アサルトリリィと呼ばれた男   作:岡村優

59 / 116
まさかあんな事になるなんて…

ー 百合ヶ丘教官冨永雨嘉 ー

自身の回想にて


55話

新学期が始まり一柳隊は、探索していた。理由はヒュージの残骸が浜に打ち上げられていたからだ。

 

「しかし、姉上やもっさん、ギンはともかく…ご先祖様まで指導教官とは…」

 

「あれはびっくりしたよな…」

 

そう、迅三朗まで指導教官になったのだ。

 

「そんな事より昨日、戦闘ありましたっけ?」

 

「無かった筈だが?」

 

「ハイ、無かったはずです。」

 

梨璃の問に百之助が答え、二水が同調する。

 

「共食いでもしたんじゃろか?」

 

そう言うのはミリアムだ。

 

「ヒュージを形作るのは全てマギの力だから物を食べたりしないはずです。」

 

と、二水は反論する。

 

「マギを失えばヒュージは、巨体を維持出来ずその場で崩壊するはずよ。軟組織は一晩で無機質まで分解され、骨格も数日で…」

 

「それがまさに今…」

 

「この匂いまだマシな方…」

 

辰紗は周りを見回しながら、雨嘉は鼻を抑えながら。それぞれ言う。

 

「ふえ〜!」

 

二水は、狼狽えてしまっている。

 

「なんだこれ?」

 

百之助は、判断に困っていた。視線の先には黄色い物体が転がっていた。

 

「何でしょう?」

 

梨璃と、百之助は同時に首をかしげた。流石は血を分けた兄妹である。

 

「梨璃、つついてみてくれ俺は出てきたら切る。」

 

「分かりました。」

 

チャームと40式を両者構える。

 

「行きます…」

 

するとチャームが起動。

 

「へ?うわ!…何今の?」

 

「な…」

 

梨璃は、チャームを百之助は中の物に釘付けである。

 

「梨璃さんどうしたんですかぁ?」

 

「あ、二水ちゃん!今…チャームが…」

 

「へ?梨璃さん!?」

 

「へ?どうしたの二水ちゃん?」

 

「どうしたー?」

 

「何か見つかりまして?」

 

梅と楓がやって来た。

 

「梨璃さん後…」

 

「へ?ふぇ!!」

 

見れば少女が抱きついていた。

 

(嘘だろ!?だって…あいつは…俺が…手に掛けたんだぞ!?)

 

「な…ん…だ…と」

 

百之助の心を代弁したのは息吹だ。

 

「梨璃から離れろ!!」

 

そう言うやいなや百之助が刀を抜いた。

 

「何をしているの!?」

 

見れば夢結が百之助を睨んでいた。

 

「分かったよ。」

 

そう言って刀を収めた。

 

緊急を要する為に保健室に急いだ。

 

処置室にて。ガラスの向こうにいる少女を見ていた。

 

(どう見てもあいつだ…)

 

百之助と、息吹にとっては忘れられないことのようだ。

 

「はあーこんな所にいても私達に出来ることなどありませんわ…」

 

「出来る事はしたわ…梨璃、行きましょう?」

 

楓と夢結がここを離れようと言う。

 

「もう少し、ここに居ても良いですか?」

 

「え?」

 

皆何言ってると言う顔をした。

 

「俺は祀に用があるから俺も残る。」

 

「分かったわ…斬らないでね?」

 

「分かっとるわ。」

 

そう言って百之助と、梨璃以外は退散した。

 

頃くして祀が来た。

 

「こんな所で何をしているの?貴方達?」

 

「あ。」

 

「よ。」

 

 

「御機嫌よう梨璃さん、百之助も。」

 

「御機嫌よう!ええっと…」

 

「2年の秦祀よ。初めまして。」

 

「失礼しました祀様!たしか…お姉様お同じお部屋の…方ですよね?」

 

「夢結から何も聞いてない?」

 

少し不機嫌だ。

 

「はい、何も…」

 

「はぁ…まあ、予想通りだわ…フゥンこの子ね?そうで無くとも貴方、相当な有名人なのよ?もっぱらゴシップ的な意味だけど。」

 

「はあ…」

 

「こんな所にいないで、貴方達も入って。」

 

そして処置室に入る。

 

「あの…祀様はどうして…」

 

「言い忘れていたけど私も生徒会なのよ?と言っても代理なのだけれど。」

 

「あ、祀ちょっとお話が」

 

「良いけど…」

 

処置室の奥の部屋に二人で入った。

 

「あの子のDNAこれと一致するか見てくれ。…可及的速やかに。」

 

「理事長代行には話さない方がいいかしら?」

 

「今はまだ駄目だ。頼む…」

 

「はあ…分かったわ…」

 

「すまん有難う。」

 

そのまま二人は一緒に処置室を出る。

 

「俺行くとこあるから」

 

「百之助様、分かりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。