シャブ漬け少女のストライクウィッチーズ   作:文月フツカ

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本作を見て扶桑を黒くし過ぎと思われた方もいらっしゃいますが、扶桑海事変や506を見ていると、これでも優しくしているつもりです。



困惑の魔女

 何処の軍隊でもそうだが、兵士や将校には非番の日がある。

 有事には取り消される物だが、外出許可さえ出れば街への買い出しも認められる。この津家楠里も例外に漏れず、非番の日がちゃんと存在するのだ。

 

 楠里の非番の日の生活は、ミーナから借り受けた本を自室で興味無さげに読むか、基地の中を散歩しているか、日当たりの良い場所で呆けているかである。

 

 良く言えば悟りを開いた仙人の様な、悪く言えば年寄りの様な非番を過ごしているのだ。

 

 そして意外な事に、楠里はペリーヌとよく会話をする。

 ミーナの伝手で楠里は案外本を読むと聞いた彼女は、自分の手元にある手頃な内容の書籍を貸し出しているのだ。

 

「少し懐かしい本が出て来たのでどうぞ。これは楠里さんに差し上げますわ」

 

 楠里が滑走路で呆けているのを見かけたペリーヌは、先程の言葉通りに部屋の奥に埋もれていた本を手渡した。

 

「どうもペリーヌさ……ロミオVS.白雪姫と七人のジュリエット?」

 

 凄まじいキメラタイトルに驚き、口に出してしまった楠里はペリーヌに視線を向けた。

 

「あとこれも差し上げます」

 

 楠里は手渡された物は、一言で表すならば鶏であった。

 但し、やたら胴体が長い。

 

「何ですか、この物体X」

 

 ペリーヌもソレから視線を外しながら答えた。

 

「ド・ゴール将軍の御息女がデザインなされた物で、ガリア防衛を主任務とする第506統合戦闘航空団『ノーブルウィッチーズ』のマスコットキャラクターですわ」

 

 名前を『のうぶる君』と補足して、ペリーヌは質問に答えた。

 

「貴族で固められた部隊のマスコットにしては何とも……この顔の十字傷は?」

「向こうの整備士が付け足したのだとか」

「……ではこの胴体に2つ巻かれた弾帯は」

「それも整備士が」

 

 楠里はまさかこの本もかと思い、改めて表紙を確認した。

 そこには『Isabelle Du Monceau De Bergendal.』と『Kunika Kuroda.』としっかり表記されており、この本もノーブルウィッチーズの人員が手掛けたのだと確認できた。

 

「まぁインパクトは強かったのでちゃんと読ませていただきます」

 

 要らないという表情をありありと浮かべつつ、楠里はペリーヌに頭を下げた。

 

「返品は受け付けていませんわ。まだあるので欲しいなら遠慮せずにどうぞ」

「いえ結構です」

 

 読み終わったらリーネさんに回そうなどと考えながら、楠里はペリーヌに別れを告げてその場を後にした。

 

 余談だが、ペリーヌと一緒にガリア復興を手伝っていたリーネも本と人形を所持しており、笑顔で楠里からのプレゼントを断るのだが、それはまた別の話である。

 

 

 軍服はその人間がどの国家に所属しているかを証明する為の物であり、これらを着用せず軍事行動を起こす事は、基本的に禁じられている。

 だがウィッチはその性質上、軍服に関してはある程度の自由選択が認められている。年頃の少女が命を賭して戦っている為、上層部も風紀が乱れない程度ならば黙認しているのだ。

 であるため、友人とお揃いの軍装を仕立てたり、そういう事に興味の無いウィッチは支給品を着ていたりと様々だ。

 

 では以前バルクホルンが楠里の野戦服を咎めた理由は何か。それは単に扶桑ではその野戦服をウィッチが着るのを許可していないと勘違いしたからである。

 

