ー 百合ヶ丘教官冨永雨嘉 ー
自身の回想にて
新学期が始まり一柳隊は、探索していた。理由はヒュージの残骸が浜に打ち上げられていたからだ。
「しかし、姉上やもっさん、ギンはともかく…ご先祖様まで指導教官とは…」
「あれはびっくりしたよな…」
そう、迅三朗まで指導教官になったのだ。
「そんな事より昨日、戦闘ありましたっけ?」
「無かった筈だが?」
「ハイ、無かったはずです。」
梨璃の問に百之助が答え、二水が同調する。
「共食いでもしたんじゃろか?」
そう言うのはミリアムだ。
「ヒュージを形作るのは全てマギの力だから物を食べたりしないはずです。」
と、二水は反論する。
「マギを失えばヒュージは、巨体を維持出来ずその場で崩壊するはずよ。軟組織は一晩で無機質まで分解され、骨格も数日で…」
「それがまさに今…」
「この匂いまだマシな方…」
辰紗は周りを見回しながら、雨嘉は鼻を抑えながら。それぞれ言う。
「ふえ〜!」
二水は、狼狽えてしまっている。
「なんだこれ?」
百之助は、判断に困っていた。視線の先には黄色い物体が転がっていた。
「何でしょう?」
梨璃と、百之助は同時に首をかしげた。流石は血を分けた兄妹である。
「梨璃、つついてみてくれ俺は出てきたら切る。」
「分かりました。」
チャームと40式を両者構える。
「行きます…」
するとチャームが起動。
「へ?うわ!…何今の?」
「な…」
梨璃は、チャームを百之助は中の物に釘付けである。
「梨璃さんどうしたんですかぁ?」
「あ、二水ちゃん!今…チャームが…」
「へ?梨璃さん!?」
「へ?どうしたの二水ちゃん?」
「どうしたー?」
「何か見つかりまして?」
梅と楓がやって来た。
「梨璃さん後…」
「へ?ふぇ!!」
見れば少女が抱きついていた。
(嘘だろ!?だって…あいつは…俺が…手に掛けたんだぞ!?)
「な…ん…だ…と」
百之助の心を代弁したのは息吹だ。
「梨璃から離れろ!!」
そう言うやいなや百之助が刀を抜いた。
「何をしているの!?」
見れば夢結が百之助を睨んでいた。
「分かったよ。」
そう言って刀を収めた。
緊急を要する為に保健室に急いだ。
処置室にて。ガラスの向こうにいる少女を見ていた。
(どう見てもあいつだ…)
百之助と、息吹にとっては忘れられないことのようだ。
「はあーこんな所にいても私達に出来ることなどありませんわ…」
「出来る事はしたわ…梨璃、行きましょう?」
楓と夢結がここを離れようと言う。
「もう少し、ここに居ても良いですか?」
「え?」
皆何言ってると言う顔をした。
「俺は祀に用があるから俺も残る。」
「分かったわ…斬らないでね?」
「分かっとるわ。」
そう言って百之助と、梨璃以外は退散した。
頃くして祀が来た。
「こんな所で何をしているの?貴方達?」
「あ。」
「よ。」
「御機嫌よう梨璃さん、百之助も。」
「御機嫌よう!ええっと…」
「2年の秦祀よ。初めまして。」
「失礼しました祀様!たしか…お姉様お同じお部屋の…方ですよね?」
「夢結から何も聞いてない?」
少し不機嫌だ。
「はい、何も…」
「はぁ…まあ、予想通りだわ…フゥンこの子ね?そうで無くとも貴方、相当な有名人なのよ?もっぱらゴシップ的な意味だけど。」
「はあ…」
「こんな所にいないで、貴方達も入って。」
そして処置室に入る。
「あの…祀様はどうして…」
「言い忘れていたけど私も生徒会なのよ?と言っても代理なのだけれど。」
「あ、祀ちょっとお話が」
「良いけど…」
処置室の奥の部屋に二人で入った。
「あの子のDNAこれと一致するか見てくれ。…可及的速やかに。」
「理事長代行には話さない方がいいかしら?」
「今はまだ駄目だ。頼む…」
「はあ…分かったわ…」
「すまん有難う。」
そのまま二人は一緒に処置室を出る。
「俺行くとこあるから」
「百之助様、分かりました!」