機獣夫妻の新婚旅行   作:リン・オルタナティブ

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遅れました!今年最後(多分)です!
投票してくれた皆さんありがとうございました!
またアンケート出すと思いますのでその時はよろしくお願いします!
それでは第四話、どうぞ!


紅蓮の獅子王、覚醒す

「.....何...で?」

「何デカッテ?......フフ、ソレハ...ネ?」

少女は真理の目の前まで接近すると、

「.......()()()()()()()()()()()()()()()()()()

真理は耳元で滑らかな自分そっくりに模倣された声でそう囁かれた直後、自身の中で何かが渦巻き、弾けた気がした。

体の内側から形容しがたい何かが体のすべてを支配し、生きる者を滅ぼせと叫び、真理の思考を侵食してくる。

あと少しで真理の破壊衝動が爆発する直前に、

『_______理!____真理!』

真理の母である真帆の声が聞こえてきた。

「.....アララ、時間切レカシラ」

少女はそういうと隣で鎮座していた金属ライオンを優しく撫で、

「ジャア、彼女ノ助太刀、オ願イネ?.........バーニングライガー(紅蓮の獅子王)

そう命令して巨大ゾイドのもとへ歩いていき、霞のように消えるのと同時に真理の意識は掻き消え始め、視界が暗転して光に包まれた直後、真理が見たものは_______。

夢で見た赤いライオン種ゾイドと、ライガーズを出して対峙する真帆の姿、そして、真理()の腕の中には金属質の()()()()()()があった。

真理の意識が覚醒する数分前まで遡る....。

「真理?そろそろ鈴から定時報告が来る頃よ...........!?」

真帆が真理の様子を見に来ると、真理が頭を抱え苦しんでおり、真理の抱いていた黒猫は気が付けば暗い金属質の置物に変わり果てていた。その猫だったものからは紫色の粒子が零れ、明らかに普通のものではないことがまざまざと感じ取れた。

真理に駆け寄ろうとした真帆の前に何かが立ち塞がった。深紅の装甲に紅褐色のボーンフレームに、ジェノスピノやオメガレックス同様のZ-Oバイザーをつけられた四足獣骨格の中型のライオン種ゾイドだった。そのゾイドが真帆に向けて牽制の威嚇をしたのに対して真帆が攻撃されたと判断したのか、現在の最大召喚数に値する六体のライガーズが真理を守る形で現れ、謎のゾイドへ攻撃を仕掛けようとした直後、

「ライガーズ!ストップ!!」

真帆の声でライガーズは臨戦態勢を解いた。真帆は静かに真理の傍で警戒しているのか未だに威嚇をし続ける謎のゾイドを観察しつつ思考し、小声で独り言ちる。

「(あのゾイドから敵対意思を感じられない....?).......真理を守っているだけ?」

数分にも思えた数秒の睨み合いは、眠りから覚醒した真理の一声で終わりを告げた。

「......母さんを傷つけないで...ライガー」

ゆっくりと立ち上がった真理は少しよろけたが、威嚇をやめたそのゾイドがそっと真理の傍に近寄る。真理がそのゾイドの首筋を掻いてあげるとグルゥと喉を鳴らした。

そんな微笑ましい光景を見ながらも、真帆はいまだに消えない疑問を頭で考えていた。

「(ライガーって真理は言っていた.......。つまりあの謎のゾイドもライオン種に分類されるゾイドなのよね.......。でも、いつも鈴が変身しているビーストライガーやライジングライガーとも特徴が一致しない......).........腑に落ちないわね」

もどかしい。鈴なら目の前のゾイドのことを知っているのだろうか。真理がそう思っていた時、遠くでライオン種ゾイド特有の咆哮で空気が震えた。

「鈴ったら.....。あんまり戦闘へ介入しないでって言ったのに......」

真帆は現役(ヒーロー)だった頃愛用していた龍の鎧(コスチューム)を身にまとい、密林の中を走りながらそんなことを呟いていると、

『母さん.....乗って』

隣へ本来の大きさになった深紅のライガー_____真理曰くバーニングライガーと言うらしい_____が並走してきて、真理の声が真帆の耳に入る。

全く誰に似てきたのかと真帆は思いつつバーニングライガー(真理)の背中にある装甲と装甲の継ぎ目に着地し飛び乗ると、バーニングライガーへ変形した真理は咆哮の聞こえた方向へ猛スピードで向かう。密林の獣道をひた走ると開けた平原に辿り着く。手前では足を止め呆然と立ち尽くす九人の少女達。そしてその視線の先には_____、

