アサルトリリィと呼ばれた男   作:岡村優

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94話

「ヒュージ反応、無し。この付近には居ないみたい、です。」

 

「ふむ、こっちも同じくだ。」

 

瑤と梅は、探知機を見ながら五感で確認した。

 

「一葉達の方はどうでしょう。隊を分割して混合とか、大丈夫かな…」

 

「大丈夫だと思います。姉上もいますし。」

 

「全く同意見だね。」

 

「でも慢心は駄目、絶対、ですよ。」

 

佐奈に対し由奈は慎重であった、さすがスナイパーである。

 

「でもなんとかなると思うぞ、こう見えて全員修羅場はくぐってるわけだし。あとはあれだな、純粋にみんな仲良くなりたいんだろ。」

 

「仲良く…ですか。」

 

「ああ、うちのリーダーは人懐っこいところあるからな。」

 

「えぇ〜っ!!本当ですか〜っ!!」

 

「ほら早速始まったみたいだゾ…ふふふっ」

 

「姉上が犬に見えるのは私だけでしょうか…」

 

「確かに…」

 

船坂姉妹からした見たら異様な光景ではあるのだ。

 

「千香瑠様もさとり様も山梨の出身なんですかっ!!」

 

「はい、そうです。住んでたのは中学の頃までですが。」

 

「私はぁ〜6歳までしかいなかったかなぁ〜6歳からずっと軍役だったし〜帰ろうと思った時には〜陥落してた上に家族全滅しちゃってたから〜家族の顔すら思い出せないんだぁ〜」

 

「ごめんなさい…」

 

「気にしなくていいよ〜終わったことだしね〜それに最後に、両親に言われたのは【化物】だったし〜」

 

「そうだったんですね…でも、同郷の方とお会い出来て嬉しいです。」

 

自分の妹ながら切り替えが早かった。

 

「…いい雰囲気のレギオンだね。」

 

瑤は、素直にそう思ったようだ。

 

「リーダーがリーダーですもの〜。私達の絆は絶対ですわ。ね、梨璃さん!」

 

楓も相変わらずであった。

 

「あははは…頼りないリーダーですけど、みんなに助けられてなんとか頑張ってます!」

 

「信頼し合えると言うのは素晴らしいことだと思います。その繋がりこそ、レギオンの…リリィとしての強さでしょう。」

 

「所で〜百之助ちゃんは〜何でそんなにへこたれてるの〜?」

 

「だって…御台場防衛戦とか参加したかったァァァ!寝てる間にめちゃくちゃ楽しそうなことやってるじゃないか〜」

 

本音である。

 

「百之助お前な…」

 

「そういう百之助ちゃんは〜いろんな戦場で戦って生き残ってたでしょ〜はっきり言うけど〜今ここにいる全員台湾奪還戦に参加してたら全滅待ったなしだよぉ〜?私だって〜百之助ちゃんがギガント級400キルオーバーしなかったら死んじゃってるからねぇ〜」

 

「「「「「「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」」」」」

 

流石にこれには皆びっくりである。

 

「百之助ちゃんは〜刀一本でギガント級約400体を含むヒュージ3万をほぼ一人で沈めてるからねぇ〜誰もそんな記録破れないよぉ〜?」

 

「…遠回しに俺人外って言われてません?泣いていい?」

 

「百之助貴方…よく生きてたわね。」

 

「夢結にも呆れられてる!?」

 

「あはは〜そりゃ歩くガーデンとか、不死身の日本兵とか、言われる訳だ〜」

 

「梅まで!?」

 

「兄様は…かっこいいと思います。」

 

「梨璃に慰められた…」

 

心がポッキリと逝ったようだ。

 

「そういえば佐々木藍さん…あの子のレアスキル…」

 

「ああ、夢結と同じ【ルナティックトランサー】のようだな。あの小さな身体であの破壊力…相当なものだゾ。」

 

「えぇ、あの子のリリィとしての素質は相当なものです。ですのが…少し…」

 

千香瑠の表情が曇った。

 

「少し…なんですか?」

 

「扱いが難しいね。放って置くと、勝手に突撃しちゃうし。」

 

梨璃の疑問に瑤が答えた。

 

「そういえば、先ほども先行してヒュージに挑んでましたわね。斬新な戦術だと思いましたが…なるほど。」

 

そう言いながら楓は百之助を見る。百之助は、顔をそらした。

 

「私達は一葉の指名されてヘルヴォルに入ったの。」

 

「たしか、エレンスゲはリリィ達に序列と言うランキング制が敷かれてるんでしたわね。」

 

「そうそう、そして今の序列一位は、何を隠そう我らがヘルヴォルリーダーの一葉だよ。」

 

と、恋花が自慢げに言う。

 

「あの規律に厳しいことで有名なエレンスゲで、一位ってすごいなぁ。」

 

「確か序列一位である一葉さんには、レギオンメンバーの指名権が与えられていたのよね。」

 

梅は感心し、夢結はエレンスゲのレギオン制度について知っていることを述べた。

 

「ええ…でも私はそれほど序列は高くありません。」

 

と、自虐気味に千香瑠が言う。

 

「それでも千香瑠様たちを選んだんですね。一葉さんは、すごいな…自分の意志でそんなに動けるなんて尊敬しますっ!」

 

「そうですね」

 

「おしゃべりはここまでだ。各位!臨戦態勢!」

 

百之助がいち早く号令を掛け白襷隊の空気が変わり、それに習うように一柳隊とヘルヴォルは、戦闘態勢を取った。

 

「こいつはケイブだ!ちっ!何故俺は気づかなかった!」

 

「ケイブ…ヒュージ達が通り道に使うワームホール。放って置くと周り一帯がヒュージだらけになっちゃいます!」

 

「二水!一葉に連絡して合流を!」

 

「合流後、ケイブを全力で叩きましょう!」

 

「息ぴったりだね…」

 

と、瑤は二人の息がぴったりで兄妹だと感じた。

 

「まずは、敵の正確な位置と、規模が知りたいですわね。…お願いできますか、梅様。」

 

「おう、任せとけ。」

 

「私も一緒に。」

 

「いえ、偵察は隠密と機動力が命ですわ。ここは梅様にお任せるのがよろしいかと。」

 

「そうか…そうだよね。気を付けて…」

 

「うん、ありがとう。じゃ、先行ってるゾ。」

 

「私達も急ぎましょう。激しい戦いになるかもしれないわ。」

 

「特型ヒュージ…そこにいる可能性が高いですね。」

 

「ノインヴェルト戦術も備えておいたほうが良さそうですわね。梨さん、特殊弾の準備はよろしくて?」

 

「え、えーと…うん大丈夫、持ってる!」

 

「30発持ってきてるぞ」

 

「百之助様!なぜそんなに持ってきているんですの!?ここら一帯耕すおつもりですの!?そもそも何故30発も持ってますの!?」

 

言うまでも無く戦場で使うためである。

 

「って言われてもなぁ…」

 

「百合ケ丘のノインヴェルト戦術…。」

 

「そう、百合ケ丘のノインヴェルト戦術教育は世界的権威ですわ!その名に恥じぬ働きをお見せします!」

 

「か、楓さん。そんなにプレッシャーかけないでくださいよ〜。緊張しちゃって失敗しちゃいそうです…」

 

二水はテンパっていた。

 

「ミスったらちびっこ一号はちびっこ3号に降格ですわ。代わりにヘルヴォルのちびっこを一号に昇格しましょう。」

 

「そ、そんなぁ〜…って別にそんな呼び名は、ほしくないです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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