暫くしたあと、夢結と百之助は、制服に着替えた。着替え終わった所で夢結からある物を受け取った。
「本当は、昨日渡すべきだったのだけれど」
その手には3つの指輪が乗っていた。この指輪はリリィ全員が付けている物だ。
「これは?」
「貴方のシュツエンゲルと実の姉二人の指輪よ。」
「!…わざわざ済まない。」
百之助は、指輪を受け取ると引き出しに入っていたチェーンに通し首に付けた。
「じゃあ行こうか」
「ええ。」
寮を出て共用スペースに向かい少し早い昼ご飯を食べて工廠科に向かった。
「よお!昨日は世話になったな!百由!」
「そのへんにして上げなさい反省はしてるようだし。」
「や~ほんとごめん。今度埋め合わせするから」
こいつは真島百由である。
「分かったそれよりも俺の得物は?」
「廊下にある長い箱だよ。」
「了解。」
一端廊下に出て8m近い箱を開けると長いライフル型のチャームが出てきた。
「防衛軍が丹精込めて作った19式140口径57mm陽電子対艦ライフル砲、通称武御雷だよ」
「凄いな…変形機構は勿論オミットされてるだろうな?」
「うんだってそうしないと壊れちゃうでしょ?」
「そうだな」
直ぐに亜空間に収納する。
「いやー今のをご教授願いたいね〜。」
「馬鹿か、無理だ。」
「ですよね〜」
夢結も終わったらしく待っていた。
「じゃあありがとうな。」
「うん、またねー」
今度は射撃場に向う。
夢結と二人で射撃している頃、共用スペースでは…
百由と梨璃と楓そして二川二水が話をしていた。
「しっかし…よりによって夢結とシュツエンゲルとはね…」
そこに闖入者が現れた。
「辞めといたほうがいいぞ。」
「伊吹様」
「伊吹様」
「や〜トミー珍しいね話に割り込んでくるなんて。」
「あのーこの方は?」
「二水ちゃんは知らないか。トミー自己紹介してやって〜」
「ああ…元白襷隊所属富永伊吹だ。そうだな…保安官と言ったら分かるかな?」
「え?えええええええ!?」
二水は、驚いた上で鼻血が出ていた。
「大丈夫か?」
「大丈夫です〜」
「そうか…理由は心の傷が癒えてないからだな。いくら百之助が帰ってきたと言っても傷が深いからな。」
「あ〜やっぱり…」
「それに百之助の方が傷が深いと思っているらしくあまり甘えられてないからな…」
「その百之助はどうなの?」
「あれは元々失う事が多かったからあまり気にしてないな、それでもレギオンが壊滅してるから何とも…」
「あー凄く可愛がって貰ってたもんね…」
「全員がシュツエンゲルみたいな物だったからな、俺もだが…」
「あのー白襷隊ってどうなったんですか?」
二水は、恐る恐る聞いてみる。
「18人中16名が戦死。残り2名は重症、ほぼ玉砕だな。もう再建もしないから昨日手続きをして無くなったぞ」
「「「!…」」」
「その…すみません…」
「気にせんでいいさ。もう終わったことだ。」
「心鋼過ぎない?」
「俺も百之助も、軍人の家系だから慣れてるのさ。まあ、どうしてもと言うなら…頑張れ。では失礼。」
「うんじゃあね!」
こうしてトミーは去っていった。