雷霧に包まれしこの世界で   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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やっと書き終えました、第5話です。
最初は今まで通りミサイルの型式を言ったりしてましたが、途中からめんどくs……ゲフンゲフン、ややこしくなり、対空ミサイルだの対艦ミサイルだのの言い回しに変えました。
指示の飛ばし方も現代戦はよくわからないので知っている指示の飛ばし方(第二次大戦風?)にしました。
賛否両論あるでしょうがご了承ください。

では今回もごゆっくり、見ていってください!


第5話

『続いてのニュースです。昨夜、北朝鮮が発射した2発の弾道ミサイルは、1発は日本海、もう1発は日本の上空を通過し、福島県沖に着水したとの事です。これによる被害者は現時点ではおらず、国防省は今回の件について、『我が国の上空を通過させるという極めて危険な行為。それに対して厳重に抗議していきたい』との事で………』

 

そこまで言ったところで、俺はテレビのチャンネルを変える。

やはり朝早いということで、ニュース番組しかろくなものはやっておらず、はぁ…と一つため息をつき、テレビを切った。

 

「エル、武装の補充はあとどれ位だ?」

 

「……あとちょっと。VLSに装填が終わったら終わり………ねぇ、艦長」

 

そう報告を終えたと思うと、エルは悲しそうな顔で、こちらを見てきた。

 

「どうした?」

 

「昨日の夜ね、遠くから悲しそうな声が聞こえたの。『なんで、どうして私が!助けて!死にたくない!』って……」

 

「声?俺は聞こえなかったが……基地の警務隊には連絡したか?」

 

「ううん。多分、あれは人じゃないから……」

 

「人じゃない?それってどういう―――」

 

そう尋ねようとした時、プウウーッと、サイレンが響き始めた。

アメリカだと聞いたことの無いサイレンだが、音から緊急事態ということだけは理解ができ、反射的に立ち上がる。

しばらくすると、隊舎の中も、慌ただしく動き始めた。

どうすればいいのかと思っていると、基地の無線のマイクが入り、

 

『緊急事態発生、緊急事態発生、太平洋側から横須賀へ向かう多数の飛翔体を確認。抜錨可能な艦は直ちに抜錨、これを撃滅せよ。これは演習ではない、繰り返す、これは演習ではない!』

 

「エル!」

 

「わかった!」

 

そう言ってすぐに部屋から飛び出し、俺たちは係留されている駆逐艦エルドリッジまで走った。

艦の周りでは、整備士が慌ただしく出航準備をしている。

急いで階段を登って乗艦し、ハンドサインでその階段を外させる。

そして急いでブリッジまで走り、無線機を取った。

 

「こちらDDG-TF-1105『エルドリッジ』、抜錨します」

 

『了解、ご武運を』

 

「ありがとう。……よし、係留索を外せ!抜錨だ!」

 

そう合図すると、陸上のスタッフが、係留索を外す。

そして大急ぎで出港準備を終えると、艦首を沖へと向けた。

 

「機関最大戦速!周囲の船に最大限気をつけて沖へ!」

 

「わかった!機関最大戦速!周囲の船に最大限気をつけて沖へ!」

 

そう言っている間にも、次々に米海軍、及び海上自衛隊の艦艇が沖へと航行を開始し、これだけいれば数によっては全て撃墜可能なほどの艦艇が抜錨していた。

問題は飛翔体の数なのだが……

 

「エル、飛翔体の数は?」

 

「第1波合計36発、飛翔速度から見て巡航ミサイル…だと思う。既にESSMの射程圏内に入ってる」

 

「了解、対空戦闘開始、1番本艦から近い4本へESSM撃ち方始め」

 

「了解、ESSM撃ち方始め」

 

そうエルが言うと、前方甲板から順番に4本のESSMが飛翔していく。

自分たちの後方からも、全て撃墜可能な数の対空ミサイルが飛翔していることを確認し、主砲やCIWSでいつでも撃ち漏らした巡航ミサイルを撃ち落とせるように待機する。

やがて、飛翔してくる巡航ミサイルに次々に対空ミサイルが命中していき、反応は全て消えた…ように思われていた。

 

「……うそ!?艦長!巡航ミサイル第2波合計72発!そのすぐ後ろに第3波合計171発!」

 

「はぁ!?相手は正気か!?撃ちすぎだろ!?」

 

このままでは確実に撃ち漏らすものが出てきてしまう。

そう思っていると、本艦の前方を進む艦艇が、黄色く輝き始めた。

すると、イージスシステムでも制御不可能なレベルの数の対空ミサイルが飛翔していき、恐ろしい速度で迎撃を始めた。

 

「能力を使ったんだ…にしてもなんだあの性能は?明らかにオーバースペックだ」

 

「多分…装備と船体のスペックを上げる能力…だと思う」

 

「なるほどな……よし、こちらも対空ミサイル撃ち方始め!落とせるだけ落とせ!」

 

「了解!撃ち方始め!」

 

