この仮面の戦士に祝福を   作:ナハト02

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 みなさんお待たせしました。

 今回は短めの外伝ストーリーです。

 デストロイヤー撃破後の話です。


外伝:この愛しい彼女達に祝福を

 デストロイヤーとの戦いの後、デストロイヤーの残骸の後片付けはギルド側が受け持つと言うので、後はギルドに任せる事にした。

 

 その日の夜は、デストロイヤー撃破を記念して宴が開かれていた。

 みんな大いに飲み、大いに食べ、騒ぎまくっている。

 それも仕方がない。

 なんと言っても、『魔王以上の脅威』と言われていた、機動要塞デストロイヤーをアクセルの街の冒険者達が撃破したのだ。

 この世界の人々にとって、脅威の一つが取り払われた瞬間である。

 

 俺達も、この時ばかりは羽目を外して楽しんだ。

 

 

零子「と言う訳で、改めて自己紹介するわね。」

  「私は沖田 零子、ゲーム会社に勤務していた原画担当兼グラフィッカー担当よ。」

  「趣味は漫画と特撮鑑賞、そして、仮面ライダーゼロワンよ。」

  「よろしくね。」

カズマ「俺は佐藤 和真、冒険者で仮面ライダーゲイツだ。よろしく。」

めぐみん「我が名はめぐみん! 紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操りし者。」

  「そして、歴史を記す預言者・・・そう、我こそ! 仮面ライダーウォズである!」

ダクネス「私はダクネス、クルセイダーだ。」

  「そして、今回の一件で仮面ライダーダークキバになれる様になった。」

エルシャ「私はエルシャ、ドルイドよ。 そして、仮面ライダー斬月よ。 よろしくね。」

賢治「後、今ここにいないが、ルミって言うロイミュードの諜報士がいるぞ。」

零子「さっき預かったあの子よね。」

  「任せて! 当てがあるから。」

ダクネス「うむ。よろしく頼むぞ。」

 

 シグマとの戦いが終わった時、ルミの現在の状況を話すと、零子がルミを治す方法があると言ってきた。

 どうするのかと思ったが、零子が考えなく言うとは思えないので零子にルミを引き渡したのだ。

 俺のスキル、宝物庫(アイテムゲート)を見せると、冒険者カードにスキルが表示されので、今回の戦いで手に入ったスキルポイントを消費して、零子も宝物庫が使える様になったので、零子の方にルミを移した。

 そのせいでスキルポイントの殆どが無くなってしまった様だ。

 ちなみに彼女の職業は、『錬金術師』である。

 零子曰く、「今後のことを考えると、この職業の方が丁度良い。」と言っていたのだ。

 何か物作りでもするのだろうか?

 

カズマ「・・・おいアクア、お前も自己紹介くらいしろよ。」

アクア「・・・・・・私はアクアよ。 よろしく。」

カズマ「・・・お前、さっきから何不貞腐れてるんだよ?」

アクア「別に・・・フン!」

 

 そう、さっきからアクアが何故か不機嫌なのだ。

 宴の席だと言うのに、いつもみたいに宴会芸をするでもなく、大好きなお酒を飲むでもなく、ただただ不機嫌なのである。

 いや、正確に言うと酒は飲んでいる。

 ただ、一回一回の飲む量が少ないだけだ。

 正直、らしくないと思う。

 

ダクネス「ところで・・・賢治と零子はどう言う関係なのだ?」

エルシャ「私も気になる。 二人ともすごく仲が良いみたいだけど、どう言う関係?」

 

 その質問は当然だろう。

 急に現れた女性が、いつも一緒にいる男と仲が良ければ尚更だ。

 それを聞いた零子が。

 

零子「実は・・・私とケン君は、恋人同士なのです。」ギュッ!

 

 零子は一拍置いて、俺の恋人宣言をすると、腕に抱きついてきた。

 事実なのだから隠すつもりは無いが、人前はちょっと恥ずかしい・・・と言うか照れ臭いな。

 

「「「「・・・えええええええええええ〜〜〜〜!!!」」」」

 

 カズマ・めぐみん・ダクネス・エルシャの四人が驚いた様子で叫んだ。

 

カズマ「マジか! お前こんなに綺麗な恋人がいたのかよ。」

賢治「おう、よろしくな。」

零子「き! 綺麗だなんて・・・もう、カズマ君ってば!」//////

ダクネス「ま、まぁ賢治ならあり得るか?」

めぐみん「そうですね。 賢治って優しいですし、家事全般が一通りできますし、おまけに冒険者としても高レベルですし、いてもおかしく無いですね。」

エルシャ「・・・・・・」

 

