第十一話です。
今回は前後編にしました。
そっちの方がキリが良さそうな気がしました。
それでは第十一話をどうぞ。
ーアクセルの街 正門前ー
デュラハン「・・・っ、なぜ・・・なぜ城に来ないのだ!!」
「この・・・人でなしどもがああああああああああ!!!」
魔王軍お幹部は、大層お怒りのようだ。
俺は少々出遅れたせいで、冒険者達の壁に阻まれて、その光景を後ろから見ていた。
ちょうど、あのデュラハンから見えない位置にいた。
カズマ「え〜っと、なんかお怒りみたいだけど・・・なんで?」
デュラハン「はぁ!! 何を抜かすか白々しい!!」ガシン!!
そう叫んで、手に持っていた自分の頭を地面に叩きつた。
うまい具合に真上に跳ね返ったので、楽にキャッチ出来たみたいだが、大丈夫なのかあれ?
すると、デュラハンから凄まじい量の魔力が放たれた。
デュラハン「よく聞けヘナチョコ冒険者ども、我が名はベルディア。」
「俺は今、とてつもなく頭にきているのだ。」
「貴様らには、仲間の死に報いようという気概はないのか?!」
カズマ「ハイ??」
仲間の死? ・・・俺の事だろうか?
ベルディア「生前はこれでも、真っ当な騎士のつもりだった。」
「その俺から言わせれば・・・勇敢にもこの俺と戦ったあの冒険者・・・戦士の鏡のようなあの者の死を無駄にするとは、いったいどういう了見だ!!」
賢治「・・・うわ〜」
なんだか出て行きにくい雰囲気になってる。
しかし、ここで出て行かなかったらまたややこしいことになりそうだ。
これは出ていくしかないだろう。
俺は冒険者達を押しのけて、あのデュラハン・・・ベルディアの前に出た。
ベルディア「!!???」
その瞬間、ベルディアは今自分の見ているものが信じられないと言わんばかりに、目を見開いて硬直していた。
賢治「・・・・・・いや〜その、悪かったな、生きていて。」
ベルディア「・・・は・・・・・・へっ?」
「・・・・・・あんるええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇ??!!!」
ベルディアのその絶叫の後に、わずかに静寂がその場を支配した。
時間で言うならほんの数秒だが、この場にいる誰もがそれ以上の時間がかかっていたような気がしたに違いない。
その静寂を破ったのが、うちのパーティのシリアスブレイカー
アクア「なになに、あのデュラハンずっと私達を待ち続けてたの?」
「帰った後あっさり呪い解かれちゃった事にも気づかず?」
「・・・プークスクスッ! ウケるんですけど! 超ウケるんですけど!!」
そう言ってベルディアを煽り始める。
なんでこの駄女神は他人を煽る事に関してはこんなに才能があるんだろうか?
ベルディア「・・・き、貴様巫山戯るなよ! 俺がその気になれば、この街の住人を皆殺しにする事など容易い事なのだぞ!」
「言葉にはもっと注意するのだな。」
アクア「あぁん! アンデットのくせに生意気よ!!」
そう言ってアクアは右手をベルディアに向けて
アクア「『ターン・アンデット』!」
浄化魔法を発動した。
アンデットなどの不死者に対して抜群の効果を発揮する魔法だが、果たして
ベルディア「駆け出しプリーストの浄化魔法が通じるとおもギヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!」
浄化魔法が当たると、ベルディアが跨っていた馬は光の粒子となって浄化され、当のベルディアは地面をのたうち回っていた。
さすがは女神、初級の浄化魔法がこんなに強力だとは。
しかし、ベルディア本人は未だ健在だった。
アクア「な!! どうしようカズマ、効かないんだけど?」
カズマ「いや、効いてたと思うぞ。」
「ギヤアアアアアア!! って言ってたし。」
その通り、効いてはいると思う。
だが、ベルディアはアンデットのくせに光のエレメントの耐性が95とかなり高い。
おそらくスキルの『魔光の加護』ってやつの効果なのだろう。
ディラハンならみんな持っているのか?
