雷霧に包まれしこの世界で   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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4話です。
今回もごゆっくり、見ていってください。


第4話

演習が終わった次の日、俺たちは日本の誇る乗り物の1つ、新幹線に乗り、日本の古都である、京都まで来ていた。

沢山の和風の木造建築が建ち並び、由緒ある仏閣などの、歴史的建造物を目の前にし、俺とエルも、子供のようにはしゃいでいた。

……いやまあ、俺はともかくエルはまだ子供なのだが、普段感情を表にあまり出さないエルがはしゃぐのは珍しいだろう。

 

エルが普段よりも色々なことに興味を持ってくれるのは嬉しい。

かく言う今も、こうしてエルが興味を持った抹茶アイスを食しているのだが、さっきから食べ物を見つけては食べすぎではないだろうか。

いやまあ、日本の食べ物が美味しいのはわかる。

実際のところ、艦内で食べるご飯より実際美味しいのではないかと思うほどだ。

まあ、ただ単に俺の舌に合ってるだけなのかもしれないが。

そんな事を思いながらエルと2人で食べ歩きつつ、俺たちはどこかいい所がないかと、スマホで地図を見ていた。

 

「エル、どうやら駅の方に行くと『京都タワー』なるものがあるらしい、行ってみないか?」

 

「うん、行ってみる」

 

そうエルの同意も得られたところで、俺たちは駅の方へと向かい、立派にそびえ立つ、京都タワーへとやってきた。

夕方になって来ていたのもあり、展望台へと来ると、綺麗な茜色に染った、京都の町を見ることが出来た。

エルも楽しそうに街を眺め、据え置かれている望遠鏡で、日本の誇る国宝などを見て楽しんでくれていた。

 

その後、俺たちは電車に乗り、天橋立(あまのはしだて)の旅館にチェックインし、部屋へと行き、リラックスしていた。

明日には舞鶴へと向かい、自衛隊の艦艇を少し見てから、大阪へと向かい晩御飯を食べ、横須賀へと帰る予定だ。

 

今回天橋立に来た理由の一つとしては、日本の温泉に入ってみたかったのがある。

Japanese 裸の付き合いというものに慣れているわけもないので恥ずかしい気持ちはあるが、温泉があると聞けば入ってみたくなるだろう。

舞鶴へ向かうのは正直近いからついでに寄っていこうという訳だ。

 

しかし、温泉に入るのはいいが、温泉の成分は普通より転びやすいと聞くし、エルに何かあったら困る。

エルは確かに雷霧の子だが、艦艇がないとただの女の子なのだ。

ならば一緒に入って見てやった方がいいのだろうか。

 

そう思い、一応事前に調べてみた結果、京都は7歳以上と公衆浴場での混浴は禁止されてるらしく、ならばと今回は露天風呂付客室にしてみたのだが、果たしてどうしたもんか。

今まではしっかりと別々にシャワーを浴びていたが、日本のお風呂……それも温泉というものは初めてなのだ。

今日のエルを見た限り、はしゃぎ過ぎて転んで怪我をされると困る。

かと言って一緒に入るのは如何なものなのか。

 

よし、ここはエルを信じよう。

エルはしっかりしてる子だし、1人でも何とかなるはずだ。

そう思い、さっきからずっと窓の外を眺めているエルにその事を伝える。

エルならわかってくれるはずだ。

という訳で、温泉は転びやすいから気をつけてくれという事を伝えてみることにした。

 

「…わかった、でも艦長、日本の温泉は男女の裸の付き合いが必須って聞いた。裸の付き合いはしなくていいの?」

 

そう言われ、俺は返事に困った。

確かに日本の温泉は裸の付き合いをするものだが、なにも男女で入ることが必須という訳ではない。

と言うよりかは混浴の方が今は少ないくらいだ。

 

「…どこでその知識を?」

 

そう聞くと、?といったように、首を傾げながら、

 

「アレンお姉ちゃんの艦長に教えて貰った。『いいか、エルドリッジ。日本の温泉は混浴だ。そして日本人は温泉に入った時にいい女を探すんだ、そしてそのままヤりまくりさ』っていい笑顔を浮かべながら言ってた」

 

「あんのバカ上官がァ…!うちのエルになんて知識教えてくれてんだ!?」

 

「…?違うの?」

 

そう首を傾げて聞いてきてる辺り、エルはそれが本当のことだと思っているらしい。

これは早急に訂正して正しい知識を教えねばなるまい。

 

「いいか、エル?アレの言うことは信じちゃいけない、日本人は温泉にはいる時は確かに裸の付き合いだが、それは親睦を深めるためだ。そもそも今の日本は混浴の浴場の方が少ない、大抵が男女で別れてるさ。あと日本人はチキンだからアレみたいにすぐナンパしてヤるような人種じゃないはずだ」

 

「そうなの?じゃあ、日本人はロリコンだからエルも狙われるかもしれないって言ってたのは?」

 

うーんこれは否定出来ない。

実際ヒカルゲンジはロリコンだと言うし、実際に日本人は古来からロリコンなのは恐らく事実だろう。

それにエルは可愛い。

下手すればアメリカでも拉致られたりする可能性は高いはずだ。

だがそう日本人=ロリコンという知識をエルにつけていてもいいものだろうか。

浅井艦長などにもそういう印象を持たれると困る。

という事は訂正しておいた方がいいだろう。

うん、そうしよう。

 

「いいか、エル。確かに日本人はロリコンが多いかもしれない。だが全員が全員そうって訳じゃない」

 

