アサルトリリィと呼ばれた男   作:岡村優

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97話

あともう少しで刃が届くという瞬間、何者かがその間に割って入り百之助の攻撃を受け流した。

 

キン!

 

「っ!?」

 

「ここで倒されては困る。私が相手をしよう。」

 

そう言った人物は刀を右手に左手にウィンチェスターライフルを所持していた。

 

「土方ァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

百之助は相手を視認し、殺気を全開で放ちながら、咆哮した。

 

「な、何!?」

 

「百之助様がこんなに感情むき出しで殺気を向けるなんて!」

 

これには全員が、困惑した。

 

「土方ァ!久し振りだなァ!!ここで決着付けようぜ!」

 

「ふん!他愛無し!」

 

両者は全力で激突した。

 

「!?土方って事は…土方歳三か!全員聞け!ありゃ敵だ!ヒュージ側に付いた人間でリリィ狩りのスペシャリストだ!気を付けろ!」

 

「なんですって!?」

 

「土方ァ!貴様何故戦う!戊申戦争はとっくの昔に終わってるぜ!まさか、幕府を倒した敵だからなんて抜かすんじゃねえだろうなァ!」

 

「そんなわけ無かろう!それはすでに終わっている!ならば日ノ本の害虫駆除を古い人間がすべきだ!」

 

「だからって他のやつ巻き込むんじゃねぇェェェ!!だから殺したのか!?ゲヘナの研究施設襲って!!研究員皆殺しにした上でそこに関わるリリィもすべて処分したってか!?テメェふざけるんじゃねぇよ!」

 

「でなければもっと血が流れていたぞ!貴様こそ分かっているんだろう!?このままでは民の血が流れるぞ!」

 

「分かってはいるが、だからといって関係のないリリィまで殺す事はねえだろうが!それぐらい貴様だって分かるはずだ!」

 

「ゲヘナは潰さねば多数の同胞が実験台になるのだぞ!」

 

「分かってるが単略的すぎるんだよ!それでヒュージ率いてゲヘナ叩きってか!?正気じゃねえぞ!!」

 

キン!ターン!カシャン!キン!

 

鍔迫り合いや互いの銃で撃ち合い、どんどん激化して行く。

 

「土方ァ!俺は貴様のやり方は気に食わねえが利害は一致してるようだなぁ!だがやり方が前時代的だ!退場願おうか!」

 

「ここで倒れる訳にはいかぬ!勿論貴様も私もだ!」

 

「そこをどけぇ!そいつだけは倒させてもらう!」

 

「それは聞けぬ!」

 

どんどん激化する二人の戦闘、その間にヒュージにケイブに逃げられた。

 

「くそ!」

 

「私の勝ちだな。…む!?」

 

上空から軽快な射撃音とともにフードを被った人物が上空から降下してきた。

 

タタタタタタタタ!!ガコン!パシュ!

 

持っていたのはP90だったがそれを空中で投棄、同時に背中のジョイントを解除し、背中から大きな大剣を右手で抜き左手の手甲から伸縮可能な槍をアンカーの如く射出し、その巻取り速度を利用して加速、土方に突貫する。

 

「ぐっ!?」

 

大剣と、槍は緑色の燐光を放っていた。双方ともに妖精兵器だ

 

「ガドファクスと、ペインシーラ!?」

 

「2対1か…流石に分が悪い、ここで退散するとしよう。」

 

そう言って土方はケイブの中に消えていった。見事な引き際であった。即座に百之助は闖入者に誰かを問う。

 

「そこのフードを被った貴様、何者だ。」

 

「あら?百之助、私の事を忘れたのかしら?実の姉だというのに。」

 

百之助は、一瞬誰か分からなかったが理解した瞬間その答えを否定した。

 

「奏姉上は俺が責任を持ってとどめを刺した、ありえん。」

 

「これを見てもそう思う?」

 

フードを取ったその人物は百之助と同じ髪の色に百之助の母によく似た顔をしていた。彼女を知る人物は絶句した。

 

「うそだろ…」

 

「そんな…」

 

「な…」

 

「馬鹿な…」 

 

そこには元白襷隊隊長にして百之助の実の姉、甲州撤退戦で戦死した船坂奏が目の前に立っていた。

 

「あら皆様、ごきげんよう。船坂奏と申します。地獄から戦場へ舞い戻ってまいりましたわ。姉妹兄弟共々以後お見知りおきを。」

 

その場で全員固まった。

 

 

 

 

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