雷使いも異世界からやって来るそうですよ? 作:水槽のスイマー
一つ目の試練では知識を~となっていましたが
一つ目の試練では実力を~に替えさせていただきました。
雷切丸の所有者選定"のルールが書かれた紙を読んだ後、急に目の前の本尊(何故か鎧兜を纏った武者の様な出で立ちをしている)が動きだし、立ち上がった。
俺は雷切丸を台におきなおし構える。
『雷切丸の第一の試練は、前所有者の我を倒すこと』
そう言うと、本尊いや前所有者は腰にささっていた刀を抜き、台を飛び越え上段から切りかかってくる。
右に体をずらし、その攻撃を避けカウンターとして一撃いれる。けれど、それは鎧に威力を吸収されダメージが入らない。
前所有者は返す刀で切りかかってくるが、今度はバックステップでかわす。
今度は電撃を放ち攻撃してみる、確かに電気は通ったのだが、前所有者は平然と立っている。
なるほど、たぶんこいつは本尊に乗り移っていて、痛覚とかがない状況なのだろう。だから、最初の一撃はともかく電撃を食らっても平然としていたのだ。
なら、解決策は簡単だ、本尊を壊せばいい。
罰当たりなことだろうが、この場合は仕方がない。
『どうした?貴様の力はそんなものか!』
「いやいや、アンタを倒す方法を探っていただけさ」
『ほう?その方法とやらは見つかったのか?』
「まあな」
そう言いつつ俺はポッケからコインを取り出す。
そう、俺が今からやろうとしているのは、有名なあの技だ。
「超電磁砲<レールガン>!」
アニメ見て、できそうだな と思ってやったらできてしまった技だ。
『なあ!?』
本尊の腰の部分が消し飛び、上半身と下半身が二つに分かれる。
「これで、俺の勝ちでいいな?」
『ああ、完敗だ。まさか本尊を壊すなんて罰当たりなことする奴がいるなんてな」
「場合が場合だ。その本尊さんも許してくれるだろう」
『ふっ、まあいい。さぁ次の試練だ』
「次の試練か。確か精神力を試す試練だったな。寺だし座禅でもするのか?」
『いやいや、そんな甘いものではないさ』
前所有者の意味深な言葉を聞いた直後、突然雷切丸が光だす。
『雷切丸の第二の試練は、“記憶辿り"。雷切丸の歴代の所有者がたどった人生を疑似体験してもらう!』
前所有者がそう叫ぶと同時に大量の記憶が頭の中に流れ込んでくる。総勢27人の所有者の雷切丸を所持した後の記憶だ。
色々な記憶がある。
例えば一代目の所有者は、雷切丸の力を十全に扱えず暴走させ、命を落とした。
例えば七代目の所有者は、雷切丸を狙う者に暗殺された。
例えば十三代目の所有者は、雷切丸の価値を知った親友に殺された。
例えば十九代目の所有者は、雷切丸の力を恐れた君主に今まで力を尽くしてきたにもかかわらず処刑された。
例えば二十二代目の所有者は、この“記憶辿り"の結果人間不信に陥った。
例えばさっき闘った二十七代目の所有者は、息子に継がせようとした結果、失敗しみすみす死なせてしまった。
これは、挑戦者の覚悟を試す試練なのだろう。
歴代の所有者がたどった人生を見た後でも雷切丸を求めるかどうか調べているのだ。
まあ、他人の記憶など俺にしてみればフーンで済ませられることだ。こんなことが起きないよう気を付けようと思うだけである。
なら、この刀を手に入れるのを躊躇う必要などないのだ。
だから、俺はこう言う。
「こんな人生になろうと俺は雷切丸、お前が欲しい」
まるで、告白のようなことを言うと、雷切丸は光のを止めた。
『雷切丸は貴様を二十八代目の所有者に決めたようだ』
「へえ、じゃあ雷切丸を持っていってもいいんだな?」
『ああ、貴様は見事“雷切丸の所有者選定"をクリアした。雷切丸を手に入れたこと後悔するなよ?』
「しないさ。少なくともする予定はない」
『そうか。じゃあ任せたぞ』
そう言うと、本尊はもう動かなくなった。
どうやら、人生初のギフトゲームは無事クリアできたようだ。
「よろしくな、雷切丸」
そう言いながら俺は雷切丸を懐に入れた。
雷切丸の設定を一応書いておきます。
雷切丸
寺に置かれていた短刀。電気を溜めたり、電気を放ったりすることができる。オリ主のメイン武器の一つ。
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