第13話です。
今回は9月中に投稿することができました。
次もがんばりますのでよろしくお願いします。
それでわ、第十三話をどうぞ。
魔王軍幹部ベルディアとの戦いから二ヶ月がたった。
アクセルの街は、いまだに外壁の修理は終わっていないが、後もう少しで終わりそうだ。
『魔剣の勇者』である御剣響夜は、戦いの後俺に自身の魔剣を預けて修行の旅に出たのだ。
もう一度1から自分を鍛え、もっと様々なスキルを習得し、強くなって帰ってくると言っていた。
その時もう一度カズマと勝負がしたいとも言っていた。
そして俺達は、ここ二ヶ月の間に片っ端からクエストを受けまくっていた。
カズマのパーティは、ジャイアントトードやゴブリンやコボルトといった、比較的簡単に討伐できるモンスターの討伐に向かっている。
俺のパーティは、どちらかと言えば厄介な部類のモンスターの討伐クエストを受けている。
例えば、一撃熊。
こいつは森に住むモンスターで、人の頭を一撃で刈り取ることからこの名がつけられた。
確かに見た目通り凶暴そうなモンスターだったが、遠くからジカンギレードの銃モードで撃ってやった。
例えば、ミノタウロス。
大きさは一撃熊よりもさらに大きく、二足歩行の牛型のモンスターだ。
大きな2本の角を持ち、低いながらも知性がある。
中には人間がつけるような防具や武器を持つ個体もいる。
ゲームや漫画でもかなり危険なモンスターに分類される。
俺もある程度覚悟を決めてこの討伐クエストを受けたが、ルミのおかげで呆気なく終わってしまった。
ルミが使うスキル『操糸』で『鋼糸』と『粘糸』を織り交ぜて作った極細の糸でミノタウロスを拘束し、力を込めて糸を引っ張るとミノタウロスはバラバラの肉片に変わり果てたのだ。
『必殺仕○人』みたいだと思った。
例えば、アルラウネ。
花から変化した植物系のモンスターの一種だ。
その姿は、大きな花の中から女性の体が映えた姿をしている。
上位種には、完全人型の個体もいるらしい。
人を誘惑し、その精を食うことで生きている。(物理的にも精神的にも)
最初にアルラウネを見た時は、上半身が裸だったのでモンスターとはいえ目のやり場に困った。
ここで活躍したのはエルシャだった。
エルシャはこの討伐クエストの為に、除草剤を作っていたのだ。
そのお陰でアルラウネ討伐のクエストも、楽に終わった。
その時俺の額に何かが飛んできたので、それを見てもらったら、アルラウネの種だと言っていた。
エルシャは『これから生まれてくるこの子に罪はないから。』と言って、自分が責任を持って育てると言っていた。
エルシャも一度種の状態から育ててみたかったらしい。
と、こんな感じでそれぞれのパーティがあっちこっち駆けずり回ったおかげで、なんとか冬が来る前に借金の返済は完了したのだ。
返済が完了した時の俺達は、まるで屍のようにギルドの酒場のテーブルに突っ伏していた。疲れ知らずのルミ以外は。
しかし、その日の夜は借金完済を記念して盛大に飲んで食べた。
ただ、良い事ばかりが起きている訳ではない。
今現在、カズマは血を吐く様にこう言った。
カズマ「・・・・・・金が欲しい!」
そう今俺達の懐事情は火の車である。
この二ヶ月の間に借金は無くなったが、普段に生活していく分の金がないのだ。
季節は冬になっているので、外は問答無用で雪が降っている。
そんな天候の中、危険なモンスター狩りなどに行く冒険者はいないのだ。
ベルディア討伐に関わった全ての冒険者に報酬が支払われているので、俺達以外の冒険者は懐が潤っており、クエストを受けようとする冒険者が劇的に減っているのだ。
お陰でクエストには事欠かないんだが、できれば遠慮したいのが本音である。
今あるクエストで1番お手頃なのは、『雪精の討伐』である。
冬になると現れる宙を漂うモンスターで、レベルの低い冒険者でも簡単に倒せてしまうほど弱いモンスターだ。
1匹狩る毎に冬が半日縮まると言われる不思議な存在らしい。
1匹討伐につき10万エリスと、なかなか高額なクエストだ。
だが、なんでそんな弱いモンスターにこんな高額な報酬がかけられているのだろうか?
