この仮面の戦士に祝福を   作:ナハト02

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 みなさんお待たせしました。

 前回の後書きで、今回はダクネスのお見合い回と書きましたが、よく思い出したらその前にキールダンジョンの回があったと言うことを思い出し、急遽変更しました。

 最近のゲーム事情はGジェネクロスレイズをプレイしてました。
 しかし、パイロットはともかく機体のレベリングが辛いですね。
 LV100から異様にレベルアップが遅く感じます。

 なので、気分転換にまだエンディングを見ていなかった、ゴッドイーター3を再開しました。
 しかし、ブランクが長いので最初は四苦八苦していました。
 PS5でプレイしてますので、装甲の展開の仕方とか色々忘れていますた。

 FGOではイベントをクリアし、この後は周回です。
 改て気付いたのですが、クチヒコの剣(草薙剣)と、卑弥呼の鏡(八咫鏡)、壱与ちゃんの勾玉(八尺瓊勾玉)。
 これ、三種の神器ですよね。 これに気付いた時思わず、あっ!Σ( ゚д゚)、と思いました。
 壱与ちゃん可愛いですね。
 さりげなくマスターを狙っている感がある。
 彼女の闘い方を見ていると、「仮面ライダーっぽい」と思ってしまいます。
 extraアタックの回転キックなんて一部の昭和ライダーが使う『ライダー穿孔キック』見たいです。

 では、第二十一話をどうぞ。


第二十一話 この量産型に祝福を

 

ー飛電インテリジェンス 兵器運用試験場ー

 

賢治

「ハァ! フッ! オラ!」

 

 バキン!  ドカン!  グシャ!

 

 今俺は零子の開発しているシステムの試験運用をしている。

 前後左右から鉄球が飛んできている。

 俺はそれをパンチとキックで迎撃していく。

 それを受けた重さ10キロはある鉄球が粉々に砕けていく。

 5分ほどそれを繰り返した時。

 

零子

「OK! いい感じだわ。」

 

賢治

「あぁ、脚にも拳にも痛みはないし、問題ないだろう。」

 

 今やっていたのは近接戦闘時における、使用者への負担の確認と実際の性能の確認である。

 スペックで表せば、今の俺はパンチ力:2t、キック力:4t、ジャンプ力:一跳び25m、走力:100mを6.5秒。

 見事に再現されている。

 さらに武器として、コンバットナイフ形態と光線銃形態の二つが使い分けられる『アクセレイガン』も付いている。

 

 もうわかっていると思うが、俺が今変身しているのは『仮面ライダーファイズ』に登場した『ライオトルーパー』である。

 

賢治

「それにしても、ライオトルーパーはオルフェノクじゃないと変身出来ないはずだろ?」

「そこはどうなってるんだ?」

 

零子

「うん、変身システムを『デルタドライバー』を参考にして、システムを一新したのよ。」

「そのお陰で、普通の人間でもライオトルーパーに変身できるようになったわ。」

 

 なるほど。

 スマートブレインが一番最初に開発したライダーシステムの、デルタドライバーの変身システムか。

 確かにそれならオルフェノクになれない人間でも変身ができる。

 

賢治

「・・・? なぁ、この場合『デモンズストレート』はどうなってるんだ?」

 

 仮面ライダーデルタの変身システムには、変身者の闘争本能を刺激する『デモンズストレート』というシステムが内包されており、変身解除後に精神に異常が出たり、非常に好戦的になってしまうと言う副作用がある。

 今俺はライオトルーパーになっているが、今の所自分が好戦的になっていると言う自覚はない。

 

零子

「それね、他のライダーシステムを参考にして、取り外そうとも思ったんだけだど、どのシステムを流用しても根本的なシステムが違うから、不具合が出てしまいそうなのよね。」

「変身時間が短くなったり、強い衝撃に耐えられなくなったり、スペックが低くなったり。」

「だから出来るだけ副作用を軽減させているわ。」

「気分が高鳴ったり、軽く興奮状態になる程度だと思う。」

 

 なるほど、それのせいか。

 体が妙に熱い感じがするのは。

 

賢治

「で、この後どうするんだ?」

「このまま売りに出すのか?」

 

 そう。

 このライオトルーパーの変身システムは、俺達が使う為ではなく王国に売り込むために作ったのだ。

 めぐみんの爆裂散歩によって魔王軍の拠点が軒並み更地になっているが、一時は前線を押し上げたベルセルク王国だったが、暫くすると形勢が不利になり、後退せざるを得なくなったのだ。

 

賢治

(結構な数の拠点を潰したはずなのに、なかなかしぶといな、魔王軍。)

 

零子

「あとは実戦データが欲しいわね。」

「機会を見つけて、誰かに戦ってもらわないとね。」

 

 実戦か、確かに実際に戦ってみないと分からないことが出て来るかもな。

 バグ取りはきちんとしないとな。

 そこで、一つ疑問に思った。

 誰でも使えると言うことは・・・

 

賢治

「なぁ、逆に魔王軍にスマートバックルが鹵獲されたりして、向こうの戦力が強化されたりしないか?」

 

 王国に売るのはいい。

 しかし、装着者が殺されて魔王軍の誰かが使い始めるとまずいのではないだろうか?

