二夜廻   作:甲乙

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06:別人(だれか)

“ タイムスリップ ”

 

“ タイムワープ ”

 

“ タイムリープ ”

 

“ タイムトリップ ”

 

 表現は数あれど、摩訶不思議な現象であることは間違いない。

 現代はもちろん、ハルの生きた未来の時代でさえまだ不可能とされた現象。

 それを成したのが、よまわりさんと呼ばれる常識外の怪異であったことは、必然と言うべきか、皮肉と言うべきか。

 

 たしかに、ハルは過去に戻ってきた。

 90年の人生、その全ての記憶を持ったまま、8歳の少女の姿となって、82年前の世界に戻ってきた。

 少女時代に大きな後悔を残していたハルにとっては、まさに奇跡であっただろう。

 

 

 だが、ハルは知らない。気にも留めていない。

 

 

“ この時代に生きていたはずの少女は ”

 

“ 怖がり屋で寂しがり屋の、ユイの親友である少女は ”

 

()()()()()は、どうなったのか? ”

 

 

 ハルは、知らない。

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

 ――やっちゃった。

 

 赤い夕陽を浴びながら、ハルは額を押さえた。

 隣町のムカデ神社、作戦会議の場となっているここでユウジと別れてから、既に2時間以上経っている。彼を見送った後、しばらく時間をあけようと木陰に座ったのがまずかった。連日の夜更かしと準備でろくに休んでいなかったのが災いし、そのまま眠ってしまったのだ。

 隣町は既に夕焼けで赤く染まっており、この町も()()である為か、人影もほとんど無くなっている。

 

 なお、この神社を集合場所としている理由は、第一に蜘蛛神の声を寄せ付けない為であるが、これはユウジの外聞を守る為でもある。

 都心から離れた田舎町のこと。世間は狭く、良くも悪くも人同士の繋がりは強い。妻子持ちの男が娘でもない少女をつれていたなど、万が一にでもユウジを知る者に目撃されたら。ましてやそれが噂となり、彼の妻の耳に入ってしまったら。

 蜘蛛神との戦いを前にして背中から刺されるなど、もはや笑い話にもなりはしない。

 そのような最悪の事態を避けるべく、二人はわざわざ隣町に現地集合・現地解散という形をとっているのだ。ハルに至っては、軽い変装までする念の入れようだ。

 

 閑話休題。

 

 賽銭箱に十円玉を投げ入れ、場所を借りたことへの感謝と、一時でも寝床にしてしまったことへの謝罪を心中で唱える。ついでに必勝祈願も申し訳程度に祈っておいた。

 

 ――早く帰らないと。まだ考えなくちゃいけないことが沢山ある。

 

 足早に石段を下り帰路につこうとしたハルの目が、商店街のシャッターに貼られた、ある物に留まった。

 

【花火大会のお知らせ】

 

 (つたな)い技術で飾り文字(ワードアート)を精いっぱい使ったような、見方によっては味のあるチラシだった。何年前の写真なのか、夜空に咲く大花火の画像だけが良くも悪くも浮いている。夕日に沈む、寂れたシャッター通りに貼られた、もの悲しいチラシ。この手の風景を好む人間なら思わずカメラを構えていただろうか。

 だが、ハルが見ていたのはチラシそのものではない。

 そっと当てられた左手が、くしゃりと、チラシに皺をつくった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハルが町に戻ってきた時、既に太陽は沈みかけていた。常に持ち歩いている懐中電灯を手に、ハルは速足で町を進む。

 やはりというべきか、町の中は様々なお化けの展覧会と化していたが、どれもハルには見慣れたモノたちだった。

 懐中電灯で照らし、照らさず。目を合わせず、そらさず。走り、歩き、時には止まり。

 石を、紙飛行機を、人形を投げながらお化け達をあしらい、それでも近づいてくる不届きモノには容赦なく塩を浴びせた。

 

 あの夏の夜、ハルはほぼ一生分の恐怖を味わったと言って良い。

 ユイと離れ離れになり、ユイを探し、お化けだらけの町をさまよった。

 そして長い一夜が明け、病院に担ぎ込まれ、左腕の手術が終わり、退院した頃にはもう、引っ越しの日は目前だった。

 だから、あんな事があった後だというのにハルは毎夜、家を抜け出した。夜をさまようお化け達をかいくぐりながら、深夜の町を歩き(まわ)った。

 ユイを探していた。見つかるわけもなかった。

 ユイと二人で作っていた町の地図も完成した。もう何の意味も無かった。

 ユイに何か関係があるんじゃないかと、変な物を集めたりもした。どれもユイとは何の関係も無かった。

 あの時、ハルの心はからっぽだった。もう何も無かった。

 どちらがお化けなのか分からなくなるほど、夜道をさまよった。

 