「さて津家。私の古着で悪いが、お前用に仕立て直して貰った第一種、第二種軍装と軍帽だ。通常勤務や戦闘時は野戦服でいいが、ミーナに付き従って司令部へ出頭する際はどちらかと軍帽を着用するように」

 

 楠里は手渡された服と坂本を交互に見つめると、珍しく表情を歪めながら言葉を紡いだ。

 

「少佐、外堀から埋めるおつもりですか」

 

 ミーナと坂本は、津家楠里の基地副司令官という立場を確実な物とする為に動いていた。

 本来であれば坂本の役目の筈だが、坂本自身が楠里を推薦したのでそのような形となっていた。

 

「何の事だか分からないな。それから、ミーナと津家が赴く事もあれば、私とミーナか3人同時も有り得る」

 

 楠里は坂本の古着を丁寧に受け取って礼を述べた。

 

「確かに受領致しました」

 

 坂本は満足そうに頷くと、やる事をやったと伸びをして部屋を出て行った。残った楠里は、恨めしそうに軍服を見ながら、自室のクローゼットに押し込むのであった。

 

 

 

 以前にもゴタゴタと騒がれた楠里の給与中抜き事件だが、今はしっかりと支給されている。士官が正当に受け取るべき金額であり、楠里擁護派が気を利かせて多少色を付けてもいる。

 

 だが楠里はそんな擁護派の善意など全く気付かず、受け取った給料の殆どをペリーヌに渡している。

 以前、ペリーヌ自身も給与をガリア復興財団に寄付している事を聞いた楠里が、自分の給料をどうぞと差し出したのだ。

 当然受け取れる訳が無いと断るも、買い出しの度に寂しい表情を浮かべるペリーヌを見たくないという楠里の言い分に屈してしまった。ならばせめてと、ペリーヌは受け取った楠里の給料の半分を復興費に充てて、残った分を2人で共有する事にした。

 幸い楠里自身は欲しい物などは全く無い為、ペリーヌの為の嗜好品を購入したりと、有意義な使い方がされている。

 

「偶には楠里さんも街に出ていらっしゃいな」

 

 買い出しの為にロマーニャへ出る話が上がる中、ペリーヌは楠里に基地外にも足を伸ばせと意見をする。

 

「出て何をするんですか」

「服とか買ったりケーキを食べたり映画を見たり……とか?」

 

 改めて聞かれると使い道が直ぐに思い浮かばない。

 

「服はコレだけで十分ですし、味のしないデザートも結構です。映画の話は聞きたくないです」

 

 そう言ってると、何やらニヤニヤと薄ら笑いを浮かべたエイラが近づいて来た。

 

「何だ津家、今日はお前も街に出るのか。そうかそうか」

 

 楠里はエイラが右手で持っている1枚のタロットカードが視界に入った。

 そのタロットカードを見ると、唐突にエイラの手から毟り取ろうと動くも、未来を完璧に予知する奇跡のウィッチは余裕の態度で楠里を躱した。

 

「上官命令です。占いの結果を開示してください」

 

 楠里は生まれて初めて上官命令という言葉を用いて、その権力を行使した。

 

「お断りなんだなー。まぁ行ったら嫌でも分かるって」

「そうね。じゃあ宮藤さんとシャーリーさんとルッキーニさん、そして津家さんの4名はロマーニャへの買い出しを命じます」

 

 一連のやりとりを見ていたミーナからの上官命令も加わり、楠里は初めてロマーニャの首都へと足を踏み入れる事が決まったのであった。

 

 

 

『どうか麗しいジュリエットとの交際を認めて下さい!』

『恋だと? 下らぬな。そもそもお前が恋しているのはどのジュリエットなのだ?』

 

 ペリーヌから貰った本をトラックの助手席で読んでいた楠里は、思わず窓の外に流れる景色を見た。

 

「どうした津家。本が面白くなかったか?」

 

 シャーリーが楠里の様子を見て質問を投げかけて来た。

 

「506がこの内容で慰安の劇を行ったと聞きまして」

「えっとなになに……うはははは!」

 

