自信満々な幼馴染のライバルに旅先で絡まれる話 作:雨ざらしの鷲
見切り発車です。
いつかの時代―――
ここはカントーのマサラタウン。マサラは真っ白、始まりの色―――
「おお!待っていたぞ!レッド!」
「……ん」
私の名前はオーキド。皆からはポケモン博士と呼ばれておるよ。ポケモン…ポケットモンスターというのは、森や池に住む人間以外の生き物たちのことじゃ。モンスターボールに入ってしまえばポケットに入っちゃうくらい小さくなるモンスターだからポケモン。人はそんなポケモンをペットにしたりポケモン同士勝負させたりしている。
今日は私の孫と、そしてその幼馴染…、私からすればもう一人の孫のようなもんじゃな。その二人が旅に出る日。
研究所の扉を開けて赤い帽子をかぶった少年がやって来る。彼はレッド。先ほど言った孫の幼馴染で無口だが素直な少年じゃ。
(しかし、二人ももう旅に出るようになるとは…。改めて子供の成長は早いもんだと感じさせられるのぉ…)
こんな感想を抱くとは私も年を持ったもんじゃ。ちょっと目元が熱くなるのを感じながらレッドとともに授けるポケモンのいる部屋へと歩いていく。せっかちなうちの孫はそこでレッドはまだかまだかとずっと急かしておる。先に行けばいいものを、レッドを待つあたりなんというかまあ…。
「ところでレッド、ちゃんと旅の用意はできてるか?」
「ん…」
レッドは口数少なく小さくうなずく。これもいつものことなのでまあ大丈夫じゃろう。
「ではレッドよ、お前にポケモンをやろう!これからともに旅をするパートナーじゃ」
「!!」
長い付き合いで語らずともレッドが期待に胸を膨らませてるのがなんとなくわかる。はじめてポケモンとパートナーになるのだから当然か。
では、さっそくポケモンと対面させてやるか。
「ここにお前たちにやるポケモンが「おっそ~い!レッド!お爺ちゃん!待ちくたびれたよ!」……っ」
ドアを開けるや否や、元気のあり余った声が響く。ほんとにせっかちな孫
「これから冒険の旅が始まるのに~、も~!」
「ふぅ……、落ち着け、リーフ。ほれ、ちゃんと今から二人にポケモンを渡す。そんなせっかちじゃと先が思いやられるわい」
「むぅ…だって楽しみだったんだもん…」
頬をぷく~っと膨らませてむくれているのが孫娘のリーフ、レッドとは長年の幼馴染で親友じゃ。
「ほれ、そこに三つのモンスターボールがあるじゃろ?そこからお前らに一匹ずつやろう」
「ふふ~ん、私は大人だからね!レッドに先に選ばせてあげるよ!」
…リーフが調子に乗ってるときは大抵墓穴を掘る前兆じゃが…、まあいつものことだし放っておくか。
「ほら、早く早く~」
「………じゃあ……こいつ……」
「ほう!草タイプのフシギダネを選ぶんじゃな?」
「えっ!!?」
「………」
「………」
レッドがフシギダネを選ぼうとすると、リーフが予想外といった声を上げて目を潤ませる。
…………フシギダネがよかったなら最初からそう言えばいいものを…。
「……………じゃあ…こっちで……」
「…ほ、ほう!炎タイプのヒトカゲを選ぶんじゃな!」
「……ん」
哀れに思ったのかレッドが気を使って選びなおす。涙目だったリーフの表情がみるみる輝く。
「そ…そっかぁ~……!それじゃあ私は~、この子にしようかな!うん!よろしくね、フシギダネ!」
……まあ、本人たちが納得しているならいいか。色々と先行きは不安じゃが…。
「では、二人とも!夢と冒険とポケットモンスターの世界へ旅立つのじゃ!」
続くかどうか未定。