 ・・・いや、確実にまずいだろう。

 

零子

「それなら心配ないわ。」

「スマートバックルを装着して、初めて変身する時に生体認証が起動して、自動的に所持者登録される仕組みになってるから。」

 

賢治

「なるほど、ちなみに所持者以外が使おうとした時はどうなるんだ?」

 

零子

「その時はドライバーから『error』って言う音が鳴って、爆発するわ。」

 

 wao。

 腹部で爆発するって、割と怖いんだけど。

 まぁ、盗難対策ができているなら安心だ。

 ちなみに俺が今つけているスマートバックルは、試作品のため生体認証機能は付いていない。

 

 その後は、アクセレイガンのテストをして、この日はお開きになった。

 

 

 

 

 次の日、アクアから話があると言うので、ギルドの食堂に来ていた。

 

賢治

「で、アクアの話って?」

 

アクア

「えぇ、ダンジョンに行こうと思うの。」

 

零子

「ダンジョンに? アクアが?」

 

アクア

「それでね、みんなにも手伝って欲しいの。」

「お願い!」

 

 一緒に来ていためぐみんがそれを聞くと。

 

めぐみん

「嫌です。」

 

アクア

「行くわよ。」

 

めぐみん

「嫌です。」

 

アクア

「・・・行くわよ行くわよ行くわよ行くわよ!!!」

 

めぐみん

「嫌です嫌です嫌です嫌です嫌です!!!」

「だって! ダンジョンなんて私の存在価値皆無じゃないですか!」

「爆裂魔法なんて使えないし、私もう本当にただの一般人。」

 

アクア

「心配しないで。 めぐみんは居残り組だから。」

「テントを張って待機していてちょうだい。」

 

めぐみん

「・・・そう言うことなら。」

 

 いや、めぐみんも仮面ライダーになれるんだから、問題ないと思うが?

 別にダンジョンに行くことは反対はしない。

 でも急にどうしたんだ?

 

カズマ

「なぁ、なんで急にダンジョンに行くことにしたんだ?」

 

賢治

「だな。 アクアにしては珍しい。」

 

アクア

「え! ・・・そ、それは・・・」

 

カズマ

「?」

(こいつ、今度は何やらかした?)

 

アクア

「え〜っと、実は・・・」

 

 アクアが急にダンジョンに行くと言い出した理由は至って単純だった。

 金がないからだ!

 

カズマ

「待て! 雪精討伐の時の報酬は?」

「四人で山分けしても300万エリス近い額があっただろ。」

 

 確かに、それだけに金額があれば普通に生活している分には暫くは問題ないはずだ。

 ましてや、今は自分達の家があるのだ。

 維持費や管理費を差し引いても、まだ余裕があると思う。

 

 さらにアクアの話を聞くと、所持金のうち100万エリスはアクセルにあるアクシズ教会に寄付したらしい。

 教会の修繕費に使ってもらおうと思ったらしい。

 ご丁寧に信者の夢に出て、ちゃんと修繕に使って貰えるようにお告げまで出したと言っていた。

 お陰でこの街のアクシズ協会は、初めてみた時は若干オンボロだったが今は見事に綺麗になっていた。

 アクアにしてはいい金の使い道だと思う。

 しかし、あの悪名高いアクシズ教徒がいる教会か。

 大丈夫だろうか?

 

 さらに、アクアは残りの200万近い金をお酒を買うために使ったらしい。

 まだ大丈夫、まだ大丈夫、そう思っているうちに気が付いたら残りが10万近くにまで減っていたのだ。

 

賢治

(なるほど。 最近やたらゴミ捨ての際に酒瓶が多いなと思ったら、こう言うことか。)

 

カズマ

「アクア・・・お前アホだろ。」

 

アクア

「うぐっ!」

 

 そんなわけで、所持金が心許無くなったアクアは、ルナさんにいいクエストがないか聞いたら、ダンジョン探索を進められたのだ。

 そのダンジョンは、『キールのダンジョン』である。

 以前、カズマがレベル上げの際に単独で潜っていたダンジョンだ。

 

 しかし、このダンジョンは探索され尽くされ、何もないはずだが?

 

ルナ

「実は、そのダンジョンの最新部に、未調査エリアがあるのが発覚して、これから大々的に調査クエストを発行するところだったのですが・・・」

 

アクア

「私が無理言って、特別に斡旋してもらったの。」

 

エルシャ

「なるほど、未調査エリアなら、まだお宝が残っているかもしれないと言う事ね。」

 

賢治・零子・カズマ

「お宝!」

 

 新たに発見された未調査エリアの探索。

 冒険心をくすぐる響きだ。

 目的はアクアの財布の潤すためだが、良いだろう、やってやろうじゃないか。

 

 その後、儲け話を聞きつけたダストをカズマが上手いこと気を逸らし、全員で準備を整えてキールダンジョンへ出発した。

 その際、零子がラボから何やら持ち出していたが、何に使うんだろうか?

 

 

 

 

ーキールダンジョン 入り口ー

 

 と言うわけで、今俺達はキールダンジョンの前に来ている。

 

アクア

「初心者用ダンジョンの癖に、変に遠いなんて生意気ね。」

 

めぐみん

「これだけ街から離れていれば、撃ち放題ですね。」

 

カズマ

「・・・地下に潜るんだ、撃つなよ。」

 

めぐみん

「あ! ・・・」

 

カズマ

「・・・撃つなよ。」

 

 街から遠く離れた場所のため、爆裂魔法を撃とうとするめぐみん。

 カズマに撃つなと言われて、構えた杖を咄嗟に引っ込めた。

 

めぐみん

「コホン! 昔々、国最高と謳われたアークウィザードが作ったダンジョン。」

「そいつは、こんな所にダンジョンなんか作って、何がしたかったのでしょうか?」

 

 確かに、なんの目的があってダンジョンなんか作ったのだろうか?

 クリム・スタインベルトが作ったダンジョンは、例えるならば『アトラクション』の一環である。

 防衛機能を最大にすれば、侵入する者を問答無用で排除できるが、あのダンジョンのコンセプトは『誰もが楽しめるダンジョン』である。

 

 そもそもダンジョンとは、最新部に何らかのお宝の類が眠っているのが基本。

 RPGの定番である。

 しかし、稀に『一番奥にある何かを外に出さない』為にダンジョンが作られる場合がある。

 

 キールというアークウィザードが何の為にダンジョンを作ったのか?