 小説のタイトルを見て笑ったシャーリーが、思わずハンドル操作を誤ってしまう。

 楠里は咄嗟にハンドルを握って立て直し、街道へと復帰した。

 

「ペリーヌさんはまだ沢山持ってるみたいですよ」

「へぇー、要らないっと。そろそろだな」

 

 話している間に、501買い出し班の中でも悪名高い崖が迫って来た。

 ハルトマンから聞いていた通り、楠里はアシストグリップをしっかりと握って来る衝撃に備えた。荷台では試練が待ち構えているとは想像していない芳佳が景色を見て楽しんでいる。

 

「壊すと怒られますよ」

「前方見通し良し、対向車無し。へっへぇ……!」

 

 最早耳に届いていないシャーリーは、ギアチェンジしてアクセルを一気に踏み込んだ。

 聞こえてくる芳佳の悲鳴をBGMにして、この日トラックは崖から飛んだ。

 

 

 到着したローマ市内をゆっくりと流しながら、シャーリーは楠里に声を掛けた。

 

「すまん津家。まさかアシストグリップが取れるとは」

 

 楠里が掴んでいたグリップは、楠里の握力と着地時の衝撃が重なり根元から音を立てて盛大に取れた。それと同時に握っていた楠里も衝撃で浮き上がり、見事に頭を天井に強打したのだ。

 

 忌々し気に市内を眺めながら、出発直前にエイラから渡された手紙の封を切った。

 エイラ曰く、市内に入ったら開封して読むようにとの事だ。

 

 胡乱げに手紙の文面を読むと、次の言葉が簡素に記されていた。

 

『フレイアー作戦が終わった時お前を殴らなかった分は、天井に頭をぶつけた事で勘弁してやる。優しい私に感謝するんだな! あとお前はそろそろ現実を見た方がいい』

 

 楠里は思わず手紙を握り潰すと、持ち歩いている手帳にエイラの手紙を挟み込んで懐に戻した。

 

「大丈夫?」

 

 間抜けにも頭から少量の血を流している楠里は、芳佳の治療を受けながらローマ市内を見続ける。

 

 サンタンジェロ城や公会堂、闘技場といった価値ある歴史的建造物をルッキーニの紹介を交えつつ道を進む。

 

「私はもう大丈夫です」

 

 心配性の芳佳が、念の為に持ち歩いていた包帯を楠里の頭に巻きながら頭を撫でた。

 

「津家。何でも買ってやるから今日の事は誰にも秘密な!」

「秘密なー!」

 

 シャーリーとルッキーニの笑顔を見た楠里は、分かりましたよと返事をした。

 

「さて、そうこう言っている間に着いたぞ。ルッキーニ、ここで良いのかー?」

「うん。ここは大抵の物が揃ってるんだー」

 

 比較的大きな雑貨店の前にトラックを止めて、4人で入店した。中には嗜好品から服飾など様々な商品が陳列されており、まさしく百貨店を1カ所に纏めた様相であった。

 

 皆に頼まれた商品を見繕う中、芳佳がピンク色の可愛らしい服装を手に取った。

 バルクホルンが着ると勘違いしたシャーリーが大笑いをする中、突如としてルッキーニが店を飛び出して行った。

 芳佳とシャーリーに気を向かせつつも、ルッキーニが出て行った方を見ると、楠里は思わず天を仰いだ。

 そこには、赤毛の少女を無理矢理連れ去ろうとしている黒服2人と、その黒服に対して容赦ない蹴りを顔面に入れるルッキーニが居た。おまけにルッキーニはその少女と手を繋いで何処かへと走り去ってしまった。

 

 店の奥で2人して楽しんでいる芳佳らに一声掛けた楠里は、店から出て気を失っている黒服の傍に寄った。

 何か身分証を持っていないかと懐を弄ると、吊り下げ式ホルスターとハンドガンが姿を見せた。念の為に弾を抜いて内ポケットを確認すると、楠里が望んでいた物が見つかった。

 

