ー 近衛軍船坂百之助大将副官船坂祐也大佐 ー
防衛軍第1師団と近衛軍の第1師団は、翌朝まで睨み合いを続けていた。
「動かないから有り難いな…」
百之助は、即席の司令部とした廃棄された校舎の窓から外を見ていた。
「そうですがね…しばらく休ませたほうが良いかと。」
一大佐がそう進言する。
「そうなんだが…こうも目と鼻の先だと交代と出来ないしな…」
「打つ手なしですか…」
「一応入れ替えろ…ただしゆっくりとな…」
「了解…」
無線でそう指示が出される。
その頃防衛軍側もこの動きを察知し、同じように入れ替えを行った。
「凄いなタイミングがバッチリだ。」
「そうですね…」
現在は敵同士だがやはり通じ合う物があるのだろうと百之助は考えた。
「さてと…」
その時第2連隊長が報告を上げた。
「少将、…ガーデンのリリィが来たと斥候から連絡が…」
「分かった。」
「どうしますか?」
「ここお願いできるか?俺は彼女達を足止めしてくる。ここで戦闘に巻き込まれては堪らん。」
「分かりました。」
「了解」
「了解」
「了解」
「了解」
と、全員の了承が取れた為、早速目撃された場所の近くにに行き準備をした。
ガーデンのリリィ達は霧の中の森を歩いていた。
「薄気味悪いわね…」
「ですが祀様、何かおかしいです。さっきまで霧なんて…ッ!?」
その時銃撃音と剣戟が聞こえてきた。
キン!…ダダダダダン!…ダンダンダン!…キン…!
(誰かが戦っている?それにこの銃撃音は…7.62ミリNATO…)
祀は、判断に迷っていた。その時肩を叩かれる。振り向くと史房が立っていた。
「祀さん。防衛軍や近衛軍のアサルトライフルの音では無いわ。この連射速度であれば…私達が知っている人の小銃よ。」
「まさか…百之助!?」
「それ以外でいないでしょう?それに剣戟が聞こえてくるという事はそういう事よ…」
(防衛軍と、近衛軍が戦端を開いた!?にしては銃撃音が少ない…)
「目で確認したほうが良いでしょう。」
そう言って史房は進んでいく為全員が警戒しながら進んでいく…
「うっ…この匂い…」
火薬の匂いに混じって血の匂いが漂って来ていた。そしてその目線の先には…血だらけの地面と百之助…その周りには防衛軍人だった物が転がっていた。
「戦場にようこそ…リリィ諸君?」
百之助の目は赤く染まっており、それがルナティックとランサーだと気が付くのに時間を要した。
周りを見れば他のガーデンのリリィも居た。この状況にまだ慣れていない人もいた。そんな中で…祀は、声を捻り出すように百之助に聞く…
「どう…して…」
「どうしてだと?ここは戦場だ、言葉で語るな剣で語れそれ以外は存在しない。」
百之助は、祀の右2センチを銃撃した。
ダーン!
「来ないならこちらから行くぞ?」
言うや否や40式のマガジン部をスリングに引っ掛け後ろに回して刀を抜き、祀に突貫する…が途中で他のリリィに止められた。
キィン!
ロザリンデである。
「ロザ様!?」
「貴方の相手は私がするわ!来なさい!」
百之助は獰猛な笑みを浮かべロザリンデに突貫する。
「良いですねそう来なくては!…はは…ハハハハハハハハ!」
「クッ!」
キィン!
ロザリンデのチャーム…アステリオンと百之助の軍刀ではアステリオンの方が一撃一撃が重い物の、百之助の軍刀の方が短いので必然的にロザリンデが手数で押されていた。それに百之助の方が練度は上である。
百之助はまともな思考ができないと判断しルナティックトランサーを強制解除、 それでも変わらず剣戟が続く…
「貴女が相手になるとは想定してませんでした!ですが…これもまた一興…存分に仕合わせ願おうか!」
「お断りよ!」
ここぞとばかりにアステリオンの重い横薙ぎを放つが百之助はその勢いで距離を取った。そして背中に回した40式を持って構えトリガーを引く
ダダダダダーン…カチャンチャキン…ダダダダダダダーン
フルオート射撃でロザリンデを銃撃する。それをロザリンデはチャームで防ぐ…40式のセレクターをセーフティにして、またもスリングにマガジン部を引っ掛け後ろに回して左手に持ち替えていた軍刀を右手に持ち、左手で、右腰に下げていた天羽々斬を抜刀し十字に構える。
「さあ!第2ラウンドですよ!」
言うが否や突貫。ロザリンデに斬りかかるが…
キィン!ガッ!
「兄上ここまでです…両軍ともに停戦命令が出ました。」
祐也が軍刀で百之助の軍刀を防ぎ、片手でロザリンデのアステリオンを掴んでいた。
「貴方は?」
「ロザリンデ姉上、初めまして。百之助兄上の双子の弟、船坂祐也であります。以後お見知りおきを。」
「えっえぇ…」
突然の弟の登場で場が静まり返った。その段階で周りの死体と霧、匂いを消した。これは百之助による幻影魔術だったのだ。
「で?どうなったんだ?」
「人と認められました。」
「そうか!」
これには百合ケ丘のリリィ達は歓声を上げていた…