ーロザリンデ・フリーデグンデ・V・オットー ー
午後一番の競技は的棒倒しだ。
「あ〜疲れた…」
そう言いながら百之助は夢結の近くに来た。
「何で何もしていないはずの貴方が疲れているのよ…貴方ちょっと!?」
夢結は、血生臭い臭いで、ある答えを導き出してしまった。
「百之助。ちょっとこっちに!」
「ちょ!おい!」
そう言いながら百之助の腕を掴み校庭の端に寄った。
「貴方…殺ったわね…人を…」
「あぁ…」
「と、言う事は…今日午前中はレアスキルを常時使用してたわね!…はあぁ…」
百之助は、言い訳を考えていたが…止めた。
「あぁ…そうだ。ゲヘナの実行部隊と殺り合った。」
「そう…貴方は私を心配させる天才ね…」
「悪いとは思ってるよ…」
夢結もその必要性を理解しているので追求はしなかった。
「…まあいいわ…シャワー浴びて着替えて来なさい。」
「了解…」
百之助は、シャワーを浴びに寮に戻った。
「…わざとやってるのかしら…いや、そんなわけ無いわね…」
的棒倒しのメンバーは全員配置についた。
「午後一番の競技は混成レギオンによる的棒倒し!的を落とすか棒を倒せば勝ちです。」
「よし!頑張るぞ!」
「あ、私達は見学ね?」
「何で?」
「この競技は各レギオンから選抜されたメンバーで行うんだって。」
結梨と、梨璃の話を聞いていた梅が結梨に提案してきた。
「結梨、梅と代わるか?習うより慣れろって言うだろ〜?」
「そんな駄目ですよ!結梨ちゃんはチャームにも慣れてませんし!怪我したらどうするんですか!」
「へい…へい」
「もはや母親だな梨璃。」
これには百之助もびっくりである。因みに百之助は戻ってくるのに20分もかかって無かった。
そしてピストルの号砲とともに競技が開始された。
一番最初に動いたのはアールヴヘイムの一年3人組である
「私とお手合わせお願いします!夢結様!」
「こんな時でないとかまって貰えませんから!」
「倒しちゃったらごめんなさいです!」
弥宙、月詩、辰姫が夢結に突撃する。
「ちょっと抜け駆けしないでよ!」
亜羅椰は声を上げたが…
「猪!よそ見したら駄目だぞ!」
「がは!」
と、百之助が40式のストックで殴りつけ一撃で気絶させる。
「えげつねえ…」
伊吹は、ドン引きである。
「こら!夢結は、敬遠しなさいといったでしょう!」
「性のない子達ね〜」
「いいな〜」
依奈は声を荒らげ、天葉は呆れ、樟美は羨ましそうな顔をしていた。
「「「いざ!」」」
夢結に三人が向かうが…
「は!」
まさに鎧袖一触!返り討ちである。
「もっと本気でいらっしゃい?」
それを見ていたグロピウスは、笑いながら目的を達成する為に走っていた。
「へへ!迂闊じゃの!」
「隙だらけよ!グロピウスさん!」
「だまらっしゃい!」
壱に対してグロピウスが自身のチャームで迎撃する。
キン!
そのまま鍔迫り合いに移行した。
「私だって本当は夢結様にお相手してほしいけど!今日はあんたで我慢したげるわ!」
強烈な剣撃である。
「なんの!必殺!フェイズドランセンデンス!」
ビームの奔流が壱を狙うが…
「当たらなければ皆同じよ!」
軽々と避けられた。が…
「ふ!ふ!ふ!避けてくれてありがとうなのじゃ。」
「え?」
ビームの奔流は、的を落としていた。
「ミリアムさんのフェイズドランセンデンス勝ちです!」
「フェイズ…?」
二水は興奮し、結梨は分かってなかった。
「まあ!ワシがちょいと本気を出せばこのくらい…」
バタン…
「救護班急げ!」
グロピウスは、運ばれていった。
百之助はと言うと…
「夢結、久しぶりに手合わせ願おうか。」
「えぇ…」
百之助は40式を地面に置いた。
「いいのかしら?」
「長すぎて扱いづらいからな。」
そう言いながら刀と天羽々斬を抜刀した。
キン!
