ー 船坂百之助近衛軍大将 ー
自身の著書に置ける回想にて。
朝百之助は、自分の体がいつもより重い事に気付いた。
見れば上に樟美が乗っかっていた。
「可愛い…」
そう言いながら樟美の頬を撫で、自身の左側にそっと寝かせた。
「ちと弄び過ぎたな…後で謝ろう。」
そう言いながら頭を撫でる。
暫くするとノックされたので慌てて樟美を布団の中に隠す。
「どうした?」
すると天葉が血相を変えて入って来た。
「百之助!樟美知らない!?」
(あっこれは…詰んだな)
一緒に寝たと言えない百之助である。
「さぁ?風呂は?探したか?」
「見てない…」
「風呂入ってる可能性は…」
その時布団から出てきた樟美が寝ぼけながら百之助にキスをした。
「百之助?後でお話があります。…いいわね?」
静かに怒っていらっしゃる。これは私刑確定である。
「あっはい…」
そう言うと直ぐに天葉は、出ていった。
「百之助様?頭撫でて?」
言われるがままに頭を撫でる。
「///」
呑気なものである。
その後二人は別れて着替えた。
そのまま重い足取りで皆のが泊まってる部屋についた。
「失礼します…」
アールブヘイムの面々は顔が笑顔だが目が笑っていなかった。樟美を除き。
対象的なのが夢結である。
一柳隊の方は困惑気味である。何があったのかさっぱりのようだ。
「百之助?何故樟美と寝てたのかしら?」
天葉の言葉に全員が状況を把握した。百之助を見る目が剣呑な物に変わっていく。
「弁解は、聞くわよ?」
(もはやこれまでか…)
「見苦しいからしないよ…煮るなり焼くなり好きにしてくれ…」
「あっそう…まあ、ヤッて無いみたいだから何もしないけど…」
天葉は、樟美から直接聞いていたため事情を把握していた。その言葉を聞いて空気が和やかになった。しかしそこに伊吹が爆弾を投下した。
「血を吸ったようだが?」
再び、怒る天葉。
「樟美?どう言うこと?」
「…そのままの意味です。天葉姉様、私は百之助様の子供を産み育てたいのです。」
「…本気なのね?」
「はい。」
「分かったわ」
「ちょっと天葉!」
抗議をしたのは依奈だった。
「本人がそう言うのだから良いじゃない?」
「それは…そうだけど…」
「百之助もその気だから血を吸ったんだろうし。」
天葉は、百之助を見る
「全くもってその通りだが…お前の返事も待ってるんだが?」
「それは…もう少し待って…」
「了解した。言っておくが、俺は天葉の事好きだからな?」
「それって…どう言う…」
明らかに狼狽している。
「そのままの意味だが?逆に他の意味があるか?」
「そう…ね」
天葉は、顔が赤くなっていた。
全員が落ち着いたあと朝ごはんを食べ道場に向かった。