大体4つのグループに分かれていた。こちらは第一グループ。叶星、高嶺、梨璃、夢結、百之助だ。
「では、私達は会場の飾り付け担当になりました!叶星様、高嶺様、どうぞよろしくおねがいします!」
「ええ、お役に立てるよう頑張ります。」
「園芸に関しては私も梨璃も百之助も詳しくありませんのでお二人に指示をお願いできれば。」
と、申し訳無さそうな夢結である。
「かしこまりました。」
「では早速そちらの苗を…百之助?何してるの?」
「え?何って?苗を運ぼうとしてるだけだが?」
百之助は苗を4つ持っていた。
「…重くない?」
「大丈夫だが?」
「あらそう…」
梨璃が素手で苗を掴み高嶺が注意する。
「梨璃さん、土が付いてて意外と思いから気をつけてね?作業用手袋もあるからどうぞ。」
「大丈夫ですよ高嶺様。私田舎で育ったんで土いじり好きなんですよ。」
「…田舎は関係あるのかしら?」
「ふふふ…でも梨璃さん。手袋は汚れから守ってくれるだけでは無くて怪我やかぶれも防ぐんですよ。」
「あ…なるほど!」
「そうよ、梨璃さんのこのお人形の様に可愛らしい指が傷付くのは耐えられないわ」
「お前本当に相変わらずだな…」
もちろん悪い意味でである。
「大丈夫です!お姉様に毎日しごかれて元から傷だらけですから」
「………」
必死に笑いを抑える百之助である。
「聞こえが悪いわよ。梨璃」
「ふふふ、流石は梨璃さんね。」
「姉妹の絆には勝てないか…ふふふ」
「お前らわざとだな…」
「えっ、どういうことですか?」
「それより、早く準備を勧めましょう。イベントが始まってしまうわ。」
「そっそうですねっ。叶星様、次は何をすればいいですか?」
「そうね、じゃあこちらの飾り付けをお願いします。好きな花を使って華やかにしたいわね。」
「はい!」
一方第2グループ。二水、楓、紅巴、奏のグループだ。
こちらは机を並べていた。
「はい、そのまま…あっ。ちょっと左にずれてます!長机を並べて…オッケーでーす!」
「ここで、物品の販売をするんですね…。何だかバザーみたいでワクワクしてしまいます。」
「あらあら〜」
奏は何故か楽しそうだ。
「販売するのは花の種や苗ですけどね。地元の方が大切に育てた植物を色々な地域に広げて緑の輪を広げよう!と言うのがフェアの目的ですから。」
「素晴らしいと思います…!そのイベントをお手伝い出来るなんて光栄です。」
「土岐さんはお優しい方ですね。私もご一緒できて嬉しいです!」
「そ、そんな!勿体無いお言葉…!」
少々狼狽気味である。
「お嫌でなければですけど…紅巴って呼んでいいですか?」
と、おずおずと二水が言う。
「も、勿論です。」
「やったぁ〜!じゃあ私の事も二水って呼んで頂けると嬉しいです!」
「二水…さんっ。」
「はい、紅巴さんっ。」
完全に二人の世界が出来上がっていた。(語弊があるかもしれないが…)
「あらあら〜仲が良い事は良い事だわ!」
「奏様……ともかく、ほんわかしている場合ではありませんわよ。値札の準備がまだですわ。」
と、釘を差したが…
「あっ、楓さん。」
「っ…!?」
「地方自治体の小規模なイベントとはいえ、金銭のやり取りが行われる以上、手は抜けませんわ。」
「ふふふっ」
「あ、楓さんはグランギニョル社のご令嬢なんですよ!私なんかじゃ理解できないような経済の話とか、とってもお詳しくてすごい方なんですからっ。」
と自慢げに二水が言う。
「それほどでも!ございませんわ!」
完全に鼻が高くなっていた。
「お、お噂は聞いております…。」
「噂…ですの?」
「一年生でありながら同学年のリリィに、シュッツエンゲルの契りを申し込むような熱いパッションをお持ちの方だとか…!そのシュッツエンゲルの契りを結ばれる事は無かったようですが、それでも変わらぬ愛を意中の方に注ぎつづけているとか…!」
なんか色々面白いことになっていた。二水は一度考え込みながらいや間違ってないような…間違っているような…なんかこう…という感じにビミョーな顔をした。
「う、うーん…間違っては無いですけど…」