 本人がいない今、永遠の謎になるかもしれないし、今回の探索で何かわかるかもしれない。

 

零子

「それで、誰がダンジョンに潜る?」

 

カズマ

「そうだな、アクアは確定だとして・・・後は・・・」

 

賢治

「俺とカズマでいいんじゃないか?」

 

エルシャ

「そうね、カズマの冒険者の職業が活躍しそうね。」

 

 カズマの職業は冒険者。

 本職には劣るが、あらゆるスキルを覚える事が出来るのだ。

 真っ暗なダンジョンに入るのなら、非常に心強い。

 

カズマ

「そうだな。 アクアもいいか?」

 

アクア

「えぇ、もちろんよ。」

 

零子

「じゃあ、三人共これ着けて。」

 

 そう言って零子は大きめのアタッシュケースを取り出した。

 そこに入っていたのは、3本のスマートバックルだった。

 

カズマ

「え?! これって確か・・・」

 

アクア

「あ! 知ってる、これ仮面ライダー555に出てくるやつでしょ!」

 

賢治

「もしかして、試作品か?」

 

零子

「そう、三人にテストしてもらおうと思って。」

 

 確かに以前実践データが欲しいと言っていた。

 確かに、絶好の機会だろう。

 

アクア

「待って、これ私達が使って大丈夫なの?」

 

 アクアはオルフェノクにしか使えないこのスマートバックルに疑問を持っている。

 零子が問題ないと説明するとアクアはスマートバックルを見て。

 

アクア

(・・・そうだわ! これがあれば。)

「ねぇ、零子。」

 

零子

「うん?」

 

アクア

「お願いがあるんだけど。」

 

零子

「何?」

 

 アクアと零子が離れて何か話している。

 一体何をしているのだろうか?

 暫くすると、零子がサムズアップしてアクアが嬉しそうにしている。

 

 そして、俺とカズマとアクアはスマートバックルを腰に装着した。

 

賢治

「よし。 やるか二人とも。」

 

カズマ

「よっしゃ!」

 

アクア

「いくわよ!」

 

賢治・カズマ・アクア

「変身!」

 

 そう叫んで、スマートバックルのバックルの部分を縦から横に向きを変える。

 

 『Complete!』

 

 という音声が鳴ると、全身にライオトルーパーのスーツが装着された。

 着心地は先日テストした時と何も変わらないように感じる。

 だが、両二の腕、腰や太腿に、何かをマウントするような装置がついている。

 

賢治

「? 零子、これは何なんだ?」

 

零子

「それはね、武器をマウントする装置よ。」

 

カズマ

「武器? ライオトルーパーにそんなの有ったっけ?」

 

 ある筈が無い。

 ライオトルーパーの武器は基本『アクセレイガン』だけである。

 『ジャイロアタッカー』というバイクがあるが、あれは武器ではなく乗り物である。

 

零子

「皆んなには、この武器も試して欲しいの。」

 

賢治

「武器?」

 

 そう言って零子が出したのは、数個のアタッシュケースだった。

 ちなみに零子にも、俺の『宝物庫』のように、物を収納できる『道具箱(アイテムボックス)』と言うスキルがある。

 アタッシュケースはそこから出したのだ。

 

 ケースを開けると、中には銃や銃と連結して使用するグレネードランチャー、腕に装着するタイプの剣、近接戦闘用のナイフが複数。

 後、アタッシュケースかと思ったそれは、実はアタッシュケース型の折り畳み式のガトリングガンだった。

 この武器は・・・

 

賢治

「なぁ、この武器って。」

 

アクア

「G3ーXの武器じゃないの?」

 

零子

「そうよ。 ついでに作ってみたの。」

 

カズマ

「マジか。」

 

 この世界にこれだけの現代武器を持ち込んで良いのか、多少疑問に思うが今更である。

 テストをするからには持って行かなければならない。

 俺はガトリングガンの『GXー05:ケルベロス』を手に持って。

 カズマは銃の『GMー01:スコーピオン』、グレネードランチャーの『GGー02:サラマンダー』。

 アクアは剣の『GSー03:デストロイヤー』、ナイフの『GKー06:ユニコーン』をそれぞれ装備し、キールダンジョンに潜っていった。

 

 入り口から伸びている階段を降りていく。

 本来なら松明を使うか、スキル『千里眼』か『暗視』、もしくは俺の持つスキル『千里眼・改』がなければ暗闇での空間把握は容易ではない。

 しかし。

 

賢治

「・・・二人共、ちゃんと見えてるか?」

 

カズマ

「あぁ、バッチリだぞ。」

 

アクア

「便利よねこの機能。」

 

 俺達は今スキルなどに頼らず、ライオトルーパーに搭載されている暗視装置のお陰で、きちんと空間の把握ができている。

 

アクア

「まぁ、この装置がなくても私はちゃんと見えるけどね。」

「地上に堕ちて能力が制限されているけど、こんな暗闇くらい楽勝よ。」

 

賢治

「・・・あ! そうか、アクアは女神だっけ。」

 

アクア

「今更?!」

 

カズマ

「流石、宴会芸の神様だな。」

 

アクア

「違うわよ! 水の女神よ私は!」

 

 やっぱり、能力は制限されているんだな、アクアは。

 神様らしいチートな能力でも持っているんだろうか?

