ー 百合ケ丘女学院秦祀 ー
「どうして梨璃が罰を受けなきゃならないんですか!?」
「結梨が人と認められたのなら、梨璃のした事もお咎め無しってことじゃありません?」
壱と亜羅椰はご不満のようだ。と言うか全員納得していない。
「…命令は命令、例えそれが、間違いから出たものだとしても。撤回されるまでは有効よ。」
「命令を守ったり守らなかったりでは仲間を危険にことにもなるでしょう。」
天葉と依奈は、一年生たちの気持ちがよく分かっていた。が、命令の重要性を一年生たちに説く。
「じゃあ、伊吹様は!」
「伊吹は近衛軍所属よ。彼は百合ケ丘の生徒である前に近衛軍の正規軍人、天皇陛下の命令にのみ従う…だから命令系統が別よ。今回の場合は、近衛軍の命令と政府の命令が反対だったから近衛軍の命令が優先されただけよ。」
「ですが、リリィには臨機応変な状況判断が認められているはずです!」
「そうね…でもそれは百合ケ丘での話、外にはそれを快く思わない人たちも居るのよ。」
「百合ケ丘には、例え形式上でも、梨璃さんを罰する必要があるの…」
「補足しておくと…リリィの命令系統を一本化する話もあるのよ。」
その声の主は船坂千夏だ。
「船坂教官!」
「それに…百之助は死んで無いわ。たぶん三人共まだ生きているでしょう」
これには全員が驚愕した。
「…その根拠は何でしょうか?」
天葉もこれには疑問を投げる
「貴女が灰になってないからよ天野さん。」
「はい?」
「百之助は、貴女の血を吸ったはずよ?」
「はい…」
「百之助が消滅したならば貴女も消滅するわよ?つまり彼は生きているの。まあ、血を吸った人全員と百之助が同時に死んだら消滅するけど。して無いから生きてると思うわよ?」
これには全員の顔に光が差した。その時天葉の携帯が鳴り始めた。
「ほら、言ったそばから電話が掛かってきたでしょう?」
天葉は着信の主をみた。
「ほんとだ…百之助からだ…」
そのまま出る。
『もしもし?』
「百之助!心配したわよ!』
『すまんが単刀直入に言う。共用スペースにいる人全員を退避させろ、車で突撃するから。』
「は?」
『だから…俺骨折してて歩けないから車で共用スペースに突撃しておろすんだよ。あとな、足のある亡霊が居るのと、一柳隊の連中には何も言うなよ!』
「分かったけど…足のある亡霊って何!」
『そいつは見てから判断してくれ!…5分やる、それ以上は待て無い…』
「分かったわ」
『準備出来たらケータイ鳴らせ。』
「分かった。」
そうして携帯を切った。
天葉は近くに居た祀を呼び事情を説明した。
「…百之助、正気かしら?」
「正気だと思うが?」
そう言うのは迅三郎である。
「机とか邪魔なものは拙者が片付けよう。」
「分かりました。」
共用スペースにいた全員を退避させた。
その頃百之助はと言うと…
「百之助…亡霊って誰のことかな?」
「それは勿論美鈴様ですよ?」
「だろうと思ったよ…ハァ」
「で、その格好はなんです?」
美鈴は、明治時代の騎兵軍服を着て腰にはグロッグ21、そして新型のチャームと、サーベル型の日本刀を持っていた。
「あれ?言ってなかったっけ?近衛軍の騎兵隊に所属してるんだ。」
「ああなるほど…それで…」
携帯がなり始めた為即座に切り。エンジンを点火した。
ブオン!
「さーて皆さんどいてて下さいよ!」
そう言って。百之助は、アクセルを思いっ切り踏み込んだ。
共用スペース側では魔法陣が展開されていた。
「あれから出てくるわね…」
「そのようね…」
するとスピードを出した状態で一台の車が突入してきた。車は魔法陣からでる瞬間に180度ターンして、ギリギリで止まった。
「運転技術が凄いわ…」
エンジン音が消えドアが開く。つかさず祀が指示を出す。
「車から全員降ろして医務室に運んで!!早く!」
言われるやいなや即座に飛び出す。
すると後部座席から一人出てき、百之助に肩を貸して百之助を降ろした。
それを見た2、3年のリリィたちが固まった。
「み…す…ず…様…」
「やあ、久し振りだね…そんな事より運ぶの手伝ってくれないかな…時間が無いんだ。」
「はっ!はい!」
全員驚愕しつつも全員を運んだ。