百之助は、とある場所に来ていた。
ー宇都宮要塞ー
この要塞は、近衛軍第一、第二近衛師団の守る天皇陛下の仮住まいであり、近衛軍及び防衛軍の総司令部であり、関東方面軍司令部でもある。大変重要な要塞である。
百之助は、この要塞に関東方面軍司令官一柳竜也中将と面会する為に百合ヶ丘からオスプレイで来ていた。
「久しぶりだ…お?」
「船坂百之助閣下!お待ちしておりました!」
彼は百之助の部下であり、双子の弟でもある。互いに敬礼した後歩いて行く。
「船坂祐也大佐…久しいな」
「ハッ、小官が途中までお供します!」
「ありがとう…いつも通りで良いぞ?)
「そうさせてもらうよ…兄上」
「所で佳奈美とは進展は、あったのか?」
「親父じゃないんだから…」
「だろうな。」
そんなふうに、他愛のない話をしながら歩いて行くと途中で、一柳中将の副官である八島尊少佐に引き継いでもらい、関東方面軍司令官室の前まで来る。
「八島少佐です。船坂百之助近衛少将をお連れしました。」
「入り給え。」
「ハッ、失礼します!」
「それで?話とは?…まあ…座り給え。」
「はい、お言葉に甘えて…」
「どうしたんだ?」
「実は…御息女の一柳梨璃の話なのですが…」
百之助は、経緯を話した。
「なるほど…それについてはいつか話すつもりであったので。それが早まるだけなのでか構わない。」
「分かりました…では、そのように。」
「少将…娘を、頼む。」
「この命に変えましても。我が妹を守り通します。」
「済まない…ありがとう」
「では失礼します。」
「では、また。」
そうして百之助は退室し、百合ヶ丘に戻った。
その時は既に夜であった。息吹から梨璃の誕生会をやると言われていたので共用スペースに向った。
「おー夢結が可愛い顔晒してるじゃないか〜!」
「百之助様!?」
「おー梨璃。なかなか過激なことしてるな〜?」
「百之助?嫉妬したのか?」
「馬鹿かよ!妹に嫉妬してどうするんだ!?」
「「「「「「「「「へ?」」」」」」」」
全員が固まった。
「どうゆうことだ?」
「それはな梅、梨璃と俺は異母兄妹だ。」
「どうゆう…事ですか?」
「それはな…実は君の母上は、一柳竜也中将と結婚する前からお腹に子供を抱えていたのだ。…つまりそういう事さ。」
「まじか…」
「ええ…」
流石に動揺を隠せない一同である。
「うちの親父が君にこれを渡すそうだ。」
そう言いながら小さい箱を渡す。
「これ何ですか?」
「開けてみて?」
開けると中から守り刀が出てきた。
「いいんですか?」
「良いんだよ!貰っとけ!あとこれも!」
「なんですかこれ?」
手紙である。
「君の父上からさ。」
「分かりました。」
「百之助、レギオンメンバー揃ったわよ?」
「じゃあ入る。」
「即答!?」
「よろしく頼む。戦友諸君!」