 アクアだとその能力を持て余しそうだが。

 

アクア

「それに、今回は私がいてラッキーよ。」

 

賢治

「? どう言うこと?」

 

アクア

「ダンジョンにはね、アンデッドが湧きやすいのよ。」

「そしてアンデッドは生者の生命力を目印にしてやってくるの。」

「つまり、アンデッドに潜伏系のスキルは効果が薄いの。」

「なら、水の女神にしてアークプリーストであるこの私の出番でしょ。」

 

 確かに、アンデッドがいるのならここまで心強い者はない。

 

賢治

「カズマ、前潜った時はどうだったんだ?」

 

カズマ

「確かに、アンデッドがいたな。」

「なかなか倒せないから、できるだけ発見されないように『敵感知』と『潜伏』のスキルを総動員してやり過ごしたが、アクアの言う通り、たまに発見される時もあったな。」

 

 なるほど、ますますアークプリーストの存在が不可欠なダンジョンになった訳だ。

 そんなダンジョンを単独で攻略したカズマも相当だな。

 

アクア

「まぁ、いざと言う時は私に任せなさいな。」

 

 アクアはそう言ってダンジョンを進んでいく。

 呑気に歌まで歌いながら。

 

 しかし、俺とカズマは不安を感じていた。

 だってアクアは幸運のステータスが1なのだから。

 正直どんなポカをやらかすか分かったもんじゃない。

 自分の女にこんな感情を抱かなければいけないなんて、悲しすぎる。

 

賢治

「なぁ、カズマ。」

 

カズマ

「なんだ?」

 

賢治

「俺さ、嫌な予感しかしないんだが?」

 

カズマ

「奇遇うだな、俺もだ。」

 

 そう口にしながら、アクアを見失わないように追いかける俺とカズマだった。

 その頃、入り口で荷物番をしている零子、エルシャ、めぐみんは・・・

 

 

 

 

ーダンジョン入り口前ー

 

零子side

 

零子

「・・・今のところ順調ね。」

 

 私はテントの前に貼ったフライシートの下で椅子に座りながらタブレット端末を見ていた。

 このタブレットには、ライオトルーパーになった三人のデータが逐一送られてきている。

 何やらアクアのテンションが上がっているようだが、何かいいことでもあったのだろうか?

 

エルシャ

「コーヒー淹れたけど、飲む?」

 

零子

「えぇ、もらうわ。」

 

 ダンジョンの前でコーヒー飲むとか、まるで山にキャンプに来たようなノリである。

 まぁ、いざと言うときは私達全員仮面ライダーに慣れるから、大丈夫だろう。

 それこそ、魔王軍の幹部クラスの強敵でもない限り。

 

零子

「・・・ところで、めぐみんは何してるの?」

 

エルシャ

「ん?」

 

めぐみん

「・・・我が力・・・我が刃? ・・・」

 

 先からめぐみんが杖を片手にポーズをとりながら、何やらブツブツ呟いている。

 

エルシャ

「あ〜、新しい詠唱を考えているんじゃない?」

 

零子

「詠唱って・・・爆裂魔法の?」

 

エルシャ

「そう。」

 

 ・・・そもそもめぐみんの爆裂魔法に詠唱なんて必要なのだろうか?

 爆裂魔法を使う度に、違った詠唱をしているんだけど?

 彼女の爆裂散歩に付き合ったことがあったが、たまに詠唱なしでぶっ放している時がある。

 私はやっぱり、『ただ格好良いから詠唱をしている』だけにしか思えない。

 

 ケン君曰く、紅魔族とはそう言う種族らしい。

 大人から子供まで全員が厨二病を拗らせていると言うことだ。

 ただ一人、ゆんゆんだけは普通の感性を持っている。

 ボッチだけど。

 

零子

「・・・なんて言うか、のどかね。」

 

エルシャ

「そうね。」

 

めぐみん

「・・・・・・我が狂気? ハッ!」

「我が狂気を以て、現界せよ! エクスプロー「ニャウ。」」

 

 私とエルシャはコーヒーを飲みながら、ケン君達の帰りを待った。

 めぐみんは、「これだ!」と言うフレーズが見つかったようで、爆裂魔法を撃つふりをしていた。

 エクスプロージョンのジョンの部分が、いつの間にか着いて来ていたちょむすけの鳴き声と重なった。

 

 ・・・うん、ホノボノしている。

 

 

 

 

ーダンジョン最新部ー

 

賢治side

 

 俺達は、ダンジョンの最深部にまで来ていた。

 ここまで順調に進むことができていた。

 出てくるモンスターも、正直大した事が無かった。

 それだけ俺達が強くなったと言うことだろう。

 

 地図によると、この先に隠し通路があるようだ。

 

カズマ

「以前はわからなかったけど、よく見るとここの壁だけ他と違うな。」

 

賢治

「本当だな。」

 

 他の壁はごく普通だが、目の前の壁はまるで横に動いたような傷跡がある。

 不自然に出っ張っている壁の一部を押すと、やはり壁が左右に開き、通路が現れた。

 

アクア

「この先が未知の領域ね。 お宝いっぱいあるかしら?」

 

賢治

「ここまで来て収穫無しだったら、それはそれで悲しいな。」

 

カズマ

「ここに来た理由の大半がアクアの財布の為だけどな。」

 

アクア

「も・・・もちろん感謝してるわよ。」

 

 そんなことを言いつつ、俺たちは先に進む。

 しかし、案の定というか少し進んだ通路の先から得体の知れない気配が感じられた。

 

 何本目かも分からない降りの階段を降りていると、獣の唸り声のような音が響いた。

 俺は咄嗟に身構えて、カズマとアクアは「ヒッ!」と小さく悲鳴をあげた。

 

アクア

「・・・ねぇ、私の曇り無き目には、カズマがオドオドしながら降りていく姿がバッチリ見えてるんだけど?」

 

カズマ

「こっちだって、お前が物音がする度に一々ビクついている情けな〜い姿がちゃんと見えてるぞ。」

 

賢治

「やめろよ。 怖いのを紛らわせる為に罵り合うのは。」

 

 まぁ、ぶっちゃけ俺もさっきからヤバいくらいに心臓がバクバク言ってるけどな。

 顔に出ていなければ良いけどな。

 知られた時は開き直るしかないが。

 

賢治

(・・・いや、変身しているからその心配はないか。)

 

カズマ

「うん?」

 

賢治

「カズマ?」

 

 カズマが階段の先を見ている。

 すると、左の親指を立てて後ろに向かってクイクイと動かす。

 『後ろに退がれ』と言う事だろう。

 しかしアクアは。

 

アクア

「何々、この私に指芸披露?」

「ちょっと明かり点けなさいよ。 影で狐や兎なんて生温いのじゃなく、機動要塞デストロイヤーを見せてやるわ!」

 

 アクアのには通じなかったみたいだ。

 呆れたカズマが。

 

カズマ

「違うわ! 敵が来ているから後ろに退がれってジェスチャーしたんだよ!」

 

 思わず大声を出してしまった。

 俺の敵感知のスキルでも察知していたが、結構な勢いでこっちに向かってきていた。

 数は1匹だけなのがせめてもの救いか?

