ー 近衛軍少将船坂百之助 ー
「文香…結梨を護衛しろ。今はそれでいい。」
「了解。…ですがなぜ…」
「今は言えない…時期にわかる。」
「…分かりました。」
そう言って文香は自室に戻った。
自室で色々下準備をしていた。
裕也に電話をかける。
プルルルルル
『兄上?』
「国と一戦交える…陛下の命令だ…」
そう言って。陣を構える場所を指定する。
『何時までに完了すればよろしいですか?』
「明朝0600までにだ。行けるか?」
『どこの部隊に言ってます?我らは近衛軍、できるに決まってるではないですか』
「だろうな…頼んだ。」
『了解。』
そう言って電話を切った。
「もうこれ内戦だな…」
そう言って、布団に入って寝た。
翌日…
カチャン…
結梨の髪を切っていた梨璃が動揺してハサミを落とした。
「そんな…嘘です!間違いです!…そんな訳無いじゃないですか!」
文香も拳銃のグリップに手を掛けた。
「そこをお退きなさい梨璃さん。」
史房が梨璃に結梨を渡す様に促す。
「結梨ちゃんをどうするんですか…」
「答える必要は無いです。」
とそこに夢結と百之助がやってきた。
「私もお聞かせ願いたいです。」
「俺もだ。…祀、例のものは?」
「既に渡してるわ」
「了解。」
「結梨は私のレギオンの一員です…訳を知る権利はあるかと。」
「残念だけど…ゲヘナとグランギニョルが開示した資料で結梨さん…いえ…その個体はヒュージと確認されたわ。」
「ヒュージ?」
「だろうな…」
そう言いながら瞬き信号で文香に座標とそこに行くように指示した。
文香はそれを見てうなずいた。
眞悠理は、話し始めた。
「彼女が見つかる直前…ゲヘナの実験船がヒュージネストに異常接近している事が確認されたわ。ネストから発せられるマギを利用しようとしたのでしょう。船はヒュージの襲撃をうけ…沈没殆どの実験体が発現することなく失われたけど…一つだけ残ったまま…」
「だけど…」
「梨璃さん…先輩方は分かっているのよ…貴女の言いたいことは…だから…言わなくていいの…兄上…知ってましたね…?」
と、文香は百之助を睨みつける。
「だから言ったろうに…最初に…ヒュージだと…」
「それで?」
「それに関しては今度な?」
「了解…」
そう言って、ボタンを外し叩きつける。
カッ!
全員目が眩んだ隙に、文香は結梨と梨璃を連れて逃げた。
「文香さん!」
「逃げた。」
「なんて事を…」
これには生徒会三人組も驚く。
「あー俺はこれから準備をするから寮戻るわ」
「待ちなさい!」
「時期にわかると思うぜ?じゃあな」
「ま…!」
百之助は一瞬で消えた。
この後夢結は、理事長室に行き抗議していた。
「結梨を学院で保護すべきです。結梨が危険な存在とは私には思いません…」
「ヒュージを心通わす相手と見なす事は人類にとって禁忌だヒュージと同じマギを使うリリィもまた脅威と捉えかねられん…それだけは…絶対に避けねばならん…現在防衛軍の部隊がこの学院に迫っている…人とリリィが争う事態は絶対に避けねばならん…」
「リリィを恐れる人達は皆怯えているのでしょう…ですが…私達が自由に生きることを願うのはは不遜な事でしょうか…」
ところ変わって…一柳隊控室。
「どうするんですか!どうするんですか!結梨ちゃんがヒュージで梨璃さんと文香さんが逮捕命令って!」
納得できない二水に雨嘉が聞く。
「どうする?」
「そんなの決まってるじゃないですか!だって結梨ちゃんがヒュージな訳無いじゃないですか!梨璃さんは間違ってないんですよ!」
「それはどうだろうな?…そもそも俺たち運命の囚人は、ヒュージがどこにいるかわかる…発見当初は確かにヒュージの波形だった…今は違うけどな。」
伊吹の言葉に全員が絶句する。
「今は違うって…」
「そのままの通りだ…ヒュージじゃなくなった。」