しかし、背に腹は変えられないと言うことで、カズマたちのパーティは『雪精の討伐』クエストを受けて防寒装備を整えて出発した。
俺達は、別のクエストを受けることにした。
それは、『スノーマンの討伐』クエストだ。
見た目は『雪だるま』なのだが小さいもので1m、大きいので2mくらいある雪だるま型のモンスターらしい。
さらに、こいつが合体すると『キングスノーマン』になり、全長3〜5mくらいのサイズになるらしい。
数が増えると人里に降りてきて、目につくもの全てを氷漬けにしてしまうので、増え過ぎる前に討伐して欲しいとのこと。
報酬は1匹討伐につき5000エリス。
カズマ達に少し遅れて、装備を防寒仕様に変更して、お馴染みリボルギャリーに乗って目的地に向かった。
アクセルの街から東に向かってしばらくすると、目的の場所に到着した。
今の俺達の装備は某狩猟ゲームポータブル○2に出てくる、初期装備みたいなモコモコした装備だ。
ルミはロイミュードだから必要ないと思ったが、念の為に来てもらった。
リボルギャリーの少し先に、目的のモンスターがいた。
賢治「・・・本当に雪だるまなんだな。」
そこには、大小様々な雪だるまの大群がいた。
ざっくりと100匹位いるだろうか?
全知全能(計測完了。 スノーマンの個体数は・163匹です。)
賢治(163匹か、ありがとうな、アカード。)
全知全能(? アカードとは?)
賢治(お前の名前だよ。 駄目か?)
全知全能(・・・・・・)
なんか黙っちまった。
やっぱり俺って名付けのセンスが無いかな?
全知全能(・・・・・・私の事はご自由にお呼びください。)
賢治(お! じゃあ、アカードで呼ぶな。)
アカード(はい。)
気に入ってくれたかどうか分からないけど、許可を貰ったからいいよな。
さて、改めてスノーマンに集中するか。
賢治「よし、数は163匹みたいだから、油断しないようにな。」
エルシャ「? わかるの?」
賢治「あぁ、スキルのおかげでな。」
エルシャ「そうなんだ。」
(賢治って、結構すごいスキルをいっぱい持っているし、もしかして『魔力感知』でも持っているのかしら?)
ルミ「とは言え、精霊の一種であるスノーマンには物理攻撃はほとんど聞かないと思われます。」
「ここは、マスターの魔法が有効かと。」
なるほど、だとしたら火の魔法が有効かな?
・・・雪を溶かす際に土を撒くのもいいってどこかで聞いたから、土の魔法も使えるだろうか?