 手に取った身分証と思しき懐中時計を見た楠里は、全身の毛が泡立った。

 それはロマーニャを治める王族を守護する王室付き近衛隊が持つ懐中時計だったのである。

 

 楠里は急いで抜き取った弾をハンドガンに戻し、懐中時計も黒服の懐へ押し込んで手当てを行った。さもたった今到着して倒れている所を発見しましたよと言わんばかりにだ。

 

 

「う、うう。顔が……」

 

 王室付き近衛兵らが痛みに呻きながら目を覚ますと、目の間には甲斐甲斐しく治療を施している少女が居た。

 

「お目覚めになられましたか。お加減は如何ですか」

 

 黒服は大丈夫だありがとうと言うと、そうだと思い出して立ち上がり周囲を見渡した。

 

「き、君! このぐらいの背丈で赤毛の少女を見なかったか!?」

 

 楠里は『あーどうしましょう』と頭を回転させつつも、ここで隠しても碌な事にならないと判断した。

 

「その、お2人が件の少女を連れて行こうとした所を、偶然にも部下が見て勘違いを起こしてしまったようでして。現在は私の指揮下を離れてその少女の単独護衛に当たっています」

 

 黒服は蒼ざめた顔をして、今度は楠里に怒気の視線を向けるが、楠里の申し訳無いといった態度とウィッチへの信頼感から、取り敢えずの所は落ち着きを見せた。

 

「分かった。探している少女は……その、やんごとない御方だ」

 

 周囲には分からない様に、懐中時計を楠里に見せた黒服は、楠里にも捜索要請を出した。

 楠里が嫌いな言葉の1つには『責任』がある。この場合、階級が下のルッキーニを制御出来なかった監督責任がしっかりと楠里を絡めとった。

 

「501stJFW 津家大尉です。捜索に協力させて頂きます……いえ、協力をさせて下さい」

 

 

 そうして始まった捜索であるが、広いローマでそう簡単に見つかる筈も無く、虚しく時間が過ぎていく。

 その間に楠里は、如何にルッキーニが強力でロマーニャ思いな最高のウィッチかを黒服に説明し続けて、印象を良くしようとしていた。

 

 黒服らも、公衆の面前で拉致するような保護の仕方を反省しており、少なくとも見つけ次第ハンドガンをぶっ放すと言った事態は何とか避けられそうである。

 

 戦時とはいえ賑わいを見せる市場の大通りを捜索する中、楠里はふととある建物が目に入った。もっと正確に言えば、その建物に張られている巨大なポスターに釘付けににった。

 

―――偶には楠里さんも街に出ていらっしゃいな。

『あとお前はそろそろ現実を見た方がいい』

 

「どうした津家大尉」

 

 立ち止まって一点を見つめる楠里に気付いた黒服2人が楠里の傍に寄ると、恐ろしく冷たい声で楠里が発言をした。

 

「外出を薦めたり薄ら笑いを浮かべていたのはコレか」

 

 黒服が楠里の視線が向いている方に向くと、そこには件のポスターがあった。

 

『グリゴーリの破壊作戦で多大な貢献を果たした津家大尉の活躍が描かれた再現映画、大好評公開中! 扶桑の固有魔法にて再現された1人称視点の高機動戦闘と、仲間達との熱い絆を見逃すな!』

 

 その文と共に、楠里によく似た俳優が敬礼をしている姿が印刷されており、端には楠里の実際の写真が添付されて簡単なプロフィールが載っていた。

 

「501JFW, 502JFWと最精鋭の間でも取り合いになった不屈のエースの物語」

 

 黒服は読み上げつつ、楠里の方を見た。楠里は下を向いて固まっており、瞬きもせず微動だにしない。

 

 そしてポスターが張られている映画館は、この映画が公開されて何日も経ったと言うのに長蛇の列を成していた。

 

「……」

 

