百之助は、横に居る文香に呆れていた。
「まさか…翌日から復帰するとは…思わなかったよ。」
「ですが兄上…身体が訛ってしまいます。」
文香は、七々を抱いていた。
「分かった…」
二人は共用スペースに向かうと、人だかりが出来ていた。
「なんだろう?」
「さあ?」
覗いてみると梨璃が暴れる夢結を取り押さえていた。
ジャンプして人だかりの中に入った。
「何があった?…なるほど。」
ポスターを見て納得した。
「百之助様…助…けて…下さい。」
「了解。」
夢結の前に立ち前から抱きしめ、キスをした。周りは黄色い悲鳴で充満したが無視する。
「落ち着いたか?夢結?」
「ええ…でも…恥ずかしいわ…///」
顔を百之助の胸に埋めるが耳が真っ赤なので赤面してるのが丸わかりである。頭を撫でながら周りを見渡すと周りの野次馬達も赤面していた。
「何故…こうなった?」
「そりゃ、見慣れてないからよ。中等部からいる私達はともかく、他の娘は見慣れてないから。」
「そいつは悪かったな…天葉。」
天葉が呆れたように言う。
「もう結婚しちゃえば?…そっちの方が嬉しいんだけど?」
「それにはノーコメント。」
「あっそ。でも、何でそんなベッタリなのかは教えてくれても良いんじゃない?」
一瞬百之助は、考えた。これに関しては実体験であり。重いからだ。
「10%…これが何を指すかわかるか?ヒントはそうだな…これだ。」
百之助は、虚空から指輪がたくさん付いたチェーンを出す。
「何それ?」
「なんだと思う?」
それを空葉に放る。
「よっと…………リリィが身に着ける指輪だよね全部…」
受け取った天葉は、分かったようだ。
「結論から言おう。そのチェーンに付いているのは…戦死したリリィの指輪だ。そして10%とは白襷隊に所属していたリリィで生きてここを卒業できた数値だ。」
この言葉に周りのリリィは、戦慄した。
「何故そんなに死んでるのかって?簡単だ、戦い方が違うからだ。白襷隊以外は基本的に戦線を維持する為の部隊だ。それに対し白白襷隊は、槍だ。敵陣を引っ掻き回し一対多数戦闘で敵を撹乱または突破する。最も戦死率の高い部隊なのさ。それを嬉々として受け入れる白襷隊は、並のリリィでは務まらない。だから基本的に、国の為なら死ぬ事すら受け入れる事ができるリリィが集まって出来たのが白襷隊だ。因みに殆どが軍人の家系のリリィだ。…俺はその中でも槍の矛先を担当していた。ここは最も死亡率が高い位置だ。話しがずれたな…それといちゃつくのとなんの関係があるかって?簡単だ。リリィとて人間、すぐ死ぬ。だから悔いを残さない為にも言いたい事は言ってしまう。その人が死んでしまったら言えなくなって、それが傷になってしまうから…君たちもそうだよ?…言いたい事は…すべて相手に伝えたほうがいい…喧嘩したなら直ぐに謝るべきだ…死んでしまったら…言えなくなってしまうのだから…だからこそ俺は戦場に立つ、そう言った事が少なくなる様に…戦死者が増えないように。そして今まで戦場で散って行った戦友を始めとしてこの国の為に散って行った、先祖たちの為にも俺はその意志を継ぐ。」
「そう…なのね…」
「でも、俺はこのまま戦争が続けば良いとすら思っている。何故なら平和とは戦争の準備期間であるからだ。ヒュージがいなくなったら今度は人類同士で殺し合う。その時先頭に立つのは俺達かもしれないからな。」
「何それ…」
天葉は、目を見開き絶句している。
「だって、どこの軍事資料も作戦用紙にもそう書かれてるし…俺の親父陸軍大将だから。情報が入って来るんだもん。今の所親父が抑えてるし、陛下が許可しないから、不可能だけど。」
その言葉に胸を撫で下ろす一同である。
「とまあそいうことで説明を終わる。」
それで百之助は、これ以上は何も言わんとばかりに夢結を抱きしめた。