融雪剤なんてものがあれば、簡単なんだけどな。
まぁ、ちまちま一体ずつ倒していくのは効率が悪いから
賢治「エルシャ、ルミ、ちょっといいか?」
エルシャ「? 何か思いついたの?」
賢治「あぁ、こんなのはどうだろう?」
俺は思いついた作戦を二人に伝えた。
ルミ「・・・マスターにほとんど任せてしまいますが、確かにその方が手っ取り早いですね。」
エルシャ「じゃあ、取りこぼしたやつを私とルミが仕留めればいいんじゃない?」
ルミ「・・・そうですね。 それでは、お願いできますか? マスター。」
賢治「おう! 任せろ。」
俺はウイザードのライドウォッチを取り出し、魔法を発動した。
『ディフェンド! プリーズ!』
俺がディフェンドの魔法で5mほどの大きな土の壁を作った。
いきなり現れた土の壁にスノーマン達は慌てているのか、飛び跳ねたり、混乱して転げ回っている。
俺は逃げ道を塞ぐように、さらに3枚の土の壁を作った。
そのおかげで、100近いスノーマンが土の囲いに閉じ込められた。
賢治「じゃあ、残りはしばらく二人に任せるぞ。」
エルシャ「任せて。」
ルミ「お任せください。」
囲いの外にいる奴を二人に任せ、俺は壁の上に『跳躍』を使ってジャンプした。
囲みの中を見ると、外に出ようと必死に壁に体当たりをしているスノーマン達が見えた。
だが、たいして助走も付けずに体当たりをしても、この土の壁はびくともしない。
そんなスノーマン達を一網打尽にするために、俺は壁の上から魔法の準備をした。
賢治「『
まず、魔法階級上昇で中級魔法を上級魔法に上昇させて、上級魔法になったファイヤーボールにさらに魔力を上乗せして、巨大な火の玉を作る。
囲いの中全体を覆い尽くすくらい巨大になったファイヤーボールを、囲いの中に投入した。
すると、瞬く間に囲いの中のスノーマンがファイヤーボールの熱によって一気に蒸発していく。
2〜3分すると、100近いスノーマンは全滅していた。
俺は囲みを土に還して、ルミとエルシャの手伝いに向かった。
残っていた51体のスノーマンを狩りきるのに30分かかった。
討伐報酬は合計815000エリスになった。
ちょっとキリが悪いが、その辺はみんなと相談だな。
賢治「みんなお疲れ。」
エルシャ「ふぅ、なんとか終わったわね。」
ルミ「お二人共、お疲れ様でした。」
思っていたより早く終わったものだ。
後は帰るだけだだったとだが、その時
『ジオウⅡ!』
賢治「?!」
急にジオウⅡのライドウォッチが発動し、少し先の未来が見えた。
そこには、真っ白な侍の様な姿をしたモンスターに首を斬り落とされているところだった。
賢治「な?!!」
エルシャ「? どうしたの?」
ルミ「マスター?」
この先、今見た光景が本当に起こるのだとしたら。
賢治「・・・カズマがやばい!!」
俺は今持っている全てのスキルを駆使して、カズマ達を探した。
カズマ達を見つけると、全員でタイムマジーンに乗り込み、カズマ達の方に向かった。
ーカズマsideー
俺達は賢治達より先にクエストを受注して、防寒装備を整えて『雪精の討伐』に来ていた。
けど、多少気になることがある。
雪精の討伐報酬が1匹につき10万エリスと、高額であること。
弱いモンスターであるにも関わらず、ダクネスが妙に嬉しそうな顔をしていたこと。
・・・・・・まぁ、今はとりあえず、金だ!!