ベルディア「グゥッ! ゼェ! ゼェ! 一応言っておく、俺は魔王様より神聖魔法に対する耐性を獲得しているのだ。」
「よって、神聖魔法に類する浄化魔法も俺にはほとんど効果がないのだ。」
「・・・・・・のだが。 ・・・そこのアークプリーストといい、この前の男といいお前達本当に駆け出しか?」
「何度も聞くが、駆け出しが集まる所なんだろ? この街は?!」
一概にそうとは言えないんだよな。
現在このアクセルの街には、最大でレベル45、平均してレベル25くらい冒険者ばかりなんだ。
レアなスキルや武具を持っていれば、相手が魔王軍の幹部クラスでもなんとかなるだろう。
ベルディア「まぁいい、わざわざこの俺が相手をするまでもない。」
「『眷属召喚』! アンデットナイト達よ、こいつらに地獄を見せてやれ。」
スキルの『眷属召喚』を発動し、眷属のアンデットを召喚し、俺達の相手をさせようとするベルディア。
うん? これって・・・
カズマ「あ!! あいつ、アクアの魔法が予想以上に効いたからビビったんだぜ。」
アクア コクコク!
キョウヤ「さすがです、アクア様。」
キョウヤのやついたんだな。
カズマの言う通り、アクアの浄化魔法を受けてビビったんだろう。
そうじゃなくても、アクアのことを警戒してるんだろうな。
ベルディア「ち・・・違うわ!! いきなりボスが戦ってどうする!」
「まずは、雑魚から」
アクア「『セイクリッド・ターン・アンデット』!」
ベルディア「ひやあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ああ!! ああぁ!! 目が! 目がぁ!!」
ベルディアが台詞を言い終わる前に、アクアが今度はさらに上級の浄化魔法を打ち込んだ。
だが、それでも先ほどと同じように地面をのたうち回る程度に効いているようだ。
唯一の違いは、体から黒い煙を出している程度である。
アクア「ど・・・どうしようカズマ、私の浄化魔法がちっとも効かないの!?」
カズマ「・・・効いてたと思うぞ、ひやあああぁぁぁ!! って言ってたし。」
・・・・・・なんだろう、このコントみたいなの。
いまいち緊張感に欠ける。
魔王軍の幹部がこの街のやって来ていると言うのに・・・
ベルディア「ブハァ!! ・・・もういい! 街の住人を、皆殺しにする。」
その言葉をきっかけに、アンデットナイトの大群がこちらに向かって一斉に走ってきた。
ある冒険者は、プリーストを呼びに行ったり、または教会や道具屋から『聖水』持ってこようと、街の中へ戻ろうとするものがいた。
だが、そこでおかしなことが起きた。
ベルディア「はっはっはっ! さぁ、お前達の絶望の叫びを、この俺に・・・・・・うん?」
冒険者達「「「「「「・・・うん?」」」」」」
アクア「・・・うん?」
アンデットナイト達がある一点に向かって走ってきている。
その先にあるのは?
アクア「・・・え? ・・・・・・え!! いやあああああああああぁぁぁ!!!」
アクアが走り出した。
そう、アンデットナイト達はもれなく全員アクアを標的に迫ってきたのだ。
何でだろうか?
アクア「何で私ばかり狙われるの!!? 私女神なのに! 日頃の行いも良いはずなのに!!」
エルシャ「どの口が言うのかしら?」
ダクネス「あぁ!! ずるい! 私も日頃の行いは良い筈なのにどうして?」
カズマ「あぁ〜、アンデットって迷える魂だし・・・本能で女神に救いを求めているんじゃね?」
「「「「「「・・・あぁ〜」」」」」」
なるほど、そう言うことか。
しかし、これはこれでチャンスではないか?
賢治「めぐみん、あの集団に爆裂魔法を打ち込めないか?」
めぐみん「いやぁ〜、あそこまで纏まりが無いと撃ち漏らしが出ますよ。」
「それに、アクアが確実に巻き込まれますし・・・」
確かにそうだ。
ならどうにかしてアクアとアンデットナイト達を引き離さないと。
賢治「よし、めぐみんはいつでも爆裂魔法を撃てるようにしておいてくれ。」
「撃つタイミングはカズマに任せる。」
カズマ「え?! 俺か?」
賢治「大丈夫、カズマなら俺のやることの意図がわかるはずだ。」
「他のみんなは巻き込まれないように下がっていてくれ。」
「ちょっと行ってくる。」
俺は1人前に出て、アクアに声をかけた。
賢治「アクアこっちだ! ついて来い!」
アクア「え? なになに!!」
俺とアクアは隣り合って走り出した。
俺は走り出したばかりだからまだ全然余裕があるが、アクアはどうだろうか?