 カズマは零子を綺麗と褒め、めぐみんとダクネスは俺を褒めてくれた。

 エルシャは驚きから、空いた口が塞がらなくなっているみたいだ。

 その時、これまで黙っていたアクアが。

 

アクア「・・・ない。」

カズマ「? アクア?」

アクア「認めない認めない認めない!! み・と・め・な・いーーーーー!!!」

 

 アクアが急に叫び声を上げた。

 ギルド中に響き渡るほどの大音量だ。

 

アクア「ふざけんじゃないわよ!」

  「あんたが賢治の恋人なんて認めないからね!」

 

 認めないと言われても困るのだが。

 なんでアクアがこんなに顔を真っ赤にして怒ってるんだろうか?

 

零子「・・・え〜っと、アクアだっけ?」

アクア「何よ?」

零子「もしかして・・・ケン君のこと、好きなの?」

 

 アクアが?

 俺を?

 ・・・いや、彼女に好かれる様なことをした覚えはないが?

 いつも普通に接していたつもりだ。

 まぁ、アクアのことが好きかと聞かれたら、「手の掛かる女の子友達」と言う感じで、嫌いという訳ではない。

 

アクア「はぁ! そんなの・・・・・・決まって・・・」

 

 急にアクアが言い淀んでしまった。

 すると次第に、さっき叫んでいた時以上に顔を赤くし、耳まで真っ赤になり。

 

アクア「ーーーーーー!!!」//////  ガタン!

 

 アクアは駆け出し、ギルドを出て行った。

 

賢治「アクア!」

零子「待ってケン君!」

 

 アクアを追い掛けようとした俺を、零子が止めた。

 

零子「私が行ってくるわ。」

賢治「いや、けど・・・」

零子「良いから、私に任せて。」

エルシャ「あ! じゃあ、私も行くわ。」

 

 そう言って、零子とエルシャはアクアを追っていった。

 

カズマ「アクアが賢治を? ・・・アイツに限って誰かを好きになるなんて、あるのか?」

めぐみん「いや、アクアだって女ですし、切っ掛けさえあれば十分あり得るでしょう。」

ダクネス「お前はアクアをなんだと思っているのだ?」

カズマ「そもそも俺、アイツを女として見ていないからな。」

  「あえて言うなら・・・宴会芸の神様?」

賢治「なんで疑問系? 後、水の女神だろ。」

  (・・・・・・自惚れるわけじゃないけど、アクア・・・マジで俺が好きなんだろうか?)

 

 

 

ーアクアsideー

 

 気が付いたら私はギルドから飛び出していた。

 

アクア(なんで? なんで? なんで私走り出してるの?)

  (なんでこんなに顔が熱いの?)

 

 何より、今一番わからないのは。

 

アクア(なんでこんなに胸が痛いの?)

 

 いつの間にか涙が出ていた。

 今にも叫びそうになるのを、両手で口を塞いで我慢していた。

 

 走って、行き着いたのはアクセルにあるアクシズ教の教会だった。

 陽が落ちているので、教会には誰もおらず、静かだった。

 相当走ったのか、息苦しかった。

 まるで心臓が耳の真横にでもあるかのように、ドクン! ドクン!と音が聞こえる。

 手近な椅子に腰掛け、呼吸を整える。

 

アクア「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

  (なんでよ? なんでよ私?)

 

 「賢治のこと、好きなの?」と言われた時、自分は「そんなの好きに決まってるじゃないの!」と言ってしまいそうになった。

 

アクア「私・・・何考えてるのよ・・・馬鹿じゃないの私。」

 

 一体いつからそうなったのか?

 自分でも分からない。

 いつの間にか、そう・・・いつの間にかなのだ。

 

アクア(私、賢治の事・・・好きになってたんだ。)

  「・・・・・・だめ、だめよ。」

 

 私が賢治を好きでも、絶対に彼を不幸にしてしまう。

 神と人間の恋なんて絶対に上手くいかない。

 仮に賢治が受け入れてくれても、周りが気味悪がるに決まってる。

 何故なら、賢治が普通に歳をとっていくのに、私だけ歳をとらず若い姿のままなのだ。

 必ず先に彼が死んでしまう。

 私だけがこの世界で、ずっと今の姿のまま生き続ける事になるのだ。

 そもそも私は、カズマがこの世界の魔王を討伐したら天界に帰らないと行けない。

 どの道成立しない恋なのだ。

 

アクア「・・・・・・でも・・・でも・・・」

 

 大粒の涙が目から溢れていた。

 頭ではわかっている。

 それでも。

 

アクア「好きになっちゃったんだもん。 もう、どうしようもないよ。」

 

 意識したらもう止まらない。

 『賢治のことが好き』と言う気持ちを抑えられない。

 この気持ちを無かった事にしたくない。

 でも、どうしたら良いのか分からない。

 賢治と零子は本当に仲がよく、愛し合っていると言うのがわかる。

 なのに今更自分が賢治に告白したところで、この恋は叶わないんじゃないか?