 

賢治

「カズマ!」

 

カズマ

「わかってる!」

 

 俺とカズマはアクセレイガンをナイフ形態で抜刀すると、こっちに近付いてきた『何か』を切り裂いた。

 

???

「ギエエエエエエエエエ!!!」

 

アクア

「ヒィ!」

 

 ドサッ! と音を立てて階段に落ちる『何か』。

 そうやら今の一撃で倒すことができたようだ。

 

カズマ

「なんだコイツ?」

 

賢治

「さぁ? 見たことがないな。」

「『敵感知』や『千里眼』でも、正体までは分からないからな。」

 

アクア

「『グレムリン』って言う下級の悪魔ね。」

「こう言うダンジョンでたまに湧くのよ。」

 

 そんな蝿や蚊みたいな言い方。

 女神にとって悪魔は滅ぼすべき敵らしいから、仕方ないのだろうか?

 

 それから奥へ進み、幾つもの降りの階段を通って行くにつれ不気味になっていく。

 

カズマ

コツン「うん?」

 

 カズマの足に何かが当たった。

 そこにあったのは。

 

カズマ

「フワァー!!! ・・・ってなんだ、冒険者の亡骸か。」

 

 人間の白骨死体だった。

 こんなに深くまで潜ってきた冒険者がいたようだ。

 しかし、ここで力尽きてしまったのだろう。

 

アクア

「・・・二人共、ちょっと待ってて。」

 

賢治・カズマ

「?」

 

 アクアはそう言って亡骸に近づき、手をかざす。

 

アクア

「この暗く冷たいダンジョンに彷徨う魂よ、安らかに眠りなさい。」

 

 すると、アクアを中心に青白い魔法陣が出現し、亡骸が消えていく。

 成仏したってことだろうか?

 

賢治

「アクア、何したんだ?」

 

アクア

「? 成仏させてあげただけよ。」

 

 やっぱりそうだ。

 流石は女神であり、アークプリーストだな。

 そしてそこからは正に『アクア無双』と言う言葉がしっくり来る展開になった。

 

 通路の先から複数のアンデッドが出現したのだ。

 だが、アクアの『ターンアンデッド』により、片っ端から浄化されていったのだ。

 今日のアクアはいつもとは一味違い、とても頼もしかった。

 

 通路を進んでいる最中も『ターンアンデッド』が途絶えることがなかった。

 なぜか偶に『花鳥風月』を使っていたが。

 そして良い加減面倒になったのか、渾身の魔力を乗せた『ゴッド・ブロー』が炸裂し、目に映るアンデッドだけでなく、このフロア一帯のアンデッドが軒並み成仏していった。

 

アクア

「ふぅ〜。」✨✨✨

 

 大量のアンデッドを浄化しまくってスッキリしたのか、満足そうな顔をしている。

 心なしか、肌に艶が出ているような気がする。

 

カズマ

「正直、アクアが一緒でよかったな。」

 

賢治

「だな、まさかあんなに大量のアンデッドがいるなんてな。」

 

アクア

「ね! 私がいてよかったでしょ。」

 

カズマ

「・・・でもおかしくないか?」

 

アクア

「何が?」

 

カズマ

「アンデッドの数が多すぎないか?」

「こんなの、アークプリーストが複数人いないと、無理ゲーもいいところだろ。」

 

 確かに、これだけのアンデッドがいるなんて異常だ。

 アンデッドとは『生きる屍』と書く。

 つまり、元は人間ということだ。

 つい最近まで発見されていなかったこの未調査エリアにこれだけのアンデッドがいるのなら、それだけの数の冒険者が死んだという事になる。

 そうじゃ無いと言うのなら、どこかにこのアンデッドを『呼び出す』なり『創り出す』なりした奴がいるという事になる。

 

アクア

「! 待って・・・なんかまだアンデッドの気配(におい)がするわね。」

 

賢治・カズマ

「え?!」

 

 アクアがそう言ったので、俺も『敵感知』を発動する。

 しかし、反応がない。

 何度か試してみたが、やはり反応がない。

 

 その間アクアは、突き当たりの壁の匂いを嗅いでいる。

 そんなので分かるのだろうか?

 

カズマ

「・・・何もないんじゃないか?」

 

アクア

「? おかしいわね。 確かに感じうわっ!?」

 

 アクアが壁に手を触れた瞬間、壁が粒子の様に消えて、部屋が出現した。

 その際、アクアが後ろへ倒れてしまった。

 

賢治

「大丈夫かアクア。」

 

アクア

「え、えぇ・・・変身しててよかった。」

 

 ライオトルーパーのスーツのお陰で怪我はないようだ。

 生身だったら地面に頭部を打ち付けていただろう。

 

???

「・・・・・・そこにプリーストがいるのか?」

 

賢治・カズマ・アクア

「え?!」

 

 誰もいないはずの部屋の中から声がした。

 咄嗟に俺はアクセレイガンを抜刀し、構える。

 

???