そうエルは言い、次々にミサイルをロックオンし、対空ミサイルを放ち始めた。

俺は対空戦闘をエルに任せながら、どうやってこの状況から切り抜けようか悩んでいた。

 

「エル、残りの飛翔体は何発だ?」

 

「あと20発!あと10秒後に主砲射程圏内!」

 

「了解!敵の位置、艦種は特定出来てるか?」

 

「うん、タイコンデロガ級が9隻、アーレイ・バーク級が18隻!」

 

「多いな……!?」

 

対するこっちは雷霧含めて19隻だ。

戦力的に対地攻撃をして来ているのがタイコンデロガ級だろうから、相手は対空ミサイルがまだまだ残っている状態だろう。

だが早めに叩かないとこちらが不利だ。

そう思っていると、基地から無線が届いた。

 

『戦闘中失礼する。こちら米軍横須賀基地司令、ジェフェリーだ。まもなくJSDFによる航空支援が行われる。それまでしばらくこらえてくれたまえ、では各員、健闘を祈る!』

 

そう無線通信が終わり、俺たちは少し希望を見つけたような気分になる。

しかし、この数相手に航空機による対艦戦闘は無謀ではないだろうか。

対空ミサイルによって撃墜される危険性もある……が、恐らくはそうも言ってられない状況なのだろう。

 

「…よし、エル!対艦戦闘を始める!目標、敵アーレイ・バーク級!」

 

「…!了解!対艦戦闘始める!」

 

「各艦に意志を通達、反応が来たらとりあえずマニュアル通りに進めるぞ!」

 

「わかった!各艦に通達!」

 

そうエルが言い、各艦に情報を通達する。

すると、対空戦闘をしていた米艦隊のうちの数隻が、エルドリッジの後方に単縦陣を取り始めた。

 

『こちらDDG-115『ラファエル・ペラルタ』以下3隻、貴艦の指示に従う。派手に行こうや!』

 

「了解!目標左舷敵艦隊!まずは対空要員を潰す!対艦戦闘、撃ち方始め!」

 

『Roger that!対艦戦闘、撃ち方始め!』

 

そう言い、単縦陣を組む艦艇から、敵艦に2発づつ対艦ミサイルが飛翔を開始する。

撃ち終わったのを確認し、レーダーを見ながら、当たるように祈り続けていると、やがて敵艦から、対空ミサイルが飛翔を開始した。

 

「艦長、敵艦を狙ったミサイル、全て迎撃された!」

 

「へあっ!?マジかよ!?」

 

これはマズイのではないだろうか。

今までなら、この戦法で1発は当たり、無力化できていた。

…しかし、今回はできていない。

つまり、敵は今まで通りには行かないという事だ。

 

「敵艦、対艦ミサイル発射!」

 

「弾数は!?」

 

「味方全艦に3発づつ!なおも増加中!」

 

「WTF!?バカみてぇに撃ってくるじゃねぇか!対空ミサイルはまだあるか!?」

 

「ある!でもこれ以上同じことをされると……!」

 

「まずは迎撃だ!対空戦闘、撃ち方始め!」

 

「対空戦闘撃ち方始め!」

 

そうエルが言い、対空ミサイルが飛翔を開始する。

やがて迎撃に成功したが、数発すり抜けてきてしまった。

 

「主砲迎撃開始!CIWSも撃てる時になったら迷わず撃て!」

 

「了解!主砲迎撃戦闘!」

 

そうエルが言い、主砲によるミサイルの迎撃が始まった。

敵の放ったミサイルは次々に迎撃されていくが、明らかに戦いの主導権を敵に握られてしまっていることは明らかだ。

 

「どうすればいい……!?」

 

そう言って色々と考えていると、唐突に敵艦隊の進路が変わった。

見る限り、なにかに追いかけられているような動きだ。

多分アレは恐らく……

 

「エル、今のうちに対艦ミサイルを!各艦に通知して一斉に叩くぞ!」

 

「わ、わかった!」

 

そう言い、各艦に通知し、各艦が撃てる最大本数を発射する。

それと同時に、遠距離からJSDFのF-2による対艦ミサイルも飛来してきた。

挟み撃ちの展開だ。

 

「対艦ミサイル、対空砲火網突破!敵艦チャフを散布!」

 

「もう遅い!当たれェ!」

 

そう叫ぶと同時に、対艦ミサイルが着弾する。

回避された数隻も、水中から起こった爆発によって、船体を叩き折られて沈んで行った。

 

「エル!周囲に敵艦は!?」

 

「敵反応無し!やったぁ……!」

 

そう柄にもなくエルも喜び、俺はその頭を撫でてやる。

間もなく対空戦闘チームからも全発撃墜と報告が入り、俺たちは歓喜に包まれていた。

 

―――しかし、これはつかの間の喜びに過ぎなかった。




はい。(はいじゃないが)
いかがでしょうか?
後書きに書くことが見当たらないので今回はこの辺で。
ではまた次回、お会いしましょう!
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