この仮面の戦士に祝福を   作:ナハト02

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皆さんお待たせしました。
第十六話です。

本当は20日に投稿したかったのですが、仕事と他のゲームの攻略で忙しく、2日ほど遅れました。

この話は、賢治・ダクネス・ルミにとっては因縁の対決になります。

それでは、第十六話をどうそ。


第十六話 この機動要塞での戦いに祝福を 前編

 機動要塞デストロイヤー

 

 大昔の魔法大国が作り出した、魔王に対抗する為の兵器である。

 見た目は黒い蜘蛛の姿で、伝説の宝珠『コロナタイト』を動力源とする、永久機関を有する。

 だが、作ったはいいが起動当日に暴走を起こし、作り出した国を滅ぼしてしまったのだ。

 それ以降、誰も止めることが出来ず各地を彷徨いながら、破壊の限りを尽くしている。

 『デストロイヤーが通った後は、アクシズ教徒以外草木一本残らない』と言われ、天災の様な扱いを受けている。

 

 これまでにもデストロイヤーの破壊を試みたが、そのどれもが失敗に終わっている。

 まずデストロイヤーには、高度な結界が張られており、魔法による破壊ができない。

 地上に障害物や落とし穴の様な罠を張っても、物理的に排除される。

 空からデストロイヤー内部に入ろうとしても、光の魔法を応用した対空兵器が設置されている。

 運良く内部に入ることが出来たとしても、防衛用のゴーレムが起動し、侵入者を排除しようとする。

 

 これだけ聞くと、どう頑張っても『無理ゲー』扱いされるだろう。

 何で俺がデストロイヤーに関する情報を持って言うのかというと、零子のお陰である。

 なぜか零子は、デストロイヤーに関する詳しい情報を持っていたのだ。

 『折角手に入れた屋敷を壊されてたまるか』と俺とカズマは他のみんなを説得しギルドへ向かった。

 零子の事について聞かれたが、緊急事態だから後にしてもらった。

 ちなみに、カズマに昨日の夜のことを聞いてみると

 

カズマ「・・・・・・聞かないでくれ。」

賢治「え?」

カズマ「・・・・・・」

 

 何か、悲痛な顔をしてそう言ってきたので、深く聞かない事にした。

 

 

ーアクセルの街 冒険者ギルドー

 

ルナ「・・・皆さんがこの街の最後の砦です。」

  「どうかよろしくお願いします。」

 

 ギルドに集まった冒険者の皆は、緊張した面持ちでいた。

 無理もない。

 皆『デストロイヤーを相手にするなんて無謀』だと思っているからだ。

 だが、俺は落ち着いていた。

 情報の有る無しで、こんなに心に余裕が出来る物なんだな。

 

クリス「ねぇ、賢治。」

賢治「うん?」

クリス「何かいい方法はないかな?」

 

 エリス様ことクリスがそう聞いてきた。

 すると、その場にいる全員の視線が俺に集中する。

 正直言って、デスとレイヤーの攻略の仕方は、あらかた出来上がっている。

 情報不足の為、完璧ではない。

 が、それも対策がある。

 

賢治「じゃあ・・・」

 

 俺はダブルライドウォッチを取り出して、起動した。

 

 『ダブル!』

 

賢治「・・・さぁ、検索を始めよう。」

 

 仮面ライダーWは二人で一人の仮面ライダー。

 左 翔太郎と、その相棒のフィリップ。

 そのフィリップは、仮面ライダーWにおいて敵として登場する『ミュージアム』と言う組織のトップである『園咲琉兵衛』の息子『園崎来人』である。

 彼は一度、地球意思とのアクセスポイント(通称・泉)に転落し死亡してしまう。

 しかし、彼の体は偶然、地球の情報に触れ、奇跡的にデータとして再構築され『データ人間』として復活するのだ。

 それから彼は、地球に蓄積された情報を、『星の本棚』にアクセスし、インターネット検索の要領で地球の記憶を閲覧可能になるのだ。

 

