アサルトリリィと呼ばれた男   作:岡村優

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42話

「あ、真霧?調教ってお願いしたけど、指揮官以外洗脳で。後、指揮官以外はどっかの山のわかりやすいとこに捨てといて。」

 

百之助は、気が変わった為真霧に電話していた。

 

『分かった。任せろ』

 

「済まないね」

 

『構わんよ?』

 

「じゃあな」

 

『おう』

 

そう言って電話を切った。

 

「儂は戻るぞ?」

 

「うん。ありがとう!ひい爺様!」

 

そう言って徳永は、退室した。

 

「さてと…風呂の前に母上に会いに行きますかね。」

 

「情報量が多すぎるんだが…」

 

「それは仕方ない。何せ従兄弟もここに住んでるしな。」

 

これには全員が呆れた。

 

「なん世帯よ…」

 

「知りません。」

 

「自分の家だよな?」

 

「忘れました。」

 

「ええ…」

 

そんな事を話していたら襖をいきなり開けた人物がいた。

 

「母上!?」

 

「何時まで経っても来ないから来てしまったわ。」

 

そう言いながら和服を着た女性が入ってきた。百之助によく似ており、髪と目が黒く妖艶な雰囲気を漂わせていた。

 

そして百之助の隣に座り、百之助を抱きしめた。

 

「!…母上!?」

 

背丈で言えば百之助の方が17センチ殆ど大きい。百之助の母は夢結と、同じ身長である。

 

百之助は、自制するのに必死であった。何故なら母親とはいえ胸がとても大きいからである。

 

「良いじゃない…久しぶりなんだから…」

 

こう言われてしまうと、反論できない百之助である。

 

頃くして百之助を離した女性が自己紹介を始めた。

 

「私は、百之助の母で船坂知恵よ。貴方達の先輩にあたるわ。所属レギオンは白襷隊だったわ。」

 

「あの…もしかして…母の戦友ですか?」

 

そう聞くのは天葉だ。

 

「ええそうよ天音とは。ルームメイトだったわ。他にも。二川瑞希、一柳理那は同じレギオンだったわ。」

 

「私の伯母と、戦友…」

 

二水は何かを思い出そうとしていた。

 

「私のお母さんも…」

 

梨璃は、初めて知ったという顔をした。

 

「因みに私の旧姓は、安藤よ。わかりやすく言うと安藤鶴太の従姉妹に当たるわ。」

 

流石にこれには驚きを隠せない面々である。

 

「あ、あ〜!思い出しました!会津防衛戦の英雄じゃないですか!!」

 

「あら!そんな古い事をよく知っているわね。…甲州撤退戦より多い戦死者数を出した戦で、当時の百合ヶ丘でも7割の戦死者を出したのよ。それで百合ヶ丘の殆どのレギオンが戦闘不能になったわ。…その生き残りももう…二人しか残っていないのだけれど。」

 

知恵は、何処か悲しそうな顔をした。

 

「母上…これをお返しするのを忘れてました…」

 

そう言って鬼切鶴姫を知恵に渡した。

 

「もう2年も経つのね甲州撤退戦から…」

 

「はい…」

 

「…終わったことを悔いても仕方無いじゃない?散った友の思いを胸に…戦うべきよ…」

 

「はい…母上…」

 

「一所懸命を貫きなさい百之助。貴方はそれで良いのよ。」

 

「分かりました母上…」

 

「詳しい話を聞きたいと思うけど、今は風呂に入って来なさい。さっき千夏が入って行ったから。会えると思うわ。」

 

「げ…千夏姉上帰って来てるのかよ…」

 

「良いじゃない。久しぶりに一緒に入ったら?」

 

「母上…俺を窒息死させる気ですか?…まあいいや全員風呂の準備してくれ。」

 

そのまま解散となった。

 

 


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