ー 百合ヶ丘女学院教官船坂天葉 ー
リリィ特集番組にて。
道場にて、船坂徳永と朽井迅三朗による訓練の後、百之助と伊吹は、行く所があるからと直ぐに出ていった。
その後、直ぐに迅三朗と徳永が全員集めると、迅三朗が切り出す。
「今日は、百之助…いや我ら一族にとって大切な日なのだ。」
「何でですか?」
梨璃が純粋な目で迅三朗を見た。
「…台湾奪還戦…前線が突破され…数多の命が散って逝った日だ。」
これには全員が絶句した。更に追討ちをかける。
「この戦いで船坂一門の約2/3が戦死した。」
「そんな…」
全員の顔は暗い。
「百之助は自身の戦友、姉達を介錯して回ったのだ。もう助からぬ…そう判断して。」
「…………………」
誰も答えることが出来なかった。そんな事をした事も体験した事も無いからだ。(文香を除く)
「数にして843回…介錯した。そして…心が壊れた。表情が無くなったのだ。」
一拍置いた。
「今は、鎌倉時代では無い。なのに人を、たくさん殺した。それが引き金かどうか分からぬが目が死んでいた。…拙者にはどうすることも出来なかった…」
生生し過ぎて顔が青くなっている娘も居た。それでも続ける。
「それから色々あって…このままではいかんと思い…元部下が運営していた百合ヶ丘女学院に無理を言って放り込んだ。」
「それで…初等部3年生の時編入されたんですか。」
依奈が納得がいったと…そういう顔をした。
「うむ…あのままでは相当不味かったのでな…そのおかげか知らぬが笑うようになった。御礼申し上げたい。有難う。」
迅三朗と、徳永が頭を下げた。
「やっと…納得した…あんなに突撃する理由が…」
天葉は、続ける。
「私達を死なせない為ね…戦友や、姉達を失ったように…私達を失いたくなかったから…馬鹿ね…それなのにずっと反発して…受け入れないで…否定してたんだ…私」
天葉は、静かに泣いていた。
「天葉…」
「天葉様…」
「天葉姉様…」
アールブヘイムの面々はこの前の一件を見ていたので。天葉を心配していた。
頃く沈黙していたがそれを夢結が破った。
「所詮、私達は民間人。彼は軍人だから…死なせたくなかったのかもしれないわね…でも…彼は私達を戦友と言ったわ。その時点で背中を預けられるとは判断していたと思うわよ?」
その答えには初等部より一緒にいた依奈が肯定する。
「百之助は、私達を貴方方と、初等部の頃は言ってたわよ?絶対戦友とは言わなかった。だから少なくとも肩を並べるに値すると判断したのではないかしら?」
そこに文香が、追討ちをかける
「そもそも兄上は、女性が戦場に立つこと自体嫌がってましたから劇的な進歩かと。」
「そうかしら…」
そんな話をした後、夜風呂場にて全員から抱きしめられた百之助である。