賢治「アクア! どうだ? まだ走れるか?」
アクア「はぁ、はぁ、む・・・無理、もう足が・・・」
賢治「・・・しょうがないな。」
俺はアクアの手を掴んでこっちに引き寄せ、抱き抱えた。
お姫様抱っこで。
アクア「え!? ええぇ!! 賢治、ちょっと・・・」
賢治「良いから抱えられてろ、大丈夫、守ってやるから!」
アクア「ーーーーーーーーーー!!!」ズッキューン!!
「・・・もう・・・もうもう!!」ポカポカポカ
賢治「イテッ、イテッ! ちょ・・・おとなしくしてろ。」
その瞬間、アクアの顔がまるでトマトみたいに真っ赤になり、俺の側頭部を叩いてきた。
まぁ、実際は痛く無いのだが。
その状態で俺は、アンデットナイトを引き連れて、ベルディアに向かって走った。
ーカズマsideー
賢治のやつが、爆裂魔法を撃つタイミングは俺に任せると言った後、アクアと一緒に走り出した。
俺なら賢治の意図がわかると言っていたが、何をするつもりだろうか?
そんな時、何と賢治がアクアをお姫様抱っこをしているのが見えた。
相手がアクアとはいえ、男として憧れるよな美少女をお姫様抱っこで抱えるて言うのは。
・・・アクアだけど
すると賢治はその状態で、ベルディアの方に向かって走り出した。
たくさんのアンデットナイトを引き連れて。
カズマ「なるほど、そう言うことか。」
めぐみん「私も分かりました、なんて言う絶好のシチュエーションなんでしょう。」
キョウヤ「しかし、女神様を危険に晒すのはいかがなものかと・・・」
カズマ「まぁ、賢治が一緒だし大丈夫だって。」
すると、賢治が高くジャンプした。
おそらくスキル『跳躍』を使ったのだろう。
今がチャンスだな。
カズマ「よし、めぐみん今だー!!」
めぐみん「了解です!」
『我が名はめぐみん。』
『紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操りし者。』
『我が力、見るがいい!』
『エクスプロージョン!』
めぐみんの詠唱が完了すると、お馴染みの虹色の光と星が輝き始める。
またしても詠唱の内容が違うが、本当に詠唱が必要なのだろうか?
賢治達はその間に十分な距離をとっているので、巻き込まれることはないだろう。
爆裂魔法がベルディアと衝突した瞬間、ものすごい爆音と爆風が押し寄せてきて。
ベルディア「イギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!」
と言う叫び声が、爆裂魔法の爆音の中にわずかに聞こえた。
ー賢治sideー
ベルディアの数メートル手前でスキル『跳躍』を発動し、ベルディアを飛び越え距離を取る。
次の瞬間、めぐみんの爆裂魔法が炸裂した。
何度見てもすごい魔法だ。 人類最強の攻撃魔法というだけはある。
しかも、めぐみんもレベルアップし、魔力がヤバいくらいに上がっているから正直、最初に見た時より格段に威力が上昇している。
めぐみん「クックックッ、我が最強の爆裂魔法を前に、誰1人として声も出ないようですね。」
「・・・はぁ・・・快・感・です。」
めぐみんが自分で自分の体を抱きしめてそう言うと
冒険者達「「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ!!!!!」」」」」」
と、後ろに控えていた冒険者達が歓声をあげた。
冒険者1「やるじゃないか! 頭のおかしい子!」
冒険者2「名前と頭がおかしいだけで、やる時はやるじゃないか!」
冒険者3「見直したぜ! 頭のおかしい子!」
めぐみん「・・・」ムカッ#
一部の冒険者から、『頭のおかしい子』呼ばわりされたのがムカついたのか、めぐみんは今度は彼らに向かって爆裂魔法を放つ準備をする。
カズマ「おい! 何やってんだお前。」
カズマが必死になってめぐみんを止めて、詠唱を中断させる。
めぐみん「離してください、今私のことを『頭のおかしい子』と行った輩を吹き飛ばさないと気がすみません。」
カズマ「よせよせ!!」
再度止めようとするカズマ、そんなやり取りを少し離れてみていた俺は、不意に軽く耳を引っ張られた。
誰がそんな事をしているのかと言うと、アクアだった。
賢治「? 何だアクア?」
アクア「あ・・・あのね・・・そろそろ降ろしてくれても・・・良いけど・・・」//////
よくよく考えたら、今の俺はアクアをお姫様抱っこしたままだった。
さっきは真っ赤になっていたが、今はほんのり頬に赤みが出ているほどだった。
賢治「おっと! そうだな、そろそろ降ろすな。」
アクア「う・・・うん。」
俺はそっとアクアを下ろしてやった。
その時
ガシャン!
