解放者よ再び リニューアル   作:甘党

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お別れの時

「どうやら僕はここまでですね」

 

誰もがもはやボロボロだった。神々との戦で僕たちはもはや敗北を喫し今は撤退戦を行っている途中だった。

 

「……どういう事だ?」

「兄さんたちは先に行ってください。俺は少しだけ残って戦います。最後の切り札も残してあるからちょうどいいだろ」

「ちょっと待って。それって」

「僕が犠牲になるよ。伝えるべき知識も言葉もオスカー兄さんに伝えてある。……最後にあがいてくる。神々の使徒って奴から一時間くらいは稼げるだろうしね」

 

少し寂しそうに笑う僕は神々との争いの最後の犠牲者となろうとしていた

 

「そんな。ダメだよ。ロック」

「リーダー分かっているんですよね?神の目的は僕ですし。元々僕は神の器だから僕がいなくなればその分神はしばらくの間は行動できなくなるから」

 

膨大な魔力を持ち、魔力操作による魔法の無詠唱、さらに回復魔法や結界魔法、さらには錬成など神代魔法以外の全ての魔法を一人で覚えきった僕の体質は神の目的となることは間違えはなかった、

 

「……本当に行くのか?」

「えぇ。オスカー兄さん。本当にありがとうございます。僕はあなたに拾われなかったらずっとこの世界どころか。オルクスでただの孤児として育ってきた僕を拾ってくれて」

 

一言ずつ挨拶をしていく。元々僕は少しの間様々なことを話始める。

このメンバーではオスカー兄さんの次に加入し。そして孤児だったのを拾われた。

たった今は僕にとってわずかながらの時間であれ。それでも幸せと言えることだった 

解放者のメンバーが。各自最後の挨拶を告げる。ほとんど全員が涙を流している。それだけ僕は愛されていたのだろう。

自分を可愛がってくれた

しかしもはや時間はなかった

神々の使徒が大勢で迫ってきている

俺とほぼ同じ顔の使徒もいるのに関わらず

 

「んじゃ。お別れですね。……願わくは。未来のために、未来につなぐために。人々が自由という自分の意思で生きられるように。僕はあなたたちに幸せと家族ができました。……未来は変えられる。未来は変わらないといけない。それは僕の目でも写っています。だから未来は兄さんたちに託します」

 

未来視。この少年が最初に気づいた魔法だった。

膨大な魔力をもちそして最後の言葉を交わす前一つだけとある未来が見える

 

「未来はいくつもの可能性があります。そして多くの人が、多くの生命が日々発達しているように。そして未来を描く駆け足になるように」

「……ロックちゃん」

「メルねぇ。泣かないでよ。僕も嫌に決まっているだろ。でも、僕の全てはみんなに託すことができたから死ぬのは怖くないんだよ」

 

そう。怖くないのだ。普通なら怖がる感情も何もない

ただ笑ってお別れしたかった

使徒のようにずっと人形として扱われた時とは違うんだと思って

 

「それなら私が、ご主人様が死ぬことは」

「できれば、その呼び名じゃなくて名前で呼んで欲しいな。リュー姉。分かっているんだろ?未来につなぐためにはこれが最善策って」

「でも」

「名前呼んで欲しいな。リュー姉ちゃん」

 

俺は笑顔でリュー姉ちゃんに向ける。

泣きながらリュー姉ちゃんは俺に抱きしめる

 

「ロックちゃん。ありがとう。絶対にあなたの事は忘れないから」

「うん。大好きだったよリュー姉」

 

俺も涙腺がこぼれそうになっている。

ラウス兄、ナイズ兄、ヴァン兄にも話したいことは一杯合ったがそれは叶わなかった

使徒の姿が見える距離まで近づいてきたのだ。だから数秒間だけハグに抑える。そして全員終えたところで最後の一言を告げる

 

「僕はこの先の未来は見られないけれどそれでもいつかは手を取り合って、例え異種族であっても友達や家族ができることを。それじゃあ最後に僕は家門はなかったよな。ミレディ姉さんの恩師の名前をとろう」

「えっ?」

 

そして宣言する

最後の言葉は笑って。後を託すようにしようとしたが

 

「僕の名前はこれからロック・リエーブル。それじゃあ……未来の人々が自分の意思で。生きられますように」

 

と僕は戦場へかける。そして最後の時を惜しむように。神に抗い始める。

時間稼ぎということをしっかりこなすため闇魔法や結界魔法主体の防御よりの魔法の使い方だ。

アーティファクトも神代魔法を使わずに対抗できる人間は恐らく僕が最初で最後の人間だろう。

しかしたった一人で前線で支える。

 

「分解」

 

魔力をつぎ込み次の砲弾を唱えていく

そして結果的にたった一人で2時間。それも一匹も虫一匹も通さなかった

でももう限界だった

体の一部は相手の分解で削り取られ既にボロボロの体に俺は最後の景色を眺める

もはや魔力もそんなに残っていないが小さく息を吐きそして最初から魔力をためていた最後の忠誠と呼ばれる体内に埋め込んである宝石を解放する

走馬灯が駆け巡ることはない。それはたった一つだけ俺が使える神代魔法並の力

輪廻転生が発動する

 

「そっか、僕はまた昔の兄さんたちに会えるんだよな。」

 

忘れてしまった記憶が蘇る。エリセンであった少年たちを思い出す。

その中に自分も相手側にいたはずだ

黒一点で他の女性から好かれていた少年

 

「……未来はきっと変えられる。また来世で今度は帰る立場として僕はあそこに立つ」

 

そういうと僕の体が、光が吸い込まれていき

その瞬間ロック・リエーブルは消滅した。

 

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