「そうなの?」

 

「ああ、日本人にも年上好きとかはいる…はずだ」

 

「ふーん……わかった」

 

そうなんとか納得してもらい、俺は安堵のため息をついた。

しかし、あのバカ上官はいつの間にエルにこんなことを吹き込んだのだろうか。

これからもしっかりとそういう脅威から護ってやらねば、そう心に決めた後、俺たちは個々に日本の温泉というものを楽しんだ。

お互い温泉に心地よかったので長く浸かりすぎてのぼせてしまったが、それもいつかはいい思い出となる……はずだ。

 

~~~

~~

 

次の日、俺たちは朝早く起き、朝ごはんを食べてから、舞鶴へと向かった。

電車で向かっている最中に舞鶴について調べていたところ、どうやら『海軍ゆかりの港めぐり遊覧船』というものが出ているらしく、それで護衛艦を見ることになった。

 

到着してチケットを買い、しばらくお土産を眺めていると、やがて運行開始間近となり、乗り場へと向かう。

そして乗船してしばらく経つと俺たちは遊覧船に揺られながら、舞鶴の海へと出港した。

 

「艦長!日本の艦!」

 

「おお、沢山いるな…とは言っても、イージス艦とかの主力艦は全部出払ってるようだが」

 

そんな事を言いつつ写真を撮ったりして楽しんでいると、遠くに港へ入港してくる、2隻の護衛艦を発見することが出来た。

 

「見ろエル、日本のイージス艦だ」

 

そうエルへと言うと、エルはそのイージス艦を見てボーッとし始めた。

 

「どうした?エル?なにか気がかりなことでも?」

 

「……あの前を進む船、エルの仲間」

 

「なるほど、日本海側に配備された雷霧の……なんか送ってきてたりするのか?」

 

そうエルに尋ねると、エルはこっちを見てニコッとして、

 

「うん、『お姉ちゃんたちがお世話になりました』って」

 

「…そうか、よかったな、エル」

 

「うん!」

 

そうエルは嬉しそうに言うと、こちらにずっと向かってきている護衛艦へと、手を振り始めた。

するとその護衛艦から警笛が2回短く鳴り、俺とエルは顔を見合わせてから、お互い笑顔になった。

 

やがて遊覧船が一周し終わり、陸に上がってから記念に舞鶴の赤レンガ倉庫の前で1枚写真を撮ってから、俺たちは大阪へと向かった。

 

~~~

~~

 

「なんばグランド花月にくいだおれ太郎にグリコの看板…難波の名所は大体巡ったか」

 

そんな会話をしながら、俺たちは徐々に暗くなっていく中、晩御飯を食べる場所を探していた。

 

「エル、何が食べたい?」

 

「エルは…オコノミヤキが食べたい。どんな食べ物なのか気になる」

 

「了解、じゃあお好み焼きの店を探そうか」

 

そう言い、俺はスマホを操作して良さそうな店を探し始めた。

しばらく探し、見つけた店へ向かう。

英語が通じるかわからないので、ここはやはり慣れないが日本語で話すべきだろう。

俺の日本語が通じるかは不安だが、なんとかなる…はずだ。

 

やがて目的の店へと到着し、店内へと入る。

すると元気の良い『いらっしゃいませ』という日本語と共に、店員が席まで案内してくれた。

メニュー表は日本語と英語で書かれており、あまり注文に苦労することは無さそうだ。

 

「さて、エル、どれがいい?」

 

「この豚玉?っていうやつ。美味しそう」

 

「じゃあ俺もそれにしようかな、大盛りもあるみたいだし」

 

そう言い、俺は店員を呼んで注文し、しばらく待っていると、金属製のボウルにドロドロのお好み焼きの元を入れてやって来ると、店員が目の前で焼き始めてくれた。

 

「おお、凄いな、そしていい匂いだ」

 

「うん、エル、お腹空いた」

 

そんな会話をしている間に店員が生地に肉を乗せて焼き始め、しばらくしてひっくり返してから、蒸し焼きにするのであろうか、お好み焼きに蓋を乗せて焼き始めた。

そしてしばらく待ってから蓋を外し、最後にもう一度ひっくり返してソースや青のりなどをかけると、マヨネーズを使ってお好み焼きの上にイラストを描いてくれた。

 

「どうぞ、お召し上がりください」

 

「ありがとうございます」

 

そう言い、俺たちはコテを使って取り分け、慣れないお箸で食べることにした。

 

「美味しいな、エル?」

 

「うん、美味しい。でも…箸がちょっと使いづらい」

 

「仕方ないさ、使ったことがないもんな」

 

そう言い、なにかエルにも出来そうな食べ方をしている人がいないか探してみると、店内のお客さんの大半がコテを使って食べていることに気づいた。

 

「エル、どうやらこれを使っても食べられるらしい、やってみるか?」

 

「うん、やってみる」

 

そうエルは言うと、取り分け用とは別にあったコテを使って、ぎこちないながらも食べ始めた。

しかし、本人は箸などとは違う食べ方を楽しんでいるらしく、美味しいのも相まってかノンストップで食べていた。

 

しばらくして食べ終えると、ちょうどいい時間になっていたのでお金を払って店を出て駅へと戻り、地下鉄を使って新大阪駅まで行ってから、新幹線で帰っていった。




なんで温泉に行ったって?
主人公の胃にダイレクトアタックがしたかっただけです()

はい。(はいじゃないが)

ではまた次回、お会いしましょう!
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