「初めまして、私はキール。」

「このダンジョンを作り、貴族の令嬢を攫った・・・悪い魔法使いさ。」

 

 

 

 

 ここで少しだけ、大魔術師キールについて語ろう。

 

 生前彼はしがない魔法使いの一人だった。

 ある日、街で偶然出会った貴族の女性に好意を抱くが、身分違いな上にその女性は国王と政略結婚することになった為、自身の恋を諦め魔法の研究に没頭することになる。

 

 すると彼は、いつの間にか『大魔術師キール』と呼ばれる様になり、その力で国の危機を救うという偉業を成し遂げる。

 当時の国王に褒美として、「どんな望みでも叶えよう」と言われ、彼が願ったのは・・・

 

 かつて自分が愛した貴族の女性の幸せであった。

 

 キールが愛した女性は、王へのご機嫌取りのために嫁がされたが、王には可愛がってもらえず、場内でも他の妻達から虐げられていた。

 キールは言った「要らないのなら私にくれ!」と・・・

 

 

 

キール

「・・・という訳で私はその御令嬢を攫ったのだよ〜。」

 

カズマ

「・・・つまりアンタは悪い魔法使いどころか・・・」

 

賢治

「良い魔法使いじゃないのか?」

 

キール

「そういう事になるのかな〜。」

「それでそのお嬢様にプロポーズしたら、二つ返事でOK貰ってね〜、二人で愛の逃避行を続けながら王国とドンパーティ(ドンパチ)やらかした訳さ〜。」

「いや〜、あの頃は楽しかったな〜。」

 

 どうにもイマイチ緊張感がない。

 話を聞くために変身を解いた俺達の目の前にいるのはウィズと同じ最上級のアンデッドの『リッチー』である。

 久しぶりに他の人に出会ってテンション上がっているのだろうか?

 こんなにイキイキしているアンデッドって、どうなんだろう?

 

カズマ

「俺・・・自分の中のアンデッドのイメージが崩れていくんだけど?」

 

賢治

「俺もだ。」

 

アクア

「ウゥ〜、アァ〜、コォ〜・・・」

 

 て言うかさっきからアクアが紅魔族ばりに瞳を真っ赤にして、今にもキールに襲い掛かりそうになっている。

 その仕草だけを見れば、まるで『ゾンビ』みたいだ。

 

キール

「あ! ちなみに攫ったお嬢様というのはそこで横になている彼女だよ。」

 

 奥にあるベッドにはドレスを着た白骨死体が横になっていた。

 なんとなくだが、安らかに息を引き取ったような感じがする。

 

キール

「どうだ〜、鎖骨のラインが美しいだろ〜。」

 

 と言われても、リッチーの感性はよく分からん。

 相当愛していたのか、『美しい!』を連呼している。

 アクア曰く、お嬢様は何の悔いも無く安らかに成仏しているらしい。

 

 そして、キールは俺達、というかアクアに自身を浄化してほしいと頼んできた。

 キールはお嬢様を守る逃避行の道中に負傷し、お嬢様を守るために人であることを捨て、リッチーになったらしい。

 しかし、お嬢様が天寿を全うし、彼女のいないこの世界に生きる意味を見出せず、じっとこのダンジョンで朽ちるのを眠りながら待っていた。

 

 そんな時に俺達がやってきたのだ。

 とてつもない神聖な気配を感じて、キールは長い眠りから目覚めたのだ。

 リッチーの彼は自殺はできないため、これがお嬢様の元へ行ける最後のチャンスだと言う。

 

アクア

「・・・神の理に逆らい、自らリッチーとなったアークウィザード・キールよ。」

「水の女神・アクアの名において、あなたの全ての罪を赦します。」

 

 魔法陣を描き終えたアクアが、キールを浄化し始める。

 今この瞬間のアクアは、普段の姿からは想像もできないくらい、女神っぽく見えた。

 

アクア

「目が覚めたら、貴方の前には『エリス』という女神が現れるでしょう。」

「もし貴方が望むのなら、それが男女の関係で無くとも構わないと言うのなら、彼女に願いなさい。」

「『もう一度お嬢様に合わせてほしい』と、彼女ならその望みを叶えてくれるでしょう。」

 

キール

「感謝します。」

 

アクア

「・・・『セイクリッド・ターンアンデッド』。」

 

 アクアがそう唱えると、魔法陣がさらに強い光を放ち始める。

 次第にキールの体が光の粒子になり、姿が透けて見える様になる。

 ベッドで横になるお嬢様の亡骸も、光の粒子になっていく。

 

キール

(・・・妻よ、今行く。)

 

 キールの姿が完全に消えると、残っているのは俺達だけになった。

 お嬢様の亡骸も無くなっている。

 

賢治

「・・・キールは格好いいやつだったな。」

 

カズマ

「だな。 ・・・けどさ。」

 

賢治

「うん?」

 

カズマ

「あの二人は、逃げ続ける人生だったんだぜ。」

「本当に幸せだったんだろうか?」

 

 確かに、逃げ続ける人生というのは相当精神をすり減らすに違いない。

 そんな生活が、果たして幸せだったのか?

 ・・・それは本人達にしか分からない。

 けど。

 

アクア

「・・・少なくとも、お嬢様は安らかに成仏してたんだもの、きっと幸せだったに違いないわよ。」

 

賢治

「・・・そう信じようぜ。」

 

カズマ

「そうだな。」

 

 その後俺達は、キールに譲ってもらった彼の遺した財産を手に、再度変身してダンジョンの出口へ向かった。

 その時、キールのある一言を思い出した。

 

賢治

「なぁ、アクア。」

 

アクア

「何?」

 

賢治

「キールがさ、とてつもなく神聖な気配を感じて目覚めたって言ってたよな?」

 

アクア

「言ってたわね。」

 

 つまりである。

 

賢治

「このダンジョンでやたらアンデッドに遭遇するのって、アクアと一緒にいるから・・・じゃないよな?」

 

アクア

「ハッ!??」

 

カズマ

「・・・」

 

 場が凍りついた。

 それはほんの一瞬だったが。

 俺達はその一瞬がなんだか凄く長く感じた。

 

アクア

「・・・そそそそそそ、そんなこと・・・ない、と・・・思うけど。」

 

 俺とカズマはアクアから3歩分くらい離れた。

 

カズマ

「・・・そう言えば、以前デュラハンが攻めてきた時、お前手下のアンデッド達にたかられてたよな。」

 

 確かにその通りだ。

 以前はアクアに救いを求めて群がっているんだと思ったが、今回の一件でどうも違う様に思えてきた。

 多分アクアは『無自覚にアンデッドを引き寄せる』体質なんじゃないだろうか?

