アサルトリリィと呼ばれた男   作:岡村優

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女装は嫌だ!!


ー 近衛軍大将舩坂百之助 ー

一番嫌いな物である。


60話

「おーこれが指輪?」

 

結梨が指輪を眺めながら問う。

 

「嵌めてみて。」

 

梨璃も何にか嬉しそうだ。

 

「うん。」

 

嵌めるとすぐに指輪が光る。

 

「はあああ…」

 

「これで貴方も百合ヶ丘の一員ね。」

 

神琳の言葉に梨璃は、悲しい顔をした。それを見た夢結が続ける。

 

「あなたのマギが馴染むまで暫くそのままにして。」

 

「どのくらい?」

 

「そうね…2、3日くらいね。そうすればチャームと契約出来るようになるわ。」

 

「…俺は…納得してない…夢梨が武器を取るのは…」

 

「百之助…」

 

夢結は、その言葉には、返す言葉がなかった…

 

「だろうな…俺もだよ戦友…納得はして無い…だがな…奴らがどう動くか分からん以上は、武器を持たせたほうが良いだろう…」

 

「だな…貴様の言う通りだ」

 

そう言いながら百之助と伊吹は、立ち上がった。

 

「俺らはドライブしてくる」

 

夢結は、それを正確に読み取った。

 

「分かったわ…気を付けて…」

 

「すまんね…」

 

そう言いながら二人は退室した。

 

「しばらくそのままにしておいた方がいいでしょうね…」

 

夢結の言葉で、ほぼ全員が頷いた。

 

ところ変わって共用スペースに、百之助は来ていた。

 

「ロザリンデ様、ここにおられましたか。」

 

「あら?珍しい…どうしたのかしら?」

 

この銀髪の女性こそ対ゲヘナ特化レギオンロスヴァイセの隊員で、ロザリンデ・フリーデグンデ・フォンオットーである。

 

「…例の件で話が。ここでは何なのでドライブでも?」

 

「…例の車でかしら?」

 

「いえ…別の車です。」

 

ロザリンデは、シアンだと思ったようだ。それを百之助は、否定した。

 

「そう…まあいいわ、行きましょう。」

 

「了解です。」

 

二人は正門の前についた。

 

「で?どうするのかしら?」

 

「まずはこれを」

 

百之助は、ロザリンデに車のキーを渡した。

 

「私が運転するのかしら?」

 

「運転してみたいかなと…」

 

そう言いながら空間収納から赤い車を出した。

 

「……これ……スーパーカーじゃない…しかも億単位の…」

 

ロザリンデは、車を見てドン引きである。

 

「フェラーリの、ラ・フェラーリです。まあ…乗ってください。」

 

「え、えぇ…」

 

顔を引き攣らせながら車に乗り込む。そして車の動かし方をロザリンデに教えた後走り出した。

 

 

「良いわね。これ楽しいわ!」

 

ご満悦のロザリンデである。

 

「で話ですがね…結論から言うと…私とロザリンデ様は…腹違いの姉弟です。」

 

「あら…そうなの…では、ロザでいいわ。」

 

「…知っておられたので?ロザ姉上。」

 

「なんとなく、女の勘よ?」

 

「そうですか…所で車はどうですか?」

 

「楽しいわ」

 

「良かったです。では停めて他のにしましょうか…例の車を。」

 

「いいのかしら?」

 

そう言いながら脇に止める。

 

「良くなかったら言いませんよ?姉上。」

 

「そう。」

 

二人は車から降りてラ・フェラーリをしまってシアンを出し乗り込んだ。車の操作方法を教え来た道を戻る。

 

「これもいいわね」

 

「そうですか。良かったです。」

 

学校の前で止まり車を仕舞った。

 

「姉上…これを…」

 

そう言って渡したのは守刀だ。

 

「いいのかしら?」

 

「はい。受け取ってください。」

 

「ありがとう。貰っておくわ。」

 

そう言って暫く話した後に別れた。

 

次の日レギオンのミーティングルームにて、結璃のチャームが出来たので登録していた。

 

「ハン!北欧の田舎メーカーで無くグランギニョルでしたら代わりにワンランク上のが手に入りますのに。」

 

