アサルトリリィと呼ばれた男   作:岡村優

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21話

「で?今日はどうすんだ?」

 

野次馬がいなくなったところで百之助、文香、夢結、梨璃は共用スペースにて紅茶を飲んでいた。

 

「まだ決めてないわ。」

 

「エッへへ〜」

 

「そうか…ところで夢結のシルトは、顔がとろけてるが良いのか?」

 

梨璃は完全にとろけていた。

 

「良くないわよ…梨璃貴方これから講義でしょう?予習は?」

 

「分かってはいるんですけど〜今お姉様の顔を見ていられるのが幸せで、幸せで〜」

 

(駄目だこりゃ…)

 

(駄目ですね…)

 

(迂闊だったわ…)

 

と梨璃以外の面々は同じ事を思った。夢結は何かを閃いたようで…

 

「梨璃、貴方にお願いがあります。」

 

「ハァイ〜何なりと〜」

 

梨璃のサイドテールが揺れていたのが子犬の尻尾みたいであった。

 

「レギオンを作りなさい。」

 

「は?」

 

「分かりました!」

 

「即答!?」

 

「へ?…レギオン?て何でしたっけ?」

 

「おいー!?知らんで答えたんかい!」

 

ズサー

 

「二水ちゃん!?」

 

今のは二水が頭からスライディングしたのである。

 

「あはは…御機嫌よう…ははは…」

 

「二水さん、お願いします。」

 

「はっはい!レギオンとは基本的に9人一組で構成されるリリィの戦闘隊員の事です。」

 

「因みにアールブヘイムや白襷隊がそれだ。」

 

「所で二水さん…お祝い有難うございます。」

 

夢結は、静かにキレていた。

 

「ど…どういたしまして」

 

「けど、どうして私がレギオンを?」

 

「貴方が最近弛んでいるから、少しはリリィらしい事をしてみると良いでしょう。」

 

「リリィらしい…分かりましたお姉様!精一杯頑張ります!」

 

夢結は紅茶を飲んでいたが次の言葉で吹き出した。

 

「なんたってお姉様達のレギオンを作るんですから!」

 

「ブフ!」

 

「大丈夫か?」

 

「ええ…」

 

「所で…お姉様達とは?」

 

「へ?お姉様と百之助様と伊吹様と文香ちゃんですが?」

 

「あー…俺と伊吹と文香以外で9人集めてくれ。そしたら入るから…」

 

「何でですか?」

 

「それに関してはレギオンが出来たら教えてあげるよ…どうせ全員が知っててもらった方がいいからな。」

 

「分かりました!」

 

「では早速勧誘です!」

 

梨璃と二水は、走って行ってしまった。

 

 

「いえ…そうゆう意味では…」

 

「諦めろ…なるようにしかならん。」

 

「では私は失礼しますね兄上、夢結様。」

 

「ええ…」

 

「おう。」

 

文香は、退席していってしまった。

 

「貴方…良かったの?」

 

「何が?」

 

「貴方の居たレギオンの特殊性を考えたら、他のレギオンに入ると、運用に支障が出るのでは無いかしら?」

 

「確かに一利あるが…問題ない。そこは考えてある。」

 

「そう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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