色々雑談やら迅三朗の戦話やらを聞いていたら11時になったためそのまま寝ることにし、男連中は退散した。
「百之助、己の為に戦をせよ。けして、誰かの為に戦をしてはならぬ。…我らは、戦をするしか道が無いのだから。」
「それは、愛する者を守る為でもですか?」
「そうでは無い、誰かの代わりに戦をするなと言いたいのだ。…主は、背負い過ぎておるからな。…我らの一族のことは我らが背負う物、主だけ背負う必要は無い。…他の者であれば、他の家の者達が背負う物だ。それを背負う必要は無い。」
歴戦の戦士の言葉はとても…重かった。
「心得ました。ご先祖様。」
「主には必要は無いやも知れぬが…我らは死ねぬ。この世から化外共が居なくなるその時まで。一所懸命を貫け。」
「分かっております。我ら監視者、及び守護者は…いや、運命の囚人は、戦をするしか無いのだと。」
「分かっておるなら、それで良い。では、また明日な。」
「はい、明日からよろしくお願いします。」
「うむ。」
そう言って百之助と迅三朗は、それぞれの部屋に戻った。
百之助の部屋は洋室と和室を混ぜた様な部屋である。10畳程の部屋で入って右側にガンラックがあり。18丁殆どのライフルがずらりとならんでおりその隣にはタンスがある。一番奥の右側にベッド、左側に机。その左にはガラス張りの棚があり、その中には、拳銃用のガンラックがあり棚に拳銃が、ずらりと並んでいる。そして、ベッドと机の間には刀掛けが置いてある。
百之助は、ガンラックに自身のライフルと、拳銃を置き刀掛けには軍刀と、天羽々斬を置いた。そして机に向かいパソコンを起動、溜まっていた仕事を開始した。本来は年齢を鑑み、部下にしてもらうのだが、百之助自身勉強の為にいくつか回してもらっているのだ。約一時間ほどでそれをこなし、時間を見たら午前零時30分であった。
「緑茶飲んで寝るか…」
そう言いながら拳銃用のガンラックの下の棚から湯呑と急須を取り出し、机の上にあるポットと茶缶を使い急須に茶葉とお湯を入れ、お茶を作る。しばらくしてから湯呑に注いだ。
吹き冷ましながら飲む。
「あー落ち着く。」
するとドアがノックされた。
「どうぞ…」
「百之助様…」
入って来たのは樟美だ。
「樟美!?…こんな時間に男の部屋に来るとは…イケナイ娘だな?」
そう言いながら樟美を左手で抱き寄せ、右手で顎を持ち上げた。
「襲われても文句言えないぞ?」
要は早く帰れと言う事であるが、樟美はそのままの意味で受け取った。
「不束者ですが…よろしくお願いします////」
と、顔を赤らめながら行った。
「そう言う言葉は軽々しく使う物では無いぞ…」
まさかの予想外の言葉が返って来て困惑気味である。
「はい…」
樟美は、シュンとなった。
「で?何しに来た?」
「実は…朽井様の話を聞いたら…眠れなくなってしまいましたのでここに来ました。」
「確かに…あれは刺激が強すぎるな…」
「一緒に寝ても良いですか?」
と、瞳を潤ませながら訴えてきた。本来は追い返すのだが事が事なので了承することにした。
「…分かった…今日だけだぞ…」
「有難うございます!」
見るからに明るくなった。
「百之助様、そこの拳銃…見ても良いですか?」
「構わないぞ?気に入ったものがあれは取ってやるが。」
「お願いします。」
そう言って、樟美はしばらく見ていたが左隅に4丁並んだ同じ銃の中の一番端の銃を指差した。
「これがいいです。」
「どれ…M712シュネルフォイヤー8インチか…これまた面白いの選んだな」
そう言いながら取り出して樟美に手渡す。樟美は、まじまじと見たあと困った顔をした。
「使い方わかりません…」
「後ろにある長いのがハンマー、その横が安全装置。左側面に付いてるのはセミフル切り替えボタン今の配置がセミオート、つまり引金を一回引いたら一発発射される。右側のボタンはマガジンリリースレバー、押せば落下する。最後にスライドだがこの取っ手を後ろに引いたら装填される。」
と、手取り足取り指導した。
「有難うございます…これ借りても良いですか?」
「構わんぞ?何なら撃ち方教えてやるが?」
「有難うございます!」
滅茶苦茶嬉しそうだ。
(天葉曰く余りそう言うの好きじゃ無いと聞いてたんだが…どう言うことだ?)
この時百之助は、樟美が百之助に対してどんな感情を抱いているのか知る由もなかった…