ガンダムビルドダイバーズ 歩き出した二人 作:プリン製造工場
GBN 『ガンプラ・バトル・ネクサス・オンライン』内で問題視されている違法ツール『ブレイクデカール』これを使用したダイバー…マスダイバーの脅威を何とかしようとGBN個人ランキング1位である、チャンピオン『クジョウ・キョウヤ』を筆頭としたダイバー達で構成された有志連合がマスダイバーの拠点に攻勢を仕掛けていた。
その攻勢の最中一機のMAと見間違える様な大型MSがビームや実弾が飛び交う中を突っ切り一気に加速しマスダイバーのスタークジェガンを腕部一体型ロング・ジュリアンソードで細切れにし爆散する、この戦線にいるマスダイバー達のガンプラは厄介な事に全て異常な程の再生能力を持っている、例えば『第七機甲師団』を率いる智将ロンメルが操るグリモア・レッドベレーのマシンガンがザクIIC型の頭部を吹き飛ばすが、その瞬間に頭部が再生していく、この様に適切に破壊しなければすぐ再生されていき非常に厄介だが完全に無敵と言うわけでもない様である。
開戦の狼煙となった『ジャバウォックの怪物』クオンが放った災害染みた攻撃で跡形も無く消し飛ばされたり、このガンプラを操るダイバーや『虎武龍』のフォースリーダーであるタイガーウルフの様にコックピットを破壊さえすれば何とかはなるようだが…再生能力を持つ以上それは困難で一部のダイバー達が奮闘しているが有志連合はそのせいで苦戦している。
「貰ったぁ‼︎」
「貰ってませんわ」
突如ギラ・ズールのマスダイバーがそう叫びながらビームアックスを振り上げながらスラスターを吹かしながらダイバーの背後から迫って来る、明らかにブレイデカールで強化された異常な速度のそれを確認してから溜息を吐く…ただ速いだけで失望からか大きな溜息を吐きこんな下らない奴等の為に自分の恋人がGBNを引退した事に再度怒りの炎を燃やす。
振り向き様に一瞬でギラ・ズールの両手両足を斬り落とし腕部に装備してあるシールド型クローユニットを射出しギラ・ズールのコックピットに取り付かせる…その数秒後このマスダイバーは漸く両腕が斬り落とされてる事に気が付く、
「なっなんだ⁉︎いまの‼︎ブレイクデカール使って!再生能力持ってて上位勢すら圧倒出来るのに‼︎」
クローユニットがコックピットに張り付き焦りながら直ぐに再生された両腕で引き剥がそうとし反撃しようとするがハイゼンスレイII・ラーを更に大型にし多数のブースターと防御用のシールドブースターを搭載した頭部をウーンドウォートにした改造ガンプラ『ウォータシップ・ダウン』のダイバー個人ランク29位『アリシア・シィ』が許す筈もなく容赦なくコックピットを握り潰した。
「随分と甘い事言っておりますわね、チートに頼る貴方達じゃあ
爆散間際に言った言葉を侮蔑する様に恨みが篭った声で呟きながらフォースメンバー『ラビアン・ガールズ』の面々がいる最前線の方をレーダーで確認する…戦況は著しくなく再生能力の所為で中々マスダイバーの撃破が出来ず、ジリ貧になりながら此方側の被害がどんどんと出て来ている…幸いフォースメンバーはまだ撃破された様子は無かった、それに。
「あんの剣キチがいるなら大丈夫ですわね……」
メンバーの方には個人ランク9位で猿山と評される民度最悪のディメンション『ディメンション・ヴォルガ』を根城にしていて日夜暴れ回っている、剣キチお嬢様こと『フリューゲル』が付いている事に取り敢えず安堵し、後方にいるマスダイバーの掃除を完了し作戦通り最前線に向けヒットアンドアウェイの強襲を仕掛ける。
復讐の炎を燃やしながらアリシアはウォータシップ・ダウンをMA形態にし凄まじい速度で最前線に向かっていった。
ビルドダイバーズのリクらの活躍でこの戦い…俗に言う第一次有志連合は有志連合側の勝利になり、ブレイクデカールの売人が手を引いた事によりブレイクデカール及びマスダイバーはGBN内から姿を消していった。
それから数年後
其処はGBN内のバーで其処にアリシアともう一人男が座っていた…、忘れる事など出来ない第二次有志連合戦が始まる前にチャンピオン事クジョウ・キョウヤに有志連合参加を求められた時の光景だった。
「何故君がリク君達の方に、君はGBNを…」