 今俺はその能力を使っている。

 ただ、閲覧できるのは地球の記憶ではなく、この世界の記憶になる。

 

賢治「検索ワードは、『機動要塞デストロイヤー』・『設計図』。」

ダクネス「? 賢治は何をしているのだ?」

カズマ「・・・これって、まさか。」

零子「うん。 この世界・・・と言うか、この星の『星の本棚』にアクセスしてるね。」

カズマ「マジか!」

 

 ウォッチを持ち、目を閉じて集中し始めた俺を見て、ダクネスが聞いてくる。

 これは元ネタを知らないと、第三者から見ると『変な人』だろうな。

 検索すると、俺の目の前に二つの設計図が残った。

 

賢治「? 二つ?」

 

 片方を見てみると、その設計図はとても設計図とは言えない何かだった。

 まるで何かを潰した様な形だ。

 取り敢えずこっちは置いておいて、もう片方を見てみる。

 もう片方はキチンとした設計図だった。

 どこにどんな武装があるのか、動力源は何なのか、エネルギーの行き先は何処か。

 この設計図を見ていると、『機動要塞デストロイヤー』とは、確かに強力だが兵器としては欠陥だらけだな。

 

賢治「まず、デストロイヤーがどうして今も動いているのかは、今も動力源のコロナタイトからの膨大な魔力供給を受けているからだ。」

めぐみん「・・・それは知っていますよ。 それがどうしたんですか?」

賢治「それが問題なんだ。」

めぐみん「え?」

 

 そもそも動力源にコロナタイトを使ったのが間違いだ。

 需要と供給のバランスが悪い。

 移動や、移動の際に起きた熱の排出と冷却、結界の維持、対空兵器やゴーレムの維持管理。

 その他諸々含めても、供給されるエネルギーが、使用されるエネルギー量を上回っているのだ。

 これがコロナタイト以外の動力源なら、デストロイヤーも自然に活動を停止させただろうし、そもそも暴走なんかしなかっただろう。

 こう考えると、デストロイヤーの破壊が失敗してたのは、不幸中の幸いなのかもしれない。

 

ダクネス「? どう言う事なのだ?」

賢治「仮にだが、デストロイヤーの足の部分を切り離して、動けなくしたとする。」

ダクネス「うむ。」

賢治「その瞬間に、大爆発する。」

ダクネス「な?!!」

 

 そう言った瞬間、ギルド内の冒険者や職員に至るまで、絶句した。

 元々デストロイヤーには、活動を停止した際に、技術漏洩を防ぐために自爆装置が付いているのだが、エネルギーの供給先が無くなったコロナタイトのエネルギーがデストロイヤー内部で溜まっていくので、自爆装置がついていなくても、エネルギーが膨張し自然と爆発してしまう。

 それは制御装置がついている頭部部分を胴体にあるコロナタイトと切り離しても、自爆装置は止まるが行き場を無くしたコロナタイトのエネルギーが膨張し大爆発を起こす。

 どうにかしてコロナタイトの爆発を止めたとしても、デストロイヤーの内部に溜まった熱エネルギーが行き場を求めて爆発を起こす。

 結果、どう転んでも爆発すると言う結末しかない。

 

ルナ「そんな! では、そうしようもないと言う事ですか?」

賢治「いや、方法はある。」

ルナ「?!」

 

 その方法とは。

 まず、デストロイヤーの動きを封じ、その後頭部と胴体を切り離し自爆装置を止める。

 その後にデストロイヤーの内部へ入り込み、今度はコロナタイトとデストロイヤーを繋いでいる装置を切り離す。

 その後、コロナタイトに氷結系の魔法をありったけ打ち込んで氷漬けにする。

 これでコロナタイトの爆発はかなり先延ばしにできる。

 コロナタイトが離れたと同時に、デストロイヤー本体にも氷結魔法を打ち込み、内部に溜まった熱エネルギーを冷却する。

 コロナタイトを捨てに行くより、こっちの方が大変そうだ。

 

