雷使いも異世界からやって来るそうですよ? 作:水槽のスイマー
「わりとデカイな」
本拠の屋敷は意外に大きかった。
まるでホテルのようである。いっそ、ホテルとして経営したらわりと儲かったのではないだろうか?
「うん。遠目から見ても大きかったけど……近づいてみると一層大きいね。何処に泊まればいい?」
「コミュニティの伝統では、ギフトゲームに参加できる者には序列を与え、上位から最上階に住む事になっております……けど、今は好きなところを使っていただいて結構でございますよ。移動も不便でしょうし」
「そう。そこにある別館は使っていいの?」
「ああ、あれは子供達の館ですよ。本来は別の用途があるのですが、警備の問題でみんな此処に住んでます。飛鳥さん120人の子供達と一緒の館でよければ」
「遠慮するわ」
話は一応終わったようなので俺も話しかける。
「取り敢えず、今は風呂に入りたいな」
「………………………………」
黒ウサギが固まった。
何故か、しまった!というような顔をしている。
暫く、待つと、
「一刻ほどお待ちください!すぐに大浴場を綺麗にいたしますから!」
と叫び、走り去っていった。
普段使っていなかったからか、大浴場がなかなかひどいありさまになってしまっているのかもしれない。
そのあと、年長組の子達から、四人の部屋にそれぞれ案内してもらい、一通り物色したあと、俺達は貴賓室に集まっていた。
「ニャ……ニャー?」
「駄目だよ。ちゃんと三毛猫もお風呂に入らないと」
「……ふぅん?聞いてはいたけど、オマエは本当に猫の言葉が分かるんだな」
「うん」
「ニャ、ウニャニャニャ、シャァー」
「駄目だよ、そんなこと言うの」
「出すぎたことを聞くけど……春日部さんに友達ができなかったのはもしかして」
「友達は沢山いたよ。ただ人間じゃなかっただけ」
「まあ、話ができて、気持ちが通じ会えるのなら、人間じゃなくても友達になれるのかも」
「うん。そうだよ」
「そ、そう」
なんて話していると、廊下から、
「ゆ、湯殿の用意ができました!女性様方からどうぞ!」
と聞こえてくる。
「ありがと。先に入らせてもらうわよ、十六夜君、瞬矢君」
「俺は二番風呂が好きな男だから特に問題はねえよ」
「まあ、気にせずゆっくりしてこい」
女性陣は真っ直ぐに大浴場へ向かっていった。
「いやぁ、それにしても騒がしい一日だったな」
「まったくだな。今日一日で何度水に濡れたことか」
「ハハ、でも楽しんでたろ?」
「否定はしないな」
なんて感じで、約五分くらい十六夜と雑談をしてみる。
「さて、そろそろ」
「ああ、アイツが風呂から上がってくる前に、外の奴らと話をつけておくか」
俺達はゆっくりと立ち上がり、外にいる不審者に話をつけに出た。
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