「百之助様、ギン様がお見えです。お通ししても宜しいですか?」
話してる途中に船坂家使用人の一人である仲居さんが話しかけてきた。
「じゃあ俺たちは母上の所に行ってくるから」
「わかった。」
「「お姉ちゃんたちバイバイ。」」
「「なのです。」」
百之助と、文香を除く船坂兄弟は退室した。
「仲居さん。ギンを入れて。」
「分かりました。」
するとちょこんと、角の生えた銀髪赤眼の少女が入ってきた。
「じゃまするぞ。」
と言って輪の中に入ってきた。
「百之助、注文の品すべて持ってきたぞ。」
「早くないか?」
「じゃから突貫で作ったんじゃろうが!…大体貴様は自分の命を何だと思っとるか!!いいか?貴様が折った刀はな、化外相手でも十分戦える代物じゃったんだぞ!?分かっておるのか!このうつけがッ!!」
物凄く御立腹である。
「すみませんでした…」
「ハァ…船坂の者は、血の気が多くて、挙句の果てには自分の命を軽視しよる…だから嫌なのじゃ…」
「戦場で散るのはこの上ない喜びだし、俺自身戦う為に戦ってるからね…と、以前の俺なら答えただろうね。」
「ほう?」
「今は、好きな人の為に生きて帰らねばと思ってるし、その人を守る為に戦うことにしたよ」
その言葉に夢結が顔を赤らめ、それを見たギンが獲物を見つけたかのような顔をした。
「ほほう!色を知ったか!良きかな良きかな!なら問題あるまい!…大切にせえよ?」
「分かってるさ」
「さて…本題に入る前にだ、安藤鶴紗とはどの娘かの?」
全員が鶴紗を見た。
「わたしがそうですが…」
「フム…確かに面影があるの…貴様の父上とは、交流があってな、遺品を渡そうかと思ったのじゃ」
「ッ!?」
ギンは、いうが早いか鶴紗の前に大きいガンケースを置いた。
「…これはの、戦死した際に身に着けていた戦道具じゃ…持っていけ。本来貴様が持つべき物じゃからな。」
「何故貴方が持ってるんですか?」
「聞きたいかの?…百之助…教えてやれ、知っておろうが。」
「分かったよ…全員落ち着いて聞いてくれ…[静岡陥落]って知ってるか?」
「それと鶴紗になんの関係があるんだよ…」
「梅、それはな…静岡陥落の原因を作ったのが、防衛陸軍第一大隊大佐、安藤鶴太だったからだ。」
「なぁ!?」
「そんな…」
「違う!父は…玉砕を謀ったんじゃ無い!撤退しようとした時には…もう…」
「時間が無かった。全部調べてるよ。だから知ってる。」
「分かった…続けて先輩。」
「あの戦には、俺も参加しててな。その時に死体の散乱した。防衛陣地があったので武器弾薬とドッグタグを俺が回収してたのさ。その武器は元々ギンと、その弟子が作ったものだから。ギンが持ってたってわけさ」
鶴紗は、ガンケースに目を落とした。
「そう…ですか…」
「…開けて見るが良い…」
言われるがままにガンケースを開ける。そこには64式小銃改、64式銃剣改、軍刀、30発入り弾倉6個、M17とホルスター…そしてドッグタグもはいっていた。
鶴紗は、ドッグタグを持ち上げ…
「うッ…うわアアアアアアアアアアアアアア!…お父さん…うッうッ…」
涙腺が崩壊した。
「あのうつけめ…娘を残して征くとは…ふざけるで無いわ…」
頃くして鶴紗が泣き止んだ所で本題に入る。
「自己紹介がまだじゃったの、儂は酒吞童子の娘でギンと申す。この国の兵の刀は全て儂が作ったものじゃ…貴様らが使うチャームとやらの原型を作ったのは儂じゃ。」
「そうなんですか!?」
二水もびっくりである
「おうよ!…ほれ、百之助お前のじゃ」
亜空間から刀を取り出しその中の長い物を百之助に渡した。
百之助は袋からだし鞘から抜く。
「込めてみい」
百之助は、マギを込める。すると刀身の刃先が青く光る
「おお…」
「試作の低振動術式を組み込んだ刀じゃ…普通の物より肉厚で作っておいたぞ」
「有難う!」
「おう!いい仕事したぞ!全部合わせて19振り!お望みどうり作ってやったわ!文香は持っとるから別にして…貴様らの刀じゃ受け取れ!」
「はい?…まさか…わたし達のため?」
天葉を始めとして首を傾げる。
「そうだが?チャームが戦場で壊れたときの為に持っとけ。」
「いいのかしら?」
「おう!」
全員が刀を受け取る。
「取り回しやすい様に、小太刀にしておいてやったわ!…いや〜いい仕事したの〜」
「ありがたいわね」
全員がこれには感謝することになろうとはこの時は思わなかった。