カズマ「けどよ、その後どうするんだ?」

めぐみん「コロナタイトは伝説の鉱石です。」

  「それが暴走し、爆発するとなると・・・・・・被害は考えられないくらいに甚大なものになるでしょうね。」

賢治「あぁ、だからコロナタイトは俺が責任を持って処分する。」

カズマ「え? どうやって?」

賢治「・・・宇宙に捨てにいく。」ニッ

カズマ「・・・・・・はあああぁぁぁぁぁ!!!」∑(゚Д゚)

 

 そう。

 おそらく、地上のどこにコロナタイトを捨てても、何某かその土地に悪影響をもたらすだろう。

 なら、残っているのは宇宙しかない。

 幸いにも、俺にはフォーゼのライドウォッチとタイムマジーンがある。

 フォーゼの力を使ったタイムマジーンなら、余裕で宇宙までいけるだろう。

 

零子「・・・宇宙に行くなら、私も手伝えるね。」

賢治「え? そうなのか?」

零子「うん。 だから、私も一緒に行くわ。」

賢治「・・・危険だぞ。」

零子「忘れた? 『仮面ライダーは協力』、でしょ。」

賢治「!? 零子、もしかして。」

零子 ニコニコ

 

 零子のこの表情。

 そう言う事なのか?

 彼女の転生特典は俺と同じ、『仮面ライダー』なのか、それに関する何かなのだろう。

 零子は『今は秘密ね♡』と言って、教えてくれなかった。

 

賢治「・・・わかった。」

  「一緒に来てくれるか?」

零子「えぇ、勿論よ。」

 

 零子が居てくれるのなら心強い。

 ルナさんに頼んで、急いで零子の冒険者登録を済ませてもらった。

 これで、対デストロイヤーに対する作戦は固まった。

 後はそれに向けて準備するだけだ。

 

アクア「・・・・・・」ムカムカ

  (何なのよあの女!)

  (何であんなに賢治と仲良さげなのよ! なんかムカつくわ!)

 

 アクアがそんな事を思っているなんて、気づく筈もなく。

 

 

 

 ーアクセルの街 正門前ー

 

 突貫工事ではあるが、土木工事を担当している人たちに頼んで防護柵をいくつか作ってもらった。

 焼け石に水かもしれないが、無いよりはマシだろう。

 俺の考えた作戦はこうだ。

 

 1・アクアの魔法でデストロイヤーの結界を解除してもらう。

 アクアは『やってみないと分からない。』と言っていたが、『本気を出せば魔王城の結界だって解除できる』と言っていたアクアを信じるしかない。

 

 2・途中から合流したウィズとめぐみんの爆裂魔法でデストロイヤーの全ての足を破壊する。

 ウィズには、その後に控えている本体の冷却のために、余力を残しておく様に言っておいた。

 

 3・足を失って、惰性で突っ込んでくるデストロイヤーを俺と零子で止めて、頭部と胴体切り離し自爆装置の発動を停止させる。

 

 4・その後、直接内部へ侵入し、コロナタイトを奪取し宇宙へ捨てに行く。

 同時に、デストロイヤー本体の冷却を開始。

 

 途中、ゴーレムによる妨害があるはずだが、問題はないだろう。

 アクセルにいる冒険者たちは、皆頼れる戦力になっている。

 ゴーレムの強さにもよるが、一体を三人で相手にすれば負けることはないだろう。

 

 唯一の不確定要素といったら、デストロイヤーの装甲である。

 ご丁寧にデストロイヤーの装甲は、魔法に耐性のある鉱石『アダマンタイト』をふんだんに使用している。

 爆裂魔法クラスの破壊力がないと、破壊どころかダメージを与えることもできない。

 めぐみんも魔力の半分を使って自身の放つ爆裂魔法を強化し、ウィズも今回はアナザーライドウォッチの力を上乗せして爆裂魔法を放つと言っていた。

 

