ISー兎協奏曲ー第二楽章   作:ミストラル0

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今回も一試合だけになってしまいました。
紫音達の初陣ははてさてどうなるのか?


13話 一回戦③

一回戦も三試合が終わって次が第四試合。

対戦カードはα組のチーム・パープルラビッツとγ組のチーム・メガネーズ。

そのパープルラビッツを率いる紫音は初めての公の場での試合に緊張を隠せないでいた。

 

「はぁ………」

 

「おっ?緊張してんのか、紫音」

 

「レオン………ちょっとね、でも僕よりもシアハートさんの方が心配かな?」

 

「あ〜、確かに仲間内のは慣れてきたみたいだが、この観衆だもんなぁ」

 

そのイクスはチームメイトの日向や飛鳥に励まされていた。

 

「大丈夫?イクス」

 

「………うん、何とか」

 

「前衛は私とレオン君、それから紫音君がやるから」

 

レオン、日向、イクス、飛鳥のISはレオンと飛鳥が鋼、日向がリヴァイヴⅡ、イクスがブルー・アクシスを選択しており、パックはそれぞれレオンが隼、飛鳥は村正を、日向はミラージュ、イクスはSパックをセレクト。

対するチーム・メガネーズはやや砲撃タイプに偏った編成で、リヴァイヴⅡのアルカンシェル、鉄竜の炎牙が2機、ブルー・アクシスのDパックが1機、ハイゼのハイザ装備が1機。

しかし、高速切替の技能が無くとも少し時間を掛ければ戦闘中のパック交換も可能で、高速切替の技能を有していれば先の試合のように一瞬で装備が切り換わるという厄介な機能があるので油断は出来ない。

 

『さてさて、今回の試合の見所は?』

 

『砲戦装備が多いメガネーズに対してやや近接に寄ったパープルラビッツがどういう戦いを見せるか、ですかね』

 

「よし、皆行こうか!」

 

「おう!」

 

「は、はい!」

 

「先輩の前で無様は晒せませんからね」

 

「ははは、ひなちんはブレないなぁ」

 

チーム・パープルラビッツ………紫音の初陣が始まる。

 

***

 

「よろしくお願いいたします」

 

相手のメガネーズは全員が今時珍しい眼鏡愛用者で構成されたメンバーで、各々眼鏡の種類は異なっているもそれぞれサブディスプレイとしての機能を付与しているそうだ。

ちなみにリーダーの半田尚子(はんだなおこ)は赤いコンビフレームのアンダーリムの眼鏡を着用しており、ISは鉄竜の炎牙のバックパックに大型ミサイルランチャーを増設した仕様を使うようだ。

 

「よ、よろしく」

 

何故か全員揃って眼鏡を光らせている様子に少し気圧されかけた紫音だが、開始位置に移動してからは落ち着いてメガネーズの作戦を探る。

 

「多分開幕ブッパしてから何かしらアクションがあると思うな」

 

「そりゃ、皆してあれだけ大きなミサイルランチャー背負ってたらねぇ」

 

「スモークとフラッシュを混ぜ込んで視界を潰してから装備を切り換えてくる可能性もあるね」

 

上からレオン、飛鳥、日向の意見である。

そこへ紫音がある提案をする。

 

「………その開幕の弾幕、利用出来ないかな?」

 

「何か企んでるな?相棒………で、何をやるんだ?」

 

「この作戦の鍵はシアハートさんにあるんだ」

 

「えっ?私ですか!?」

 

その後、紫音が作戦を伝えるとレオン、飛鳥、日向の三人はそれに賛同する。

 

「面白えじゃん、乗った」

 

「私も私も〜」

 

「で、でも、私に務まるでしょうか?」

 

「大丈夫よ、私がフォローするから」

 

「う、うん」

 

「それじゃあ、勝ちにいこう!」

 

「「お〜!」」

 

「お、お〜」

 

***

 

試合開始直後にやはりメガネーズは一斉にバックパックのミサイルを広域展開してきた。

 

「シアハートさん!」

 

「は、はいっ!行って!BTビット!」

 

それに対してイクスがSパックの追加分も含めたBTビットを展開してミサイルをマルチロックオンで迎撃。

日向の予想通りにスモークも混ざっていたミサイルが紫音達の視界を遮ってしまうも、メガネーズが想定していた位置より前で迎撃されてしまったせいでメガネーズも視界を奪われる形になってしまった。

 

「くっ、皆警戒して!」

 

尚子がそう告げるも既に遅く………

 

「おうらぁ!」

 

煙幕を突破してきたレオンがピアッシングシールドでハイザ装備のメンバーを殴り飛ばし、

 

「私もいるよ〜!」

 

蓮華と雛菊の近接ブレード二刀流でアルカンシェル装備のメンバーを強襲する。

 

「何故私の位置が!?」

 

「タネも仕掛けもあるんだな、これが!」

 

動揺するもう一人の炎牙装備のメンバーを蹴り飛ばしながらレオンは種明かしをする。

 

「さっきのミサイル攻撃を迎撃した時にこいつをそっち側に潜り込ませてたのさ!」

 

それは追加オプション装備の一つである長距離偵察用のカメラビット。

そう、イクスがミサイルを迎撃した際にこれを煙幕に紛れてメガネーズ側に送り込んでおり、その映像から位置を算出してデータリンクでメンバーに情報を共有させていたのだ。

 

『へぇ〜、面白いオプション持ち込んでるな、あの娘』

 

『あれって確か長距離狙撃のスポッター用のオプションだったわね』

 

『ああ、でもこのアリーナでの戦闘ではアレを使うって発想が中々出来ないから持ち込んでくるとは普通思わねぇわな』

 

『けど、狙撃用ってことは………』

 

『そういう事だよな』

 

二人の言わんとしている事は直ぐに明らかとなる。

 

「ぐぁ!?」

 

「狙撃!?いや、ビットからの攻撃?」

 

「おかしい!私達のスモークの効果時間はとっくに………まさか!?」

 

「………囲い込むつもりが逆に囲い込まれたようね」

 

そこで尚子は自分達が置かれている状況を把握する。

紫音の作戦とは相手の目眩ましを逆に利用してメガネーズの視界を奪い、自分達はイクスのカメラビットで位置を把握。レオンと飛鳥に煙幕に紛れた一撃離脱戦法をさせつつ、自分は追加の煙幕を撒き、イクスにはビットとライフルによる多角狙撃、日向にはイクスの護衛をさせるというものだった。

 

「お見事と言うべきね………貴方達の勝ちよ、天野紫音君」

 

「偶々そちらの思惑とこっちの作戦が噛み合っただけさ」

 

「謙遜は過ぎると嫌味よ?」

 

「それは失礼………なら半田さん達の分も二回戦で頑張らせてもらうよ」

 

「そう、応援させてもらうわ」

 

最後に残った尚子を紫音が撃破した事で第四試合は紫音達チーム・パープルラビッツの勝利となったのであった。

 




兄兎もニッコリの紫音の作戦勝ち。
メガネーズの作戦は視界をスモークや爆煙で塞いだところに飽和砲撃で数を削り、残った相手を数の暴力で圧倒するというものでした。
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