目的地に着くと、辺り一面に白く握り拳くらいの大きさの、丸いものが宙を漂っていた。
カズマ「これが雪精か。」
パッと見た感じ、数えるのも馬鹿馬鹿しくなるほどの数が宙を漂っている。
確かに、そんなに強くはなさそうだ。
むしろ、なかなか可愛い外見をしている。
カズマ「・・・ていうか、アクア。」
アクア「え? 何よ?」
カズマ「その格好はどうなんだ?」
「冬場に蝉取りに来た、お馬鹿な子供みたいだぞ。」
今のアクアは、いつもの格好に白のコートを羽織り、白の帽子に白のブーツを着ていた。
別にここまでならいいと思う。
だがその手には、虫取り網が握られていた。
アクア「失礼ね、この網を持ってきたのもちゃんと考えがあってのことよ!」
カズマ「じゃあ、何に使うんだよ?」
アクア「この網で雪精を捕まえて、小瓶に入れておくのよ。」
「それをお酒の入った酒瓶と一緒に入れておけば、いつでも冷えたお酒が飲めるって寸法よ。」
なるほど、冷蔵庫がわりにするつもりか。
だが、なんとなくオチが見えそうだな。
その隣を見ればダクネスがいた。
いつもの鎧は着ておらず、いつも着ている全身タイツみたいな物の上にOL風の服を着てファーの付いたピンク色の上着を着ている。
カズマ「ダクネスはそんな格好で大丈夫なのか?」
ダクネス「・・・問題ない、ちょっと寒いが・・・それがまた・・・ハァ・・・ハァ・・・」
カズマ「・・・・・・そうか。」
どうやら頭のあたたかい変態は、体温も高いらしい。
めぐみんはいつもの服ではなく、首から太ももまでを覆える黒のインナーを着て足には黒のブーツ、白のケープを羽織っている。
手にも色のグローブに、頭は猫みたいなフードをかぶっている。
一見すると、この中で1番寒そうだが・・・
カズマ「・・・めぐみんは大丈夫か?」
「この中で1番薄着だが?」
めぐみん「問題ありません。 私、体温が高いですし、このインナーも保温性が高いですから。」
カズマ「ならいいんだが。」
問題なさそうなので、俺達は雪精の討伐を開始した。
カズマ「これで5匹目! 待てえええええ!!」
俺はジカンザックス片手に雪精を追いかけていた。
雪精は見た目によらず素早く、ただ武器を振り回しているだけではあたらない。
俺でも4匹倒すのに10分もかかっている。
カズマ「くそ!! ちょこまかと!!」
アクアとダクネスはどうしているのか見てみると
アクア「・・・・・・よっと!!」
ダクネス「くらえ!!」
アクアはこっそりと雪精の背後に近づき、持っている虫取り網で雪精を捕まえている。
意外に、そんな方法で雪精を6匹も捕まえている。
アクア「フフン! 大量ね!」
カズマ(・・・虫取り網の方が効率が良いのだろうか?)
ダクネスはいつもの剣ではなく、なんと銃を使っている。
まるで車のドアの様な形をした、真っ赤な銃だ。
銃の名前は『ドア銃』らしい。
・・・・・・いや、ネーミング!?
これは賢治のアドバイスだが、ダクネスは武器を使った近接戦闘は攻撃が当たらないが、投擲武器や射撃武器による攻撃はほぼ確実に命中すると言っていた。
唯一の例外が、拳による攻撃と『攻撃を受け止てからの反撃』つまりカウンターである。
そんなことを考えていると
ダクネス「? 弾切れか。」
ガチャ! バタン!『チャージ!』
ダクネス「・・・・・・ふむ、トレーラー砲も良かったが、こっちも良いな。」
車のドアを開けて、閉める様な動作をすると、エネルギーがチャージされるみたいだ。
なんでそんな所に、妙に作り込んでいるんだろうか?
ダクネスが変身した時に使っていた『ハンドル剣』もそうだが、一体どんな人が作ったのだろう?
それより俺も雪精を倒さないとな。
しかし、どうしたものか?
ただ普通に攻撃しても避けらるし、アクアみたいに不意をつくしかないか?
カズマ「あ! そうだ。」
俺は一つ思いついた。
幸いというか、俺は今『韋駄天のグリーブ』を履いている。
賢治に見てもらったが、このグリーブにはすごいスキルが二つあったのを思い出した。
そのうちの一つを発動した。
カズマ「『超加速!』」
俺は一分間俊敏性を50%上昇させる『超加速』を発動した。
すると、明らかに自身のスピードがアップしていた。
ガタックライドウォッチのクロックアップほどではないが、雪精の不意を突く分には問題なかった。
そして1分が経過した時、俺は雪精を35匹倒していた。
討伐した雪精は合計40匹だ。
カズマ「ふぅ、こんなところか。」
めぐみん「カズマ!」
カズマ「なんだ?」
めぐみん「ちょっと試したい事があるんですけど、爆裂魔法を使っても良いでしょうか?」
試したいこと?
