今日からネトウヨ飼育します^^;   作:ウィザード

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第一話さあ、料理人解体ショーの始まりや

 

 

君は数年前、ネットで空前のオカルトブームが起こったのは覚えているか?

 

 

「あー…はい、知ってますよ。奇天烈動画配信団?とか話題になってましたね」

 

 

とあるユーチューブチャンネルがネトウヨを食いものにしていたことは?

 

 

「うーん。過激な動画が伸びるから、そういう人が飛びつきそうな動画も多かったような気が」

 

 

では、その欲しがりなネトウヨを新興宗教の信者にしようとしていた奴らがいたことは?

 

 

「ちょっ、ちょっと待ってください。そんなことまで知りませんよ!」

 

 

そうか。君みたいなクソガキが真っ先に引っ掛かりやすいと思ったんだがな。一応俺がやったことにも意味があったってことか。

 

 

「あの、話が読めないんですが。これは私がバカだからですかね…」

 

 

そうだ。脳みそいっぱい詰まってんじゃねえか(タランティーノ)。能無しからアホにジョブチェンジだな!

…まあ、話を進めよう。

 

 

 

*          *            *           *

 

 

 

今からする話はな、オカルトブーム真っ最中のネットで『ニートの中学生がバカなネトウヨを最悪の結末から救ったお話』だ。心して聞けよ?

 

 

「あーだから、知能指数の低いネトウヨを飼育する、なんていうイカレたタイトルなんすね!私天才っす!確かにネトウヨって犬とか猫より脳味噌の稼働範囲小さいんで、飼いならすならちょうどいいっすよ」

 

 

そうだな、口の悪さならお前が世界一の天才だ。

ちなみにタイトルはテキトーだ能無し。

 

 

 

 

*       *        *           *

 

 

 

 

 

その日、俺は狂喜していた。それはこの溢れかえるオカルト動画が原因ではない。

 

『人はこうも簡単に操作できる』と知ったからだ。

 

 

 

 

当時の俺は世界中のどんな噂にも興味津々だった。例えば、北はストーンヘンジから南のナチス秘密基地と、自分の想像力を膨らませてくれる物事が大好きだった。だから、あの時のオカルトブームは俺にとってこれ以上ない最高の時期だった。

 

 

「ビックフットとかネッシーとか、サメ映画もびっくりの新事実の連発でしたよね」

 

 

そう、俺はそんな話題に釘付けになってしまっていた。スマホは四六時中右手に持ち、今にも血管と電子回路が融合して、俺自身が新しいUMAになるんじゃないかと思ったくらいだ。

 

 

「そのUMAもういますよ。ピザニートって名前のが」

 

 

そんな俺にも唯一受け付けられないものがあった。それは『排外的な内容の動画』だ。なんで見れなかったかっていうと、俺の周りの環境が原因にある。俺はガキの時、閑静で裕福な家庭の多い学校に通っていた。

 

 

「私の通ってたとこなんて、友達が男子に後頭部どつかれて、あうあうあーになっちゃいました…」

 

 

それあったの俺の学校な! …まあその学校は良くも悪くも、来るもの拒まずってスタンスだった。

ある時、中国人の転校生が来た。今思えばこの出来事があったから、今後を良い方向に変えられたと思っている。

俺の将来も、あの事件もね。

 

 

 

 

その当時、尖閣諸島問題が様々なメディアで取り上げられ、日本人には中国に対して不明瞭だけど、確かな不安感が芽生えつつあった。そして俺はメディアが煽りに煽っているこの問題に、脊髄反射で飛びついた。

 

 

転校生は俺とは別のクラスに編入された。

休み時間になり、俺は嬉々としてその中国人のいる教室へ行く。一番の親友がいる部屋と同じだ。ドアについてるガラスから教室を覗き込むと、どこにいるのか一瞬で分かった。

俺たちと違う顔だ。

 

 

親友はそいつとジェスチャーで話していた。俺は2人の隣にある、空いた席に足を組んで腰掛けた。そして言ってやった。

『なあなあ、尖閣諸島の問題っておかしいと思わない?』ってな。相手は当然日本語が分からないから、微笑んで首を傾けるだけだった。

 

 

「なんか、可哀想です。私の考えすぎかもしれませんが、表情とか態度とかで、自分が訳もわからない憎悪の対象にされてそうで…。その子は好意的な印象を受け取ってくれたんでしょうかね。なら、なおさら…」

 

 

親友は愛想笑いをしていたように思う。俺は『さっきジェスチャーしていたように見えたけど、何を伝えてたんだ?』と聞いた。親友は絵本を俺に見せて言った。

『イラストの動作を日本語訳して教えてるんだ。話せなかったら不便だろ?』

 

俺はその時、志村動物園のパンくんも素でカメラの前でウンコ漏らすレベルの、《畜生》である事に気付いた。

 

 

「中国人が?」

 

 

俺が、だアホ。お前いきなりゾンビ映画のモブキャラレベルで知能低下するなよ。

 

 

「多分私、本当にゾンビウイルスあったら、入ってこれないように設置した金網の向こうでへばりつきながらアウアウいってるタイプのゾンビになりそうです」

 

 

ああ、そのあと強キャラ主人公のマシンガンで金網の向こうからハチの巣にされる奴な。

まあこの事があってから、俺はどうしても排外的なオカルトにはついていけなかった。なんせ、一番気の合うと思ってた親友が、こんな形で人としての差が分かっちまうんだからな。

 

 

「あ、ここまでっす。次号に続きまーす」

 

 

 

 

次回『倫理観壊れちゃ^~う』

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