「GBNが好き?勘違いして欲しくはないですわクジョウ・キョウヤ、私はただ復讐を果たす為に此処に居るだけですわ…私はただここで大切な人が傷付くそんな悲しい事私一人で十分ってだけですわ」
ゴトっと空のショットグラスを置きそう言いながら席を立ち立ち去ろうとする彼女は思い出したかの様に振り向く。
「女の勘ですわ、この戦いで奇跡が起こりますわよ……後会計其方持ちで頼みますわよ〜」
何か言いたげなチャンピオンを無視しバーを後にする、そしてまた別の場面に変わり其処にはアリシアと彼女の姉そして父親がそこに居た…漸く此処が夢の中だという事に気がつく気が付いた所で何も出来ないので展開が分かりきっているこの場面を大人しく見る事にした。
「分かりましたわ……お姉様なら心配要りませんわね…」
悔しそうにし震えながらそう言う彼女に心配する姉と父親だが…それが気に食わなかった……優しくなんか!せめて…せめて侮蔑くらいして欲しかった‼︎声が出ず心の中でそう叫んでいた。
「取り敢えずこれからは…」
言い切る前にまた場面が変わり其処にはあの頃のアリシアとアリシアの恋人がGBN内を走り回っていた。
「ねぇ!待って!待って!」
「遅いですわよ‼︎早くしないとミッションが逃げてしまいますわよ!」
「ミッションが逃げるわけないでしょうが!」
和気あいあいと二人の初心者ダイバーがそんな掛け合いをしながら、先程受けたミッションをやろうと走り回っていた…そしてその後は…
「……ッ!またあの夢…」
夢の中のアリシアが何かを言い切る前に目を覚ます、過去の忌々しい出来事の夢を見た事で跳ね起き仕事用のカウンターでうつ伏せになって寝ていた為危うく椅子から転びそうになり、忌々しくそう吐き捨てながら近くにあった虚無酒に手を伸ばす…酒と言うのは飲めば嫌な事も流してくれる物だがその変わり二日酔いは必須な諸刃の剣でもあるが。
「てんちょー‼︎朝からお酒は駄目って言ったじゃないですか‼︎」
幼い声が聞こえその持ち主がストンと酒に手を伸ばす手に着地する、黄色のアイドルの様なフリフリの服を身に付けた『HGサイズの女の子』は手をつたり顔付近まで近付き「何回も言ってるじゃないですかもー!」と頬を突きながら自分の頬も膨らませる。
「あぁー…何するんですの『リィナ』酒取れないじゃないですの」
ジトッと頬を突くリィナを見ながらアリシア…リアル名
リィナはビルドダイバーズのサラと同じ『ELダイバー』と呼ばれるGBNの余剰データから生まれた電子生命体で彼女は『アイドル』と言うデータから生まれたELダイバーの一人でひょんな事から神崎が後見人になった。
今では住居兼ガンプラカフェ『イングレッサ』で住み働いていてここの名物店員になっている。
最近のガンプラブームに乗っかる様に店名を∀ガンダムに登場するイングレッサ領から取ったり展示しているガンプラのレンタルやガンプラ製作のアドバイス等をやっているが、それ以外にもガンプラ以外のプラモを展示していたりロボアニメ作品に登場した再現メニュー等もやっている為GBNプレイヤー達からはリアルでの交流も場に使われたり、GBNを始めたいが製作が苦手なプレイヤーにガンプラを貸したりロボアニメ好きが来たりとガンダムベースのカフェとは一応の区別化が出来ており、比較的人気のカフェとなっている。
更にリィナが働き始めてからはGBN公式からもお勧めの店と紹介される程になっている。
「ただいま〜お嬢みてみてって何してんのさ?」
「姉さんたらもうすぐ店開けるのにカウンターで寝て」
ハスキーな声を響かせながら神崎の恋人でイングレッサの店員の一人
「てんちょーが朝からお酒飲もうとするんですよ〜」
「リィナあれは違いますわ、アレはアルコールが入ってるだけの精神安定剤ですわつまり酒ではないですので飲ませて下さいまし」
「アルコールが入ってるならお酒じゃないですかー!もー‼︎開店時間そろそろだから働いて下さいー!」
「分かりましたわ…分かりましたから頭叩かないで下さいまし!それ以上やられたらジオングになりますわ‼︎」
ペシペシと頭を叩くリィナにヤケクソ気味に言いながら立ち上がり仕事の準備を取り掛かる…心の中で『今日は二日酔いになるまで呑んでやりますわ』と誓いながら。
今日も今日とてイングレッサは開店し一癖二癖のある客を招き入れたのだった。