めぐみんなら問答無用で爆裂魔法をブッパしそうだが、何か考えがあるんだろか?
カズマ「おう、やってくれ!」
めぐみん「分かりました!」
めぐみんが杖を掲げると、めぐみんの周りに魔力が集まり始める。
詠唱をするのかと思いきや、何やら額に玉の汗を浮かべながら集中しているようだ。
詠唱を唱える余裕がないほど集中しているということだろうか?
一体何をするつもりだろうか?
めぐみん「・・・・・・爆ぜよ! 『エクスプロージョン!』」
お決まりのセリフの後、強烈な爆発がくる・・・・・・と思ったが、来なかった。
だがその代わりに、ものすごい熱風が襲ってきた。
その熱のせいで、この辺り一面の雪が一瞬で蒸発してしまった。
周囲にいた雪精も、その熱のせいで一瞬で蒸発し数えるのも馬鹿馬鹿しいほどにいた雪精も、周囲に1匹もいなくなっていた。
カズマ「? めぐみん、何したんだ?」
めぐみん「プハッ! 意外と疲れますね。」
「え〜っとですね、今のは爆裂魔法の物理的な破壊の魔力を捨てて、全ての魔力を熱の魔力に回したのです。」
「そのお陰で、周囲の雪は無くなりましたけど、地形が変わるほどの破壊力はなかったというわけです。」
なるほど、破壊に回すエネルギーを、全部熱エネルギーに回したってことか。
それなら周囲が大惨事にならなかったのも頷ける。
めぐみんってそんな器用なこともできるんだな。
めぐみん「・・・ですがやっぱり、こういう爆裂魔法は私の趣味じゃありませんね。」
「いまいち迫力に欠けます。 魔力の制御に集中するせいで、カッコイイ詠唱もできませんし。」
ほとんど後半部分が気に入らない理由じゃないのだろうか?
それにしても、雪精の討伐って美味しすぎやしないか?
・・・・・・なおさら気になる。
カズマ「・・・なんで誰もやろうとしないんだ?」
そんな事を呟くと、ダクネスが何かに気付き
ダクネス「出たぞ!!」
カズマ「?!」
ダクネスがそう言うと、彼女の視線の先に冷気が立ち込め、何かがそこに仁王立ちしている様に見える。
この感じは、ベルディアに会ったとき・・・いや、その時とは別次元の悪寒を感じる。
ベルディアなら、圧倒的な力で押し潰される様な感覚だったが。
今目の前にいるこいつは、まるで抜き身の刀を首に添えられているようだ。
カズマ「な?! なんだ?」
ダクネス「ワクワク!」
カズマ「え?」
ワクワクってどういうこと?
横を見ると、めぐみんは険しい表情で見ている。
いったいあそこには何がいるんだ?
アクア「ねぇ、カズマ。」
カズマ「え?」
アクア「貴方も日本出身なら、天気予報で名前くらい聞いたことがあるでしょ。」
カズマ「は? 天気予報?」
こんな時に天気予報?
一体何の関係があるのだろうか?
アクア「雪精の主にして、この世界の冬の風物詩・・・・・・冬将軍の到来よ!」
カズマ「・・・は?!」
アクアがそう言った瞬間に、目の前の冷気が晴れた。
そこには真っ白な鎧に身を包み、腰に日本刀を携えた、鎧武者の姿をしたモンスターが姿を現した。
兜と面で表情は見えないが、雰囲気と溢れ出す魔力で怒りをあらわにしていた。
ダクネス「冬将軍・・・国から懸賞金をかけられている、特別指定モンスター!!」
カズマ「はぁ!!」
なるほど、読めた!
レベルの低い冒険者でも簡単に討伐できる雪精に、なんで高額な報酬がかけられているのか。
なんで誰も受けようとしないのか。
このクエストを受ける時、ダクネスがなんで嬉しそうにしていたのか。
・・・全部この冬将軍が原因か!!
