒に投げ出され、血反吐を吐く羽目になった。

 立体機動装置で逃げようにもガスがなく、ならば馬で…と考えたが、馬も怪我をしたのか暴れており、落ち着かせる余裕など今はない。

 咄嗟に廃墟に身を潜める。

 今は夕方だ。大分日が傾いている。日没まで隠れてその後移動しよう。

 幸いウォールローゼまでそう遠くはない。夜が開けるまでには着くはずだ。

 

 

  ∼数時間後∼

 

 巨人に警戒しつつ身を潜めて数時間。新兵を食らった巨人の姿は見えなくなり、月も顔を出している。

 

 廃墟から身を出し夜目を慣らし、急いで移動を開始する。

 身体が痛むため、少し走って休憩してまた走って休憩するを繰り返していると死体を発見する。

 五体満足のように見えたが、よく見ると頭が半分齧られており、凄惨な最期を遂げたことは容易に想像がついた。マントを見る限りでは駐屯兵らしい。

 朝になれば巨人も活動を再開し、死体を喰らうかもしれないが、弔っている時間も体力もない。

 死体からガスと替えの刃を頂戴し再び走り始める。月が傾き始めている。急がなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 問題が発生した。

 何とか壁までたどり着いたが、戦闘による移動と夜間移動による方位のズレで門に辿り着けなかった。

 元々壁まで移動したら立体機動で壁を登る予定だったが、予想以上に身体が痛み、正直使いたくないが、人を呼ぼうにも喉が掠れて声が出ない。どうやら無理にでも登らなければならないようだ。

 アンカーを射出し、ゆっくり、ゆっくりと登っていく。全身が悲鳴を上げ、たっぷり時間を掛けて壁上に着く。

 壁上には物資が点々と置いてあり、特に大量の砲弾が置かれてあった。獣の巨人との撃ち合いでも想定したのか、ともかく足の踏み場もないほど集積しており、実に邪魔である。

 取り敢えず休憩してから門へと向かおう。そう思いマントを脱ぎ装備を外しつつ丁度いい大きさの箱へ座ろうとする。

 

 しかしその最初の一歩で足を箱に引っ掛け、壁内へ落ちてしまう。不眠不休で活動したことが災いしたか、少しバランスを崩しただけで、あっという間に倒れてしまった。

 

 咄嗟にアンカーを射出し落下を阻止しようとしたが、いざ急制動をかけると全身に猛烈な痛みが走り、また装備を外そうとしたせいかワイヤの巻取り装置が脱落し、体勢を崩しながら落下してしまう。

 しかも片方のワイヤーは生きており、振り子のように振り回され、壁に勢いよく激突、とうとう装置がバラバラに飛び散り、自由落下を始めてしまう。

 枝木をべきべきへし折りつつ地面に叩きつけられる。

 

 「っぅ〜〜〜〜っっ!」

 

 言葉にならない悲鳴を上げつつゴロゴロ転がる。制動がかかっていたとはいえ50mからの落下だ。中々止まらない。

 

 転がっていると岩が見えた。このまま転がればあの岩にぶつかるだろう。だが止まらない、止められない。

 そして···

 

 ゴンッ!

 

 後頭部をぶつけようやく停止する。しかし彼女は動かなかった。頭から血が流れ、全身にも無数の傷がつき、ボロボロになっている。このまま死ぬのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 窓から漏れる日光に当てられ目を覚ます。身体は謎の痛みを発しており、少し動かすだけでズキンと激痛が走る。

 自分の身体を見ると包帯でぐるぐる巻にされており、見ただけで重傷者と分かる。

 だが何故?

 

 疑問で頭が一杯になっていると部屋のドアが開く。水と包帯を持ったお婆さんが入ってきて驚いた顔をした。

 

 「まぁ、起きたのかぃ」

 

 誰だろうか?

 黙々と血まみれの包帯を交換し、水を飲ませてくる。

 

 「服装が兵隊さんだったから急いで助けたけど何とか助かったみたいだね。ご苦労さまです」

 

 頭を下げられたが、全く状況が理解出来ない。ここはどこ?貴方は誰?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──私は誰?───

 

 

 

 

 

 




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