 楠里は無言でハンドガンを取り出し、スライドを引いた所で黒服2人に止められた。

 

「落ち着け津家大尉! 俺も見たけど凄まじいクオリティだったぞ!?」

「そうだそうだ。この戦闘機動は実際の戦闘で行われて、戦場カメラに収められた物を再現しており、フィクションではございませんとかのテロップが流れて大盛り上がりだったぞ!?」

 

 ちゃっかり見てんじゃねーですよと視線を向けた楠里は、渋々ハンドガンをホルスターに戻しながら捜索に戻った。黒服も改めて楠里の正体を知って、お互い少し気まずくなった。

 

「帰ったらミーナ中佐にお話ですね。大体完成したとも公開したとも知らされていないのですが」

 

 同時刻、基地では特別支給されたテレビを用いて映画の鑑賞会が行われている事を楠里は知らない。

 一連の事件が収束して基地に戻った際、本当に珍しく楠里がミーナに対して怒っている場面をメンバーが目撃するのだが、傍から見たら子供が母親に駄々を捏ねているといった風にしか見えなかった事をここに記す。

 

 

 ローマ市内に警報が鳴り響く中、シャーリーらと合流した楠里はネウロイの迎撃に当たった。

 

 幸いな事に、ロマーニャの対空砲火の足止めが優秀だった事もあり、すんなりと迎撃は成功した。

 その流れで探していた公女も保護され、事件は平和的に幕を閉じた。

 

「津家大尉。今回はご迷惑をお掛けしました。あと映画を見てからファンです」

 

 楠里に挨拶をした公女の第一声がコレであった。正真正銘の王族からの言葉は、汚い心の楠里には眩しすぎたらしく、少し赤面した顔で敬礼をするに留まった。

 

 それが何処か可愛らしかったのか、マリア公女も笑っていた。

 

「その、部下を制御出来ず申し訳ございません」

 

 楠里は心の中でルッキーニさん上から目線でごめんなさいと謝りつつ、マリア公女にも心の底から謝罪した。

 

「良いのですよ。誰かを助けたい、ロマーニャを助けたいというルッキーニさんの思いは十分伝わりましたし、ルッキーニさんのお陰で、私も改めて前を向いて進めます。今回のご活躍は王室を通して連合軍に通知して、然るべき褒章が行き渡るよう手配します」

「大変畏れ多い事でございます」

 

 後ろで控えていた黒服2人は、楠里の事を苦労人の眼で見ていた。だが勘違いしてはいけない。確かに楠里は今回苦労人かもしれないが、普段は楠里の方が皆に苦労を掛けているのだ。

 よって今回の事件も楠里の自業自得であり、先任大尉のシャーリーに事情を説明しなかった楠里が悪いのである。

 

 シャーリー自身はカフェで芳佳とケーキを食べていただけだが、事情を説明しなかった楠里が全面的に非を負う覚悟である。納得はしていないが。

 

 

 基地への帰還後、荷物を下ろし終えた楠里は、皆の前で唐突に銃剣を抜き放つと、エイラへと斬りかかった。

 

「ふっふっふ。当たらないんだなー、それよりどうだった津家」

「くっ、この……」

 

 味方に武器を向けるなんてという声が上がらない辺り、全員がエイラが何かしらやらかしたのだと思っていた。

 

「いやー、流石私だ。占いもドンピシャだったな」

「……何があったんだ津家?」

 

 疑問を浮かべた坂本だが、楠里はボソッと呟いた。小さい声だったにも拘わらず、その冷たい声は基地のレクリエーションルームに響き渡った。

 

映画の件でお話が

 

 

 ラジオから流れて来たマリア公女殿下の一言。

 

『ありがとう。私の大切なお友達、フランチェスカ・ルッキーニ少尉。私を陰から守ってくれた津家楠里大尉』

 

 何もしていないのにやんごとなき御方に名前を憶えられた楠里は、別の意味でその場から動けなくなるのであった。

 

 

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