ダクネス「きっとこいつは、将軍の地位を利用して私を手込めにするつもりだろう。」
「もちろん私も抵抗はするが・・・力及ばず組み伏せられ・・・そして・・・・・・ハァ、ハァ・・・」
相変わらず、自分の性癖に全力で全開のダクネスは置いておいて
ちょっと言わせてもらいたい。
カズマ「・・・この世界は! 人も食い物もモンスターも、みんな揃って大馬鹿かあああああああああ!!!」
・・・・・・まぁ、叫んでも状況は良くならないんだが、とりあえずスッキリした。
そんな中、冬将軍は刀を抜き、雪の上を滑る様にして走り、ダクネスに斬りかかってきた。
ダクネスも手にしていたハンドル剣でなんとか受け止めることが出来た。けていたら
もし以前使っていた剣で冬将軍の刀を受、まるでナイフでバターを切るように刀身が両断されていただろう。
カズマ「・・・この冬将軍、ヤバすぎだろ!」
アクア「一応こいつも雪精の一種なんだけどね。」
カズマ「え?! そうなのか?」
アクア曰く、精霊とは周囲の人間のイメージを利用して実体化する。
しかし、冬場にモンスターを狩ろうと思う様な人間は、日本から転生したチート能力持ちの連中くらいしか居ない。
よって
カズマ「じゃあ、何か?」
「あいつは日本から来た何処かの誰かが、『冬と言えば冬将軍!』っていう軽い気持ちで連想したから生まれたってか!!」
正直、こいつを生み出した奴が今この場にいたら、容赦なくぶん殴るだろう。
なんてはた迷惑な話だ。
ダクネスと鍔迫り合いをしていた冬将軍が、一旦後ろに退いた。
俺は覚悟を決めて変身して戦おうとした時に
???「『エナジー・イグニション!』」
その声と共に、冬将軍を炎の球体が包んだ。
「「「「?!」」」」
声が聞こえたほう、冬将軍の後方にその人物がいた。
全身黒一色の、魔法使いみたいな格好をした人物がいた。
仮面をつけて表情は見えないが、背中まで伸びた髪に、女性らしい容姿。
高い魔力から、おそらくアークウィザードの女がいた。
???「・・・」コク
カズマ「!」
彼女が小さく頷いた。
なぜか俺にはそれが、『今のうちに攻撃しろ』と言われている様な気がした。
俺はすぐに、ジカンザックスにゲイツライドウォッチをセットした。
『フィニッシュタイム!』
必殺技の待機音が流れ、ジカンザックスのトリガーを引いた。
『ゲイツ!』『ザックリカッティング!』
必殺技が発動すると同時に、炎の魔法が解除され冬将軍があらわになる。
冬将軍は俺が攻撃することに気付き、咄嗟に自身の刀で受けようとする。
俺はそれにかまわず、ジカンザックスを振り下ろした。
ガキン!!
金属同士がぶつかる音が鳴り響き、周囲が静かになった。
すると、ヒュンヒュンと上空から何かが降ってきた。
それが地面に落ちると、サクッという音がした。
見てみると、それは冬将軍の刀の刀身だった。
俺が必殺技で切り飛ばしたのは、冬将軍の刀だったのだ。
カズマ(しまった! 刀だけか!)
冬将軍の反撃を警戒して、ジカンザックスを構える。
だが冬将軍は攻撃するそぶりを見せず、刀を鞘にしまうと。
冬将軍 シュバ! パタパタ
カズマ「?」
冬将軍は懐から扇子を取り出して開くと、自分を扇ぎだした。
まるで、『よく拙者の刀を斬ったな、実に天晴れ!』とでも言いたげだ。
その後冬将軍はクルリと背中を向けて、森の中へ消えて行った。
カズマ「・・・助かった・・・のか?」
めぐみん「見たいですね。」
どうやら命の危機は脱したようだ。
それもこれも、さっきの魔法を使ってくれた彼女のおかげだな。
カズマ「おーい! 誰だかわかんないけど、ありがとなー!」
???「!! ・・・・・・」////// クルッ!
