ストックがないので、更新が亀になります。
「さっきは......ごめんなさい」
「ん、大丈夫。あれくらいは、日常茶飯事」
満点の星が埋め尽くす夜。百合ヶ丘女学院の屋上。そこに設置された白い柵に、並んで身を預ける真理と少女の姿があった。
この時間帯は、リリィ達はぐっすり眠る時間帯のうようで二人の姿以外、誰もいないようだ。
「その...ありがとうございました」
「...........別に」
時折吹く夜風に髪を撫でられる二人の会話は短く一言二言喋ると、沈黙が流れる。
長い沈黙の中、おもむろに少女は口を開き、真理に問いかける。
「真理さん?は.........辛い過去などを.....持っているんですか.........?」
「............」
沈黙を貫く真理に無理はしなくもいいと少女が伝えようとした直前に、真理が口を開いた。
「___沢山の人......を殺した。
真理の言葉に少女は息を呑んだ。
そこからは真理が一人、話し続けた。時々言葉が詰まったりすることがあったが、少女は真理が体験したこと、その全容を聞くことになった。
火星で起こった事故。その際親から自らに施された
そして封印の影響で3年間、植物状態で眠りについていたこと。
「____これが事の顛末。......少し、わかりにくかったかな」
「いえ.......その......言葉にできません」
真理の話が終わったあと、少女は一言、そう言った。
あまりにも規模がデカく、重すぎる内容を聞いてくれた少女に真理は初めて笑みを浮かべた。微笑だったが、真理がこの世界に来て初めてのことだった。
「.......真理」
「えっ?」
「機獣真理。.......それが私の名前」
少女は真理の名前を
「私は、三日月・ν・虚華」
「虚華.......良い名前」
「ありがとうございます。真理さん」
互いの名前を知った二人の少女は、静かに、だが絆を深めるように笑いあった。
「おう、お帰り二人共」
「ん、ただいま」
寮の一室に戻ってきた真理と虚華は、出迎えてくれた鈴と真帆の姿が変わっていることに驚いた。
まず真帆の片腕__虚華が吹き飛ばした右腕が再生していた。流石に服まで再生はできないのか肌を晒したままだったが、雪のように白い肌を見て虚華は幻想的だと思った。
そして鈴なのだが___こっちは最早面影すらなかった。
金属質な身体に機械的なフォルム。人間の骨格なのだが、人間ですらなかった。
「あ......え.....?」
「あー。そっちの子はこの姿を見るのは初めてか」
首を傾げて困惑する虚華を見て鈴はそう言うと、腕だけ人の姿に戻し虚華へと手を振った。
「そんなに怖がらなくてもいいわ。ちゃんとした人間よ?」
「にしては人間として扱ってくれなくn____」
鈴が真帆の言葉にボソッと呟いている途中で鈴の首が消失する。否。真帆の神速の手刀&龍化した手で鈴の首が吹き飛んだのだが、一瞬だけ変化させたのと首無し状態のインパクトが凄すぎて、虚華は気づかなかった。
当然真理は鈴と真帆の娘であるため
◆◇◆◇◆
「うぅ.......」
虚華は困惑していた。真理にもだが、真理の両親にもだ。
首が吹き飛んでも簡単に再生する
一般人が見たら卒倒するレベルだが、本人たちはこれを日常と呼んでいたことを察するに、こんな光景を何度も見てるのだろう。
そしてそんな家族と一緒に寝るとなると___寝れない訳だ。
「寝られない?」
隣から声が聞こえそちらに顔を向けると、そこには丁度真理の顔があった。真理の紫紺の瞳は暗がりだと光ってるように見えて不気味さがあるが、同時に同じ年頃の少女とは思えない妖艶さをもっていた。
虚華がコクリと頷くと、真理は何も言わずにそっと抱き寄せ密着状態のまま布団に包まる。
流れるように行われた事を理解した虚華は顔を真っ赤に染め上げ、顔を両手で覆うとしたが、包まれた布団の中では身動きが取れなかった。
「あ、あの......真理さん」
「ん、どうしたの?」
「その.....暑いんですが......」
「.......少し待ってて」
小声で会話したあと少し沈黙すると、真理は布団を少しだけ緩める。緩めると布団の中でモゾモゾと虚華が動き、ピョコっと顔を出す。
「ありがとう...ございます」
「..........ん」