 なんにせよ、その夜廻りの経験は今も十分に活かされている。

 お化け達の性質に合わせて動き、冷静に対処していく。恐れず、油断せず、適度な緊張を保ったまま夜の町を進む。

 このままなら、あと5分もあれば家に着きそ――。

 

 パチンッ

 

 考えるより先に懐中電灯を向けた。手にも既に小石が握られている。何の音? 疑問は最後に抱いた。

 塀の角から、わずかに影が見える。あれで隠れているつもりか。

 手始めに小石を投げる。反応なし。

 片手で素早く折った紙飛行機を飛ばす。影がすこし動いた。

 もしや新種かと、十分に距離をとった上で角を曲がり……。

 

「…………ユイ?」

 

 道にうずくまっている少女を見つけた。

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

「…………ユイ?」

 

 頭上からかけられた声に、ユイは「へ?」と素っ頓狂な声を返してしまう。

 恐る恐る顔を上げれば、帽子の女の子がユイを見下ろしていた。

 

 ――なんで、わたしの名前を知ってるの?

 

 固まったまま動かないユイの手を、女の子はぐいっと引っ張って起こしてくれる。そのままスカートのお尻のあたりをパンパンと掃われて、なんだか恥ずかしかった。

 

「ひとりでここに来たの? お母さんは?」

「お、母さんは、いないよ。お父さんも」

 

 頭がぐるぐるし始めたユイは、つい正直に答えてしまった。知らない人と話しちゃいけないって、お父さんが言ってたっけ。あれ、でも、この子は子どもだからいいのかな。

 

「……危ないでしょ。なんでこんな時間に外に出たの」

「友達の、家に行こうと思って。ハルに、」

「私に?」

 

「へ?」

「え?」

 

 ユイは、また素っ頓狂な声をあげて、まじまじと女の子の顔を見て、

 

「……ハル?」

「……分からなかったの?」

 

 ハルに呆れたような顔をされた。……ハルのくせに生意気だと、ユイは思った。

 「これのせいだね」と帽子を取ったハルは、いつもの三つ編みじゃなくて、すごく難しそうな髪形をしていた。ハルの変わった髪の毛の色に合っていて、お姫様みたいだと思ったけど、ユイとおそろいのリボンをしていないのを見て、すこしモヤモヤする。

 

「だって、いつもとぜんぜん違うんだもん……」

「今日は、暑かったから」

「ふーん……」

 

 そんな暑い中を出歩いていたのか。自分とも遊ばずに。ユイは口をへの字にした。

 ユイは面白くない。ハルが、ちっとも寂しがっていた様子がないからだ。3日前はあんなにワンワン泣いていたのに、今は大人の余裕(よゆー)みたいな顔をしてる。……自分は、こんなに寂しかったのに。

 だから、あのチラシを見た時にすごくいい考えがうかんで――。

 

「あ、そうだ! ハル! こんどね、」

「ねえ、ユイ」

 

 ひたり、と。ハルの冷めた声が、ユイの興奮をかき消した。

 

 

「ここに来るまでに、ナニか変なモノとか、見た?」

 

 

 おなかが、ぎゅっと痛くなった。お母さんや、怖い先生に叱られた時みたいな、すごく苦しい気持ち。

 なんで? なんで今こんな気持ちになるの? ハル、怒ってるの?

 

「ユイ。答えて」

「……みて、ないよ。変な人は、いたけど」

「……」

 

 答えたのに。ちゃんと正直に答えたのに。そんなに怖い顔しないでよ。

 

「わぷ」

 

 いきなり目の前が暗くなった。頭を押さえるように帽子を深くかぶせられて、ほとんど何も見えない。

 

「行こう。早く帰らないと」

「ハル、待ってよ、前が見えないよ」

「大丈夫、引っ張ってあげるから」

 

 ぐいぐいと引かれる手が痛い。ハルと手をつないでいるのに、ちっとも元気になれない。

 もっとゆっくり歩いてよ。なんにも見えないよ。怖いよ。

 ハル、どうしたの。こんなの、ぜんぜんハルらしくない。

 

「ハル……っ」

「大丈夫。大丈夫だから……」

 

 

 ――怖いよ、ハル……。

 

 

 今、つないでるこの手は、ほんとうにハルの手なの?

