うちの姉、Vtuberやってたってよ。   作:エクソダス

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情報収集の成果&姉とばとる

「……」

 

 

 僕の姉がVtuberだと判明し、数日の月日が流れた。

 僕は少しだけ心配になりました。なぜなら思ったより視聴者が変な人が多かったからです。

 

 

「……よし、できた」

 

 

 なので僕は、この数日で情報収集をしました。

 色んなVtuberさん、公式チャンネル。切り取り。できるだけすべて視聴しました。

 

 わけがわかりませんでした。

 

 公式チャンネルはとても短い動画が多かったのですが、何が起こってるのかわかりませんでした。

 

 

「……」 

 

 

 切り取りさんはとても見やすかったです。

 まぁ、てぇてぇ?とか、センシティブとかが多かったので、変な人しかいないのかな…?

 

 

 そして、僕は最終的に、ネット用語で言うところの『沼』にハマってしまいました。

 

それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あむっ……カレ○メシおいし♪」

 

 

 カ レ ○ メ シ で

す 。

 いや、美味しいんですよこれ、一回食べてみてくださいよ。

 

 

「おーい……って、またそれ食べてる」

「あ…ねえね」

 

 

 僕が食べていると、姉が少し呆れたように僕を見つめてくる。

 

 

「なんとなくそれ好きになった経緯はわかるけどさ…。Vtuberに興味持たずカレ○メシに行くってどうなのよ……」

「むっ…、いいでしょ、別に」

 

 

 僕は少し不貞腐れながらスプーンですくい上げて頬張る。

 

 

「まっ、ほどほどにね。うりうり」

「やっ、やめてよ……」

 

 

 姉が面白がってほっぺをぷにぷにしてくる、とても食べづらい。

 

 

「さて、今日は出てくれるんでしょ?」

「まぁ、ね?」

 

 

 姉がVtuberだとしても関係ない。僕はいつも通り姉と一緒に平凡に生きるつもりだ。だから基本的にはノータッチだが…。

 

 

「要望…多いんでしょ?」

「まあね、アンタかなり人気よ?流石私の弟」

「褒めてもなにもでないよ…?」

 

 

 どうやら、よく『ミウの弟また来てほしい』という要望が多数来ているらしい。

 一応ありがたいことなのだろうが、少し複雑だ。

 

 

「それじゃ、手伝ってもらうわよ」

「うん」

 

 

 僕は姉に連れられて、姉の部屋へと足を運んだ。

 

 

 

 

───

 

──

 

 

コメント

 

『待機中…待機中…』

『今日はスマ○ラの配信だよね?』

『潜るのかな?』

『弟とやる可能性微レ存』

『それはよき』

『配信早くはじまれ〜』

 

 

 コメントを見てみると、もう待機してる人がいるようだ。

 待機してくれてる人は本当に姉のVtuberとしての顔が好きなんだと、誇らしくもあり嫉妬もしてしまう。

 

 

「戦友諸君!待たせたわね、ミウがきたわ」

 

 

 

コメント

 

『きたぁぁぁ!!!』

『キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』

『きたこれ!』

『ミウたーん!おれだーっ!結婚してくれぇ!』

 

 

 相変わらずテンションが高い視聴者さんたち。

 ほかの人の配信みて思ったんだけど、ここの視聴者ってわりと穏やかなんだよね…。うそやん。

 

 

「今日はね。みんなの待ちかね私の弟に来てもらったわ」

「ど、どうも……」

 

 

 

コメント

 

『ミウ弟だぁぁぁぁぁ!!!』

『きたぁぁぁぁ!!!』

『10000 弟!とりま赤スパチャ投げます』

 

 

「わっ、赤スパチャありがとね。うれしい!」

「赤スパチャ」

「あ、赤スパチャっていうのはね?」

「しってるよ」

 

 

 そういって、僕はふんすと胸を張った。

 伊達に情報収集をしたわけではない。

 スパチャも、人並みには理解した。

 

 

「そっか、えらいね。よしよし」

「…むっ、子供扱いしないで」

 

 

 姉はまるで子供を褒めるように僕の頭を撫でる。

 子供扱いはやめてほしい。

 

 

 

コメント

 

『てぇてぇ』

『まじてぇてぇ』

『一生みてられるわ』

『あぁ……無機物になりたい』

 

 

 そんなコメントを流し見しながら、僕はある疑問を口にした。

 

 

「でも、この赤スパチャ。よかったんですか?」

「? どういう意味?」

「えっと、赤スパチャってさ。ガチャしてる時とか。そういうスパチャ投げ場?みたいなのあるんじゃ……」

「………」

 

 

コメント

 

『草』

『wwwwww』

『くっそワロタww』

『50000 せやで』

『スパチャ投げ場と聞いて』

 

 

「ちょっ!あんたらストップ!ストップ!!そういう配信じゃないわよっ!」

「あ、こういうときなのかな?えっと」

 

 

 どうやら、ここがそのスパ投げ場らしい。僕は即座にスマホを取り出す。

 

 

コメント

 

『50000』

 

 

「いつ投げ場来てもいいように、ストアにお金入れといた」

「なんでうちの弟が無言上限突破ニキになってんのよ!!」

「?」

 

 

 なんか、妙に姉があわあわと慌てているが、その後も投げ場は続いた。

 

 

よかった。知識が役に立ったよ。この調子で頑張ろう。

 

 

 

───

 

──

 

 

 

「さ、さて。気を取り直して、ゲームやるわよ」

「うん」

 

 

 こほんと咳払いをした姉に、僕はコクリと頷く。

 

 

「それで、なにするの?」

「スマ○ラで弟と対戦」

「そっか」

 

 

 

コメント

 

『姉弟対決きたぁ!!!』

『弟くんはどんだけ強いんだろ?』

『まぁ、ミウたんの弟だし、めっちゃ強そう』

『それ』

 

 

 コメントを見る限りだと、姉はとてもこのゲームが強いらしい。僕も昔遊んだことはあるけど…大丈夫かな?

