ヒビキ&鷺宮先生side:異世界白い霧の森
ヒビキ「しかしどんなに調べてもこの森から脱出する方法が思いつかん!」
鷺宮「少しは考えろ!花小泉の奴は非常に洞察力が高いと聞いたぞ?どんなに小さな変化に気づける力が無ければ我々は一生ここから出ることができないだろう!」
ヒビキ「そう言われても分からないものは分からないのだ!ん?ちょっと待てよ…この状況デジャブというかヒビキも見覚えある気が…」
鷺宮「なんだ?異世界に来たことでもあるのか?」
ヒビキ「異世界というか2学期の期末試験の特別幸福テストとやらで夢の世界に入るというのがあったのだ。だが今回はヒビキは眠らされたわけでもないし、何よりレンがここにいないことが変なのだ!」
鷺宮「なるほどな…確かに精神だけ異世界に入ったのではなく、身体そのものが異世界に入ってしまっているのが今回の最大の謎だな…」
ヒビキはじっくりじっくり考えるがここがなんなのかがわからない限り、この森から出られそうにない。
ヒビキ「そもそもお前は勉学クラス担任だから頭がいいのだろう?解明できんのか?」
鷺宮「いくら1組勉学クラスを担当してるとはいえ、このような状況は経験がないからな…私にもさっぱりだ…」
ヒビキと鷺宮先生は出口のない迷路に完全に迷ってしまっている。
ヒビキ「このままではヒビキは一生レンに会えなく…そんなの絶対嫌なのだ!いつも逆の方向へ走るヒビキを連れてってくれて…ん?」
ヒビキの中で何かが引っかかった。
ヒビキ「レン曰く、ヒビキは方向音痴だからいつも逆の方向へ走って道に迷ってしまう…では、既に迷っている状態で進んだらどうなるのだ?」
鷺宮「おい!どこへ行く?」
ヒビキ「ヒビキの勘が言っている!きっとこっちだ!」
突如ヒビキは鷺宮先生がやってきた方向、つまり戻る方向に走り出した!
鷺宮「おい、そっちは来た方向だぞ?そんなことしたら完全にはぐれて…」
ゴトゴトゴトゴト
鷺宮「な、なんだ!?」
ヒビキが逆方向に全力疾走すると、霧が晴れ、森が正体を現した。
ヒビキ「なるほどそういうことか!不本意だがいつもの謎の現象が役立ったようだ」
鷺宮「なぜ、奴が逆方向に走ると霧が晴れ元の状態に…ま、まさかこの森は…!」
ヒビキ「正直方向音痴などという不名誉な肩書きを突きつけられるのは遺憾だが…おかげで謎が解けたのだ!」
鷺宮「間違いない!これはあべこべの迷宮だ!つまり正しいことと逆の行動をとることで出口に近づき、逆に正しい行動を取れば出口は遠ざかり更に迷ってしまう…まさか奴の方向音痴がこんなところで役に立つとはな…今回ばかりは評価しよう!」
ヒビキ「さあ、行くぞ!レン…ヒビキは早く会いたいぞ!」
そう叫ぶとヒビキは再び来た方向と逆方向に走り始めた。
異世界メモ1:死角の草原(はなこ攻略済み)
小さなことに気づける洞察力があれば、指示に従うことで脱出できる
異世界メモ2:あべこべ迷宮(ヒビキ&鷺宮先生攻略中)
正しい行動は出口から遠ざかり、逆に間違った行動は出口に近づくという非常に厄介な迷宮
第三章11話です。ヒビキちゃんの方向音痴体質が意外なところで役に立ちました。この人気のない異世界は7組幸福クラスの経験が役に立ちそうです。