と言う音が聞こえた。
音がした方を見ると、そっちはめぐみんの爆裂魔法で巨大なクレーターができた方向だった。
そこから出て来た者は
ベルディア「ふっふっふ、ふっはっはっはっはっは!!!」
賢治「何!?」
カズマ「嘘だろ?!」
そこに居たのは、ベルディアだった。
爆裂魔法の直撃を受けたのに、鎧に凹みがないどころか、かすり傷ひとつついていない。
めぐみん「そ・・・そんな・・・」
流石のめぐみんもショックを受けている。
人類最高の攻撃魔法、爆裂魔法はあらゆる存在にダメージを与えることのできる魔法なのだ。
それが例えアンデットであろうとゴーストの類であったとしても。
現にベルディアの眷属のアンデットナイトは影も形もなく全滅している。
ベルディア「面白い・・・面白い、面白いぞ!! まさか本当に配下を全滅させられるとは思っていなかった。」
「良いだろう、ここから先は・・・・・・この俺自ら、貴様らの相手をしてやろう。」
大剣を肩に担ぎ、ベルディアは何事もなかった様にその足で立っていた。
だがやはり疑問に思う、なぜあの規模の爆裂魔法を受けて無事でいられるのか。
ベルディア「不思議そうな顔をしているな、先ほども言ったが、俺は魔王様より耐性を獲得しているが、それが『神聖魔法だけ』だといつ誰が言った?」
カズマ「!? まさか?」
ベルディア「爆裂魔法とはいえ、その大元は火属性の魔法、ならば火属性の耐性を獲得しているこの俺には爆裂魔法などほんの少し熱いだけの爆風が吹き荒れるだけの魔法に過ぎんわ!!」
めぐみん「!!!」ヘタッ
めぐみんは相当ショックだったのか、その場で膝から崩れ落ちてしまった。
最強の爆裂魔法の使い手を自称するめぐみんにとって、今のベルディアの言葉は彼女の全てを否定するに等しい。
正直に言って、今すぐにでもあいつの左手に持っている顔を奪い取って、手頃な岩に向かって蹴り飛ばしてやりたい。
ベルディア「・・・まぁ、もう一つ別の力も使ったがな。」
賢治「?」(別の力?)
ベルディアの言う『別の力』とは何だろう?
・・・まぁいい、こっちは何も無策で戦うわけじゃないんだ。
戦士風の冒険者「ビビる必要はねぇ、こっちには『魔剣の勇者』と『仮面ライダー』がいるんだ!」
リーゼントの冒険者「あぁ! 魔王軍の幹部だろうと何だろうと関係ねぇ!」
キョウヤ「? カメンライダー?」
仮面の冒険者「一度にかかれば死角ができる! やっちまえええぇぇぇぇぇぇ!!」
賢治「あ! ちょっと待て!!」
俺の静止も聞かず、数名の冒険者がベルディアに向かって行く。
それが無謀な行いだと言うことが分からないのだろうか?
ベルディア「・・・余程死にたいらしいな。」バッ!
賢治・カズマ「?!」
ベルディアが自分の首を自分の真上に向かって投げた。
ちょうど自分の顔が地面を向くように、絶妙な力加減で。
すると、ベルディアの顔・・・いや、正確には目に魔力が集まっているのが見えた。
一瞬分からなかったが、すぐにその意図を察したカズマが
カズマ「みんな戻れえええええぇぇぇ!!!」
そう叫ぶが、遅かった。
ベルディアは、冒険者達の攻撃を最小限の動きで全て躱し
ベルディア「『剛・斬撃』!」ブオン!!