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

 ――()()()は、やらせないよ。

 

 ハルは決然と、お化け達を睨み据えた。

 もはや容赦はしない。少しでも近づく素振りを見せたモノから、塩の塊を投げつけていく。

“ この子 ”を少しでもお化けから遠ざける為に、多少強引でも手を引いた。握った手から震えを感じて、更に強く握りしめる。何も見えない中で歩かせているのだ。無理もない。しかし背に腹は代えられなかった。

“ この子 ”に、お化けを見せてはならない。二度と、怪異に関わらせはしない。

“ この子 ”を“ ユイ ”と同じにしてはならない。その為に、ハルは今ここにいるのだから。

 

 そう、“ この子 ”と、“ ユイ ”は、違う。

 

 同じにしてはならないのだと、ハルは強く自戒している。

 この時代に来た直後は取り乱していたが、今は違う。3日という時間が、何よりも80年という歳月が、ハルを冷静にしていた。

 

 ハルと共に歩んだユイは死んだ。死んだのだ。それはもう、神様にも怪異にも覆せない事実。

 残酷な運命が、この町の怪異が、愚かな自分が、ユイを死に追いやった。

 それを忘れてはならない。ハル自身がそれを許さない。

 どちらが大事かなどという話ではない。どちらも大事なのだ。しかし混同だけはしてはならない。

 それは、自分が死なせてしまったあの“ ユイ ”も、今を生きているこの“ ユイ ”も侮辱することだ。

 そう、自戒していた。

 

「大丈夫。大丈夫だから……」

 

 ハルは群がるお化けを掻い潜りながら、夜の町を進む。“ この子 ”を無事に家に送り届ける為に。

 

 ――“ あなた ”は、私が守るから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんとか、ユイの家に着いた。

 2階の窓は開いたままで、電灯の光に照らされたカーテンが風に揺れている。

 1階は暗く、ユイの母親はいないらしい。ユウジは、打ち合わせ通りなら今頃は準備に忙しいだろう。

 ユイは、本当にひとりで飛び出してきたのか。

 

「ユイ、着いたよ」

 

 返事は無い。

 

「ユイ?」

 

 帽子を取ると、ひどく怯えた顔と目が合った。

 手も、まだ震えている。両手で握ってあげても、震えは止まらなかった。抱き寄せて背中をさする。びくりと、小さな肩が震えた。

 

「ユイ、もう大丈夫だよ。お(うち)にいれば、何も心配ないから」

「変な人たちも、もう近くにはいないよ」

「もう、何も怖くないよ」

 

「…………、……うん」

 

 消えるような声だったが、ようやくユイの返事が聞けた。

 背中を押して玄関に促すと、ユイが背負ったナップサックに目が留まった。

 

「その鞄……」

 

 記憶の中のユイは、そのほとんどの中でこの鞄を背負っていた。

 ピンク色の、ウサギの頭を模したナップサック。

 ハルの手を引いて走るユイの背中で、いつも元気にポンポンと跳ねていた。幼い頃のハルはそれを見て、父にねだって同じ物を買ってもらったのだ。

 ハルが遠い過去に思いを馳せている横で、ユイの顔にすこしだけ笑みが戻った。

 

「う、うん。これ、かわいいでしょ。この前、お父さんに買ってもらったんだ」

 

 3日前のことか。ユウジがどのような気持ちでこれをユイに与えたのか、想像に難くは無い。

 いや、“ 前回 ”でもそうだったのかもしれない。

 あの日、あの木の下で見つけたユイのナップサックは、ユイの家の前に置いてきた。引っ越し当日のことだ。

 ハルが持って行ったユイの遺品は、赤いリボンだけ。それだけにしようと、決めたのだった。

 

「――のデパートで――ルもほしかったら、ハルのお父さんに……。ハル、聞いてる?」

「――え? ああ、ごめん。なに?」

 

 上の空になっていた。また暗くなり始めたユイの顔を見て、何か言おうとするが話題が思いつかない。

 思えば、この時代に来てからユイとまともに話をしたのは再会の時だけだった。

 それからは、一度も。

 

「その、ユイは、そういえば、私に何か用があったんだよね?」

 

 今度こそ、ユイの顔が輝いた。それを見て、ハルも心底ホッとする。

 ユイは背負ったウサギから、何かのチラシを取り出して、言った。

 

 

「こんどね、隣町で花火大会があるんだって!」

 

 

 ハルは、凍りついた。

 

 

「だから、ハルもいっしょに見ようよ! どこか高いところでさ!」

 

 

“ こうして、ハルと二人で花火を見るのも ”

 

 

「マンションのところとか、――()()()()()!」

 

 

“ 今年で最後だね ”

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――めよ」

「ハル?」

「駄目よっ!」

 

 絹を裂くような怒声に、ユイの顔が再び恐怖に染まった。

 

「あの山は駄目! 絶対に近付いちゃいけないの!」

「は、ハル、痛いよ」

 

 自分の手が、ユイの両肩にくいこんでいることもハルは気付かない。

 恐怖に染まったユイの顔が、徐々に陰っていることも。

 ハルも怖かったのだ。

 また、もう一度。再びあの山でユイを失ったりすれば、今度こそ自分は狂い死ぬだろう。

 

 

「危ないのよ! 絶対に駄目!」

「だいたい、今日もなんでこんな時間に外に出たりしたの!」

「夜は外に出ちゃいけないって、いつも言われてるでしょう!」

 

 

 ぱん、と。手を振り払われた。

 ハルの手を払ったユイは、うついむいたまま無言で玄関に向かう。

 

「ユイ!」

「もういい。わたし一人で行くもん」

「な……っ!」

 

 ――何を言っているの!