 

アクア「どうしたらいいの?」

  「私も・・・賢治のこと好きなのに。」

零子「やっぱりそうだったんだ。」

アクア「?!!」

 

 後ろから声が聞こえた。

 振り向くと、そこには零子とエルシャがいた。

 

 

 

ー零子sideー

 

 エルシャと一緒にアクアを追いかけるために、タブレットを使って追跡し、たどり着いたのはこの街のアクシズ教の教会だった。

 中に入ると、椅子に腰掛けて泣いているアクアがいた。

 

アクア「どうしたらいいの?」

  「私も・・・賢治のこと好きなのに。」

 

 それは、嘘偽りないアクアの本心だと思った。

 私も正直に言うと、ケン君を独占したい。

 でも、彼を好きになってくれる人はたくさんいてほしいと思っている。

 それが女性なら尚更である。

 

零子(なら、アクアにもケン君の事、好きでいてもらわないとね。)

  「やっぱりそうだったんだ。」

アクア「?!!」

 

 こっちの声に驚き、アクアが振り向いた。

 

アクア「零子、エルシャ? どうして?」

エルシャ「アクアが心配だったから、探したの。」

零子「お陰で聞きたいことも聞けたわ。」

アクア「!! 今の、聞いて・・・」

零子・エルシャ「うん。」

 

 私とエルシャが頷くと、この世の終わりみたいな顔をしてこっちを見ていた。

 私が怒ると思っているのだろう。

 でも、私は。

 

零子「アクア、ありがとう。」

アクア「え?」

 

 私はお礼を言った。

 それは勿論、ケン君を好きになってくれた事にだ。

 

零子「私はね、アクアがケン君を好きになってくれて嬉しいの。」

アクア「零子・・・」

零子「エルシャもでしょ。」

アクア「え?!」

エルシャ「・・・うん。」//////

 

 そう、エルシャもケン君のことが好きなのだ。

 なんとなくだが、ケン君を見る彼女の目は、恋する乙女の目だった。

 切っ掛けは、ケン君に助けて貰った事だ。

 それから暫くして、アナザー武神鎧武との戦いで、エルシャを信じて戦いを任せてくれたことで、本格的に惚れてしまったらしい。

 私がケン君の恋人だと知って驚き、身を引こうと思っていたようだ。

 だが、私はそれに待ったを掛けた。

 

零子「アクアにも言ったけど、ケン君を好きになってくれて、私は嬉しいのよ。」

エルシャ「・・・でも・・・」

零子「だからね、二人とも聞いて欲しいの。」

 

 私は二人がケン君を諦めることで、悲しい思いをするのは嫌なのだ。

 だから。

 

零子「私たち全員、ケン君に可愛がって貰おう!」

エルシャ・アクア「・・・・・・ええええええええぇぇぇ!!!」

 

 

 

ー賢治sideー

 

 アクアがギルドから出て行って、そろそろお開きにしようとしていた所に零子とエルシャがアクアと一緒に帰ってきた。

 全員揃って屋敷に帰る時に、零子から。

 

零子「この後、寝ないで部屋で待っててね。」

 

 と言われた。

 とりあえず、寝巻きに着替えて部屋で待っていると、部屋の外から声が聞こえた。

 

アクア「うぅ〜、ねぇ・・・本当にこれで行くの?」

エルシャ「ここまで来たんだから覚悟を決める!」

零子「そうよ。 ケン君絶対喜ぶわよ。」

アクア「ーーー! でも、恥ずかしい!」//////

 

 どうやら零子だけじゃなく、エルシャとアクアもいるようだ。

 部屋の前で揉めているみたいだ。

 ドアをノックする音がする。

 

零子「ケン君、入るね。」

賢治「どうぞ。 ・・・・・・!!?」

 

 扉が開いて、三人が中に入ってきた。

 だが俺は、三人の姿を見て驚いてしまう。

 今彼女達は、それぞれ色違いの花の刺繍をあしらった、ナイトドレスを着ていたのだ。

 零子が黒、エルシャが緑、アクアが水色だ。

 エルシャはサイドテールを解き、アクアもいつもの青い球体の髪留めで止めていた輪っかを解いている。

 

零子「・・・どうかな?」

賢治「いや・・・まぁ、みんな似合ってるぞ。」

  「すごく綺麗だ。」

エルシャ・アクア「ーーー!」//////

零子「ありがと。」//////

 

 本当に綺麗だと思う。

 いつもと違う彼女達の姿を見ているせいか、余計そう思う。

 けど、なんで三人揃ってこんな格好で俺の部屋にきたのだろう?