賢治「・・・・・・まぁ、大丈夫・・・かも。」

 

 仲間達の奮戦に期待しよう。

 

 

 

 ー数時間後ー

 

 アクセルの街で待ち構えている俺たちの前に、ついに現れた。

 遠くの山間から、八本の足を動かし、上部の排熱機関から煙と熱を放射し、下方に取り付けられている、むき出しのパイプから冷却に使用した水を排水し、7つの複眼を光らせ、進行方向にある全ての物を蹂躙しこちらに接近して来ている。

 

 アクセルの冒険者たちは、皆んなその威容に後退りする。

 確かに、誰もが逃げ出したくなるだろう。

 だが、この程度の危機で怖気付いていては、仮面ライダーなんてやってられるか。

 

賢治「アクア! 準備はいいか?」

アクア「任せて! 女神の本気をめせてやるわ!」

賢治「めぐみんは大丈夫か?」

めぐみん「フッフッフッ・・・見せてやりましょう!」

  「我爆裂魔法の前には、アダマンタイト製の装甲など紙同然だと言う事を!!」

賢治「よし。 ウィズも頼むぞ!」

ウィズ「はい! 今回は私も本気で行きますから!」

 

 皆んな覚悟はいいみたいだ。

 エルシャとルミは後方に下がって、デストロイヤー内部の突入に控えている。

 ダクネスは前に出て、『ここから先へは行かせない!』と言わんばかりに剣を地面に突き立ててデスオロイヤーを見据えている。

 

賢治「よーし、行くぜ!」

 

 『ジオウ!』『龍騎!』

 

 俺はジオウと龍騎のライドウォッチを起動し、出現したドライバーにセットする。

 ジクウサーキュラーを回し、変身する。

 

賢治「変身!」

 

 『ライダータイム!』『仮面ライダー・ジオウ!』

 『アーマータイム!』『アドベント・龍騎!』

 

 今回は拠点防衛なため、必殺技の直撃を受けても防ぎ切る盾を持つ『仮面ライダー龍騎』の力を使っている。

 すかさずタイムマジーンを呼び出し、操縦席に乗り込む。

 すると、タイムマジーンの顔の部分が龍騎ライドウォッチに切り替わり、タイムマジーンにも龍騎の力が備わった。

 

零子「おお! 間近にみるとすごい迫力!」

  「私、感動!」

 

 俺の変身を見た零子が、その光景に感動している。

 彼女にとっては、この世界で見る初めての俺の変身だから無理もない。

 

零子「じゃあ、次は私ね。」

 

 すると零子は、ポケットからスマホみたいな、カードケースみたいなものを取り出した。

 それについているボタンを押すと。

 

 『JUMP!』

 

 と言う音声が鳴ると。

 

 『ゼロワンドライバー!』

 

 と言う音声の後に、彼女の腰にドライバーが出現した。

 黒と蛍光グリーンが特徴のこれまでに見たことのないドライバーだ。

 

賢治「え? 何それ?」

 

 次に零子は、彼女から見て右側の透明なクリアパーツがついている部分に、手に持っているそれをかざした。

 

 『オーソライズ!』

 

 するとドライバーからお馴染みの待機音が流れる。

 その瞬間、上空から何かが降ってきた。

 それは零子の周りを数回飛び跳ね、彼女の前で止まった。

 

賢治「バッタ!!」

 

 そう。

 上空から降って来たそれは、巨大なバッタだった。

 ただ巨大なだけでなく、そのバッタは全身が機械で所々にライトグリーンのクリアパーツが使われており、発光している。

 零子が持っていたアイテムを、カバーみたいな部分を180度回転させ、ドライバーに差し込んだ。

 

零子「変身!」

 

 『プログライズ!』

 『飛び上がライズ! ライジングホッパー!』

 『”A jump to the sky turns to a rider kick.(空へのジャンプはライダーキックに変わる)”』

 

 零子の全身が黒いアンダーアーマーに包まれたら、バッタが分解し体に装着される。

 その姿は、まるで昭和の時代。

 1971年に初めて生まれた、仮面ライダー1号を彷彿とさせる姿だった。

 

零子「デストロイヤー、お前を止められるのは・・・私達よ!」

 

 仮面ライダーにお決まりの、決め台詞をしっかり決める。

 ・・・いや、待て?!

