「やれやれ…どうしてこうなった。」
ある日百之助は、中庭で昼寝をしていたら身体が重かったので起きてみたら。左側に文香、右側に夢結が寝ていた。起こすのは酷だったので頭を撫でていたらいきなり声が掛けられた。
「両手に花ですね、百之助?」
見れば金髪碧眼の少女が立っていた。
「珍しいな…で、何のようだ錬金術師。いや、ハインリヒ・クンラート。」
「手厳しいですね。真祖夜々の後継、船坂百之助。それはそうとさっさと結婚なされてはいかがですか?」
「法律の問題で不可能だ。歳が足りん。」
「そうですか…月日が経つのは早いですね…。」
「そうかよ…」
「その娘を離しては成りませんよ。ただひたすらに愛してあげなさい。貴方が息絶えるその時まで…」
「そうするつもりだが?」
「なら安心ですね。」
「で?何しに来た?」
「その娘の心を折り、貴方しか愛せないように洗脳調教して監禁し、貴方無しに生きられない身体にして差し上げようかと。」
内容が滅茶苦茶怖かった。
「…いや…怖すぎるだろ…」
「後遺症を残さない薬を作るなど錬金術師にとって造作も無い事です。依存性の高い媚薬作りましょうか?」
「薬漬けにする気満々じゃねえか…」
このマッドサイエンティストは、頭がぶっ飛び過ぎてないかと思う百之助である。
「そうですか?私がいた時代は錬金術師は、そうやってましたが…」
と、心底意外そうにしていた。
「昔の錬金術師、頭のネジ絶対飛んでるだろ…」
「他の人が来たので失礼します。」
言うが早いか直ぐに消えてしまった。
「何だってんだ…」
もう一度寝ようとすると声を掛けられた。
「さっきの誰?」
「お前か…天葉。」
見れば天葉が仁王立ちしていた。
「で?誰よ?」
「言ってもわからんだろ…」
「また会うかもしれないでしょう?)
「はぁ…ハインリヒ・クンラート。約300年前の錬金術師だ。俺らの大先輩に当たるリリィだよ…」
これには首を傾げる空葉。
「何で生きてるのよ?」
「一回死んでるぞ?自爆してな。そしたら神が不老不死の体を作って魂入れられたんだよ。」
「何よそれ…」
「同じようなのがあと3人いてそれらは、【守護者】と言われてるぜ?」
「へぇ…」
「まあ…ヒュージとの戦いは遙か昔から有るからな…詳しい話はできんが…」
「そう…その時は教えて?」
「いいぜ?」
「じゃあ邪魔したら悪いからこれで」
「おう!」
こうして天葉は、去っていった。
「さてと…寝ますかね…」
そうして百之助は、深淵に飲まれていった。