 

アクア

「ね・・・ねぇ賢治、カズマ、なんでそんなに距離を取るの?」

「いつモンスターに襲われるか分からないし、私達もっと近くにいた方がいいと思うの。」

 

賢治・カズマ

「・・・」

 

 何も言わずに、俺とカズマはアクアから離れようとすると。

 

アクア

「ちょ! 待って待って! 二人とも私を一人にしないでよ!」

 

カズマ

「断る! お前ならその無尽蔵の魔力でいくらでも祓えるだろ!」

「俺達を巻き込むな!」

 

賢治

「おいおい、さっきの勢いはどこ行った!」

「水の女神の本領発揮だろ!」

 

アクア

「嫌よ! 他のモンスターだっているんだから! お願いだから1人にしないで!」

 

 そんなやり取りをしている内に、『敵感知』のスキルに反応がある。

 『千里眼・改』で見てみると、周囲の通路から俺達・・・と言うかアクア目掛けてアンデッドがやってきていた。

 カズマは咄嗟に『潜伏』のスキルを発動して身を隠した。

 

アクア

「ちょ! カズマ!」

「何一人で『潜伏』使ってるのよ!?」

 

賢治

「カズマのやつ。」

 

 とわいえ、スキル『対象発見(ロケート・オブジェクト)』と『知覚強化』のお陰で、どこに隠れているか大体わかるが。

 こうなってしまったら仕方が無い。

 

賢治

「アクア、付き合ってやるからお前も戦えよ!」

 

アクア

「え?! いいの?」

 

賢治

「自分の女を置いて逃げられるかよ。」

 

アクア

「ーーーーーっ!!」//////

 

賢治

「レッツ・アンデッド・スレイヤー!!」

「大人しく俺達の経験値になれえええぇぇぇ!!!」

 

 半ばやけくそ気味にアンデッドの集団に戦いを挑むことになった。

 素手やアクセレイガンの『ブレードモード』での接近戦や、ケルベロスによる射撃戦。

 アクアは『ターンアンデッド』を主軸に、デストロイヤーやユニコーンで片っ端からアンデッドを切り裂いていく。

 

 途中から、隠れていることに罪悪感を感じたのか、カズマも戦闘に参加した。

 スコーピオンで確実にヘッドショットを決め、サラマンダーのグレネード弾で複数を吹き飛ばしていた。

 スコーピオンとサラマンダーの弾が切れたら、アクセレイガンの『ガンモード』の二つある機能の一つ『ライフル・シューティングモード』で戦っていた。

 

 結構な数のケルベロスの予備弾倉を持って来ていた筈が、気が付いたら全弾使い果たしていた。

 アクアのデストロイヤーが途中で超高周波振動が止まってしまうと言う、誤作動が起きた。

 まだまだ改良の余地がありそうだ。

 

 ちなみにこのライオトルーパー、本来は搭載されていない『ファイズポインター』が『ミッションメモリー』を装填した状態で標準装備されている。

 右足に『エナジーホルスター』が付いており、そこに『ファイズポインター』を装着すると、エネルギーが充填され満タンになると『エクシードチャージ』され、足先を対象に向けるとポインティングマーカーが発射され、仮面ライダー555の必殺技『クリムゾンスマッシュ』が使えるのだ。

 

 とは言え、本来の威力は17tの破壊力があるが、ライオトルーパーの場合は半分の8tになっている。

 しかもエネルギーを充填すると言う間があるため、連発ができない。

 『ファイズ・アクセルフォーム』みたいに1000倍に加速すれば出来なくも無いが、本家『ファイズ・アクセルフォーム』に比べると複数ロックオンの使用回数が減ってしまうだろう。

 

 話はそれたが、流石にやばい状況になったので、アクアが渾身の『ゴッド・レクイエム』を放ち、アンデッドを浄化した。

 またアンデッドが湧いて来ない内に、俺達は急いで出口に向かうのだった。

 

 

 

 

ーキールダンジョン 出口ー

 

めぐみん

「三人共、大丈夫ですか?」

 

零子

「うわ〜、武器がみんなボロボロね。」

 

エルシャ

「はい、お水。」

 

賢治

「おう、ありがとう。」

 

 なんとか出口に到達した俺とカズマとアクアは、疲労困憊だった。

 途中、アクアの足が攣ってしまって走れなくなったので、俺がお姫様抱っこで運んだお陰で余計に疲れた。

 

 ライオトルーパーの性能テストはうまく行ったみたいで、「いいデータが取れた」と零子は言っていた。

 後は小さな修正を繰り返し、バグ取りをしたらいよいよ完成である。

 

 しかし、今回の一件で俺は思った。

 「二度とアクアと一緒にダンジョンには行かない」と。

 

 アクセルの街に帰った俺達は、ギルドに報告に行った。

 案の定報酬は出なかったが、ダンジョン内で見つけたものは俺達の物になった。

 これでまた暫くアクアの財布の中身は心配ないだろう。

 キールから譲って貰った財産は、少しずつ有難く使わせて貰おう。

 

 その日の夜は久しぶりの冒険で大成功した事を祝って、盛大に飲み食いした。

 あいも変わらずアクアの宴会芸スキルは、ギルドの連中に人気で上機嫌のアクアは惜しみなく宴会芸を披露していた。

 悪酔いしたアクアが飛電インテリジェンスのトイレで戻していたのは、まぁいつもの事である。

 にもかかわらず、その日アクアは零子と遅くまで話し込んでいたみたいだが、何をしていたんだろうか?