「楓…別に良いじゃないか。機体の性能に自分がついて行けなかったら宝の持ち腐れだぞ…」

 

それに反応したのはミリアムだ。

 

「百之助様の言う通りじゃ…それにの、このグングニルは中古じゃが儂ら工廠科が、丹精込めてすべての部品を1から組上げておる。新品よか扱いやすいぞい。」

 

「あら、そ。」

 

まるで喧嘩腰の楓である。話の流れを変えたのは結梨だ。

 

「ねぇ梨璃。リリィって何で戦うの?」

 

「え?ええっと…それは…ヒュージから皆を守る為…」

 

その続きを夢結が引き継いだ。

 

「誰だって…怯えながら暮らしたくない…ただそれだけよ…」

 

結璃は、夢結の匂いを嗅ぎ始めた。

 

「クンクン…夢結…悲しそう。」

 

「そう?表情がよく読めないと言われるけど…」

 

梅が、何故か嬉しそうだ。

 

「何だ?匂いでわかるのか?」

 

するとみんなの匂いを嗅ぎ始めた。

 

「皆も…悲しい匂いがする…特に百之助…」

 

「俺?…そうか?」

 

実は百之助、失い過ぎて色々慣れてしまっているため、分からないのだ。それが異常なのだが、それに気づいてすらいない。

 

「誰だって…何かを背負って戦っているわそういう物かもね。」

 

そう言うのは神琳だ。

 

最後に、梨璃の匂いを嗅いでいた。

 

「クンクン…梨璃はあんまり匂わないの。」

 

「お気楽なのかな私アハハ…」

 

「良いんですのよ?梨璃さん何時までもそのままで〜!純粋無垢は、梨璃さんのとりえですもの〜!」

 

「変態は…置いとくとして。」

 

「誰がですの!?」

 

「クンクン、あ!でも今の夢結は、梨璃が居るから喜んでる、梨璃が居ないと何時も寂しがってるのに。」

 

「そ…そうかしら?」

 

これには夢結は動揺する。

 

「夢結様が動揺してます」

 

「匂いは誤魔化せんようじゃの。」

 

「その辺にしとけ二水、ミリアム。」

 

「「はーい」」

 

「分かった!結璃もヒュージと戦うよ!」

 

「無理はしなくていいんだよ?まだ記憶も戻って無いんだし…」

 

「うん!ちっとも分かんない!だからいっぱい知りたいんだ〜」

 

「結梨ちゃん…」

 

「アッハハ。そんな事言われたら断れないな。」

 

「さて〜結璃さんのことも一段落した所で次は嘉雨さんね!」

 

「え?」

 

神琳の言葉に首を傾げる嘉雨。

 

「これと…これ、この日の為に用意したの〜」

 

「え?」

 

そこにミリアムと、鶴沙が便乗する。

 

「こんなのもあるぞ?」

 

「猫耳は外せない!」

 

「あ、や…やめて…」

 

部屋の隅で着替えさせられてゆく…男の目の前で…

 

男約2名は全力で目をそらした。

 

「今年は、女装せずに済みそうだ…」

 

「あ、百之助の女装凄いんだゾ〜」

 

百之助のボヤキに反応する梅。

 

「嫌だ。絶対やらんぞ!」

 

「兄様、見たいです…」

 

流石に梨璃の言葉には勝てなかったようで…

 

「……分かったちょっと待ってろ…」

 

そう言って部屋から消えた。

 

しばらくしてドアがノックされた。

 

「開いてるわよカナ。」

 

「おじゃましま~す!」

 

「「「「「「「誰?」」」」」」

 

 

皆、誰かわからない様だ。そこには黒髪の美少女が立っていた。

 

「え?百之助の多重人格のカナだよ?」

 

「「「「「「「「え?ええええええええ!?」」」」」」」」

 

知ってる人以外びっくりである。

 

「補足しておくと〜百之助の体だけどカナになると性別も変わっちゃうんだ〜」

 

これには、全員絶句である。

 

「って事は…女性?女装じゃなく無い?」

 

「別に良いじゃん。あ、記憶も共有だから風呂はいるとき大変らしいよ〜?」

 

全員が思ったことは…童貞を殺しにかかってる…である。

 

「よろしくね〜」

 

 

今日も平和である。

 

 

 

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