 

 

「ほらっ、やるわよ」

 

 

 いつのにかゲームの電源付け、準備万端の姉がコントローラーを渡してくる。

 

 

「ふんっ、泣かしたらごめんね」

「…多分ダイジョーブ」

 

 

 そして、僕と姉の死闘の戦い…(ゲーム)が幕を開けた。

 

 

一戦目 姉Win

 

「よしっ!」

「姉貴強いね。もう一回」

「え、ええ、いいわよ」

 

 

 

コメント

 

『あ、あり?』

『弟くん、ちょー下手だな…』

『まじか…、ここまで弱い人は初めて見た』

『これ…ないちゃう可能性微レ存?』

 

 

二戦目 姉Win

 

「よしっ!」

「次別のキャラ使いたい。選ぶ」

「あ……うん」

 

 

三戦目 姉Win

 

 

「よしっ!」

「次、ストックやりたい」

「う、うん」

 

 

コメント

 

『くじけなくて草』

『めっちゃ負けてるのに精神が図太いwwww』

『やべぇwwwww』

 

 

僕は気がつくと、コメントを気にせずじっとゲームを楽しんでいた。

 

 

「……あんたさ。楽しい?」

「うん」

 

 

 僕はそう断言した。

 

 

「たしかに、負けてばっかだけどさ。それでも、姉貴と一緒にゲームしてるだけで楽しいから」

「………」

 

 

 たとえ負けてばっかだとしても、それで怒るほど僕は細かい人間じゃない。

 いつもなら、『どうすればいいか』そればっかり、考えてしまうだろう。小さくても社会人だ。

 けど、なんとなく。

 本当になんとなく。今回は無邪気になってもいいと、そう思った。

 

 

「……姉貴?」

「」

「えっ……?!ねえね?!」

 

 

 

 僕が姉の方に視線を向けると、姉はなぜか机に突っ伏している。

 

 

「だ、大丈夫?!」 

「」

 

 

 返事がない。

 

 

コメント

 

『しんだことに草はえる』

『これって、弟の尊さに尊死したのか。それともゲーマーが楽しむこと忘れた末路か…』

『両方じゃね?』

『草。すぐに起きるから気にしなくていいとおもうよ〜』

 

 

「は、はい」

 

 

 僕はコメントの指示に従って、姉が起きるまではサンドバッグをバットでかっ飛ばすモードを楽しんだ。

 

昔やった記憶があったので、とても心が踊った。

 

 

 

───

 

──

 

 

「あ、こんな時間」

「ん?」

 

 

 僕は時間を確認すると、ゆっくりと立ち上がる。

 そろそろお昼を作る時間だ。流石にこれ以上やってると遅れる。

 

 

「ごはん、作ってくるね」

「あー。うん。わかった」

「えっと、皆様今日はありがとうございました」

 

 

 僕は見られていないとは反射的にわかってはいるが、なんとなくお辞儀をしてしまう。

 

 

 

コメント

 

『おつ〜』

『おつかれ〜』

『料理頑張って!』

『乙カーレ』

 

 

「は、はい…では」

 

 

 僕はそのまま。部屋を出ようとする……が。

 

 

「あっ…」

 

 

 少し足がしびれたのか、少しふらついてしまい。倒れ込みそうになる。

 

 

「わっ!……と」

 

 

 だが、顔面が床につく前に姉が支えてくれたお陰で、どうにか怪我はせずにすんだ。

 

 

「大丈夫?」

「う、うん……。ねえね…ありがとう」

「ふふっ。また戻ってるよ」

「あっ。今のは──」

「大丈夫。誰も見てないよ」

 

 

 その言葉を疑問に思い、僕は画面を見てみると。ついていない。

 

 

「あ………れ?」

「あんた。コードに足引っかけたのよ。それで消えたってわけ」

「……そっか」

 

 

 僕は少しだけ安堵した。

 そろそろ姉貴呼びになれないといけないかな?

 

 

「それじゃ、作ってくるね」

「ええ。いつもありがとね」

「……ん」

 

 

 ぼくは、そのままその場を後にした。

 

 

 

───

 

──

 

 

「ふぅ……」

 

 僕は、キッチンに戻ると無意識に背中を壁に預け、ぺたりと座る。

 

 

「楽しいけど、なんか変な感じ」

 

 

 残っているスープとご飯を見ながら、そうつぶやく。

 いつもなら、楽しいは『姉がいるから』だけだった。

 でも、コメントを見るのがなんとなく楽しい、誰かと話してるみたいで。

 

 

「ほんと、変な感じ」

 

 

 僕は気がつくと苦笑いをしていた。

 

 

「いま…なんの話してるのかな」

 

 

 僕は姉が楽しそうにコメントを見ているのを想像しながら料理を開始した。

 今日は豪勢にしようかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっきの弟が転んでさ。それで電源切れて、マジでショタ可愛かった」

 

『草』

『wwwww』

『見たかったww』

『草』

『イイネで買おう!』

『おいやめろ変態共(ブーメラン)』

 

 

 

……もちろん、知らないほうがいい事もある。

 

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