「困りましたわ…わたくしと梨璃さんへの想いがガーデン外にまで響き渡っているだなんて!」
全く困っているようには見えなかった。
「えっ、梨璃さんって一柳隊の…。」
「私のロマンスは後ほど、じっくり聞かせて差し上げますわ。まずはこのイベントを盛り上げる為に奮起してくださいませ!そして、その暁には梨璃さんから感謝の抱擁を…くふふふ。」
「え、えーと…」
「あまり私の妹で遊ぶと…処すわよ☆」
目のハイライトが奏から消えていた。
「ヒッ!?」
流石に奏の圧力に紅巴は耐えられなかったようだ。…まあ向けた相手は違うのだが…
「大丈夫ですよ、紅巴さん。楓さん、時々こうなりますけどとっても優秀なリリィですから!それに奏様だって数多のギリギリの戦場を駆け抜けたリリィですから。」
「待っていらして梨璃さん!わたくしがあなたを甘美な夢の国の世界へ誘いますわ!」
「やっぱり百合ケ丘のリリィは凄いです。」
なんか色々勘違いされてそうであった。
次は第3グループを見てみよう。
姫歌、ミリアム、灯莉の三人だ。
「ここが姫歌の舞台になるのね…!屋外ステージなんて素敵じゃないのっ!」
「む…お主らか、神庭女子の助っ人と言うのは。」
「うんっ!よろしくね☆」
「む…あなたさてはひめかのライバルね!」
傍から見たら完全に残念な子である。
「はあ?何を言ってるのじゃ?」
「のじゃ〜☆」
「その髪型!そのルックス!百合ケ丘のアイドルリリィも中々どうして可愛いわね。まっ、一番はひめかなんだけど!」
完全にヤバイやつである。
「よく分からんが、手が開いてるなら手伝って欲しいここに看板を設置したいのじゃ」
「看板!ぼくがやる!描かせて!描かせて!描かせて〜っ!」
「お主が描くじゃと?」
「その子は丹波灯莉。こう見えてセンスは抜群だから任せて良いと思うわひめかが保証してあげる。」
「う〜む、お主のお墨付きがどういうものか分からぬが…面白そうだからお願いするかの。道具はそのへんにあるから好きに使うといい」
「やったー!それいけ〜☆」
と言ってすごい勢いで描き始めた。
「灯莉、ひめかのイラストは一番大きく描くのよ。」
「グリーンフェアの看板になんでお主が登場するのだ?」
その指摘はごもっともである。
「まあ、いい。挨拶が遅れたがわしはミリアム・ヒルデガルド・V・グロピウス以後よしなに頼む。」
「ミリアム・ヒルデガルド・V・グロピウス、ね。ひめかはひめかって言うの!ひめひめって呼んでね。」
「ほう、わしの名前を一発で正確に覚えるとはやりよる。」
「ファンや共演者の名前を間違えるわけにはいかないもの。アイドルリリィとしては当然のスキルよ!」
「アイドル…」
ミリアムは少し考え込み…一つの結論を導き出した。
「なるほどちょっとあれな者なのじゃな。大丈夫、大丈夫、変人の扱いに慣れておるからな。」
「変人じゃなくてアイドルですっー!」
「は…出来たじゃと?今さっき作業を始めたというのに何を ー」
流石にこれには驚愕である。
「見て見て!この看板!」
「ほう…これは森の中をイメージしたのか…。ちょいとファンタジックじゃが、雰囲気は出ておるのぉ〜」
実際すごく良かったようだ。と、その時。
ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!
「む…ヒュージが現れたか!」
「さっき倒したのにもう!?」
「先程の襲撃はお主らが対処してくれたのか。おそらく、同一のグループが散らばっておるのじゃろうヒュージもそう都合良くまとまって現れてくれるとは限らんのじゃ。」
「ど、どうしよう定盛!」
深刻な表情である。
「えっ、な、なに、どうかしたの灯莉。」
「ヒュージを見に行きたいけど…絵も描きたい…!ぼく、どうすればいいの〜☆」
「知らないわよ!」
「ヒュージを見たい…百由様みたいな事を言うやつじゃの…」
「そうだ!看板を持って行ってヒュージを模写しよう!定盛ー手伝ってー」
ヒュージを看板に描いてどうするかと言う考えはこの際捨てておく。
「お断りよ!あと、ひめかのことはひめひめと呼びなさーいっ!」
三人は戦闘地域に移動した。