「....鈴っ!」

『父さん.......!』

先刻*1戦った異形の生命体と同類の怪物と対峙している鈴の姿があった。鈴はビーストライガーに変形していたが、背部のタテガミクローはライジングライガーのライジングユニットへ換装され、全身のアーマーはオメガレックスを彷彿とさせる漆黒のアーマーに。さらにその上からA-Z 10連装マニューバミサイルポッド、A-Z 2連装キャノン砲とスクエアシールドを組み合わせた特注型、全天候型ハイパワーブースターを装備した“ビーストライガー特殊戦闘仕様”だった。

『.....母さんはあの()達を.....!』

「真理!?よしなさい!」

真理は母真帆の制止を振り切りバーニングライガーを走らせる。両頬に装備している全火器*2を一斉に掃射し怪物の気をこちらに引かせる。怪物は奇怪な叫び声を発しながら幾つもの触腕らしき腕を射出、鈴と真理へ殺到する。

『真理か!?どう____』

『父さん、説明は後で.......奴の懐に』

隣に到着した真理へ何があったのか聞こうとした鈴の声を遮り、真理はそういう。短い時間で会話すると鈴はハイパワーブースターで一度離脱する。

『(あなたもライオン種なら、少しは力を発揮して).......コアドライブシステム(CDS)、起動。.......エネルギー充填完了...発射(トゥータ)

真理は触腕達を紙一重で避けながらそう呟く。するとバーニングライガーがオレンジ色に輝き始め、背中に背負う機関砲(ガトリングガン)の銃口にオレンジの光が灯り、回転する六つのバレルから火球のような弾丸が次々と発射される。弾丸は沢山の触腕達へ穴をあけ、さらには本体へも例外なく着弾し怪物を苦しめる。*3

『真理が作ったチャンス、モノにするぞライガー!進化開放、エヴォブラスト!!ライジングガンスラッシュ!』

ある程度怪物から距離をとった鈴はA-Z タテガミショットと全火器で集中砲火を浴びせ、ブースター以外の武装を全て除装(パージ)しA-Z タテガミブレードを展開する。

『ライジングバースト・(ブレイク)!!』

ブースターを出力最大で吹かし跳躍すると、怪物の懐に潜り込み、コアがあるであろう場所から少し離れた位置から怪物を真っ二つにする。見事に両断された怪物から無事な心臓(コア)を口で咥えると真理と共に怪物から離れる。

真帆は鈴たち二人が離れたのを確認すると“炎壁”を発動し怪物を囲む。黒炎に似た黒い炎が数十秒で消えると、そこには怪物の死体はなく、死体だった塵が少し残っていただけだった。

『.......真帆、真理はどうしたんだ?』

鈴は自身のコックピットに座る真帆にそう聞く。あの後、少女たちは百合ヶ丘女学院という場所に帰り、鈴たちも来ることを勧められたため陸路(ライガー)で移動し向かっていた。

真理は戦闘後ぐったりして動かず、真帆に寄りかかる感じで寝ていた。

「戦闘で疲れが一気に来たんじゃない?」

真帆の返答に鈴はそうだといいがなぁと苦言を漏らした。実際、真理が変形していた謎のライオン種ゾイド。Z-Oバイザーをしているあたり帝国軍が復元したゾイドで間違いないのだが、形が歪であった。

「(アーマーとボーンフレームが一体化した見た目、どこかで見たことが........)......しゃーない、彼奴に調べてもらうか」

鈴は百合ヶ丘女学院についたら彼に電話しようと思い、足を速めた。

「........民間人が三名....とな」

「はい。一柳隊が接触し、こちら(百合ヶ丘)に来るようにと告げたようです」

出江からそう報告を受けた咬月は少し考えると、

「その民間人が百合ヶ丘に到着し次第ここへ連れてきてくれないか?」

出江にそういう。出江は短く了承すると理事長室を出る。

某海上に存在したヒュージの拠点(ネスト)()()()()()()()()()()という報告が世界を巡った。

ネストには爆弾が爆発したような跡が前面に見つかり、一帯では()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という目撃証言があった。

海底を踏みしめ、彼らは向かう。かの女王を迎えに行くために。

_____忌むべき厄災(破壊の波)はもう目の前まで迫っている______

*1
第二話を参照

*2
二連ビームガン、ソードオフショットガン、ハンドミサイルポッド、小型格納式ミサイル、格納式誘導ミサイル

*3
射出された触腕のうち数本が真帆の方へ向かったが、nataさん直伝ATフィールドで悉く殲滅されたらしい.......嫁さんコッワ




次回、百合ヶ丘女学院
こうご期待!
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