 その理由は、次の日に分かった。

 

 

ー次の日ー

 

アクア

「・・・ジャーン!」

 

 その日、屋敷のリビングに集まった俺達の前に、アクアが両手でベルトを掴んで見せてきた。

 

めぐみん

「アクア、どうしたんですかそのベルト?」

 

 一見すると、先日使っていたスマートバックルみたいだが、色が違う。

 バックルの部分の『SMART BRAIN』と書かれていた部分が『REIKO FACTORY』に変更され。

 メタリックブラウンの部分がメタリックブルーに、ベルトの部分レッドからホワイトにカラーチェンジされている。

 

アクア

「これで私も仮面ライダーに変身できる様になったのよ。」

 

エルシャ

「もしかして、昨日のライオトルーパー?」

 

アクア

「そう! 零子に頼んで、私用に調整して貰ったのよ。」

 

零子

「昨日アクアに頼まれたのよ。」

 

 零子によると、基本的な性能は先日のライオトルーパーと同じ性能である。

 各種武器の使用が可能な所と、ファイズポインターが標準装備なのも同じ。

 

 違うのは、カラーリングとアクアの使う神聖魔法が強化されると言うところだ。

 『ターンアンデッド』は勿論だが、アクアが使う補助魔法も強化されるらしい。

 

アクア

「いざという時、足手纏いにはなりたくないから。」

 

 仮面ライダーになれない自分に不安を感じていたのだろうか?

 確かに、ライオトルーパーは歴代の量産型仮面ライダーの中でも、そんなに強い方ではない。

 数に物言わせてファイズを倒したことがあったが。

 

 俺も転生前に気になって調べて分かったが、ライオトルーパーはG3とメイジより強く。

 黒影トルーパー、ライドプレイヤー、ダークネクロムより弱い。

 唯一スペックで拮抗しているのが、なんとあの『仮面ライダー純』こと『量産型仮面ライダーマッハ』なのである。

 

 まぁ、いざという時に無いよりはマシだろう。

 

カズマ

「と言うことは、俺達のパーティ全員仮面ライダーに変身できるようになったってことか?」

 

賢治

「あ! 確かに。」

 

 いまだに修理中のルミを入れて、全員が仮面ライダーに変身できるなんて、なんだか感慨深い。

 

アクア

「改めて、みんな宜しく!」

「今日も頑張って行きましょー!」

 

「「「「「おぉー!!!」」」」」

 

 と、俺達が意気込んでいる時。

 

???

「カズマ! 賢治! 大変だ! 大変なんだ!」

 

賢治・カズマ

「うん?」

 

 リビングの扉が勢いよく開き、そこにドレスを着た美女が立っていた。

 

「「「「「「・・・だれ?」」」」」」

 

 




 と言う訳で如何だったでしょうか?

 アクアの変身についてですが、一時的な物で正式な変身ではありません。
 一応、どのライダーにするか?
 自分の中では決めているので、とりあえず待ってください。

 次回は本当にお見合い回です。
 しかし、オリジナルストーリーです。
 ライダーシステムだけでなく、他にも色々売り込みます。

 ところで、仮面ライダーギーツについて語りますが。
 この調子で参加ライダーが減っていくと、デザイアグランプリは何回も繰り返す事になりそうですね。
 第一話から、恐らく最終ステージに残れるのは三人までになると思います。
 グランプリ終了時点で三人とも生き残っていたら、次回のデザイアグランプリへの参加資格が得られるんじゃないでしょうか?
 前回参加者の、浮世英寿(仮面ライダーギーツ)や吾妻道長(仮面ライダーバッファ)がそうだったように。

 浮世英寿の目的は『人探し』である事が判明しましたね。
 前回グランプリで『自分の望む世界』を手に入れた彼が今回のグランプリに参加したのは、人探しをする上で、今の世界でないといけないからなのか?
 それとも何か別の理由があるのでしょうか?

 桜井景和(仮面ライダータイクーン)が妙に運がいいのは、ちゃんと理由があるみたいです。
 確かな情報ではないですが、彼が使うタイクーンのIDコアには『持ち主の運を上昇させる』という機能があるらしいです。
 彼の元に『ブーストバックル』がやって来るのもこのIDによるステータス修正のお陰らしいです。
 実にゲームっぽい設定ですね。

 次回、鞍馬祢音(仮面ライダーナーゴ)はどうなるんでしょうか?
 平成第二期から少しづつ増えている、数少ない女性仮面ライダーですから、彼女には生き残ってほしいです。
 小金屋森魚(仮面ライダーメリー)や墨田奏斗(仮面ライダーダパーン)は脱落しそうですね。

 自分の中では、仮面ライダータイクーンが物語中盤あたりで脱落。
 仮面ライダーギーツが最終回十話前くらいで脱落。
 仮面ライダーバッファが最終話まで残りそうだと予想しています。

 何となくこの状況を見て、仮面ライダー龍騎が頭に思い浮かびました。
 それに照らし合わせたところ、タイクーンが仮面ライダーライア。
 ギーツが仮面ライダー龍騎。
 バッファが仮面ライダーナイト。
 あくまで自分のイメージですけど。

 仮面ライダーナーゴが次回で生き残ったら、正直どうなるかわかりません。出来れば最終回まで生き残ってほしい。
 ジャンヌやアギレラみたいに。

 後どうでも良いですけど。
 仮面ライダーギーツが白に赤色。
 仮面ライダータイクーンが黒に緑色。
 ・・・・・・赤いきつねと緑のたぬ・・・ゴホン!

 さて、長く語りましたが次回も宜しくお願いします。
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