アサルトリリィと呼ばれた男   作:岡村優

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天葉に、樟美と寝ていたのを見られた時、命は無いと覚悟した。

ー 船坂百之助近衛軍大将 ー

自身の著書に置ける回想にて。


48話

朝百之助は、自分の体がいつもより重い事に気付いた。

 

見れば上に樟美が乗っかっていた。

 

「可愛い…」

 

そう言いながら樟美の頬を撫で、自身の左側にそっと寝かせた。

 

「ちと弄び過ぎたな…後で謝ろう。」

 

そう言いながら頭を撫でる。

 

暫くするとノックされたので慌てて樟美を布団の中に隠す。

 

「どうした?」

 

すると天葉が血相を変えて入って来た。

 

「百之助!樟美知らない!?」

 

(あっこれは…詰んだな)

 

一緒に寝たと言えない百之助である。

 

「さぁ?風呂は?探したか?」

 

「見てない…」

 

「風呂入ってる可能性は…」

 

その時布団から出てきた樟美が寝ぼけながら百之助にキスをした。

 

「百之助?後でお話があります。…いいわね?」

 

静かに怒っていらっしゃる。これは私刑確定である。

 

「あっはい…」

 

そう言うと直ぐに天葉は、出ていった。

 

「百之助様?頭撫でて?」

 

言われるがままに頭を撫でる。

 

「///」

 

呑気なものである。

 

その後二人は別れて着替えた。

 

そのまま重い足取りで皆のが泊まってる部屋についた。

 

「失礼します…」

 

アールブヘイムの面々は顔が笑顔だが目が笑っていなかった。樟美を除き。

 

対象的なのが夢結である。

 

一柳隊の方は困惑気味である。何があったのかさっぱりのようだ。

 

「百之助?何故樟美と寝てたのかしら?」

 

天葉の言葉に全員が状況を把握した。百之助を見る目が剣呑な物に変わっていく。

 

「弁解は、聞くわよ?」

 

(もはやこれまでか…)

 

「見苦しいからしないよ…煮るなり焼くなり好きにしてくれ…」

 

「あっそう…まあ、ヤッて無いみたいだから何もしないけど…」

 

天葉は、樟美から直接聞いていたため事情を把握していた。その言葉を聞いて空気が和やかになった。しかしそこに伊吹が爆弾を投下した。

 

「血を吸ったようだが?」

 

再び、怒る天葉。

 

「樟美?どう言うこと?」

 

「…そのままの意味です。天葉姉様、私は百之助様の子供を産み育てたいのです。」

 

「…本気なのね?」

 

「はい。」

 

「分かったわ」

 

「ちょっと天葉!」

 

抗議をしたのは依奈だった。

 

「本人がそう言うのだから良いじゃない?」

 

「それは…そうだけど…」

 

「百之助もその気だから血を吸ったんだろうし。」

 

天葉は、百之助を見る

 

「全くもってその通りだが…お前の返事も待ってるんだが?」

 

「それは…もう少し待って…」

 

「了解した。言っておくが、俺は天葉の事好きだからな?」

 

「それって…どう言う…」

 

明らかに狼狽している。

 

「そのままの意味だが?逆に他の意味があるか?」

 

「そう…ね」

 

天葉は、顔が赤くなっていた。

 

全員が落ち着いたあと朝ごはんを食べ道場に向かった。

 

 

 

 

 

 


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