百之助は、このまま言うべきか悩んだ結果まだ言わないことにした。
「さっき言おうと思ったけど辞めるよ、またの機会にしよう。」
「分かりました。」
梨璃もあまり重いことは聞きたく無かったので利害が一致した。
「それよりも…文香の子供見に行こうぜ?」
「それは良いわね…行きましょう」
三人は保健室に向った。すると共用スペースで楓と二水がいたので声を掛ける。
「二人とも文香の子供。見に行かないか?」
「ええ!行きますわ!」
「私も行きます!」
と言う事で保健室に向った。すると保健室近くで百之助は旧大日本帝国陸軍の軍服を深緑に染めた服を身に着けた二名の軍人を見つけた。
「父上、爺上お久しぶりです。」
「百之助か…久しいな」
「そうじゃの…最後に見たのは8つの時じゃったから…大きくなったの…」
百之助と夢結以外の三人は困惑していた。夢結は構わずあいさつした。
「お久しぶりです。」
「夢結ちゃんか…久しぶりだな。」
「久しいの…」
梨璃が切り出す。
「あの…この方々は?」
「自己紹介してやって…」
「ん?ああ…大日本帝国、防衛陸軍大将、船坂景だ。百之助と文香の父だ。」
厳密には日本国が正しいのだが他国か帝国と呼ぶせいでそのままなし崩し的にそうなったのだ。
「同じく、防衛陸軍元帥、船坂景雲じゃ。祖父じゃな。」
これには三人とも絶句した。防衛軍のトップとその部下であるからだ。
景雲は、名乗ろうとした。三人娘を手で静止した。
「卿らは名乗る必要はない…知っておるからの。」
「「「分かりました(わ)」」」
「所で何で爺上までいるのさ?」
「それは…じゃな…」
景雲が濁したがそれを途中でさえぎった
「私が文香嬢と卿に会いたかったからだ。」
振り向くと声の主と共に伊吹が歩いてきた。周りの人達は目を見開いて固まった。
「お久しぶりです今上天皇陛下。」
「卿と私の仲であろう?昔のように呼ぶが良い。」
「では照久。これでいい?」
「それで良い。我が友よ。」
周りを置いてきぼりにして照久は名乗る。
「今上天皇、照久である。リリィ諸君、今日は非公式であるから楽にせよ。」
そうは言っても天皇陛下であるから楽にできない…と言うのが周りの意見であった。助けてと目線が百之助に突き刺さる。
助け船を出したのは景だった。
「陛下、皆萎縮してしまっています。ですからもう少し砕けて話されてはいかがですか?」
「おお…それはすまぬ…。照久だ、よろしく頼む。」
流石に砕け過ぎではないかと思う一同である。しかしチャレンジャーがいた。梨璃だ。
「照久様、百之助様とどういう関係で…?」
「梨璃!?」
これには夢結が悲鳴に近い声をあげた。
「よい、私の最初の友が百之助なのだ。その次が伊吹であるが。」
「そうですか…」
痺れを切らした百之助が促す。
「とりあえず保健室入ろうぜ?」
「そうであるな。」
そして一同は保健室に入った。