 

賢治「零子! それって?」

零子「続いてこれよ!」

 

 『PRESS!』

 

 零子がバッタの変身アイテムを外し、今度は別のアイテムを取り出す。

 先程のようにドライバーにかざすと

 

 『オーソライズ!』

 

 さっきと同じ待機音が鳴り、また上空に何かが現れた。

 今度は何かと上を見ると。

 

賢治「・・・えええええぇぇぇぇぇ!!!」

「「「「「「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」」」」」

 

 上空に現れたのは、どこからどう見ても飛行機である。

 飛行機なんて見たことがないこの世界の冒険者たちは、軒並み空を飛ぶその巨大質量を見て驚いている。

 異世界転生してきたカズマやアクアですら、驚いている。

 

 『プログライズ!』

 『Giant waking(巨大な目覚め)! ブレイキングマンモス!』

 『”Larger than life to crush like a machine.(機械のように押しつぶす巨体)”』

 

 零子がアイテムをドライバーに差し込むと、その飛行機が人型に変形し変身した零子が内部に転送された。

 

零子「ブレイキングマンモス・キターーーーーーーーー!!!」

賢治「それフォーゼな。 ・・・ええええええぇぇぇーーーーー!!!」

「「「「「「ええええええええぇぇぇぇぇぇぇーーー!!!!!!」」」」」」

 

 またしても周りから叫び声が上がった。

 流石にこれは俺自身も驚いた。

 

賢治「零子! お前それ・・・」

零子「ケン君、それより始めよう。」

賢治「お、おう。 アクア頼む!」

アクア「え、えぇ。 任せて!」

 

 アクアが杖を取り出し、羽衣を出現させる。

 魔力が集まり、アクアの目の前に五つの魔法陣が現れる。

 その時、デストロイヤーが危機を察知したのか、街に向かって加速し始めた。

 

アクア「『セイクリッド・・・』」

 

 アクアがそう言うと、五つの魔法陣はさらに輝きを増す。

 

アクア「『ブレイク・スペル!』」

 

 魔法陣からアクアの魔法が、まるでレーザーのように放たれた。

 デストロイヤーに向かって進むが、結界によって阻まれる。

 

アクア「くぅ・・・うらあああああああぁぁぁーーーーーー!!!」

 

 アクアが叫び、さらに輝きを増した魔法陣から増幅した魔法が放たれる。

 最初は拮抗していた神聖魔法と結界だが、デストロイヤーの結界に日々が入り、ガラスが割れるような音と共に結界が砕け散った。

 これで攻撃を阻むものはもうない。

 

賢治「ウィズ! めぐみん!」

ウィズ「めぐみんさん、行きますよ!」

めぐみん「同時にいきます!」

 

ウィズ・めぐみん

  『黒より黒く、闇より暗き漆黒に

   我が真紅の混交を望みたもう

   覚醒の時来れり

   無謬の境界に堕ちし理

   無行の歪みとなりて現出せよ!』

 

  『エクスプロージョン!』

 

 その瞬間、二人分の爆裂魔法が一つに合わさり。

 デストロイヤーに直撃する少し前に分裂し、デストロイヤーの足目掛けて降り注ぐ。

 だがここで、予想外のことが起きた。

 

 デストロイヤーの上部に穴が空き、そこから何かの装置が出現した。

 装置の円盤状の部分が回転し、赤く光る。

 すると、デストロイヤーに向かって迫っていた爆裂魔法の魔力が拡散し始めたのだ。

 

賢治「何!?」

 

 爆音をあげてデストロイヤーに直撃する爆裂魔法。

 しかし、それは八本ある内の左右合わせて四本しか破壊できなかった。

 

