アサルトリリィと呼ばれた男   作:岡村優

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10話

演習場に来た百之助は、開口一番感想を述べた。

 

「しかしまあ…アールブヘイム、顔ぶれが変わったな!」

 

現在のアールブヘイムは、二代目に当たる。

 

「うん…色々あってね…」

 

「言わんでいいぞ〜…大体察した。」

 

「ごめん…」

 

「でどいつだ?俺の事を言ってるのは?」

 

「そこの三人。」

 

「なるほど…自己紹介は後回しな。」

 

「りょ〜かい」

 

「俺たちが最初?」

 

「なわけ無いでしょ!」

 

「了解…文香?行けるか?」

 

「何時でも…準備完了です。」

 

文香の腰には小太刀を差し。両手には二本のチャームが収まっていた。

 

「へえ…レアスキル、円環の御手なんだ…」

 

「まだあるぞ…ブーストとか。」

 

ブーストは、通常の3倍の威力が出るスキルで常時発動である。

 

「とかって事は…まだあるの?」

 

「何があるのかは知らない。」

 

「えぇ…」

 

二人が配置につく。依奈が号令を掛ける。

 

「両者構えて!…始め!」

 

「参ります!」

 

最初に動いたのは文香だった。一瞬で距離を取る。

 

「縮地!?」

 

次に目が赤く染まり髪が白く染まる。

 

「ルナティックトランサーまで!?」

 

一瞬で距離を詰め樟美に斬りかかる。

 

「!?…っ」

 

ギン!

 

一撃入れ反撃される前に反対に飛ぶ。そしてまた斬りかかる。

 

ギン!

 

「ぐぅ!」

 

「凄い…完全な一撃離脱…」

 

暫くしてまた距離を取ったが今度はチャームを投げた。

二つのチャームが空中を飛翔する。

 

ガン!ガン…ガラン。

 

樟美が弾き飛ばしスキができる。そこに太ももから抜いたHK45、2丁を発泡する。

 

ババババ

 

それをとっさに回避する樟美。

 

「危なかった…」

 

直ぐにホルスターに戻し、小太刀を抜いて突貫する。

 

「ふっ!」

 

斬りかかる。そのままつばぜり合いに以降…すると文香は、樟美のチャームを掴み足を払って押し倒す。

 

どさ…チャキ…。

 

 

「参りました…」

 

小太刀を放り頭にHK45を突きつけていた。

 

「それまで!」

 

「有難うございました。」

 

樟美を立たせ。礼をする。

 

 

「よくよく考えたらおかしいよね?レアスキルって一つ以上持てたっけ?」

 

「無理だな。」

 

「貴方も4つ持ってたよね?」

 

「あぁ…」

 

「その手の研究してる人からして見れば…卒倒するわねこれ。」

 

「まあな…内の家の連中は何故か複数持ってんだよな…」

 

「謎だね…」

 

「あぁ…次は俺らだな。」

 

「えぇ…」

 

ガチャ…チャキン

 

MP17にマガジンを刺しコッキングする。

 

カチン

 

MP17をホルスターに収め。刀を抜刀する。

 

「あれ?ライフルは?」

 

「この距離ならいらない…むしろ邪魔だ。」

 

「そう…」

 

依奈が号令を掛ける。

 

「両者構えて!…始め!」

 

両者は、同時に地面を蹴った。

 

 


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