自分の周囲にいる全ての冒険者達を、剣の一振りでその命を刈り取ったのだ。
そして、落ちてきた自分の首をキャッチすると
ベルディア「・・・・・・次は誰だ?」
と言った。
賢治「おっと、その結末は御免だな。」
ベルディア「・・・まぁ、もう一つ別の力も使ったがな。」
「・・・・・・うん?」
カズマ「え?!」
エルシャ「え! え!! 何?」
戦士風の冒険者「お・・・俺達・・・」
リーゼントの冒険者「あ・・・あぁ・・・」
仮面の冒険者「い・・・生きてる?」
そう、ついさっき死んだはずの冒険者達が生きている。
それどころか、さっきの出来事がまるでなかったことになっている。
全員で夢でも見ていた気分だろう。
俺以外は。
ベルディア「ば・・・馬鹿な? さっきの感触は確かに本物だったぞ。」
「一体何が起こったのだ?」
賢治「悪いな。」
ベルディア「何? まさか、貴様が何かしたのか?!」
確かに俺が原因だが、正確に言うと俺の持っているオーマジオウライドウォッチの力だ。
賢治「俺さ、バッドエンドって好きじゃないんだ。」
「だから、時間を少し巻き戻させてもらったぜ。」
ベルディア「何?! 時間を巻き戻しただと!!」
ルミ「ですから、先ほど斬られた方々は無事なのですね。」
賢治「そう言うことだ。」
ジオウⅡライドウォッチの能力は、『未来視』と『時間遡行』。
『未来視』は文字通り、未来を見る力だ。
『時間遡行』は一度起きてしまった未来を改変する力。
だが、今使った力は『時間逆行』。 時間を巻き戻す力だ。
オーマジオウライドウォッチには、時間を操作する力がある。
ジオウⅡライドウォッチには出来ない力を持っている。
今の俺だと、3分ほどしか巻き戻せないけど、十分チートな能力だ。
ベルディア「馬鹿を言うな! たかが冒険者如きに、時間を操る能力などあってたまるか!!」
賢治「そう言われてもな・・・実際巻き戻っているわけだけど?」
ベルディア「くっ!!」
さて、ここから先は同じ轍を踏まない様にしないと。
まずは・・・
ベルディア「まぁいい、例え何度時間を戻そうと、結末は変わらぬ!!」
賢治「それはどうかな? 皆んな! 水だあぁ!!」
「『クリエイト・ウォーター』!」
カズマ「『クリエイト・ウォーター』!」
冒険者達「「「「「『クリエイト・ウォーター』!」」」」」
ベルディア「何!!?」
俺やカズマ、そして他のウィザードやアークウィザード職の冒険者達がベルディアに向かって、水属性の魔法を一斉に放った。
なぜこんな事をするのかというと、ベルディアの弱点が水だからだ。
あいつのこれまでの出現記録をめぐみんに確認したら、ベルディアは必ず晴れた日にしか姿を見せていないのだ。
王国軍がどんなに劣勢でも、雨の降る日は前戦に出てきた記録がないのだ。
そして極め付けは、ベルディアのステータスだ。
以前ベルディアのステータスを覗き見した時、水のエレメントだけが耐性0だった。
これらのことを踏まえて、ベルディアは水が弱点であることが確実になったのだ。
だから今こうやって水の魔法を当てようとしている訳だが・・・
ベルディア「おっと! うわっと! き・・・貴様らおわっ!」
カズマ「当たれ! 当たれ!」
ベルディアも必死になって避けているため、なかなか当たらない。
何とかしてあいつの動きを止めないと・・・
賢治「『クリエイト・ウォーター』! ・・・あっ!」
「カズマ! 氷結魔法だ!」
カズマ「! おう! 『フリーズ』!」
カズマが氷結魔法を唱えると、水で濡れた地面が凍りつき始めた。
それを見ていた他の冒険者も氷結魔法を唱えると、ものすごい勢いでベルディアの足から膝までが凍りついた。
ベルディア「な! ぬかった!!」
賢治「よし! アクア、頼む!」
アクア「わかったわ!」
『この世に住まう全ての眷属達よ、水の女神アクアの名において命じる!』
『今こそ集い、その力を我が前に示せ!』
『セイクリッド・クリエイト・ウォーター!』
アクアが呪文を詠唱すると、周囲の水がアクアの元に集まる。
ベルディアの頭上高くに、水の塊が出現し俺達が使っていた『クリエイト・ウォーター』より強力な水が降ってきた。
しかもアクアは以前、『自分が出す水はとても清い』と言っていた。
アクアが紅茶を浄化してしまい、その紅茶が『聖水』になっていたことがあったのだ。
つまり、アクアの出す水は『聖水』と同じ効果があるということだ。
ベルディア「!!! ああああああああ水があああああブボッ!!!」
アクアの魔法がベルディアを飲み込んだ。
だがここで問題が発生した。
賢治「うん? ・・・げっ!!」
エルシャ「ちょっ! アクア止めて!!」
