「あ、真霧?調教ってお願いしたけど、指揮官以外洗脳で。後、指揮官以外はどっかの山のわかりやすいとこに捨てといて。」
百之助は、気が変わった為真霧に電話していた。
『分かった。任せろ』
「済まないね」
『構わんよ?』
「じゃあな」
『おう』
そう言って電話を切った。
「儂は戻るぞ?」
「うん。ありがとう!ひい爺様!」
そう言って徳永は、退室した。
「さてと…風呂の前に母上に会いに行きますかね。」
「情報量が多すぎるんだが…」
「それは仕方ない。何せ従兄弟もここに住んでるしな。」
これには全員が呆れた。
「なん世帯よ…」
「知りません。」
「自分の家だよな?」
「忘れました。」
「ええ…」
そんな事を話していたら襖をいきなり開けた人物がいた。
「母上!?」
「何時まで経っても来ないから来てしまったわ。」
そう言いながら和服を着た女性が入ってきた。百之助によく似ており、髪と目が黒く妖艶な雰囲気を漂わせていた。
そして百之助の隣に座り、百之助を抱きしめた。
「!…母上!?」
背丈で言えば百之助の方が17センチ殆ど大きい。百之助の母は夢結と、同じ身長である。
百之助は、自制するのに必死であった。何故なら母親とはいえ胸がとても大きいからである。
「良いじゃない…久しぶりなんだから…」
こう言われてしまうと、反論できない百之助である。
頃くして百之助を離した女性が自己紹介を始めた。
「私は、百之助の母で船坂知恵よ。貴方達の先輩にあたるわ。所属レギオンは白襷隊だったわ。」
「あの…もしかして…母の戦友ですか?」
そう聞くのは天葉だ。
「ええそうよ天音とは。ルームメイトだったわ。他にも。二川瑞希、一柳理那は同じレギオンだったわ。」
「私の伯母と、戦友…」
二水は何かを思い出そうとしていた。
「私のお母さんも…」
梨璃は、初めて知ったという顔をした。
「因みに私の旧姓は、安藤よ。わかりやすく言うと安藤鶴太の従姉妹に当たるわ。」
流石にこれには驚きを隠せない面々である。
「あ、あ〜!思い出しました!会津防衛戦の英雄じゃないですか!!」
「あら!そんな古い事をよく知っているわね。…甲州撤退戦より多い戦死者数を出した戦で、当時の百合ヶ丘でも7割の戦死者を出したのよ。それで百合ヶ丘の殆どのレギオンが戦闘不能になったわ。…その生き残りももう…二人しか残っていないのだけれど。」
知恵は、何処か悲しそうな顔をした。
「母上…これをお返しするのを忘れてました…」
そう言って鬼切鶴姫を知恵に渡した。
「もう2年も経つのね甲州撤退戦から…」
「はい…」
「…終わったことを悔いても仕方無いじゃない?散った友の思いを胸に…戦うべきよ…」
「はい…母上…」
「一所懸命を貫きなさい百之助。貴方はそれで良いのよ。」
「分かりました母上…」
「詳しい話を聞きたいと思うけど、今は風呂に入って来なさい。さっき千夏が入って行ったから。会えると思うわ。」
「げ…千夏姉上帰って来てるのかよ…」
「良いじゃない。久しぶりに一緒に入ったら?」
「母上…俺を窒息死させる気ですか?…まあいいや全員風呂の準備してくれ。」
そのまま解散となった。