雷使いも異世界からやって来るそうですよ?   作:水槽のスイマー

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第七話

「そろそろ行きましょうか。本当は皆さんを歓迎する為に素敵なお店を予約して色々とセッティングしていたのですけれど……不慮の事故続きで、今日はお流れとなってしまいました。また後日、きちんと歓迎を」

 

「いいわよ、無理しなくて。私達のコミュニティってそれはもう崖っぷちなんでしょう?」

黒ウサギの言葉を遮り久遠がそう言う。

 

その言葉を聞き、驚いたようにジンの方を見る黒ウサギ。

ジンの申し訳なさそうな顔を見て、事情を悟ったのか、顔を赤くし頭を下げた。

 

「も、申し訳ございません。皆さんを騙すのは気が引けたのですが……黒ウサギ達も必死だったのです」

 

「もういいわ。私は組織の水準なんてどうでもよかったもの。春日部さんはどう?」

 

「 私も起こってない。そもそもコミュニティがどうの、というのは別にどうでも……あ、でも」

 

「どうぞ気兼ねなく聞いてください。僕らに出来る事なら最低限の用意はさせてもらいます」

 

「そ、そんなに大それた物じゃないよ。ただ私は……毎日三食お風呂付きの寝床があればいいな、と思っただけだから」

 

ジンが固まった。三食の用意が難しいのか、風呂の用意が難しいのかはわからないが、どうやらこのコミュニティはそれほど酷い状態らしい。

 

「それなら大丈夫です!十六夜さんがこんな大きな水樹の苗を手に入れてくれましたから!これで水を買う必要もなくなりますし、水路を復活させることもできます♪」

 

どうやら難しいのは風呂の用意の方だったらしい。

 

それにしても、なんで十六夜は世界の果てを見に行って水樹を手に入れるなんてことになるのだろう?

 

「私達の国では水が豊富だったから毎日のように入れたけど、場所が変われば文化も違うものね。今日は理不尽に湖へ投げ出されたから、お風呂には絶対入りたかったところよ」

 

「それには同意だな。あんな手荒い招待は二度と御免だ」

 

「あう…………そ、それは黒ウサギの責任外のことですよ……」

 

「ん、責任外?なんだ召喚したのは黒ウサギじゃなかったのか?」

 

「は、はい。黒ウサギはあるお方に召喚を依頼しただけなのですよ」

 

ほう?だったらそいつにもちゃんと復讐しなきゃな。

 

「それじゃあ今日はコミュニティに帰る?」

 

「あ、ジン坊っちゃんは先にお帰りください。ギフトゲームが明日なら“サウザンドアイズ"に皆さんのギフト鑑定をお願いしないと。この水樹のこともありますし」

 

「“サウザンドアイズ"?コミュニティの名前か?」

 

「Yes!“サウザントアイズ"は特殊な“瞳"のギフトを持つ物達の群体コミュニティ。箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」

 

「ギフト鑑定というのは?」

 

「勿論、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定する事デス。自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんも自分の力の出処は気になるでしょう?」

 

まあ、確かに気になるな。

電気自体は皮膚で作っている感覚はあるが、本当かどうかはわからない。

 

「では、“サウザンドアイズ"に向けて出発です」

 




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