「でもこの学院から逃げたと言うことは…ここも安全ではないと判断したということよ…」
と神琳がいった。
と…そこに夢結がやって来た。
「出動よ。梨璃と文香さんには逮捕命令、結梨には捕獲命令が出たわ三人を追います。」
「それは…何のためです?」
「一柳隊は、どの追っ手よりも早く二人を探し出し保護します。これは副隊長としてのわたしの判断です。異議のあるものは従わなくて構いません。」
「それって学院からの命令とは違うよな…」
梅は、疑問を述べる。
「指示は学院ではなく政府から出たものです。…だけど私達はリリィよ。リリィがリリィを守るのは当たり前のことでしょう?」
「はあぁ!夢結様ならそう言うと思ってました!」
「そういえば楓と百之助は?」
「楓の家は今回絡んどるようじゃし…バツも悪かろう…」
「百之助は、親父と祖父が防衛軍の大将と元帥だ…動けんだろ…」
その頃楓は父親に電話していた。
「ようやく出てくださいましたわね、お父様。」
声がいつもよりトーンが下がっている。
『元気か?』
「ええ!ピンピンしていますわ。」
『済まないが今は都合が悪いまた後でこちらから…』
「でしょうね。随分とやらかしてくれたものですわ。」
『済まない…この件ではさぞ苦労をかけたと思う…だが会社の事に口を出すのはいくらお前でも…』
「お父様が許すか許さないかは関係ありません…このままでは私がお父様を一生許せなくなります。」
『…ゲヘナからの提案は愚劣極まりない物だった。心から軽蔑すべきものだ。ヒュージからリリィを作り出すなど…』
「ヒュージから人を作ったリリィならどうなろうと構わないとゆうことですか?吐き気がしますわ。」
『私はお前のような娘たちが戦わなくて済むようになるならと…それを受け入れた。』
「チャームメーカーの総帥とは思えないお言葉ですね、そのお心には感銘を禁じ得ませんが。お父様は間違っています。実験は失敗ですわ…だってあの子私達と変わりませんもの…結局何処かのリリィが傷尽くのは代わりありません…お願いですお父様…私に自分の運命を呪うような惨めな思いをさせないで下さい…マギを持ちリリィになったことも…お父様の娘に生まれた事も…」
楓は電話を切り控室に向かった。
「皆さんお揃いですわね…」
「「あ…」」
これには全員が驚きを隠せない。
「どこ行ってた。」
と、鶴沙が聞いた。
「ほんのの野暮用ですわ。」
「梅達は梨璃達に付く…楓はどうする?」
「はあ。残念ですわ〜梨璃さんをお助けする栄光を〜独り占めにできないなんて〜」
神琳が言おうとした言葉を伊吹が口を押さえて遮る。
「言うてやるな。本人は分かっててこっち側に付いている…いいね?」
こくんとうなずいた。
「後は…百之助だが…」
ガチャ
百之助が入ってきた。
「何だ〜その格好は?」
と、梅が聞いてくる。百之助は、近衛軍の野戦服を纏いフル装備で立っていた。
「伊吹…戦争の時間だ。近衛軍はこれより防衛軍を叩く。」
「「「「は!?」」」」
これには全員が驚く。
「そんなこったろうと思ったぜ。少将…どうする気だ?」
「ここは関東軍の管轄だ、ならば一つしかないだろう?」
「関東軍司令官一柳中将を討つ?」
「そうだ。」
「な…」
「…正気か?」
「当たり前だこのままでは運命の囚人全員がしょっぴかれる可能性がある…これは近衛軍にとって痛手だ。」
「だよな…」
「だが流石に一柳中将を討つのは現実的で無いから…時間を稼ぐ。だから行くぞ戦友!」
「いいのか?」
「陛下の命令だっつーの。」
「それじゃあ従うしかないわな。」
「百之助…」
「夢結すまんがこっから先は生きて帰れるか分からん」
「でしょうね…」
「行くぞ戦友、硝煙と血の匂い嗅ぎに行くぞ。」
「了解。じゃあなみんな」
そう言って。百之助と、伊吹は一瞬で消えた。