 

零子「実はね、エルシャとアクアがケン君に言いたい事があるんだって。」

賢治「俺に?」

零子「うん。 ほら、二人とも。」

 

 零子にそい言われ、背中を押されるエルシャとアクア。

 意を結した様に、まずエルシャが。

 

エルシャ「賢治・・・あのね、私・・・貴方が好き。」

アクア「わ・・・わ・・・私も・・・・・・好き。 賢治のこと。」

賢治「な?!」

 

 まさかの告白!

 今のこの状況から考えて、これはlikeじゃなくて、Loveの方だろう。

 

賢治(いや、でも・・・俺には零子が・・・)

零子「ケン君、二人の気持ち・・・受け止めてあげて。」

賢治「! 零子。」

零子「・・・・・・」

 

 零子は笑顔で頷いていた。

 つまり、零子は二人が俺の女になることに納得していると言うことだ。

 勿論俺に断る理由はない。

 彼女達の想いに応えてあげたい。

 

賢治「けど、良いのか・・・その、この世界の、その・・・制度的に?」

零子「あ! それは大丈夫よ。」

  「この世界は普通に一夫多妻制がある世界だから。 特に王族とか、貴族とかね。」

賢治「そ、そうか。」

 

 あるんだな、普通に。

 なら後は俺の覚悟の問題か。

 

賢治「・・・正直に言うけど、アクア、エルシャ。」

エルシャ・アクア「・・・・・・」

賢治「俺は二人のことは、嫌いじゃない・・・いや、好きな方だ。」

エルシャ・アクア「!!」

賢治「二人が許してくれるのなら、零子と一緒に俺の側にいてくれるかな?」

エルシャ「! えぇ! 勿論よ。」

アクア「私も、賢治の側にいたい!」

零子「だからね、ケン君・・・」

エルシャ・アクア「・・・」

 

零子・エルシャ・アクア

「私達の事、沢山可愛がってね!」//////

 

賢治「ーーー!」

 

 それから先は、彼女達と夢の様な時間が過ぎた。

 お互い激しく求め合った。

 

 零子は言わずもがな。

 一年間恋人として過ごしたのだから、当然肉体関係だって持つ。

 その間たっぷり愛し合った仲だから、とても安心する。

 

 エルシャは今回が初めてで、右も左も分からず戸惑っていた。

 それでも俺の為に尽くそうとしてくれる彼女は、とても可愛かった。

 

 アクアは、正直に言うと、溺れそうになった。

 もし俺が、零子と出会わずこの世界に来て、アクアと関係を持っていたら、彼女から離れられなくなっていただろう。

 まるで、『俺の為にあつらえた体』だと言わんばかりだ。

 一言で言うと、『極楽』だった。

 流石は女神、と言ったところか?

 改めて、アクアの事が可愛いと再認識した。

 

 そんな最高な一夜を共にした俺達は、そのまま俺の部屋で寝る事になった。

 朝起きると、俺の左側にアクア。

 右側にエルシャ。

 俺の上に覆いかぶさる様に、零子が俺を抱きしめながら、眠っていた。

 

賢治「・・・」

  (よかった。 夢じゃなくて。)

  (・・・絶対この三人を幸せにしないとな。)

 

 そう心に誓いを立てた。

 

 そして、デストロイヤー討伐から三日後。

 冒険者ギルドで。

 

検察官「霧島 賢治、貴様には現在、国家転覆罪の容疑がかけられている。」

賢治「・・・・・・は?」

検察官「一緒に署まで来てもらう。」

賢治「・・・・・・・・・・はぁ!」

 

零子・エルシャ・アクア

「・・・・・・はあああああぁぁぁ!!!」

 

 ホント、なんでこうなった?

 誓いを立てたばっかだと言うのに。

 




 いかがだったでしょう?
 今回は甘々なストーリーを書いてみました。

 この時みんながどんな事をしたのかは、みなさんの想像にお任せします。
 もしかしたら、R18指定で執筆するかもしれませんが、気が向いたら考えてみようと思っています。

 さて次は御剣の外伝ストーリーを書きます。
 デストロイヤー襲撃時に、彼が何をしていたのか?
 それを書きます。

 次回もよろしくお願いします。
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