カズマ「もういい!! もういいって!!!」
冒険者達「「「「「あああああああああああああああああああ!!!」」」」」
そう、アクアが水を大量に召喚し過ぎて、こっちにまで水が洪水の様に迫ってきたのだ。
そのせいで、アクセルの街の外壁にまで被害が及んだ。
そして、冒険者達はもれなく全員水浸しになったのだ。
聖水だから体に害はないが、金槌な人間がいたら溺れること間違いなしだ。
しばらくすると水が引き、ベルディアが・・・
ベルディア「グゥ・・・・・・何を考えているのだ?」
「馬鹿なのか? 大馬鹿なのか貴様!!」
と、アクアに物申していた。
だが明らかに弱体化していた。
さっきまでの強大な威圧感は無くなっている。
ステータスを確認すると、こんな感じだ。
BERUDHIA
LV76
種族 アンデット 職種 魔王軍幹部
体力 30856 火 90
魔力 5326 水 0
力 10830 土 40
知力 4484 風 45
俊敏性 4522 光 95
器用さ 3982 闇 35
幸運 278
ステータスが幸運以外全て半減している。
今の状態のベルディアなら、何とかなりそうだ。
賢治「カズマ!!」
カズマ「おう!!」
俺とカズマはお互いの、ジオウとゲイツのライドウォッチを銃モードと弓モードのジカンギレードとジカンザックのスロットにセットした。
『フィニッシュタイム!』『ジオウ! スレスレシューティング!』
『フィニッシュタイム!』『ゲイツ! ギワギワシュート!』
ジカンギレードとジカンザックにチャージされていたエネルギーがベルディアに向かって放たれた。
ベルディア「!!?」
ベルディアはとっさに自身の大剣で防御する。
だが、弱体化している今の状態では、まともに受けることも出来なかったようで、エネルギーの爆発と同時に後方に吹き飛ばされた。
ベルディア「ぐおおおおおおおおお!!!」ドサッ!!
剣士風の冒険者「いける! いけるぞ!」
戦士風の冒険者「距離をとって囲むんだ! 近づきすぎるなよ!」
魔法使い風の冒険者「遠距離から攻撃よ!」
膝をついているベルディアに、遠距離から攻撃できるアーチャーやウィザード職の冒険者達が、矢や魔法の雨が襲いかかる。
その集中砲火をモロに浴びたベルディアは、苦悶の声をあげている。
上手く行けばこのまま倒せるんじゃないかと思っていたが・・・
ベルディア「グゥゥゥ・・・があああああああ!!!」
ベルディアが魔力を放出し、集中砲火を中断させた。
やはり魔王軍お幹部、そう簡単にはいかないようだ。
ベルディア「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・仕方あるまい、使う気はなかったがここまで俺を追い詰めたお前達に、本当の絶望というものを見せてやろう。」
そういうとベルディアは懐から黒に金色の装飾が施された丸い物体を出した。
賢治「な! あれは?!」
ベルディア「魔王様!! この力、使わせて頂きます!!」カチッ!
『レンゲル! キング!』
そう、ベルディアは『仮面ライダーレンゲル』のアナザーウォッチ、それも『キングフォーム』のウォッチを起動し、それを自分の体に押し付けた。
すると、ベルディアの体が黒いオーラで包まれ、次第に違う姿に変貌していった。
まず、ベルディアの着ていた鎧は全体的に金色になり、両腕は3倍ほど大きくなり左手には鎖のついた棘付きの鉄球が、右手には先端部分がトランプのクローバーの形をした『レンゲルラウザー』に似た武器をそれぞれ持っており、両腕には黄金のガントレットが付いている。
兜はさっきまではベルディア本人の目が見えていたが、今は全てが黄金の兜で覆われバッタの様な赤い両眼が付き口の部分は歯がむき出しになている。
胸の鎧の真ん中にクローバの形のレリーフが刻まれ、腰には歪な形をした『レンゲルバックル』が着いていた。
今ここに、『仮面ライダーレンゲル・キングフォーム』のアナザーライダーが出現した。
賢治「マジか!!?」
ベルディア「覚悟しろ、冒険者ども!!」
「俺がこの姿になったからには、貴様らに待つのは、『死』という絶望だけだ!!
というわけで、今回はここまでです。
ベルディアはどのアナザーライダーにしようか迷いましたが、レンゲルしかもキングフォームのアナザーライダーにしました。
アンデット繋がりで。
仮面ライダーセイバーももう少しで終わってしまいそうですね。
タッセルさんご愁傷様です。
デザストが無銘剣虚無で変身した時はびっくりしました。
刃王剣クロスセイバー出てきた時、無銘剣虚無はどこに行った? と思っていましたが。
さて、次回はベルディアとの決着です。
ある人も登場します。
では、また次回。