零子「何あれ?」

賢治「どうなってるんだ?」

  「デストロイヤーの設計図にあんな装置は書いて無かったぞ?」

アカード『状況から推察するに・あの装置は・EXスキル・『魔力妨害』を応用した装置と思われます。』

  『あの装置により・デストロイヤー周辺は・魔力の流れが乱され・魔法の威力が減衰すると思われます。』

賢治「マジかよ!?」

 

 足を失ったことで、一旦動きを止めていたデストロイヤーも残りの足を使って活動を再開した。

 このままだと街に被害が出る。

 

めぐみん「こうなったら、残りの魔力を使ってもう一度爆裂魔法を・・・」

???「『エクスプロージョン!』」

 

 めぐみんがもう一度爆裂魔法を放とうとした時、その後方から爆裂魔法が放たれた。

 先程、めぐみんとウィズが放った二人分の爆裂魔法と同じくらいの規模の爆裂魔法が。

 デストロイヤーも先程と同じように、妨害装置で魔力を拡散させようとするが、さっきと同じ規模の爆裂魔法が放たれたのだから、当然残りの足も破壊されることになった。

 

 爆裂魔法が放たれた方角を見ると、そこには空中に魔力の足場を作り、杖をデストロイヤーに向けている黒い魔法使いがいた。

 

賢治(もしかして、あれがカズマ達を冬将軍から助けてくれた魔法使いか?)

 

 さっきの爆裂魔法といい、空中に足場を展開できるほどの魔力の制御能力、熟練の魔法使いだと言うことは誰の目にも明らかだ。

 

賢治(・・・この感じって・・・)

 

 誰かに似ている気がする。

 雰囲気というか、魔力の質というか。

 

零子「ケン君、行くよ!」

賢治「! おう!」

 

 見ると、足を失いこっちにデストロイヤーが突っ込んできていた。

 俺と零子はデストロイヤーを止めるために走り出した。

 『ガン!』と言う音と共に、タイムマジーンと零子の乗るロボットが衝突する。

 

賢治・零子「止まれえええええええええぇぇぇぇぇ!!!」

 

 タイムマジーンと零子の乗るロボットはどちらも7m位の大きさだが、その何倍もの質量のデストロイヤーを止めるのは容易なことではない。

 今だって勢いを殺しきれずにいる。

 そして、ダクネスが立っている所まであと2・3mと言うところで

 

ダクネス「・・・・・・」

賢治・零子「・・・・・・」

 

 ピタッと、止まった。

 一瞬、静寂がその場を包んだ。

 次の瞬間、歓声が上がった。

 

零子「ふぅ〜、危なかった。」

賢治「まだだぞ、次は胴体と頭部を切り離さないと。」

零子「OK、任せて。」

 

 零子はそう言ってロボットについている、マンモスの牙のようなブレードを胸部から外した。

 

零子「行くよ! そーれ!」

 

 そう言ってブレードを振り下ろすと、『ガシン!』と言う音が鳴り、頭部と胴体が切り離された。

 これで後は、コロナタイトを胴体から切り離し、冷却してから宇宙へ捨てに行くだけだ。

 そう思っていた時

 

 一瞬、目の前が光ったような気がした。

 次に感じたのは、まるで時間の流れが遅くなったように、自分自身はもちろん周囲にいる数多の冒険者達の動きがまるで止まっているように見える。

 いや、正確に言うとゆっくり、スローモーションのように少しずつだが動いている。

 俺はこの現象に覚えがある。

 

零子「ケン君! これって・・・」

賢治「まさか! 重加速か!?」

 

 他の冒険者達は、突然起きた重加速現象に驚き、戸惑っている。

 無理もない。

 いきなり自分を含め、周りの人間全ての動きがスローモーションになってしまったのだから。

 仮面ライダードライブの世界の人達も、この恐怖を目の当たりにしたのならパニックになるのもわかる。

 