モジモジとしながら感謝の意を伝えた虚華とは反対に、少しだけ顔を赤くして真理は布団に顔を埋める。
やっぱり変わった人と虚華は思いながら目を閉じる。
目を閉じてからどのくらい経っただろう。視界が暗闇に覆われた虚華の耳にすぅすぅと可愛らしい寝息が聞こえてくる。真理の寝息だろうか。
寝息が聞こえなくなったことに気になり虚華が目を開けると、
「ここは.....?」
虚華が辺りを見回そうとすると、ある違和感に気がつく。地面に立っている感覚があるのだ。先程まで背中にベッドの感覚があったのだが、今は全くそれが感じられないのだった。
「うっ......ぅぅ.....」
状況が飲み込めずにいる虚華の耳に再び声が入ってくる。真理の声だ。声色からとても苦しんでいるのがわかる。
大変だと思って虚華は辺りに視線を走らせる。すると遠目に何者かの影を見つける。そちらの方へ向かってみると、誰かが蹲っている。
「真理.....さん?」
間違いなく真理だ。そう判断した虚華はすぐに真理の身体を起こすために手で触れようとする。だが____
「___や...めて....」
虚華の指先が真理に触れようとした直前、真理の口から拒絶の声が響く。
「........なんで、ですか?」
「............もう.........失いたくない、から」
虚華は触れられたくない理由を聞くと真理は首を横に振りながらそう答える。真理から告げられた言葉は虚華の質問に答えているというより、自分へ語りかけているようにも見えるだろうか。
「大丈夫ですよ。ほら___」
虚華は止めていた指先をそっと真理の背中へと触れさせる。そのまま慰めるために背中をさすろうとしたその時、右手を、腕を介して何かが虚華へと伝達される。
金属音らしきモノと、人の叫び声のようなモノが混ざりあったようで不快な音だった。
「.......っ!」
虚華は咄嗟に頭を抑えて痛みを和らげようとしたが、違和感を感じた。虚華は腕を動かそうとするが____右腕が動かないのだ。左腕は問題なく動く。では何故?
「……ぇ?」
虚華はその違和感に気づき、真理の背中に置いていた右手を確認するために視線を向けるのだが.....。
「なんですか.....これ__」
虚華はいままで見たことのないその結晶を見てそう言ったとき、結晶の侵蝕が始まる。
右腕全体を侵蝕し終えると、そこから繋がっている肩へと進んでいく。それと同時に体の各所からも右腕に生えていたものと同様の結晶が生え、侵蝕がより加速する。
「くっ!真理さん!真理さん!」
激痛が全身を苛む中、虚華は唯一まだ動く左腕を動かし真理へと手を伸ばすが、真理は近づいて微笑を浮かべ、そっと右手を虚華の左頬へと添える。
すると虚華の身体を支配していた激痛が収まり、代わりに急速な眠気を催した。既に左腕も結晶に包まれ、動かせる箇所はなくなってしまった。
「……おやすみ、虚華」
その一言を最後に、虚華は意識を暗い暗い闇の中に落とした。
◆◇◆◇◆
「……だから、言ったのに」
真理の目の前には、先程まで虚華だったモノがある。先程と違うのは、銀色の結晶が透き通り、中の様子が見れるようになっていることぐらいだ。
結晶の中には、膝を抱えて形で静かに目を閉じる少女__虚華の姿があった。その身体の至るところに
「これが夢で....よかった」
真理はそう言うと結晶に背中を向け、歩いていく。行く先にはくすんだ銀色で覆われ、紫色のラインがあちこちにはいっている超巨大な恐竜。その恐竜の中央からは虚華に生えてきたモノと同じ銀色の結晶があったが、その結晶からは紫色の粒子が放出され、その恐竜全体を包んでいた。
「......もうすぐだね、
その一言を聞いた恐竜は、大きな咆哮を響かせ、辺りの空気を震わせた。
______枷は外された。
はい、大体の人なら、察せると思います。
それでは次回もゆっくりしていってね!
次回:決断
R-18......需要ある?
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見てみたーい!
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無いと思うー!
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さっさと更新しろー!