ー 近衛軍第一突撃騎兵連隊所属○○○○少尉 ー
百之助は頭の下が柔らかい事に気付いた。
「やぁ百之助、甲州撤退戦以来だね…最も僕は命を落としたけど…」
その声を聞いて頭が完全に覚醒し、声の主を見る。するとそこには元アールヴヘイム所属、川添美鈴がいた。彼女は百之助を膝枕していた。
「美…鈴…様…?なんで…」
「君の様に言うならば神に魂を売ったのさ。」
「何してるんですか!?…夢結は…」
「言わなくも分かってるよ、魂と体が定着したら会いにいくつもりだ」
「了解…」
「にしても…君は無茶し過ぎだ…左足は骨折してるからね?」
と、百之助の頭を撫でながら言う。確かに骨折している事に気付いた。ちゃんと処置もしてあるようで後はくっ付くのを待つだけだ。
「…他の二人は見ませんでした?」
「他の二人は…愛華がみているよ?)
「愛華って…行方不明の明石愛華!?」
これにはびっくりである。
「そうだ、彼女も又運命の囚人、監視者となっている。僕は守護者だけど。」
「守護者は四人のみの筈なんですがね…」
「事情が変わったんじゃないかな?…にしても大きくなったね…」
「それはどうも…では無くてですね…その…目のやり場に困るのですが…」
見れば美鈴はネグリジェで、下着が薄く見えているのだ。
「別に減るものではないし気にならないけどなぁ。」
百之助は、話題をかえることにした。
「所で何処ですここ?」
「運命の囚人が使う空間だよ…と言ってもほぼ街だけどね…今いる所は僕の自室だ。」
「…なるほど…」
「自分でこの空間に飛んできただろうに…」
「守護者の間に飛んだはずなんですがね…」
「あぁ…守護者3人共びっくりしてたね…血と、火傷だらけで飛んでくるんだもの。」
「でしょうね…」
「今日はここでゆっくりして行きなよ…どうせ歩けないのだから。特別に僕が添い寝してあげよう。」
「…今何と?」
百之助は、自分の耳を疑った。
「だから、添い寝してあげるよ。」
「本気です?」
「本気だ。」
「えぇ…」
「…なんだい?その目は…」
百之助は、目が点になっていた。
「いや…なんか…雰囲気変わったなと…今までなら絶対に有り得ない事ですからね…」
「良いじゃないか、久し振りなんだから。」
「そうですね。」
諦めた百之助である。と、そこである事に気付いた。
「まさかあの三人…黙ってたな…」
「ああそのことか、それに関しては仕方無いだろう?だって…死んでるのに生きてたら混乱するだろうに。」
「自分は見慣れてますよ?」
「運命の囚人は、例外だろう?他のリリィ達さ。」
「確かに…」
「話はこれで終わりだ。寝ようか」
「分かりました…」
二人はそのまま寝た。
翌日、百之助は顔面が柔らかい事に気付いた。美鈴が百之助を胸に抱きとめているからだ。百之助はゆっくり動いて抜け出す事に成功した。
「美鈴様、そろそろ学校に戻ろうかと思うのですが…」
「…ん…もう起きたのかい?まあいいけれど…」
「早く戻らないと戦死扱いになってしまいますから…」
「そうだね…仕方ないな…」
そう言いながら美鈴は、着替え始めた。もちろん百之助の目の前で…
「何を!?」
「何って着替えだよ?…あぁ!別に気にしないから良いや。」
「いやいや…」
百之助は、全力で顔を逸した。
暫くして百之助を美鈴が着替えさせ、百之助に肩を貸しながら部屋の外に出る。
「その足では歩けないだろう?どうする気だい?」
「こうするんですよ」
百之助は、一台の車を空間収納から出した。
「これは…また高そうな車だねぇ…」
その車は黒塗りのスーパーカーだった。
「ケーニグセグのジェメーラですね。4人乗りなので全員乗るかと。」
「確かにね…」
そう言って車のキーを開けてドアを開ける。ドアはランボルギーニの様に跳ね上がるのではなく90度回転して開いた。
「これは凄いな…」
「あんまり乗らないんですがね…これじゃないと乗れないので。」
「なるほど…」
そう言いながら百之助は、運転席に座った。
「で?残り二人は?」
「愛華が連れてくるよ。」
「了解。」
暫くして愛華が来た。文香と結梨を抱えて。
「ごめ~ん」
「久し振りだな…甲州以来か?」
「うん久し振り百之助。にしてもこの車すごいね…」
「億超えスーパーカーだよ。」
「ワォ。」
そんな話しながら結梨を後部座席に、文香を助手席を座らせシートベルトを付けさせた。
「で?どっちが付いてくるの?」
「「え?」」
「今から無茶するからどうしても後ろに一人乗ってて欲しいんだけど…」
これには二人共黙ったが愛華が先に口を開いた。
「美鈴様で…」
「なんでさ!」
「いいじゃないですか!」
「分かったよ…乗ればいいんだろう!乗れば!」
そう言って車に乗った。
それを確認した百之助は、車のドアを締め電話を掛けた。
「もしもし…」
知り合いに電話を掛けた。