ダクネス「な?! なんだ?」

めぐみん「体が・・・ゆっくりしか動きません!?」

エルシャ「どうなってるのこれ?!」

 

 だが、この重加速の中でも動けるものが一人いた。

 

ルミ「これは・・・間違いなく重加速です。」

カズマ「これがかー!?」

 

 ルミはロイミュード。

 彼女だけは重加速の影響を受けず動くことができる。

 彼女の動力源『コア・ドライビア』が重加速を相殺しているからだ。

 

ルミ「シフトカー!」

 

 ルミとダクネスは、シフトカーやシグナルバイクを使うので、ライドウォッチから全て出動させている。

 そのお陰で俺達の元にシフトカー達がやってきて、手の中に収まった。

 すると、重加速の影響から解放された。

 

賢治「おっと! ・・・助かった。」

零子「実際に体験すると結構怖いわね。」

 

 それにしても、このタイミングで重加速が起きるなんて、デストロイヤーの内部には予想外の何かがいるのだろうか?

 

 

 

ーデストロイヤー 内部ー

 

???「まさかデストロイヤーが破壊されるとわ。」

  「・・・まぁいい、計画の準備は既に済んでいる。」

 

 デストロイヤーの内部には、ナンバーが付いていない複数のロイミュードと、黄金の怪人がいた。

 それはまるで、仮面ライダードライブを怪人っぽくしたような姿だった。

 

???「今度こそ私は成功させてみせる。」

  「この世界で、グローバルフリーズを起こし、この世界の全てを私の支配下においてくれる!」

  「後は、この『シグマサーキュラー・C』にコロナタイトのエネルギーが蓄積されれば・・・」

 

 シグマサーキュラー。

 

 それは、蛮野天十郎が作った『グローバルフリーズを引き起こす際に、超進化体ロイミュードの負担を軽減する装置』。

 だが真実は、蛮野天十郎が『第2のグローバルフリーズを引き起こすために必要なエネルギーを蓄積し、自分だけで自在にグローバルフリーズを引き起こせるようにする装置』である。

 

 しかし、もちろん欠点があり『エネルギーが蓄積された後に、余剰エネルギーがロイミュードに逆流し、致死レベルのダメージを負ってしまう』という欠点があり、原作仮面ライダードライブでも、その余剰エネルギーはロイミュード側の回復役の『メディック』に流れ、破壊されるはずだったが、『ブレン』の捨て身の策でメディックは生き延びたと言うエピソードがある。

 

 そのシグマサーキュラーが、機動要塞デストロイヤーの内部で作られていたのだ。

 

???「・・・しかし、外にいる連中・・・仮面ライダーか?」

 

 怪人はデストロイヤーのスクリーンに映る者の姿を見る。

 

???「・・・おのれぇ!! 仮面ライダーめ! 忌々しい!!」

  「この世界でもか?! この世界でも私の邪魔をするのか?!!」

 

 まるでヒステリーでも起こしたように、周囲の物を殴り飛ばしたり、蹴り飛ばしたり、挙句の果てにはたまたま近くにいたロイミュードの頭を握り潰したのだ。

 

???「まぁいい、この世界には『泊進ノ介』も『詩島剛』もいない。」

  「それに、シグマサーキュラーさえ起動できれば、全ては停止する。」

  「最後に笑うのは、この私・・・蛮野天十郎だ!」

 

 そう、この黄金の怪人こそこの世界になぜか転生し、『アナザーゴルドドライブ』の力を手に入れた、蛮野天十郎だった。




と言うわけで、『アナザーゴルドドライブ』こと転生者『蛮野天十郎』が登場しました。
これから先、ドライブのエピソードを少し使わせていただくつもりです。

どうか温かい目で見てやってください。

ゼロワンのプログライズキーの英文のルビ振りは、公式のものではなく独自に翻訳し独自の解釈のもと『格好いい』と思ったルビ振りをしていますので、あしからず。

今回は、次に中編、最後に後編になる予定です。

次回もよろしくお願いします。
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