「く!」
「夢結、本気でこい!」
「言われなくても!」
ものすごく速いスピードで剣戟が行われる。
「すご…」
天葉もびっくりなスピードである。が…
百之助が刀の刀身をひっくり返して夢結の腹に押し当てぶん投げた。
ド!ゴロゴロ
夢結は気絶した。
「あ…やりすぎた…」
かくして的棒倒しは終了した。
次は午後のエキシビションであるが…
「ちょっとこれ!どう言う事ですか!」
「見ての通り午後のエキシビションマッチ。」
梨璃の問いに鶴沙が答える。
「百由様が特別に作成したヒュージロイドとミリアムさんの特別対戦のはずですが…」
「あぁ、梅がミリリンの代わりに登録し直しといたぞ!」
「そんな!」
「大丈夫だと思うぞ…多分…」
「相手は百由の作った何かだろ〜?大丈夫じゃ無いか?」
「フラグを立てるな…」
「百由様だから心配なのでは?」
そう言っていたら地面から棒が突き出てきた。
「うお!?」
そう言いながら百之助は結梨の方向に転がった。
「あぶねえ…閉じ込められた!」
「百之助様!?」
「ハワワワ」
百由が走ってきた。
「アララ間に合わなかったか…百之助何してるの?」
「反射で転がったらこうなった。」
ガチャ…チャキン!
百之助は、銃に弾を込めた。
「百由様!どうにかして下さい!」
「いやーこの檻勝負が付くまで開かないのよ。」
「殺しにかかってるじゃねえか!ここはコロッセオじゃねえんだぞ!?」
「えぇ!?」
「要は結梨が勝てばいいんだろ?」
「エキシビジョンだから当然リリィが勝てるようにセッテイングして…ありますよね!」
雨嘉が強めに言うが…
「いいえその逆よ!ゴリゴリにチューニングして…グロッピもイチコロのはずだったのに…結梨ちゃんが危ないわ!」
「馬鹿じゃねえの!?殺しにかかってるじゃねえか!やっぱり!」
「百由様ワシをどうするつもりだったんじゃ!?てー…慌てるのが遅いわ!」
「名付けてメカルンペルシュツェルクヒェン君よ!」
「名前まであるのかい!よほどお気に入りじゃの!」
「初心者が無茶するのは私の役目じゃなかったんですか〜!」
と、梨璃が崩れ落ちた。
「時代が変わったんでしょう」
神琳の言葉に…
「はい!百合ケ丘のゴシップは今やすっかり謎の美少女結梨ちゃんに取って代わられましたから!」
「二水ちゃんまで!?」
この二人結構辛辣では?と考える百之助である。
「梨璃私やるよ!」
「結梨ちゃん…」
「私もリリィになりたいの!リリィになって〜みんなのこともっと知りたいの!だから見てて!」
「…その言葉を待っていた!俺はここで座っとくから危なくなったら助ける!」
「分かった!」
「梨璃…それでいいな?」
百之助は、檻越しに梨璃の肩に手を乗せる。
「百之助の言うとおりよ…信じなさい。」
「はい…」
「あの子はちゃんと貴女を見ているわ…だから貴女も見ていなさい」
結梨が構える。
「ほう…」
「あれは…」
「夢結様の型…」
チャキ!
百之助も即応体制を取り、40式を構える。
「存分にやれ!」
まず動いたのはヒュージロイドだ。
「あっ!」
攻撃をチャームで受ける。正面から。故に体制を結梨は崩した。
「おあ!?」
「押されたときは間合いを取りなさい!」
「そう。相手のペースは崩す為にあるのよ!」
「止まらず動いて!相手にスキを作らせれば勝機はある!」
戦いの中で結梨は成長していた。現に正面から受けていた攻撃を受け流すようにしていた。
「おおー」
「決まったな…」
結梨は、ヒュージロイドを四つに切り飛ばしていた。
最後にコスプレ部門だがこれは雨嘉の優勝で幕を閉じた。
「祀…ちょっと…」
百之助は、祀を呼んだ。
「どうしたの?」
「2つある…一つ目はゲヘナの実行部隊を殲滅した。」
「そう…」
「もう一つはこれだ…」
USBを祀に渡す。
「これは?」
「雲行きが怪しいから持ってきた…現時点のゲヘナの研究資料全てだ。」
「な!?」
「最悪の場合を想定してこれをお前に託す。バレたら俺の首が飛びかねないが…陛下の了承を得ている。理事長代行に渡せ…いいな?」
「分かったわ…」
「俺は今から準備をする。…戦のな…」
「え?…まさか…」
「それ以上は言うな…それにな…結梨がヒュージと認定されると不都合が起きるんだよ…近衛軍は。」
「…」
「じゃあな…」
祀は見送る事しかできなかった。