「あのヒュージ相討ちを狙ったわ」
移動したあと夢結がこういった。
「ヒュージがそんな知能を?」
「一柳さんにお礼を言うべきね。」
「え?」
「一柳さんが私を止めなければ貴方今頃真っ二つになっていたところよ。」
「ぐ…貴方目は良いのね!」
楓の挑発に梨璃は、正直に答えた。
「田舎者なので視力には自信があります。」
すると煙幕が突然展開された。
ポンポンプシュー
「はわ!?何!?」
煙幕が充満した所で夢結にヒュージが襲いかかり夢結は、チャームを起動し反撃する。
ゴン!
キンキン!
そのまま飛び上がりヒュージがそれを迎撃する。
直ぐにヒュージの触手が夢結を包み込む。
「夢結様!」
その時梨璃のチャームが起動する。
「丁度いい。梨璃と楓で夢結を助けてくれ。」
「何考えてますの!?」
「何事も訓練。」
「分かりました」
「どうなっても知りませんわよ!?」
二人は息を合わせ夢結を閉じ込めた触手を断ち切る。
「「はあああああ!」」
中から夢結が出てきたので声を掛ける。
「夢結!トミー!合わせろ!」
「ええ!」
「了解」
同時に切り込む。
三枚おろしにされたヒュージが崩壊しそれを楓以外全員がかぶった。そして検疫室に行き検疫を受けたあと待機室に送られた。
「お前。相変わらず意地が悪いな。」
「言ってろ…」
「新入生に任せるよりお前がやった方が早かっただろ?」
「それじゃ訓練にならん。それに直ぐに命を賭けることになるからさっさと実戦を潜らせる方が手っ取り早い。」
「そうかよ…なら、何も言わん。」
そんな話をしている間に検疫が終了したので外に出ると梨璃に楓が抱きついており、夢結がその向こうに歩いていたので全力で走って追いついた。
「置いていくとは酷いじゃないか。」
するとさり気なく手を繋いできた。
「貴方、意地が悪いわ…」
「よく言われる。」
「久しぶりに一緒に食堂に行きましょう。」
「構わないぞ」
食堂では、百之助は、うどんを食べていた。
「相変わらずうどんが好きね。」
「そうだな、まあ久しぶりってのもあるかな。…なあ、結局何人死んだ?」
夢結が膠着した。暫くしてから答えた。
「20人よ…」
「まじか…」
「皆…腕利きだったわ…姉様が死んで…貴方まで失ったら私、どうなっていたかしらね?…毎日苦しかったわ…」
「済まん…」
「もう…失うのは懲り懲りよ!」
夢結は、涙を流していた。百之助は席を立ち、夢結を抱きしめた。
「大丈夫…大丈夫だから…な?」
「う…う…あ…うわあああああ…!」
涙腺が崩壊したのか、心のダムが決壊したのか泣き始める。
「よしよし…辛い思いさせて悪かったな…ごめんな…」
泣き止むまで百之助は、頭を撫で続けた。
余談だがリリィ達は夢結が泣き止むまで遠巻きに見守っていたらしく後日百之助は、全員から弄り倒されたのはご愛嬌である。