カズマ「あ!?」
彼女は何も言わず、去っていってしまった。
なんだか顔が赤かった様な・・・
めぐみん「・・・・・・」
(なんでしょう? ・・・なんかムカつきます!)
その後、ジオウⅡの未来予知を見たという賢治達が、タイムマジーンに乗って現れとき俺は事の成り行きを話した。
賢治は未来予知が外れてホッとしていた。
そのあと俺達は、リボルギャリーに乗ってアクセルの街まで戻っていった。
討伐数 117匹 報酬 11700000エリス
○達成○
○スノーマンの討伐○
討伐数 163匹 報酬 815000エリス
○達成○
ー賢治sideー
ギルドに帰った俺達は、ギルド内で話題になっていた。
たった二ヶ月そこそこで、数多くの高難易度クエストをたった三人で攻略した俺とエルシャとルミのパーティ。
雪精討伐で、冬将軍に遭遇して生きて無事に生還しただけでなく、雪精もしっかり討伐して帰ってきたカズマ・めぐみん・ダクネス・アクアのパーティ。
今や俺達はこのアクセルの街の注目の冒険者になっている。
当然だが、俺達のレベルも上がっている。
雪精討伐の際、雪精を数匹冬将軍に気付かれない様に、捕まえていたアクアが雪精たちを使って氷を作らせ夏の暑い日にかき氷屋を開くとか、夏の暑い日に一緒に寝てもらうとか。
色々と思いを馳せているが、・・・そもそも雪精は暑い季節でも活動できるのだろうか?
いや、それ以前に生きていられるのだろうか?
アクア「ねぇ、何か頼まない?」
エルシャ「そうね、お腹すいたわね。」
賢治「いいな。 この調子なら、今年の冬は大丈夫だろうし。」
まぁ、家を買うための資金はまた集めないといけないが、宿に泊まるくらいの金はなんとか集まったので、良しとしよう。
それに俺は、カズマたちを助けてくれた魔法使いが気になる。
会ったら一言お礼を言わないといけないな。
一体どこの誰なのだろうか?
ー???sideー
まさかこのタイミングで彼に会ってしまうとは・・・
確かに時期的に冬将軍に襲われる頃だな、と思ってはいたけど
???「うぅ・・・顔が熱いです。」//////
会ったのは数時間前だと言うのに、いまだに動悸が治らない。
何せ、もう会えないと思っていた人に会えたのだ。
自分の知っている人とは別人だとしても、彼であることは変わりない。
???「・・・・・・カズマ・・・」//////
彼の名前を言ってみる。
すると顔が熱くなるどころか、全身が熱く火照ってくる。
???「・・・カズマ・・・カズマ♡」//////
自分は、次に彼に会った時、果たしてどうなってしまうのだろう?
今回のストーリーを考えているときに、テレビ放送の転生したらスライムだった件 第二期後半が最終回で終わってしましましたね。
ロイ・ヴァレンタインって、ルミナス・ヴァレンタインの代わりに魔王を名乗っていましたけど、中庸道化連のラプラスにあっという間に殺されてしましましたね。
小説も漫画も読んでなく、アニメの知識しかないんですけど、大物感出していた割に呆気ない幕引きだと思いました。
ロイが格下と油断していたからなのか、それともラプラスがかなりの実力者だったのか?
転スラは最近漫画を1〜3巻まで買いました、アニメも第三期が待ち遠しいですね。
このすばのアニメ第三期も始まるらしいですね。
あと、劇場版異世界カルテット〜アナザーワールド〜も楽しみです。
それでは皆さん、また次回。