 

 慌ててユイを追いかけて肩をつかむも、今度はユイも抵抗した。

 ほとんど揉み合うような形で振り向かせたユイと、目が合う。

 ユイは、泣いていた。

 真っ赤な顔でハルを睨みつけながら、その両目からは、ボロボロと涙があふれていた。

 

「ユ――」

「ハルのばかっ! ……もう、嫌いっ!」

 

 叩きつけるように玄関が閉められ、無意味に左手を伸ばしたままのハルだけが残される。

 その足元で、くしゃくしゃになったチラシだけが転がっていた。

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

“ お化け ”は、すぐ近くでそれを見ていた。

 伸ばしたままだった左手をダラリと下げた少女が、それこそお化けのような暗い眼差しでチラシを拾い上げ、(かかと)を引きずりながら帰っていく。

 それを見送った後、“ お化け ”は目の前の一軒家に進んだ。玄関をすり抜け、暗いリビングを通り、階段を上る。辿りついた一室で、少女がひとり泣いていた。

 頭からタオルケットをかぶり、声を押し殺して泣いているのは、まだ外にいるかもしれない友だちに聞かれたくないためか。

“ お化け ”は、その黒い手でそっと少女の顔を撫でた。

 少女は、何も気付かなかった。

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 ――ハルのばか! ハルのばか! ハルのばか!

 

 ユイは、ひたすら泣いた。

 ハルと遊べないのが寂しくて、お父さんもお母さんもいないのが心細くて、夜の町が怖くて、あの時のハルが、ハルじゃなかったみたいで。

 せっかく誘ってあげたのに、せっかくいっしょに花火を見れると思ったのに、なんであんな、怖い先生みたいなことを言うのか。ハルのくせに。ハルなのに。

 今日のハルは、かわいかった。あんなおめかしして、きっと誰かと会っていた。ユイじゃない誰かと、遊んでいた。ユイとも遊ばずに。

 だから嫌いだと言ってやった。嫌いだと、言ってしまった。

 

「ハルぅ……っ」

 

 怖くて、寂しくて、腹立たしくて、ハルに会いたくて、会いたくなくて。

 ユイは、また泣いた。

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

 また鉛筆が折れて、ハルは苛立たしげに息を吐いた。

 電動の鉛筆削りに突き刺し、ガリガリと暴力的な音を立てる機械にまた苛立つ。

 

 ユイに嫌われたのは、好都合だったはずだ。

 これから自分とユウジは、あの蜘蛛神に戦いを挑まなければならない。当然、危険な戦いとなる。ユイが自分から距離を置いてくれるならば、それに越したことは無い。

 ただし、ユイが意固地になって一人で花火を見に行かないようにだけは、何か対策しなければならないだろう。方法によっては更にユイとの仲が悪化する可能性もあるが、それも仕方のないこと。

 仲直りは、全てが終わった後ですれば良い。

 

 削りすぎた鉛筆は、ほとんどその身を無くしていた。

 思わず舌打ちして、ノートに向かうも一向に思考がまとまらない。書き損じた文字を消しゴムで消すのも億劫(おっくう)になって、乱雑に塗りつぶす。

 また、鉛筆が折れた。

 

 思考がまとまらない。きっと寝不足のせいだ。苛立ちが止まないのもそのせい。

 それとも、聞き分けのないユイのせいか、ユイをそうさせた自分にか、あの夏にユイを死なせた自分にか、今日はあの夏のことばかり考えている気がする。

 思考がまとまらない。今度こそユイを守らなければいけないのに、自分はユイを死なせたのだから、もうユイを失いたくなくて、それがユイを死なせたことへの罪滅ぼしで、でもユイを死なせたことを忘れてはいけなくて、ユイを、ユイが。

 

「ユイ……」

 

 今、口から出たのは、()()()()()()()

 ユイがいなくなっても、死んでしまっても、自分は生きて、生きて、生きて、死んで。

 後悔は無いはずで、でも、もしも、もしも、生まれ変われたら、その時は、

 

 

 ――わたし、何をしたかったんだっけ……。

 

 

 机に突っ伏したまま、ハルは眠りに落ちた。

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

“ お化け ”は、すぐ近くでそれを見ていた。

 

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